この週末クラブで三浦をキャンプする予定だった。だから天気予報にはずいぶん前から気をもんだ。最初は春の嵐だった土曜の予報も好転し、気がつけばなんとかやれそうな感じに。
16日土曜
早めの電車に乗って出かける。普段は使わないズダ袋に寝泊まりの道具が入ってる。クラブハウスに一番のりで自分の支度を始める。5分割の自艇を先週バラしたから、もう一度ネジを締め直してきちんとする。
水際まで空の舟を持っていて、他の荷物をそこで詰め込む。JINRO のペットボトルに水をいれて2本積み込む。2つで 8リットル。
あちこち動き回りながら支度をしていると大先輩の車組がやってきた。他にも参加メンバーが集まって全部で6人。先に支度ができたので一人でちょっと浮かんで小網代湾入り口の堤防まで。風のない春の海が霞んで眠たそう。網代崎には波はない。
上陸場所は南方面かな。荒崎から雨崎までのぐるりが、三浦半島を漕いでいて一番楽しいところ。小網代からはどこも日帰り範囲内だから、漕ぐ距離は大したことがない。どこにいても明日日曜の午前中には十分帰ってこれる。
そんなことを考えながら湾奥に戻ると、支度の終わった他のみんなが舟を出すところだった。それではと集まって出発。重い舟がキャンプっぽくてウキウキする。食べ物も宿も一切合切が入っているヤドカリ状態だと、いつもの海も広く感じて、どこにいってもいいような気がしてくる。
網代崎を周り、諸磯を抜け、ベタ凪の海を漕いでいく。三崎の堤防、長津呂崎を周り、安房崎からその先を見る。休みもせず宮川湾を渡り、東風崎を越えて横瀬島の近くで舟を上げた。まだ正午にもなっていない。でも今日は距離を漕ぐ日じゃない。明るいうちからダラダラ時間を過ごすために来た。だからもうここでいい。
大先輩の持ってきた大きなタープを張り、近くに転がっているプラ箱などを拾ってテーブルを作り、準備が完了。大先輩と何人かは早速飲み始めた。でも、おとなし目の後輩は少なめの昼ごはんを食べながら新聞を読んでいる。NZのモスク爆破テロの見出しが気になる。お酒を飲んでいないので聞くと、せっかくだからもうちょっと漕ぐ気があるという。
やったねと思って一緒に行こうと舟を出す。オサレな同期も合わせて3人で東京湾を見に行く。安房崎から三浦半島に取り付くときも割と向かい風があった。北東よりの風だと、東京湾側はワサワサしてそうですねーと話しながら風裏のひらたい海を漕いで剣崎を周ると、途端に風浪が向かってきた。まあそうだよねーと言って、久里浜の発電所の煙突を見て引き返し、舟をあげた。
ここからはダラダラと過ごす。日があるうちからバカ話をして飲み食いとともに楽しんだ。夜前にはちょっと雨がパラついたけど、大先輩のタープで安心。昼間があたたかだったこともあり、夜はタープの下でシュラフにくるまって寝た。テントを立てようとしたけど、酔っ払った大先輩が「めんどくさいよー、タープで寝ればだいじょうぶだよー」というのと、自分自身のものぐさにまけてそうした。でも大先輩がシュラフカバーを貸してくれた。
17日日曜
夜はぐっすり眠れたとは言わないけど、朝方日の出るまえに目が覚めて起きたときにはすっきりしてる。みんなが起き出す前に少し本を読んでいたりしながら、一人だけの時間も楽しく過ごせた。
帰りの日曜は午後から南西の風がバカ上がる予報。でも朝七時の海はとても穏やか。横瀬島はザブリザブリとしている。帰りも大したことのない距離だけど、予報が前にずれることもあるしと、早めの行動で八時には出発する。
昨日よりはだいぶはっきりとしたうねりが入ってきている。岸寄りを進んでどんぶらこする返り波を楽しみながら重い舟を漕いでいく。そのままサクサク漕いで馬の背洞門のあたりまでくると、前から前漕ぎの後輩と房総同期がやってくるのが見えた。朝クラブを出発してこちらに漕いできたんだ。
挨拶をして、聞くとまだ少し先まで、できれば横瀬島まで行くというので、正午前には小網代湾まで戻るように声をかけて別れた。
こっちはそのまま黙々と帰り道を漕いで行く。長津呂崎をまわるとうねりのギアががくんと落ちる。三崎の堤防の端を回るとさらにがくん。諸磯はのんびりとした春の海になっていた。これも風がこれから上がるとわからないけどね。
綺麗な潮で透き通った底までを見下ろしながらぺったりとした海を漕いで網代崎を曲がり、湾奥に戻って舟を上げた。まだ正午前。明るいうちにお散歩代わりの距離でこれだけ楽しく遊べる。ここはとってもいい場所だ。
そのうちに前漕ぎ後輩と房総同期が帰ってきて、しばらくしたら風が上がってきた。結局うねりが大きいので安房崎で引き返し、かわりにその足で荒崎までタッチして戻ってきたそうだ。泊まり組が2日で漕いだのと同じだけ漕いでる。やるなあ。
みんなでのんびりしながらお昼ご飯を食べていると風がさらに上がった。湾内にまで白波が立ってきた。これはすごいことですよ。ずいぶん正確な予報に頼って午前中だけ漕ぎはしたけれど、数時間早まってこれに捕まることを考えると余裕のある行動が望ましい。ダラダラするくらいが一番だとおもった。
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