小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2023年8月26日土曜日

20230826 土用の集まり

待ちに待ってたクラブのパドルセッションの日。名前はカッコイイけど、中身は食い意地の張ったメンバーが大先輩のランチを目当てにゾロゾロ集まる日。

少し早めに行って先に一人で一回り。入江に戻ると丁度皆も出てきた頃合い。今日は昼過ぎまでざっと一雨有りそうな、ゴロゴロしそうな予報。どこで上がろうか。

両手両足で数えたくらいの舟が漕ぎ出して、南の方に進んでいく。風はないのだけど、雲の色が怪しい。手広くやっている後輩が盛んに雲を気にして声を出す。長津呂崎を回るとそろそろか。途中漁師さんにも声をかけてもらい赤羽根海岸にあがることにした。

大きめのタープをみんなで広げて、流木を立てて高さを出す。隠岐の島前のツアーで雨のキャンプをして、輪になったテントの上にこのタープを張ったのを思い出す。夜通し降る強い雨の下、鍋を囲んでワイワイ騒いだのが楽しかった。


ざっと雨が降り出した中、大先輩がダッチオーブン3つを火にかけて鰻のひつまぶしを作ってくれる。ゴロゴロ音もして、眼の前の海と空を眺めながらお腹と天気が落ち着くのをのんびりと待つ。デザートにはメンバーが差し入れてくれたカルディのマンゴープリンと杏仁豆腐を四角く切り分ける。凍らして持ってきてくれているのが溶け切らず、シャーベットになってすごく美味しい。

手広い後輩はこの後夕方から仕事があるとかで、先に舟を出したらサカサカと右に小さくなった。その後ひとしきりタープの下に体を休めてもまだ日が高い。

空もだいぶ晴れて暑くなってきた。海の上のほうが涼しいので、俺の浜に向けて浮かぶ。皆が揃う間、海慣れした後輩がロールの練習に失敗して沈した。馬の背の上から人が眺めてたろう。

昼前から房総同期が追って舟を出したはず。どこで行き合うかと首を傾げながら長津呂崎を過ぎ、釜根に渡る。南に合流を目指したならさすがにもうすれ違ったはずだし、こちらの大船団を見逃すはずはない。ああ、北に行ったかなと思いながら諸磯の灯台見えてきたら、そこで波遊びしている同期が見えた。ここで引っかかって先に進めなかったようで納得。ご飯には元々間に合わなかったしね。

こうして人が合流したり抜けたりしながら俺の浜に到着。船を上げてスノーケルで浮かんだり、そのまま水に浸かる練習をしたり、オヤツの時間までめいめい過ごす。ロールを失敗した後輩は練習に熱が入る。

そうやって遊んでいたら、大先輩がコーヒー淹れてくれ、更にはスイカが切られておやつが揃う。スイカは三浦で買ったものだそうだ。遊び人の先輩がボリュームのある舟のコクピットに丸のまま入れて漕いできてくれた。他にもダッチオーブン3つ分、22合の米を炊くだけの水やら何やら、それぞれ分担して運んできてくれている。何も載せられない舟でゴメンナサイ。

「コーヒー入ったよ〜」の掛け声で皆が浜に上がる。スイカを手にした何人かはそのまま海に入ってラッコ食べしている。だんだん浮かぶ人が増えて、浜に立っている方が少なくなった。頭だけ出してこちらにじっと顔を向ける集団はアザラシにも見える。つられて僕もコーヒーを手に浮かんだ。

下がってきた日差しの力はだいぶ秋めいた。コーヒー、スイカをたいらげて落ち着いたので、誰と無く船に集まりだし、帰りのひと漕ぎに浮かぶ。頑張り屋の後輩がロールをしまくるので、漕ぎながら沈して上がるのもやってご覧と言ったら、俺の浜から堤防を回ってヨットに近づくまで、しきりに前に漕いでは沈、沈、それにつられて周りの人もコロン、コロン。イルカの群れの息継ぎのように、ツルンとしたハルが右左で顔を出す。カヤックは上下にも行けるのが面白いよ。

そうして入り江に入って順番に上がる。これだけ多いと船を洗う台を待つから、浮いて遊びながら待つ人が結構いる。薄暗くなるまでセッションしまくって船をあげ、クラブハウスで軽く打ち上げて夏のセッションに区切りがついた。

2023年8月19日土曜日

20230819 黒白大小

土曜、少し早上がりの予定で三浦に出かける。この週末は海況良さそうなんだけど、今日は大先輩のツアーがなく、メンバーがバラバラと集まる様子。

今日は舟に狸の足跡はなし。白にピカピカ光ってる。支度をして入江に早めに浮かんで周りを見る。潮は先週に比べると少しトロみが出たようだけど、夏にしてはとても澄んでいる。まるで冬みたいだ。外もそうならエビ島あたりは気持ちよさそうだ。

パドルで進み始めるとすぐに茶色のタコクラゲに行き合う。去年見なかったので久闊を叙すと、すぐにまた次々にやってくる。茶色いのは体の中に藻が共生しているからで、餌がなくとも藻が光合成してくれていればそれで栄養になるのだそうだ。賃貸物件の大家だね。黒々としてでかいやつが悠然と浮いている姿は見事だ。藻が元気になるように、色々苦心しているのだろう。小さいのがピコピコ動いて薄っすらと色づいているやつもいる。これから頑張れよー。小さいなりにもタコクラゲの点々があってとても可愛い。目を凝らして小さいのを探す。時には、下の方に白いやつが静かにしてるのを見る。湯沢のリゾマンかな。また浮かび上がることもあるだろう。

大きいやつ小さいやつ、色も様々なタコクラゲを見ながらヨットの横を抜けてスズメ島までひと往復して入江に戻った。

文化的な後輩が丁度出てきた。いきなり水中メガネをしてロール練習するのでサポートに立つ。熱心に繰り返して、だいぶ軽く上がるようになった。

雰囲気イケメン後輩が出てきたので、二人で外に漕ぎ出すことにする。暑いけど、濡れながら行けば平気でしょ。潮が流れている諸磯をヌルんと越え、うねりっけを感じながら城ヶ島の南を漕いで安房崎で折り返す。

安房崎では後輩がだいぶ暑かったと見えて、船を降りてプカプカ浮いてクールダウンする。潮が澄んで気持ちいい。馬乗りで戻ったのを見て、僕も馬乗りの練習をした。戻ったのはいいけどコクピットに水が満タンに入る。波のある中、スプレーを被せてポンプで水を抜くのは大変だ。ポンプを通す穴がついてるスカートに変えようかと頭をよぎる。


帰り道はみんなを探しながらのんびり漕ぐ。でも全然見つからない。堤防を越え、諸磯の灯台まで来てたころにエビ島を見たら人がチラチラ見える。寄っていったらやっぱりメンバーのみんなだった。

エビ島で泳いだり、昼を食べたりしてまた水の上。ここでは夫婦で最近メンバーになった人がロールの練習。水が綺麗だし、何をやるのにも楽しい。まだ力技だけど、練習でやる分には失敗しなくなった。それで油断してローブレースの練習をしているところでマジ沈する。さあどうなるかと皆で見守る。案の定失敗するのだけど、脱るまで三回リトライした。素晴らしい。

奥さん後輩に声をかけてグループレスキューでだんな後輩を助けてもらう。どちらもできるようにならないと。水の入った重い船を上手に水を抜いて助けてくれた。お見事。

僕は早上がりなので網代崎を回って入江に戻る。みんなは俺の浜まで漕いでまだまだ綺麗な海を楽しむようだ。

入江に戻ったら、緑の舟が浮いて、後ろに寝そべって瞑想している後輩がいた。静かに舟を寄せて、起きるまでじっと息を潜める。これやられると、気づいたときホントにビックリするんだよね。

後輩もロールの練習を入江でやっていたそうだ。まだみんな、俺の浜にいるよと伝えてから先に上がった。

今年にメンバーになった人はもうみんなロールができるようになってる。まだまだ暑いから、しっかり身につくまで、たっぷり練習できるだろう。自転車や逆上がりとおんなじで、一回身につければなんのことはない。やれば体もほぐれるし、クラゲと一緒に波間に浮かぶのも気持ちがいい。カヤックの楽しみの一つだ。






2023年8月6日日曜日

20230806 パドリングタヌキ

だいぶ間が開いてしまった。そういう時あるよね。午後に風が上がる予報で遠出はできない。その分、水につかって今の季節にできる準備をやっておこう。

クラブハウスには先輩が一人来ていて、釣りのしたくをして先に出ていった。見送って自分の薄い舟を一番下のラックから引き出すと、少し汚れが目立つ。

強い雨も降ったし、漕いでなかったから仕方ないなと思ってよく見たら狸の足跡だった。奥のバウから上がり、デッキの上をとんとんと手前のスターンまで来て広場に出たようだ。

隣の舟に比べて薄いしデッキも平らだから歩きやすいのだろうか。コクピットの中で雨宿りがてら粗相でもしたかと覗いたけど、綺麗に使ってくれたみたいだ。

けもの道になった舟は海で洗うとして、支度を終えて入り江に浮かぶ。小網代の森といえばミサゴとカニだ。そういう漫画がある。その漫画が大好きだった知り合いを思い出しながら水をかく。漕いだらこんなところだと知っていただろうか。小網代の森から歩いてきた狸が見た景色が思い出される。


ヨットを抜けて少ししたら、湾内なのに先輩が舟を止めて手を動かしている。寄っていくと、カンパチの小さいのが釣れたそうだ。群れを追って湾内をグルグル回るというので、分かれて堤防を回る。

台風のうねりがはっきりとあって、近場に期待せずに漕いでいく。SUPが一人見えて、やっぱりなと気を落としたところに、こちらに手を振ってくれた。波大好きの甲斐性大有りの先輩だった。

しばらくぶりで、波に揺られながら世間話をしばしする。そのうちに崩れ波を横にくらって、ブレースで持ってかれながら沈。それを合図に二人で波に遊びはじめる。そのうちに釣りに飽きたか湾内の先輩も出てきて波に合流した。


しばらく遊んで定刻組の時間になったので、挨拶して一人入江に戻る。丁度の時間でまた皆で漕ぎ出した。そんなに遠くまでは行けないだろう。淡々としたペースで漕いで、佃まで往復。風の上がりを気にしてそのまま折り返し、俺の浜で昼休憩に上がった。夏の日、のんびりと水に浸かりながら時間を過ごし、コーヒーまでご馳走になって入江に戻った。