始発よりは遅い時間で動き出す、だいぶ寒さが緩んだ気がする。三崎口で電車を降りるときにちっこい後輩と一緒になった。この週末に熊野川をキャンプしながら漕ぎ下るクラブのプランがあったけど、荒天の予報でキャンセルになったから漕ぎに来たのだそうだ。
バスでクラブハウスについて支度を始めると後輩が声を上げた。幾つかの道具を大先輩の車に積み込んでしまい、特にパドリングジャケットが無い。貸せる服も無いし、変な道具で万が一があっても困るしと、車が荷降ろしにくるまで近所を散歩しに出ていった。
それで一人で海に浮かぶ。水が透き通っていて気持ちがいい。どこに行っても底まで見える。網代崎は静か。うねりも風浪もなく薄い雲が点々とある空は気持ちがいい。
なんとなく北に舟を向けて黒崎の鼻、佃嵐崎まで向かう。崖の家のポニョっぽい感じに歌がついて出てくる。
バターロールみたいな雲が等間隔に浮かんでる。うろこ雲、風紋、波紋、自然の中にある整った繰り返しはみんな何かの振動なんだろう。
日射しの中にある熱が上着を通して肌にとどく。もう春の太陽だ。朝、家を出たときに吸い込んだ空気も春の匂いがした。まだ寒くなったり暖かかったりだけど、はっきりと冬の終わりを感じた。
そろそろ他の人たちも出てくるかなと、南に折り返す。網代崎でレース艇を見かけて、僕も力いっぱい漕いで見たけど全然おいついけない。いつものことだけど、少しは早くなってるのかな。
諸磯の入江でまた引き返し、小網代の堤防に入るとメンバーが二人出てきた。ちっこい後輩と遊び慣れた先輩。荷降ろしが終わって支度ができたそうでめでたい。まだ風がないのでまた南の黒鯛込まで引き返す。
三人でトンネル堤防をくぐったら堤防の隙間がとても青かった。潮が綺麗で下まで光が届かないとこの色はでないな。春だけの堤防ブルーか。
網代崎の周りは魚が一杯見える。久しぶりに水中メガネをしてスカリング水中観察。砂のの上を美味しそうな魚がゆらゆら泳いでる。その後もさらに三人が合流し、時にはTレスキューで助けてもらう練習など、五人でうろちょろしてお昼過ぎには舟を上げた。
クラブでのお昼にはちょっとしたサプライズ。明るいうちから楽しくお酒をのんで帰った。片付けの水道の水も厳しさが緩んで、ああ、冬が終わったんだと思った。また賑やかになるかな。
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