漕ぎ日よりで三浦に出かける。午前中は北風が残りそうだけど、午後は風が落ちる予報。ちょっと朝一人で一周りしてから、大先輩のツアー組に合流するつもりででかける。
最近ダイヤ改正が入って、三崎口でのバスの乗り継ぎが便利になった。コンビニで二十分潰す必要なくスムーズにバスに乗りついでクラブハウスにつく。
支度をして入江に浮かぶと、まだ結構北風が抜けている。どんなもんかと漕ぎ出して堤防を回って海の様子を見る。風裏で風浪は無いけどうねりっ気は感じながら岩場のポイントを目指す。途中風の抜けるポイントをそれなりに頑張って漕ぐけど、今日は汗をかきたくない。
朝出るときにクラブの出艇簿を見ると、大先輩の帰り予定時刻が6時になっている。これは海況によってはのんびり夕日まで楽しむつもりかなと思ったので、できるだけ体をドライに保ちたい。まだまだ夕方になると汗冷えするから。
それでタラタラと漕いで岩場のポイントまでやってきた。もちろんサーファーはいない。だけどカヤックで遊ぶにはちょうどいい具合にうねりが立ち上がってくる。3本ほど遊んだら崩れ波で結局肩までずぶ濡れだけど、一日かけて乾かせばいいや。
そろそろ良い時間で小網代の入江に戻る。ちょうどツアー組が出てくるところで、早速また水に浮かぶ。ビジターさんは古株で、そういえば僕がクラブに入会の申込みをした日に一緒にツアーに参加してた。それからも時々漕ぎに来てくれて勝手に同期に思っている。相変わらずの様子で嬉しい。
総勢7艇で思い思いに漕いで長津呂崎を周り、赤羽根海岸先の洞窟の浜に舟を上げた。時々うねりが入るので気をつけながら、皆無事に乾いた状態で昼休み。
この浜は南以外の風は崖が止めてくれて、日差しもたっぷりあって暖かいどころか、座ってるだけでじんわりと汗がにじむ。車座をしてみんなでたっぷりと熱を体に染み渡らせる。
中に一人、椅子を持ってきたメンバーがいた。ジベタリアンにこの文明的な後輩は囲まれている。その横では筋トレ後輩が寝転がって、寝息がいびきに変わりそうな瞬間に足が軽く飛び上がってまた静かになる。そうして暦の春に変わったおひさまに服をパリパリに乾かして貰った。
帰り道はさらにペースを落としてのんびりと漕ぐ。スリムな後輩と筋トレ後輩は物足りないと見えて、横瀬島まで行ってくると言って一旦分かれた。文明的な後輩ともう一人は早めに上がるというのでビューっと長津呂崎をまわって消えていった。
残り3人で漕ぐとも流されるともつかず、静かな海を過ぎていく。どこに行くでもなく、日がな一日海に浮かんで過ごしたい。そういう気持ちを満足させるために絶好の日だ。
とはいえ、諸磯に入ってちょっと波が立つのを見たら人が変わったように舟を入れて遊ぶ。大先輩も同じだ。ビジターさんも続いてきて、ひとしきり波を待っていたら、横瀬島組がもう追いついてきた。ガンガン漕いだろう。つくなり暑くてロールしてた。それでまた動き出したけど、僕らののんびりペースにはあっという間に体が冷えて、体動かして先に行くという。それを見送って俺の浜までまたのんびりと漕ぎ、そこで舟を上げて日が沈むまで見送った。
さて、日が沈んだらまだまだ寒い。ここまでは頻繁に手を止めてカメラをいじりながらだったビジターさんも一緒になって、普通のクラブペースで漕いでするりと入江まで漕ぎきった。堤防から顔を上げるとちょうど三戸浜の尾根筋の上に満月が見えた。