小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2021年3月30日火曜日

20210330 北方面行脚

平日、これまた良い海況、プラス、うねりが入ってそう。ちょうど都合があったので、筋トレ後輩と漕ぎに出る。

少し早くに出て、近場のポイントで一人だけ肩慣らし。はっきりとわかるうねりが来ていい感じ。何本か楽しんでるうちに後輩が来たので、北の方に足を伸ばして波のポイントを回る行脚に出る。

後輩は腹筋を強く使ってしっかりと上体を回し、トルクのある漕ぎでぐいぐいといく。WFKのゴリラが好きでいつも乗っているけど、これでスピードを乗せられるとちょっときつい。横風があると、僕の薄い舟のほうが風見がでやすいので、ゴリラの筋トレ速度にあわせようとすると、常に片側だけ漕ぐことになる。ストームパドルも、横風が強くて持ち替える必要なんかない、片側だけ漕ぐ状況のパドルなんじゃろうか。

それも丁度よいトレーニングだと言い聞かせて頑張って漕ぐ。小田和湾を渡り、長者までずっとそんな感じ。

ここで波チェック。後輩にはプカプカ浮いていてもらって、長者のポイントで SUP に紛れて数本気持ちよく乗れた。

そのまま折り返して、帰り道は岸ベタで波をチェックしながら。長者の南側のすぐの浜でも岸壁に向かってきれいに波が立ってた。行った先が浜じゃないので、SUPは嫌うのかもしれないけど、ここが一番波が良かった気がする。

そこから浜沿いに南に進みながら、SUP のいるところで一本のり、その先のサーファーがいるところではパスして沖に戻って後輩と合流した。

ここまで上陸なしなので、立石で上がろうかと漕いでいき、立石の浜に入っていったけど後輩は沖でプカプカ浮いている。戻ると、まだ少し漕げそうだから荒崎までというので、佐島のキラキラまで漕いできた。

今日のうねりはいい感じに回り込んで、キラキラにも弱い波を送り込んでくれている。下は砂地で浅いし、波の速度も遅いしで、後輩も波遊びにチャレンジ。スーッと舟が走る感覚を何本か楽しんでた。


ひとしきり遊んだので、荒崎で休憩しようと漕ぎ始め、いざ荒崎の小さな浜にあがろうとしたら、後輩がまた沖でプカプカしてる。もうちょっと先までというので、佃にまでやってきた。

ちょっと浅くなってきたけど、ちょっといい感じに波が入ってる。楽しく何本か乗ったら、浜からサーファーが二人、ポイントに出てきたので諦め、進むことにした。

じゃあ次は黒崎に休憩ポイントを狙って漕いでいったら、また後輩は沖に浮いて浜によってこない。ここまで来たら、俺の浜までいくというので、結局上陸なしで帰ってきてしまった。

後輩曰く、浜に上がって寝そべった瞬間、助かったーと思ったらしい。自分でグイグイ漕いで、先へ先へとゴールをずらしてきたのに面白い言い分だなと思ったけど、飲まず食わずで30km近く、いいペースで漕いできたらそらそうだろう。

後輩が休んでいる間、近場のポイントで波遊びをしていたら、手広くやっている後輩もやってきた。ソロで赤羽根海岸目指して漕いできたけど、うねりがすごくて長津呂崎で引き返したそう。

上げ潮で、だんだん波は良くなっていくようだ。穏やかな波だけど、何本か長く楽しんで、浜で休んでいる後輩もピックアップして、三人でのんびり堤防をまわって舟を上げた。

平日というのに、どこのポイントもSUP、サーファーがいて波乗りに余念がない。逗子あたりまでは足を伸ばせなかったけど、にぎやかだっったんじゃないか。そっちのほうがいいポイントだから、みんなどんどん北にいって、南はひなびた感じがいいなあ。

2021年3月27日土曜日

20210327 桜の咲く頃に

昨日に続いて今日も良い海況の予定。小網代のうぐいすは年中鳴いているけど、春の盛りに聞くと一段と良い気がする。


クラブハウスの支度中に筋トレ後輩とNZ先輩と一緒になり、剣崎まで足を伸ばすことにした。

昨日に続き、風無く、波無く、ノタリの海。とはいえ、長津呂崎を回ったあたりで筋トレ後輩がグイグイとペースをあげ、のんびりした漕ぎから一変。

後輩は暑いとギヤが落ちるけど、向かい風で涼しい風が吹くと俄然漕ぐ。この日も北東の春の風でだらりとしてたのが、城ヶ島の南に入ってからいつものパターンだ。

そのペースで安房崎を過ぎ、剣崎を過ぎ、雨崎まで来てしまった。先輩と僕はヒーコラ言いながら着いていく。

雨崎は春の様子で、浜で密になって写真を撮り合っている幾人かがいた。パドルの手は休めず、遠巻きに沖から横目でチラチラ見ながらの帰り道。

東京湾からの帰り道、ここまでは漕ぎっぱなしで、何かしら腹にも入れないとね、ということで、赤羽根海岸近くの小さな洞窟をくぐった浜にあがった。そして、後輩はコロッケパンを鳶に引っ掛けられる。手には傷がつかなかったので、良しとしよう。

気を取り直して帰り道、網代崎を見たところで大先輩たちが北から帰ってきたのが見えた。湾に入って合流し、入り江の奥の桜を一通り見回ってのんびり舟を上げた。

人がいっぱいの満開の桜が懐かしい。花が咲くだけじゃ気分がしない。きれいだねーと、お互い喜び合う人の集まりが花見なんだなと思う。桜は毎年きれいに咲いてくれるから、人の踏ん張りと知恵であともうちょっと。その時が楽しみ。

2021年3月26日金曜日

20210326 鯛の牙

今年も世の中の物事がいろいろ重なってうねりを作ってる。また一つ季節が進んでだいぶ暖かくなった。そろそろドライを脱いでもいいかなという陽気だ。

平日にクラブハウスに来てみると、ボート釣りの人が何人か支度をしている。あれー、土曜日みたいですね、お互いニヤニヤしながら声をかけ、準備が済んだ人から海に出ていく。

薄い舟を浮かべて乗り込み、入り江を滑り出す。冬の澄んだ潮からは時期が進み、春のトロンとした色が出てる気がする。

堤防を回って外に出ると、のたりのたりとした海。空も春霞で、富士山はぺったりした空気の向こうに塗りつぶされた。

風は朝から夕方まで一日弱いままの予報。一瞬昼前に南が強まるかもしれないけど、どこまでも漕げそう。よし、北の名島にお参りに行こう。

とことこ漕いで、荒崎まではできるだけ岸寄りに。そこからは長者目指してどーんといく。ついた名島のまわりは海藻がわさわさしてて、浅い岩場を覗き込んで回った。

名島から向こうに江ノ島が見える。ぷかぷか浮かびながら手を合わせて引き返し、長者の砂嘴で一休み。

帰り道は岸沿いで、久留和の浜の色や、佐島のキラキラで目を楽しませながら、荒崎を回って堤防まで帰ってきた。

ひょっとみると、堤防の付け根の砂浜で、遊び上手の先輩がロール練習をしている。近づく間見ていると、熱心に何度もくるくる回ってる。まだ水は冷たい。

静かに後ろから近づいて、沈した瞬間に横につけ、上がった瞬間に挨拶をすると驚いてくれた。しめしめ。

話を聞くと、ゴーグルをしているとヌメーっとゆっくりしたリズムであがるんだけど、ゴーグルなしだと、ついついスパッと上がってしまうんだそう。ゴーグルなしでもヌメーっとやりたくて、体に染み込ませてるのだそう。

確かに、基礎がしっかりとしていないと、ショートのロールでゆっくり上げるのは難しい。パドル面が動いてのサポートが減るから、他の要素がちゃんとしていないと安定して上がらない。

とはいえ、先輩はそのへんの要素はばっちしなので、あとは気持ちの持ちようだけですよね。

体が冷えたので、戻りましょうかと漕ぎながら話を聞くと、キング先輩も漕ぎに来ていて、油壺入っていくのを見たそう。あそこでのんびりするのも良いよね。

仕舞支度は釣りの人、カヤックの人がまじりながら、明日土曜も海況はすごく良さそうなので、また明日きちゃいます?なんてジャブの打ち合いをしながら。

釣りの人でも一番馴染みがあるお兄さんは、真鯛、メジナ、アカハタ、オウモンハタを持ち帰る。そのお兄さんに思い切って、鯛の歯を貰えないか声をかけた。

自分はここ一年、金継ぎをしているのだけど、蒔いた金粉を磨くのに、鯛の歯がとても具合が良いみたい。鯛牙とも言われ、棒の先につけた鯛の歯で、金粉の表面をなでてやるとピカピカになる。ほかにもガラスや瑪瑙も使われてるようだけど、三浦の地元の鯛で作れるなら嬉しい。

このお兄さんは、魚屋で売ってるアラなんか目じゃない大きさのサイズをいつも持って帰っているので、もし捨てるならと事情を話したら、今日釣った鯛から前歯の部分ゴリゴリと切り離して僕にくれた。ありがとう!今年も一年、漁に恵まれますよーに!

家に帰って一番大きい歯を一本、丁寧に切り離して棒の先にくっつけ、手元の試し塗りの銀粉を磨いてみたら、すぐツルツルになった。


桜の咲く頃に釣れた三浦の桜鯛、ありがとー。

さて、また明日も良い海況。陽気に誘われて漕ぎに行こう。