台風がどうなるか気を揉んだけど、土曜に抜けたあとに風が落ちて、近場で遊べそうなところを回れそうな予報なので漕ぎにきた。
考えることは皆おんなじだろうと、舟をだすのにも気がせく。そういう時はあぶないので、いつもよりも念入りに持ち物のチェック。ボート釣りの人はもう船がなかった。
一人で入江に浮かび、皆で遊ぶときよりも安全マージンを増やすぞと気を引き締めて漕ぎ出す。舟を出すスロープあたりはゆっくりした動きで、水が横に寄せて引いている。うねりを感じる。
ヨットを脇を抜けて網代崎が見えるといい感じに崩れている。パドルに力が入り、ほいほいと堤防を回る。堤防のすぐ外には釣りSUPが浮いていて、ゆったりとして上下のなか釣り糸を垂らしている。空は晴れて気持ちがいい。
近場のポイントにはやはりサーファーが一人いた。おたがい、まだ八時前というのに好きですな。今日は大潮でこれからどんどん下がっていく。SUPも出てくるかなぁ。また昼頃見てみよう。
次は岩場のポイント。波が崩れているのが遠くからでもよく見える。無風のもったりとしたうねりの中、それを目指して漕いでいく。ここにもサーファーが三人ほど入っていた。いなくても台風うねりの中ここでは遊べない。眺めるだけにして次のポイントを目指す。
ここは富士山と岸辺の松を背景に波乗りできるおめでたいポイント。普段は波がないけど、大きいうねりで潮が低いときだけ遊べる。波の立ち方がカヤック向けなので、基本サーファーもSUPもこない。
しばらく浮いて様子を見て、小さいのから乗り始める。そのうち欲が出てくるとバウが沈み始める。そうしたら舟が横を向いて波に転がされる。楽しい。起き上がると泡立って明るい緑色の水面からシュワーっと抜ける音がする。
なんどか転がされて、クリップ式のサングラスを飛ばされた。やってしまった。ちょっと岸に上がって一息。そろそろ干潮一杯で、沈めたバウが底をつきそうだ。なんとなく南風が上がってきたので、無理をせずに一旦近場に移動しよう。
岩場のポイントを通りがけに見てみると、サーファーももう上がっている。相当浅くなってるから、ここで岩場の上を波で転がされたら生身はしんどいだろう。やめたが吉。
結構吹かれた中を俺の浜まで戻り昼ごはんにする。潮が低くて浜が長い。アカモクだかの海藻がわさわさしている上を滑って浜に上げ、のんびりしながら体を温めた。
その間にも潮がぐんぐん上がる。二時くらいになったらカヤック向きの波が近場のポイントに入るようになったので、最後にひとしきり遊ばせてもらっておしまいにした。
入江で舟を上げたらボート釣りのお兄さんも帰ってきていて仕舞い支度をしている。今日はなかなか渋くて朝から全然だったけど、帰り際にやっと一匹、と言って、80cm くらいの黒鯛を見せてくれた。真鯛が釣れなくて悔しいという中にも、どこかホッとした声音が滲む。お疲れ様でしたー。
来週はクラブの江ノ島往復イベントがある。海況が厳しそうな予報だけど、なんとか開催の運びとなって欲しいなあ。漕ぐぞー。
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