今週はクラブで夏祭りという名の運動会。天気には気をもんだけど、無事に開催できる運びに。遠出をする日じゃないし、曇っているくらいがちょうどいい。長潮。
始発で動き、バスでなんでもやる先輩と一緒になる。海の様子を見ながら、今日はみんなのために魚を釣ってくれるのだそうだ。
それにしても今年は夏が短かったような気がする。出かけるときの暗さに日の短さを感じる。空気もひんやりとして、一日水に浸かるのに、一枚上に羽織るものがあったほうがいいかと逡巡した。もう秋の空気だ。梅雨が長かったから、夏なんて2週間くらいしかなかった気がする。
クラブハウスについたら他の人がもう来ている。手広くやっている後輩は近くで前泊した。祭りまではいられないけど、朝一その辺を漕いで、できれば波遊びをして帰るのだそう。それを見送り、自分たちの支度もして先輩と浮かぶ。
堤防まで先輩と出てみると、網代崎は微妙に小さな波を立てている。無理すれば遊べなくもないか。沖に釣りにでる先輩とわかれ、波遊びをしにいった後輩を追いかけた。ポイントには後輩だけで、ダッシュの練習にちょうどよいくらいの波が来ている。何本かやるうちには大きめのやつも来て沈して脱して遊ぶ。サーフ沈でのロールにはまだまだですと後輩が楽しそうだ。そこにNZ先輩もやってきた。
今日の運動会のために入江に目印のブイを浮かべて置きたかったので、二人と別れて入江まで戻る。先週と同じように大きめの石を沈め、そこから紐をペットボトルにつないで浮かべておく。入江の真ん中に 20m くらい離したブイが2つ。
そうしたら後輩が帰ってきて船を上げた。他のみんなは大先輩の車で大挙してやってきた。ワイワイと支度をしてたくさんのカヤックが入江に浮かぶ。カヤック運動会の始まり。
最初はウォーミングアップの「鬼ごっこ」。単純明快。大先輩が最初の鬼となってみんなを追いかけ回し、だんだんと鬼が増えていく。最後まで残った一人が勝ち。鬼のタッチは、舟と舟をコツンと当てるか、一つあるビーチボールをぶつければ鬼が増える。パドルでのタッチは、振り回してエッジが人に当たると危ないからなしにした。
大先輩が入江の中で声を上げて 30 数える。その間に15艇ものカヤックが入江じゅうに散らばって、大先輩の様子を伺う。数え終わると、スカートの上にビーチボールを乗っけたまま大先輩がダッシュした。魚のように舟が群れで動き、そこから一艘離れたカヤックが岸寄りに追い込まれ、ボールをぶつけられて鬼が増えた。
二人になると、二方向から追い込めるようになる。逃げる群れが少し集まったかと思うと、バッと二手に別れてダッシュ。それを鬼の二人が追う。そのうちに、大先輩がダッシュ漕ぎしながら舟をリーンで曲げようとして沈した。「やべっ」という声に続いて体が水に落ちる音がする。即ロールで上がる。
そうして追って逃げて鬼が増え、あちこちでワーワーキャーキャーいいながら全員が鬼になっておしまい。ウォームアップを通り越してかなり疲れる。
次の種目は二組にわかれてのリレー。自分の番がくるまでは、応援で休んでいられる。一つのブイからスタートして向こうのブイを周り、戻ってきたらタッチして次の人がスタート。これまた単純。最初の二人が並んで、ヨーイドンでスタートする。途端にスイッチが入る。漕ぐ人も応援する側も、まさに小学校の運動会さながら。自分の番の相手はスリムな後輩。折返しのブイをギリギリで周り、お互いつかず離れずで次の人にタッチ。すんごい疲れて肩で息をする。人数が奇数な関係で、大先輩は二回出番があり、アンカーもやった。決着がついてもみんなヘトヘト。ブイの距離を見て、もうちょっと長くてもいいかななんて声もあったけど、20mくらいがちょうどよかったようだ。
次の種目はちょっと一休みということで、その場で回転。スイープとバックストロークを合わせて、何ストロークで一回転できるか競う。僕は八回、他にも七回の人がいたけど、大先輩は六回で回った。さすが。
昼前の最後の種目は二人三脚。沈脱した人を艇に乗っけるなりして向こうのブイまで漕ぎ、そこで漕ぐ人が入れ替わって戻ってくる。これをまた2チームに分かれてリレーした。お客さんで乗っかる側は楽かと思ったら、漕ぐほうがとてもつらい。足して二で割ったとしても、最初の普通のリレーよりも疲れた。たった 20m でこれだから、実際の状況で人を乗っけて岸まで漕ぐというのは無理なのかもしれない。それでも、後ろに乗った人がうまくバランスを取って、水に体をつけないようにしていてくれれば一番スピードが乗った。
これが終わるとみんなヘトヘト。今日は朝からずっと入江で遊んでるから、外の景色も見に行きたい。昼ごはんの場所を見つけに堤防を回って外に漕ぎ出し、すずめ島の向かいの浜にみんなで上がった。日差しが出てきて気持ちいいのだけど、風はちょっと冷たい。日陰にはいられず、温まった砂に寝そべったりして暖をとる。
昼休みのあとは最後の仕上げに入江まで戻り、騎馬戦を始める。これはカヤックのシートに立ち上がり、最後まで立っていた人の勝ち。と言っても、立ち上がって漕げるのはほんの 2, 3 人。だいたいは立ち上がることすらままならず、生まれたての子鹿になって足を震わせて、それでドボンと落ちる。入江の中ではやれるけど、堤防の外で立った人はまだいない。
それがいつのまにかロールの練習会になっていって、日もだいぶ落ちた。散々泳いで疲れたあとに軽くお酒もいれられて賑やかに帰った。夏のお祭り騒ぎカヤック、楽しかった。また来年のために新しい種目を探そう。
2019年8月25日日曜日
2019年8月19日月曜日
20190819 下田のイルカ
日曜から2泊3日で下田に家族で遊びに来ている。なか日の月曜。まるまる自由になる一日をどう過ごそうか考えて、下田の水族館でイルカとカヤックするのいいんじゃない?と予約しておいた。うみがめカヤックスさんの「いるかとさんぽ」というツアー。
料金には水族館の中を回る入場料も含まれているから、早くに水族館について中をみて回る。美味しそうな魚がいて、今晩は地金目の寿司でも食べようねと相談する。コツメカワウソ、ウミガメ、かわいい。動物がどれも近くていい。
集合時間になったので、イルカの入江を見渡すデッキに集まり、説明を受けて支度をする。舟はシットオンのタンデム。クロックスはだめでマリンシューズを貸してくれる。防水バッグを持っていたけど、それも持ち込めず。落としたらイルカが食べちゃうからかな。なんにしろ、イルカの住んでいる入江だから、イルカの安全への配慮に申し分なし。日焼け止めも塗っていい場所に指示がある。素直にガイドさんにしたがって水の上に浮かぶ。
イルカはすぐに近くによってきて水面から目を出し、じっとこちらを見ている。興味を持ってくれているしるしで、明るい声を出して手を振ってあげると、こちらの気持ちも伝わるそうだ。
イルカが潜ればキョロキョロして、顔を出せばそちらに向かって漕ぎ、それを繰り返して追いかけっこを楽しむ。一緒の舟の息子と合わせて漕ぐとグンと船足がのび、小さな入江ではせせこましい。かみさんはガイドさんと一緒の舟で完全にお客さん。
小一時間してイルカショーの時間になり、一緒にいたイルカがステージのトレーナーのそばに泳いでいった。ショーが進んでいくのを遠巻きにカヤックから見る。
三匹いたイルカのうち二匹は聞き分けがよく、トレーナーの指示にしたがっていろんな芸を見せているが、残る一匹は機嫌が良くないのか指示に従わず、潜っては顔を出しを繰り返していた。そのうちに長く潜ったかと思うと、ショーを見ているかみさんのカヤックの下を通り抜けて離れたところまで行ってしまった。
ショーの進行をするアナウンスが「他に興味のあるものをみつけちゃったかなー」とフォローをしていたが、アドリブも大変そうだ。それでもトレーナの根気で最後は三匹のイルカが一緒に大ジャンプを見せてショーは盛り上がって終わった。それでツアーも終わり。岸に舟をあげてガイドさんにお礼をしておしまい。
ガイドさんがイルカと漕ぐときのコツを教えてくれた。それは下手くそに漕ぐこと。できるだけ水面を叩くように、水しぶきを上げるように漕いだほうがイルカは遊んでると思ってよってきてくれるそうだ。普通にきれいに漕ぐと、静かに進むだけで、イルカからしたらつまんないようだ。
そんな話を色々教えてもらい、ちょっと違う切り口のカヤックツアーを楽しんだ。
料金には水族館の中を回る入場料も含まれているから、早くに水族館について中をみて回る。美味しそうな魚がいて、今晩は地金目の寿司でも食べようねと相談する。コツメカワウソ、ウミガメ、かわいい。動物がどれも近くていい。
集合時間になったので、イルカの入江を見渡すデッキに集まり、説明を受けて支度をする。舟はシットオンのタンデム。クロックスはだめでマリンシューズを貸してくれる。防水バッグを持っていたけど、それも持ち込めず。落としたらイルカが食べちゃうからかな。なんにしろ、イルカの住んでいる入江だから、イルカの安全への配慮に申し分なし。日焼け止めも塗っていい場所に指示がある。素直にガイドさんにしたがって水の上に浮かぶ。
イルカはすぐに近くによってきて水面から目を出し、じっとこちらを見ている。興味を持ってくれているしるしで、明るい声を出して手を振ってあげると、こちらの気持ちも伝わるそうだ。
イルカが潜ればキョロキョロして、顔を出せばそちらに向かって漕ぎ、それを繰り返して追いかけっこを楽しむ。一緒の舟の息子と合わせて漕ぐとグンと船足がのび、小さな入江ではせせこましい。かみさんはガイドさんと一緒の舟で完全にお客さん。
小一時間してイルカショーの時間になり、一緒にいたイルカがステージのトレーナーのそばに泳いでいった。ショーが進んでいくのを遠巻きにカヤックから見る。
三匹いたイルカのうち二匹は聞き分けがよく、トレーナーの指示にしたがっていろんな芸を見せているが、残る一匹は機嫌が良くないのか指示に従わず、潜っては顔を出しを繰り返していた。そのうちに長く潜ったかと思うと、ショーを見ているかみさんのカヤックの下を通り抜けて離れたところまで行ってしまった。
ショーの進行をするアナウンスが「他に興味のあるものをみつけちゃったかなー」とフォローをしていたが、アドリブも大変そうだ。それでもトレーナの根気で最後は三匹のイルカが一緒に大ジャンプを見せてショーは盛り上がって終わった。それでツアーも終わり。岸に舟をあげてガイドさんにお礼をしておしまい。
ガイドさんがイルカと漕ぐときのコツを教えてくれた。それは下手くそに漕ぐこと。できるだけ水面を叩くように、水しぶきを上げるように漕いだほうがイルカは遊んでると思ってよってきてくれるそうだ。普通にきれいに漕ぐと、静かに進むだけで、イルカからしたらつまんないようだ。
そんな話を色々教えてもらい、ちょっと違う切り口のカヤックツアーを楽しんだ。
2019年8月17日土曜日
20190817 3m の三角波
台風が過ぎて行って風が強まる予報。午後からの用事の前に、暑い中の水浴びくらいは平気だろうと三浦にでかける。大潮。もともと遠出はできなそうな海況だしちょうどよい。
クラブハウスには先輩が一人来ていた。今日は慌てて出ていく必要はない。先輩とのんびり話しながら、バラしてあった自艇をのんびりと組み立てる。最近は来ると直ぐに漕ぎたくてポリ艇ばかり乗っていた。
組み立てと支度が終わり、一足先に出ていった先輩を追って自艇で漕ぎ出す。今日は南西が強く吹くから、先輩とは湾内で会えるだろう。
次の週末にはクラブのみんなで夏祭りの予定。祭りといってもカヤックで普段はやらないようなことを集まってやるだけのことだけど。だから祭りというより、運動会と言ったほうが近い。そのプログラムの一つに徒競走と言っていいか、単なる漕ぎダッシュがある。
そのスタートとゴールの目印に、ペットボトルでも浮かべてブイを作ろうと思った。その重しを作るのに、ビニール袋に砂を詰めて沈めてみようと袋を持参した。
堤防の手前までいくと、先輩の船が砂浜の脇に見えた。先輩は堤防の上で向こう側の様子を見ているようだ。僕も浜にあがり、早速砂を袋に入れて沈め、実験してみる。砂と言っても貝殻のかけらもあり、思ったより軽くて簡単に動きそう。結局、ビニール袋に2つ3つ入るくらいの石のほうが具合がよいとわかった。
ブイを作る目処がついたので、先輩と連れ立って堤防を回ってみた。
先輩は一時期カヤックをやめていたけど、また最近ちょくちょく漕ぎ始めた。やめる前にはあちこち遠征もしていて、津軽海峡を横断したときの話を聞いた。その時、海況は全体に良かったのだけれど、それでも真ん中あたりの潮目までくると 3mの三角波ができていたそうだ。自分は平気だったけど、名のあるクラブのタンデムが沈したり、自分も三角波でバウがいきなり沈んだり、なかなかエキサイティングだったと話してくれた。もちろん伴走船をつけてあって、サポートは万全。
今日の波は3m の三角波には到底及ばないけど、それでもざぶざぶしていて漕ぎごたえがあった。それなりに楽しかったですねーと堤防内に戻って先輩と話しながら帰って舟を上げた。
来週はクラブの集まりがあるけど、その前に家族で下田に旅行する。下田の水族館では、飼育されているイルカと一緒にカヤックを漕ぐツアーをやっている。それに家族で申し込んだ。どちらも楽しみだ。
クラブハウスには先輩が一人来ていた。今日は慌てて出ていく必要はない。先輩とのんびり話しながら、バラしてあった自艇をのんびりと組み立てる。最近は来ると直ぐに漕ぎたくてポリ艇ばかり乗っていた。
組み立てと支度が終わり、一足先に出ていった先輩を追って自艇で漕ぎ出す。今日は南西が強く吹くから、先輩とは湾内で会えるだろう。
次の週末にはクラブのみんなで夏祭りの予定。祭りといってもカヤックで普段はやらないようなことを集まってやるだけのことだけど。だから祭りというより、運動会と言ったほうが近い。そのプログラムの一つに徒競走と言っていいか、単なる漕ぎダッシュがある。
そのスタートとゴールの目印に、ペットボトルでも浮かべてブイを作ろうと思った。その重しを作るのに、ビニール袋に砂を詰めて沈めてみようと袋を持参した。
堤防の手前までいくと、先輩の船が砂浜の脇に見えた。先輩は堤防の上で向こう側の様子を見ているようだ。僕も浜にあがり、早速砂を袋に入れて沈め、実験してみる。砂と言っても貝殻のかけらもあり、思ったより軽くて簡単に動きそう。結局、ビニール袋に2つ3つ入るくらいの石のほうが具合がよいとわかった。
ブイを作る目処がついたので、先輩と連れ立って堤防を回ってみた。
先輩は一時期カヤックをやめていたけど、また最近ちょくちょく漕ぎ始めた。やめる前にはあちこち遠征もしていて、津軽海峡を横断したときの話を聞いた。その時、海況は全体に良かったのだけれど、それでも真ん中あたりの潮目までくると 3mの三角波ができていたそうだ。自分は平気だったけど、名のあるクラブのタンデムが沈したり、自分も三角波でバウがいきなり沈んだり、なかなかエキサイティングだったと話してくれた。もちろん伴走船をつけてあって、サポートは万全。
今日の波は3m の三角波には到底及ばないけど、それでもざぶざぶしていて漕ぎごたえがあった。それなりに楽しかったですねーと堤防内に戻って先輩と話しながら帰って舟を上げた。
来週はクラブの集まりがあるけど、その前に家族で下田に旅行する。下田の水族館では、飼育されているイルカと一緒にカヤックを漕ぐツアーをやっている。それに家族で申し込んだ。どちらも楽しみだ。
2019年8月11日日曜日
20190811 ひゃっはー!
波遊びなんて持ってのほかだろうな、湾内でのんびりとかなと思いながら三崎口で始発のバスに乗ったら、なんでもやる先輩がいた。お互いにニヤリとしてクラブハウスにつく。
二人で支度をして舟を出す。今日は二人共ポリ艇なので運ぶのが重い。そそくさと浮かびヨットの右はじを抜けて行くと、すでに出ていたマガ先輩が戻ってきた。堤防の外はイカした波で、サーファーが5人ほど浮いている場所もあるそうだ。
あらあらと思いながら堤防を回ると、台風5号かの時よりもうねりがでかい。流石にこれはなーと思いつつサーファーの沖を漕ぎすぎる。いつものポイントが近づいてきて、よく見るとそこにパドルが上がり下がりしている。サーフ好きの先輩がサーフカヤックですでに入っていた。他には誰もいない。合流して聞くと、朝の5時半からやっているという。さすが。
僕らだけならありがたい。いくつかうねりをかわして目を慣らしてから、行けそうなやつで乗り始める。このあたりがシーカヤックで遊べる波乗りの限界かもしれないな。時にはそれを超えたやつがくるので、バックしてかわしてよく選ぶ。
サーフカヤックの先輩は流石に動きがそれっぽい。波を横に走り、崩れた所でスイと方向転換して波を上がり下までおり、いい場所で乗り続けていく。曲がり始めたらブレース横乗り一択のシーカヤックとは違う。
沖に出るときも思いっきり波に突っ込んでバウが跳ね上がり、自然と声があがる。これはシーカヤックのほうが有利だろうな。
乗り越えるかロールしてかわすか悩ましいような波も度々。これを越えてゆかなければならない。
三人で青空のもと波遊びをして、そろそろツアー組が出てくる時間になったのでサーフ好きの先輩とは分かれて二人で入江に戻った。
昼食の間には久しぶりにガンガン漕いでる同期がやってきた。あいかわらず真っ黒だ。家の近所で元気に漕いでいるようで安心した。みんなの話が盛り上がる。昼食をのんびり食べてワイワイ言いながら入江に戻って、クラブハウスでも楽しくだべって帰った。
これからしばらくは台風のうねりで波が高い日が続く。安全に、でも身の丈ちょっと上の波が来てくれたらまた来週も楽しめるかな。
2019年8月8日木曜日
20190808 もういっちょサンディエゴ
やっぱりシットオンじゃ物足りないなあと思っていて、ネットをポチポチ検索していたら、ちゃんとしたシーカヤックを貸してくれるところを見つける。浮足立って、午後に時間に余裕がある日をみつくろって、路面電車とバスを乗り継いで出かける。
行きの路面電車、ホテルから数分のところに駅があるのだけれど、運行間隔が15分ほど。一本逃すと都会の電車になれた人には待ち時間がつらい。それにカヤックを漕げる時間も減るし。
なのに、駅に渡る道路の信号待ちをしていると、遠くからすっとろい電車が走ってくるのが見える。近くの踏切も音を鳴らしており始める。気が焦って、信号が青になった瞬間走り出し、閉まり始めるドアにホームから飛び乗った。
何駅か乗って降りて次はバスに乗り換える。バスの運賃は 2.5ドルで前乗りタイプ。注意しなきゃなのは、運賃箱にお札をいれてもお釣りが出ないこと。だから、1ドル札を三枚いれても、お釣りがこない。
運転手さんのパターンは三通り、2ドルでいいよと言ってくれるか、お釣り出ないけどそれでもよければ 3ドル入れてと言うか、何も言わずに 3ドル入れさせるか。もしかしたら、前の人が3ドル払ったら、次の人が2ドルになったりしてるのかもしれない。
番外編で、日本のつもりでドル札を 3枚重ねていれると 1枚としか反応してくれない。それで運転手と問答になったことが昔ある。時間がかかるけど、一枚ずつ入れるのが安全。
目的のマリーナ近くのバス停で降りて、マリーナをずっと回り込んで、目当ての Aqua Adventures まで歩いていく。
店に入って店員さんにシーカヤック借りたいと伝え、ポンツーンに案内してもらう。どれがいいと言われるので、ラダーのないやつならなんでもいいやと選ぶ。メーカーは知らず。
スカート、PFD、パドルを受け取って支度をして水に浮かぶ。スカリングドローでポンツーンから離れようとすると、店員さんがちょっと顔を変えた。この店でシーカヤックを借りるには、陸上か海の上で店員さんにセルフレスキューできるのを見せる必要がある。なので、ポンツーンからちょっと離れて一発回って店員さんとにっこり。
それでマリーナから一人で漕ぎ出した。やっぱりシーカヤックはいい。リーンして小気味よく動くし、何より一体感があって水が近い。上機嫌で小一時間漕いでポンツーンに帰ってきて一度舟を返した。
この日は、6時から夕方パドリングイベントが有志向けにやっている。このお店の常連がボランティアではじめての人たちに安くガイドツアーをやっている形だ。ソロの他にそれにも参加して、安く夜まで日の入りまで漕げる塩梅。
一旦舟は返してしまったので、もう一度リーダと話して舟を決める。シーカヤック乗るというと、初見のやつに乗せるわけ無いだろうという態度が見えたけど、レスキューしなくても平気だなと念を押して結局はシーカヤックを選ばせてくれた。
ところが今度はスカートを借りるのにひと悶着する。以前、バリバリ漕げるぜ、という人が来て乗せたら、ポンツーンですぐに沈して挙げ句にスカートが外せずに大変だったんだそうだ。
さっきロールしてみせた店員はもういないし、ボランティアのリーダの意見を尊重してスカートなしで水に浮かぶ。安全第一。知らないやつの言葉を鵜呑みにしちゃいけない。
舟を回すときにリーンを深くする癖があるので、水を掬わないように気をつけよう。そう思いながら、先に浮かんでいる人とポンツーンの周りをちょろっと漕いで戻ってきたらリーダが寄ってきて、スカートつけてもいいと声をかけてくれた。さっきの店員さんが僕のことを話してくれたとのこと。スカートをちゃんとつけてこれでなんとか落ち着いた。
総勢はシーカヤック3艇、シットオンシングル3艇、シットオンタンデム1艇、SUP 2枚で日が低くなり始めたマリーナから湾に漕ぎ出す。30分程湾内を漕いで2つの橋をくぐり、適当な浜に上がって一休み。
タンデムに乗っていた家族連れが水際で遊んでいると、「エイがいるから気をつけろ、歩くなら足を砂に擦りながら後ろ向きに歩け」とリーダが声をかけてた。底は広く砂になってるからいるんだなあ。海の中は見えないから怖いぜ。
また海の上に戻って帰り道。お日様が低くなり空が色づく中を漕いで変える。マリーナに入る頃には色がだいぶ出ていた。
マリーナのブイやポンツーンには所々アザラシが乗って寝ている。全然動かないから最初は気づかなかった。湾を漕いでいる時に一頭泳いでいるのが見えたので、それでやっとブイの上のアザラシに気づいたくらい。普段いるなんて思っているから気づかない。サザエやアワビを観察するときと同じだな。
帰り道に何発か回って潮を感じる。気持ちいい。それで戻って舟を上げ、リーダーにお礼を言って別れ、着替えをさせえもらおうとお店に戻ったら入り口がしまっている。中は真っ暗。もう八時ちかいから当然といえば当然だけど、シャワーとは言わないまでも、着替える場所くらいは貸してもらえると思い込んでいた。
暗くなった植え込みの脇で、それでも監視カメラには録画されているんだろうなと思いながら、こそこそと着替えてさっぱりした。もう日は落ちきって道もくらい。潮を浴びたままだけど空気は乾いているのですごくさっぱりした気分。夜道をのんびり歩いてまたバスと電車を乗り継いで帰った。明日は飛行機で帰る。週末は台風でどうか楽しみだ。
行きの路面電車、ホテルから数分のところに駅があるのだけれど、運行間隔が15分ほど。一本逃すと都会の電車になれた人には待ち時間がつらい。それにカヤックを漕げる時間も減るし。
なのに、駅に渡る道路の信号待ちをしていると、遠くからすっとろい電車が走ってくるのが見える。近くの踏切も音を鳴らしており始める。気が焦って、信号が青になった瞬間走り出し、閉まり始めるドアにホームから飛び乗った。
何駅か乗って降りて次はバスに乗り換える。バスの運賃は 2.5ドルで前乗りタイプ。注意しなきゃなのは、運賃箱にお札をいれてもお釣りが出ないこと。だから、1ドル札を三枚いれても、お釣りがこない。
運転手さんのパターンは三通り、2ドルでいいよと言ってくれるか、お釣り出ないけどそれでもよければ 3ドル入れてと言うか、何も言わずに 3ドル入れさせるか。もしかしたら、前の人が3ドル払ったら、次の人が2ドルになったりしてるのかもしれない。
番外編で、日本のつもりでドル札を 3枚重ねていれると 1枚としか反応してくれない。それで運転手と問答になったことが昔ある。時間がかかるけど、一枚ずつ入れるのが安全。
目的のマリーナ近くのバス停で降りて、マリーナをずっと回り込んで、目当ての Aqua Adventures まで歩いていく。
店に入って店員さんにシーカヤック借りたいと伝え、ポンツーンに案内してもらう。どれがいいと言われるので、ラダーのないやつならなんでもいいやと選ぶ。メーカーは知らず。
スカート、PFD、パドルを受け取って支度をして水に浮かぶ。スカリングドローでポンツーンから離れようとすると、店員さんがちょっと顔を変えた。この店でシーカヤックを借りるには、陸上か海の上で店員さんにセルフレスキューできるのを見せる必要がある。なので、ポンツーンからちょっと離れて一発回って店員さんとにっこり。
それでマリーナから一人で漕ぎ出した。やっぱりシーカヤックはいい。リーンして小気味よく動くし、何より一体感があって水が近い。上機嫌で小一時間漕いでポンツーンに帰ってきて一度舟を返した。
この日は、6時から夕方パドリングイベントが有志向けにやっている。このお店の常連がボランティアではじめての人たちに安くガイドツアーをやっている形だ。ソロの他にそれにも参加して、安く夜まで日の入りまで漕げる塩梅。
一旦舟は返してしまったので、もう一度リーダと話して舟を決める。シーカヤック乗るというと、初見のやつに乗せるわけ無いだろうという態度が見えたけど、レスキューしなくても平気だなと念を押して結局はシーカヤックを選ばせてくれた。
ところが今度はスカートを借りるのにひと悶着する。以前、バリバリ漕げるぜ、という人が来て乗せたら、ポンツーンですぐに沈して挙げ句にスカートが外せずに大変だったんだそうだ。
さっきロールしてみせた店員はもういないし、ボランティアのリーダの意見を尊重してスカートなしで水に浮かぶ。安全第一。知らないやつの言葉を鵜呑みにしちゃいけない。
舟を回すときにリーンを深くする癖があるので、水を掬わないように気をつけよう。そう思いながら、先に浮かんでいる人とポンツーンの周りをちょろっと漕いで戻ってきたらリーダが寄ってきて、スカートつけてもいいと声をかけてくれた。さっきの店員さんが僕のことを話してくれたとのこと。スカートをちゃんとつけてこれでなんとか落ち着いた。
総勢はシーカヤック3艇、シットオンシングル3艇、シットオンタンデム1艇、SUP 2枚で日が低くなり始めたマリーナから湾に漕ぎ出す。30分程湾内を漕いで2つの橋をくぐり、適当な浜に上がって一休み。
タンデムに乗っていた家族連れが水際で遊んでいると、「エイがいるから気をつけろ、歩くなら足を砂に擦りながら後ろ向きに歩け」とリーダが声をかけてた。底は広く砂になってるからいるんだなあ。海の中は見えないから怖いぜ。
また海の上に戻って帰り道。お日様が低くなり空が色づく中を漕いで変える。マリーナに入る頃には色がだいぶ出ていた。
マリーナのブイやポンツーンには所々アザラシが乗って寝ている。全然動かないから最初は気づかなかった。湾を漕いでいる時に一頭泳いでいるのが見えたので、それでやっとブイの上のアザラシに気づいたくらい。普段いるなんて思っているから気づかない。サザエやアワビを観察するときと同じだな。
帰り道に何発か回って潮を感じる。気持ちいい。それで戻って舟を上げ、リーダーにお礼を言って別れ、着替えをさせえもらおうとお店に戻ったら入り口がしまっている。中は真っ暗。もう八時ちかいから当然といえば当然だけど、シャワーとは言わないまでも、着替える場所くらいは貸してもらえると思い込んでいた。
暗くなった植え込みの脇で、それでも監視カメラには録画されているんだろうなと思いながら、こそこそと着替えてさっぱりした。もう日は落ちきって道もくらい。潮を浴びたままだけど空気は乾いているのですごくさっぱりした気分。夜道をのんびり歩いてまたバスと電車を乗り継いで帰った。明日は飛行機で帰る。週末は台風でどうか楽しみだ。
2019年8月4日日曜日
20190804 サンディエゴ・コロナド
サンディエゴで一週間ほど過ごす事になって、4日の夕方になってホテルについた。時差ボケを解消するのに一番いいのは、軽い運動だと思ってる。向こうの昼の時間に体を動かして、それで夜はぐっすり眠る。
軽い運動といえばカヤックだから、ホテルの近くにいい場所はないかと探すと、ホテル近くからフェリーで5分、サンディエゴ湾を渡ったコロナドというところでシットオントップカヤックのレンタルを見つけた。
ネットでは17時に閉店と書いてあって気が焦る。さっさとホテルの部屋で荷降ろしして、持ってきてあった防水バッグに必要なものを詰めてフェリー乗り場まで15分程を歩く。フェリーが来て、サンディエゴ湾をあっという間に渡る。フェリーには自転車を乗っけてもいい。往復で10ドル払う。乗るときに、切符をチェックする人に切れ目を入れられる。これで一回乗ったことになる。帰りは、切れ目の入った切符を回収されるのだろう。
コロナド側についたら、Bike and Kayak Tours というレンタルのところまでは歩いてすぐ。聞いたら、六時過ぎまで乗せてくれるという。ラッキー。パドルとPFDを借り、カヤックがおいてある浜まで歩いていくと、店員がシングルカヤックを水際まで準備してくれた。それにのって水に浮かぶ。やったね。
サンディエゴ湾は細長くて、北に向かって入ったかと思うとすぐに東に曲がり、反転して南まで長く入り込む、J の字を逆さまにしたナマコみたいな形。その真中くらいにいるので太平洋のうねりは何もない。ただ曳き波が時折起こす。舟の行き来はとても多く、仕事の舟、観光船、個人の舟などが目の前をひっきりなしにすぎる。
だから、カヤックは航路には行かない。赤いブイが点々とあるのが目印で、それより沖には行かないように言われる。それより岸側にいれば、どこまで漕いでも良いそうだ。ただ、北にいくと米軍の基地があるので、湾の奥、南の方向に進む。
サンディエゴ湾には一本、コロナド橋という青い橋がかかっている。そこを最初の目印に漕いだ。
他にもはしけがあり、だいたい木でできていてそれをくぐって遊ぶ。
曳き波を待って波乗りしようと思ったけど、全然だめだった。残念だ。サンディエゴの緯度は N33 度弱。日本で言えば佐賀あたり。なのに気温は全然低い。夏でも30度行かないのがほとんど。日差しは照りつける感じはあるけど、空気は乾いて風が吹けば涼しい。
カヤックをしていても、雫がどんどん乾いていく。湾の中だから太平洋の生の潮ではないかもしれないけど、水もすこし冷たい気がする。漕ぐのにちょうどよい。
そうして小一時間、大きな油壷湾を漕いでもとの浜に戻ってきた。六時というのにまだ明るい。期間中また機会があればぜひ漕ぎたいけど、できればちゃんとしたシーカヤックがいいなあ。
軽い運動といえばカヤックだから、ホテルの近くにいい場所はないかと探すと、ホテル近くからフェリーで5分、サンディエゴ湾を渡ったコロナドというところでシットオントップカヤックのレンタルを見つけた。
ネットでは17時に閉店と書いてあって気が焦る。さっさとホテルの部屋で荷降ろしして、持ってきてあった防水バッグに必要なものを詰めてフェリー乗り場まで15分程を歩く。フェリーが来て、サンディエゴ湾をあっという間に渡る。フェリーには自転車を乗っけてもいい。往復で10ドル払う。乗るときに、切符をチェックする人に切れ目を入れられる。これで一回乗ったことになる。帰りは、切れ目の入った切符を回収されるのだろう。
コロナド側についたら、Bike and Kayak Tours というレンタルのところまでは歩いてすぐ。聞いたら、六時過ぎまで乗せてくれるという。ラッキー。パドルとPFDを借り、カヤックがおいてある浜まで歩いていくと、店員がシングルカヤックを水際まで準備してくれた。それにのって水に浮かぶ。やったね。
サンディエゴ湾は細長くて、北に向かって入ったかと思うとすぐに東に曲がり、反転して南まで長く入り込む、J の字を逆さまにしたナマコみたいな形。その真中くらいにいるので太平洋のうねりは何もない。ただ曳き波が時折起こす。舟の行き来はとても多く、仕事の舟、観光船、個人の舟などが目の前をひっきりなしにすぎる。
だから、カヤックは航路には行かない。赤いブイが点々とあるのが目印で、それより沖には行かないように言われる。それより岸側にいれば、どこまで漕いでも良いそうだ。ただ、北にいくと米軍の基地があるので、湾の奥、南の方向に進む。
サンディエゴ湾には一本、コロナド橋という青い橋がかかっている。そこを最初の目印に漕いだ。
他にもはしけがあり、だいたい木でできていてそれをくぐって遊ぶ。
曳き波を待って波乗りしようと思ったけど、全然だめだった。残念だ。サンディエゴの緯度は N33 度弱。日本で言えば佐賀あたり。なのに気温は全然低い。夏でも30度行かないのがほとんど。日差しは照りつける感じはあるけど、空気は乾いて風が吹けば涼しい。
カヤックをしていても、雫がどんどん乾いていく。湾の中だから太平洋の生の潮ではないかもしれないけど、水もすこし冷たい気がする。漕ぐのにちょうどよい。
そうして小一時間、大きな油壷湾を漕いでもとの浜に戻ってきた。六時というのにまだ明るい。期間中また機会があればぜひ漕ぎたいけど、できればちゃんとしたシーカヤックがいいなあ。
2019年8月1日木曜日
20190801 無邪気にはしゃごう
高校生になった息子が友達を連れて四人でカヤックを漕ぎにきたいという。それで大先輩のツアーに申し込んだ。学校は夏休みだけど、僕は休みをとって三浦にでかける。一日暑い。大潮。
クラブハウスについて支度をする。ペダルの位置や沈脱の仕方、パドルの使い方などの陸トレを真面目な顔立ちで聞いている高校生を少し遠巻きに眺める。みんな運動部で、ひょろっとして薄い体つきでパドルを持って、ぎごちなく振り回す。
舟を入江に浮かべて外に出る前の軽い準備運動。あちこちに漕ぎまわって楽しそうだ。ヨットの右側を抜けて広いところに出ると、まっすぐ進まない舟をなんとかして、右に左に動きながら、大先輩と他のお客さんのペースにそれほど遅れずについてくる。
堤防を回ってエビ島を目指す。今日のそこで昼休憩。少し慣れたとはいえ、まだ舟はまっすぐ進まない。すぐ前を行く友達の舟に少しずつ寄ってはスターンに擦ってしまい、自分が左に行けば友達の舟は右を向いてしまう。「やめろよー」とじゃれつきながら、それでもペースには遅れずついていく。今日は海も穏やかで、どこで沈しても、出てきてくれさえすればなんとかなる。好きにやらせて後ろから漕いで行く。
エビ島でスノーケリングをして、カニやらヤドカリやらで興奮する高校生を新鮮に思いながら、自分は他のお客さんと話をしてのんびり過ごす。息子たちは騒がしく楽しんでいるようだ。それでもお行儀良さそうな印象がある。
お昼を済ませ、黒崎の鼻まで漕ぐことにする。午後はだいぶ慣れてきて、友達の舟をわざと横に向けはじめた。最初は仕方なくだったのが、今はもう狙ってやっている。そのために、スターンを狙って後ろがダッシュをすれば、前はダッシュで逃げようとしてあちこちに舟が動く。それでも全体としてはまとまって、ツアー全体が縦長になるようなことはない。ただ大きいまとまりの中で、舟が右に左にあちこちに動く。大人たちのツアーではこんな風には動かない。まっすぐ進みながらもペースにムラができて、縦に伸びてしまうのが普通だ。元気やのうと思いながらまた後ろからついていく。
黒崎で一休みし、引き返す。そしてまた堤防手前の浜で一休みし、小網代の入江まで帰ってきた。ここで高校生グループはロールがしたいと言い出した。サポートにたって、みんなものの10分くらいでロングは上がるようになった。上半身が軽いから、ロールも簡単に上がる。不必要な筋トレでデッドウェイトになっているマッチョとはエライ違いだ。
そうして入江で遊んで五時になった。さすがに大先輩の「帰りましょう」コールが入って舟を上げた。大人な口を聞くようになっても、新しいことを屈託なく吸い込んで、そういうのを目の前で見ているのは楽しい。また、自分の親などに声をかけてまた三浦の海に来てくれればいいと思う。
クラブハウスについて支度をする。ペダルの位置や沈脱の仕方、パドルの使い方などの陸トレを真面目な顔立ちで聞いている高校生を少し遠巻きに眺める。みんな運動部で、ひょろっとして薄い体つきでパドルを持って、ぎごちなく振り回す。
舟を入江に浮かべて外に出る前の軽い準備運動。あちこちに漕ぎまわって楽しそうだ。ヨットの右側を抜けて広いところに出ると、まっすぐ進まない舟をなんとかして、右に左に動きながら、大先輩と他のお客さんのペースにそれほど遅れずについてくる。
堤防を回ってエビ島を目指す。今日のそこで昼休憩。少し慣れたとはいえ、まだ舟はまっすぐ進まない。すぐ前を行く友達の舟に少しずつ寄ってはスターンに擦ってしまい、自分が左に行けば友達の舟は右を向いてしまう。「やめろよー」とじゃれつきながら、それでもペースには遅れずついていく。今日は海も穏やかで、どこで沈しても、出てきてくれさえすればなんとかなる。好きにやらせて後ろから漕いで行く。
エビ島でスノーケリングをして、カニやらヤドカリやらで興奮する高校生を新鮮に思いながら、自分は他のお客さんと話をしてのんびり過ごす。息子たちは騒がしく楽しんでいるようだ。それでもお行儀良さそうな印象がある。
お昼を済ませ、黒崎の鼻まで漕ぐことにする。午後はだいぶ慣れてきて、友達の舟をわざと横に向けはじめた。最初は仕方なくだったのが、今はもう狙ってやっている。そのために、スターンを狙って後ろがダッシュをすれば、前はダッシュで逃げようとしてあちこちに舟が動く。それでも全体としてはまとまって、ツアー全体が縦長になるようなことはない。ただ大きいまとまりの中で、舟が右に左にあちこちに動く。大人たちのツアーではこんな風には動かない。まっすぐ進みながらもペースにムラができて、縦に伸びてしまうのが普通だ。元気やのうと思いながらまた後ろからついていく。
黒崎で一休みし、引き返す。そしてまた堤防手前の浜で一休みし、小網代の入江まで帰ってきた。ここで高校生グループはロールがしたいと言い出した。サポートにたって、みんなものの10分くらいでロングは上がるようになった。上半身が軽いから、ロールも簡単に上がる。不必要な筋トレでデッドウェイトになっているマッチョとはエライ違いだ。
そうして入江で遊んで五時になった。さすがに大先輩の「帰りましょう」コールが入って舟を上げた。大人な口を聞くようになっても、新しいことを屈託なく吸い込んで、そういうのを目の前で見ているのは楽しい。また、自分の親などに声をかけてまた三浦の海に来てくれればいいと思う。
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