小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2018年9月29日土曜日

20180929 台風24号の前に

先週はモモンガに乗った。ちょっと小さめのカヤック。今週は台風が来る。今の僕だと、いつものシーカヤックではどのくらいまで遊べるんだろう。怖いもの見たさで三浦に土曜にやってきた。中潮。ちょうど満潮から干潮までを漕いだ。

朝きて支度をしていると、NZ好きの先輩が暴走同期を車に乗せてやってきた。ちょうど三崎口駅でよい時間だったので、車で拾って上げたのだそうだ。優しい。


近場のポイントで待ち合わせましょうと言って、一人で海に出る。網代崎はすでに盛大に崩れている。そりゃそうだ。見晴らすと、僕らが勝手に俺の浜と呼んでいる、古いけど新しい場所が良さそう。そこで何本か乗っていると、NZ先輩と暴走同期が一緒に出てきた。
さらにオサレ同期も増えている。寒い曇天の秋の空に、物好きがそろった。


ここは波がでかくて危ないので、比べれば安全ないつもの近場のポイントに漕いで行く。すると、SUPにサーファーの何人かが乗って遊んでいた。さっき見晴らしたときにはいなかったのに。

それぞれ波乗りの動きが違うので、それを気をつけて遊ばないと危ない。SUP の人に前乗りしないよう声をかけられた。クラブのみんなにもその旨伝えて何本か様子を見る。

うねりの方向なのか、いつものこのポイントは今ひとつな感じ。混んでいる事だし、SUPとサーファーに場所を譲って、僕らは俺の浜に引き返した。

とはいえ、逆にこちらはでかすぎて危ない。特に、海から岸を見て右側のほうは浅い岩場になっていて、そこに波が崩れて巻いたまま突っ込んでいく。横にブローチしたら何もできないまま岩場に叩きつけられることになる。

絶対に右には向かないように、波が一番最初に崩れだす場所から左に向かって乗るようにと、コツを確認してから遊びはじめた。そのうちに大先輩がモモンガに乗って合流してきた。きっと、僕らが出てるのを知っているので心配して出てきたの半分、ツアーは全部キャンセルになっているので自分が乗りたくてきたのが半分だろう。

台風はまだまだ遠くで、実際にくるのは日曜の午後というのにすでに波がでかい。大きな波に飛び込むと、バウが刺さってカヤックが縦になり、真上にポーンと浮き上がって前転する。三回やった。

そのうちやばいのが見えたので、その波が来る前に横に抜けたつもりだったのに、普段より広く崩れて、ちょうど巻く部分にかちあって横にぐるぐる回される。ひとつ回ってパドルが波をうけると、ロールをしていないのに自然と起き上がり、それでブローチしたかと思うと波の勢いに負けてまた倒される。それをも一つやったら波が弱くなって倒されなくなったので抜けた。

他のみんなもそういう波を注意しながら、いつも沖を見ながら立ち回るように自然になっている、と思う。時々、暴走同期がやばいところから乗ろうとしてヒヤリとする。

大先輩もだいぶでかいのに乗って、モモンガをグリグリ回して楽しそうに遊んでた。他のみんなも適当に遊んで、そしたらどんどん波がでかくなってきた。これ以上は脱る人もでてくるだろし、脱った時に助けに入れないかもしれない。そんな大きな波をみんなで横からぼんやり見てた。怪我しないうちに帰りますか、という雰囲気に満ちている。


そうして浮いていたら、タンデムのインフレータブルカヤックがやってくるのが見えた。岩場に向かって波が突っ込む場所で、僕らでもそこは乗っていない。そこが大波になっていて、本人たちは十分沖を漕いでいるつもりなのだろうけど、セットがくると随分沖から盛り上がって崩れだす。


だいじょうぶかなと見ていたら、そんな一発が崩れてきて横からくらった。横に沈すると思ってみていたら、インフレダブルの浮力のおかげで、綺麗に下を向いて波に乗り出してしまった。V字の崩れ波に付き添われるようにして波を下ってくる。その先は岩場。そのスピードで突っ込んだら危ないどころの話じゃない。

やっちまったーと思いながらも目が離せない。とうとう崩れた波に飲み込まれて、カヤックが横倒しに沈した。カヤックに載せた荷物やパドルはてんでバラバラに。浮かんだカヤックはそのまま岩場に突っ込んだ。

乗っていた二人は波に置いていかれて、続く崩れ波をくらいながらも岩場の隙間の浜に上がった。へたりこんだまま海を見ている。遠目にはヘルメットも PFD もしていない。少しして立ち上がり、ウロウロしていたかと思うとパドルを一つは見つけたようだ。他の荷物やもう一つのパドルは知らず。

僕らは沖の波の来ない場所からずっと見ていたけれど、波が入っているので助けにも行けない。ひとまず体は無事なようなので、適当に岸沿いで歩いてでも帰るだろうと見切りをつけて帰って舟を上げた。

体が無事だったようなので良かったけれど、紙一重だったと思う。一日風裏で風も強くなかったから、海は滑らかに見えたのかもしれないけれど、台風のうねりは上がる方向の予報だった。なんにしろ、足元で事故が起きなくて良かった。みんなでそう話をしながらお酒を飲んで帰った。来週は台風25号がまたくるらしい。気を引き締めていこう。


2018年9月23日日曜日

20180923 オーシャンモモンガ

Water Field Kayaks の新タイプ、オーシャンタイガーに続いて、オーシャンモモンガがクラブにやってきた。波があるかどうかわからないけど、とりあえず乗ってみようと三浦に。日曜大潮

先週末、慣れないシットオントップに乗って、強い日差しの中ロールもできない舟で平らな水面を漕いでいた頃、モモンガはクラブにやってきて、でも僕が戻る頃には無くなってるかと思ったらまだあった。ラッキー。

朝に支度をして漕ぎ出す。膝周りはフィット感があって好き。堤防まで出てくると、ちょっと舟が伸びない気はする。安房崎まではいけるけど横瀬島は行きたくない、そんな具合。


網代崎は広く崩れてる。正直波はないかなと思っていたからありがたい。どこから来てるうねりなんだろう。南の秋雨前線なのかな。ちょっと物足りないくらいのうねりが間をあけずに沖から寄せてきて、練習にはちょうど良い。

さっそく近場のポイントに漕いで行くと、SUP が一人すでに波乗りしてた。ぺこりと挨拶して、危なく無いように離れた場所で乗り始める。

当然、モモンガはくるくる回しやすい。波乗りだけじゃなく、岩の間をすり抜けたりして、オーシャンホワイトウォーターするにはちょうど良い感じ。


そのうちSUPもやる先輩が出て来て一緒にバンバン乗り始めた。SUP は上がってしまってカヤックだけで乗りまくる。SUP 先輩はフィンを持って来てモモンガにつけてくれた。そしたら波の中で、特にブローチして横乗りしてる時にだいぶ舟の動きが変わって面白かった。フィンって効果あるんだなあ。あと、5mあるシーカヤックと違って、波のてっぺんから斜めに滑り降りやすい感じがした。艇の短さと斜めのアプローチがあいまって、そこそこ大きい波でも突っ込んで行けて面白かった。その分沈しまくったけど。


昼前になるとスリムな先輩、いぶりがっこ好きの先輩、暴走同期もやってきて総勢五人、昼飯の休憩に一度浜に上がったけど、波がある間はずっとポイントで行ったり来たりして遊んで、波が落ちたらみんなで帰って舟をあげた。

暴走同期は、最近ロングロールがしっかり上がるようになって、それで波遊びも積極的に来れるようになった。もともとサーフィンをしていたから波遊びがしたかったのだけど、安全に遊べるようになるまでじっくりやってきてた。結構大きい波にチャレンジして、ひっくり返されてもロールでちゃんと上がってた。でもまだ崩れ波にブレースがうまくできずにひっくり返される。ロールであがり、次の崩れ波でひっくり返され、またロールであがりを3回繰り返して諦めて脱ってた。見てる分には面白いけど、やってる方は絶望感があったそうだ。波乗りは最後に横に向けられてブローチになりやすい。次は沈しない技術をじっくりやろう。

次の週末は波が爆裂するらしい。怖いから土曜あたり早めに行こう。

2018年9月16日日曜日

20180916 ミシシッピ川

用事があってニューオリンズに来た。時差は14時間。ほぼ昼夜が逆転してる。土曜に現地について日曜日、昼間は自由に使えるので近くの Bayou というところでカヤックレンタルをして漕いできた。

Bayou Paddlesports というところでシットオントップを二時間 $24 くらいで貸してくれる。パドルも PFD もついてくる。とはいえ、PFD は後ろのバンジーに挟まれていて、使う人はほとんどいないみたいだ。僕もつけなかった。

漕ぐのは Bayou St. John というほとんど流れのない浅く細長い川のような場所。ところどころ橋がかかっていて、それをくぐりながら北に3キロほど漕いでまた戻ってきた。幅は広いところで200m無い。どこもかしこも浅く、水の動きは感じられないけど、あまり汚い感じはしない。油壺の湾内と変わらない感じ。


ほとんど水位が変わらない様子で、それでもこの時は高めだったのだろう。草の先が水面から顔を出している箇所もいくつかあった。そのせいか、橋がところどころ低い。後ろにのけぞって橋の裏側を手で送りながら通り抜けることも何度かあった。面白い。

漕ぎ始めてしばらくすると、ビキニのお姉さんたちが何人か SUPで進んでいた。蒸し暑いから、あまり漕ぐ気はなくてそうそうに水に飛び込んで SUP に腹ばいになってた。

こちらをみると挨拶してきて、僕の長袖長ズボンのスーツは暑くないのか、水に浸かればいいじゃないのと声をかけてくれた。そっすねーといいながら先を急ぐ。

岸には家が立ち並び、水面ぎりぎりにあるプールで白髪のおっさんがビキニギャルと一緒に酒飲みながらこっちを見てる。ぼくは汗かいてパドルを動かしてる。また、木立に囲まれて日陰の下のコッテージからそれっぽい音楽が流れて来たりもする。別荘なんだか、そういう生活なんだかわからない家並みを見ながら漕いで大きな教会までやってきた。ここで折返し。


来た道を戻りながら、途中左の分岐に入るとぐるりと回ってもとの流れに少し先で合流する。この間が小さな島になっていて、その上にもいくつかの家がある。


最後の線路を手で送りながらくぐると、向こうから貨物列車がやってきた。鉄橋は錆びてボロいし、枕木は昔ながらの木製で、したからは枕木の隙間で空が見上げられるし、てっきり使ってないのかと思ってた。いわゆるアメリカの貨物列車でとんでもなく長い。10分くらいかかってゆっくり進んでいくから、面白がって列車の通る真下にまた戻ってみた。


カヤックの上にのけぞって橋の下に入ると、鼻の20センチほど上の鉄橋がグラグラ揺れてものすごい音がする。枕木の隙間から見える線路の上は車輪がゴロンゴロン通り、貨物列車の腹が見える。どの金属も錆びて赤茶色い。さすがにビビリが入って、さらに手で進んで橋の下からでた。電車を見送って船を返して上がった。

日本だったら夜中の3,4 時くらいの時間帯。それを強い日差しの下で体を動かしてしゃっきりした。くたびれるほどの距離ではないけれど、明るい下で体を動かせば、夜はぐっすり眠れて時差にも少し楽に体が馴れると思う。

本当はミシシッピ川で漕いでみたかった。帰ってから地図でみたら、折り返したところからミシシッピ川まではほんの700mくらいだった。だだっぴろい川を見て戻れたら良かったけど、川にはアリゲーターもいるみたいだからちゃんとしたガイドツアーじゃないとこわいかな。

2018年9月9日日曜日

20180909 腕試し

逗子方面の知り合いとお互い漕ぎ出てきて立石あたりで合流し、ランチでもしようと話をしていた。それを土曜にしようか日曜にやろうか、風の予報を見ながら気を揉んだ。

週の真ん中あたりで土曜は強風の予報で諦め、日曜の詳細予報が出てやっぱり風が強そうでそれも諦める。GPV の詳細でずっと7-8m/s 吹き続ける。夕方ちょっと落ち着くようだけど、風と一緒にすぐに波がおさまるわけじゃない。予報が悪く振れることだってある。とりやめて正解。

それでも、実際にはどんなもんだったか見たいよねということで、いつもどおり朝から電車で三浦に日曜にやってきた。大潮。カヤックの支度をして一人で海に浮かぶ。網代崎は風浪でチャパチャパしてる。


しばらくするとNZ好きの先輩が出てきた。立石ランチの代わりに荒崎を回り込んで長井あたりまで様子見に行きましょうと話して一緒に漕ぎ出す。網代崎の風裏を離れると追い風を強く感じるようになるし、風浪も大きくなって左後ろから船をゆする。佃嵐崎の岸では近づくと風浪が沖から崩れてた。

荒崎に近くなると大きな風浪が南から寄せて、うねうねと左後ろから持ち上げて舟を揺らす。少し沖よりに回り込んで小田和湾を見回す。南からの浪はだいぶ大きく、うねりと違って舟を斜めにぐらぐら揺らす。沈する感じではないけれど、気を抜けないので一人だったら無理せず引き返したろう。

先輩も僕も沈の心配はなさそうな海況なので、荒崎から岸沿いにもう少し進んで見ましょうと漕ぎ出す。長井に向けて完全な追い波追い風だけど、乗れる感じではない。引き潮の流れが強い時間帯で向かい風だったから浪が大きかったのかもしれない。それも荒崎から離れるにしたがって落ち着いてきた。



様子がだいぶわかったので、これで引き返すことにする。今度は向かい風。荒崎までは真向かい。パドルが重くなる。歩くようにゆっくりと舟を進めていく。

荒崎の先端を過ぎると、また浪が素直に寄せるようになってきた気がする。さくさく漕ぎあがって小網代まで戻ると大先輩たち定刻組が出てきた。今日は大船団だ。網代崎を回って今度は南に出ていく。行きは向かいだけど帰りは楽ちんだ。みんなで一緒に行動して帰って舟を上げた。帰り道、網代崎のちょっと沖でも潮波みたいなのがわさわさしてた。


荒崎はやっぱり荒れる。潮の流れの早い時間帯には潮波ができやすい。いままでは気にしてなかったけど、馬の背洞門の沖で見てからなんとなくそれっぽい波が気になるようになってきた。大潮で流れが早いとさすがに目立つ。荒崎、城ヶ島の南、網代崎。諸磯の沖も立っているのかもしれない。大潮の時は見に行ってみよう。

しばらく週末が潰れそうでつまんない。この日は気温も過ごしやすく秋の気配。寒くなるのでちょっと気が焦る。あー、毎日漕ぎたい。

2018年9月2日日曜日

20180902 温故知新サーフ

風の土曜か雨の日曜。そういう二択。どちらも距離を漕げなさそうだけど、波で遊ぶなら日曜がいい。小潮

始発で動いた三浦海岸手前の車窓から東京湾を見る。曇り空を映す海の色は鈍くて眠たい。クラブハウスについて支度をする。クラブのポリ艇で水に浮かぶ。日がなくて肌寒い。ネオプレーンの長袖タッパーを着ておいた。また季節がかわるなあと一息吐いてヨットの脇を抜けていく。


網代崎はしばらく待てば広く崩れるうねりが時折くるかな程度。堤防を回ったら甲斐性のある先輩が北から SUP でやってきた。いつもの遊びポイントには波が全然たってないそうだ。これからクラブでカヤックに乗り換えてまた出てくるという。後でーと挨拶して、さてどうしようかと見回す。 風のない海はペタリとしていて風も涼しい。そこだけ見れば漕ぎ日和ではあるのだけど、午前中は雷注意報が出ていて遠出はしないと決めている。

それならと、つぶやき岩の洞窟をうねりが洗って面白そうだったので、波の上下に合わせて岩の間をすり抜けて遊ぶ。それで思い出してすずめ島の水路まで行って、波の上下で見え隠れする岩を乗り越えてここでも遊ぶ。ポリ艇でないとやれない。


プラプラ漕いでいるとうねりははっきりとある。いつもの場所ではなく、違う浜には綺麗に波が入ってる。SUPがよく一人でとても上手に乗ってる場所。そこは浅い岩場にフジツボがおろし金のようになっていて、僕らは普段は遊ばない。それが、今日は潮が高いのか水深があって、波が少しずつ崩れながら、でも奥まで押して届いてくれる。そして波がすごい広い。これなら安全にやれる。でも、右の岩場に向かったらアウト。SUPなら波に飛び込んで止まれるけど、カヤックでブローチしたら降りれずに岩場まで連れて行かれる。だから普段は乗らない。今日は絶対に左の広いスペースに逃げる。

そう決めて何本か乗っているうちに雷が鳴り出したので一度湾内に戻る。そこでオサレ同期が出てきた。雷も少しおさまったので、また元の場所で波遊びしてたら甲斐性の先輩、なんでもやる先輩もでてきて賑やかだ。バンバン遊ぶ。でもまた雷が鳴り出して周りもちょっと暗い。観潮荘の部屋の電灯が点いているのが見える。時折雨も強く降る。雨は気にならないけど、暗さとゴロゴロいう音はやっぱり怖い。

またビビって湾内に引き返したら、今度は大先輩が定刻組を連れて出てきた。それならとまた戻って波遊びを再開する。雷の音は東の方に移っていって、周りもだんだん明るくなってきた。ときおりの雨は特別な感じもする。


いよいよ本腰を入れて遊び出す。波もどんどん良くなってくる。ふといつものポイントを見ると、そちらには SUP の人たちが4人ほど入っていたが波は小さそうだった。

結局、この古いけど新しい場所に居座ってずぅっと波遊び。何人かの出入りもありながらみんなで遊ぶ。目の前の浜に上がって昼飯も簡単にすます。サーフィンで有名な場所ならわりといつでも波を楽しめるのだろうけど、長いシーカヤックで自由に波遊びさせてもらえる場所・機会は多くない。

3時過ぎて大先輩の組も帰ってきて、いままで同じ場所に居たのを呆れられる。他のカヤックグループも何組か通っていったけど、僕らは終日場所を動かなかった。


サーフはダッシュの繰り返し。一日やって流石に疲れた。大先輩組と一緒に帰って舟を上げた。帰り道、ペッタリとした海に日が落ちて、鉛色から銀色のグラデーションが綺麗だった。