やっぱりシットオンじゃ物足りないなあと思っていて、ネットをポチポチ検索していたら、ちゃんとしたシーカヤックを貸してくれるところを見つける。浮足立って、午後に時間に余裕がある日をみつくろって、路面電車とバスを乗り継いで出かける。
行きの路面電車、ホテルから数分のところに駅があるのだけれど、運行間隔が15分ほど。一本逃すと都会の電車になれた人には待ち時間がつらい。それにカヤックを漕げる時間も減るし。
なのに、駅に渡る道路の信号待ちをしていると、遠くからすっとろい電車が走ってくるのが見える。近くの踏切も音を鳴らしており始める。気が焦って、信号が青になった瞬間走り出し、閉まり始めるドアにホームから飛び乗った。
何駅か乗って降りて次はバスに乗り換える。バスの運賃は 2.5ドルで前乗りタイプ。注意しなきゃなのは、運賃箱にお札をいれてもお釣りが出ないこと。だから、1ドル札を三枚いれても、お釣りがこない。
運転手さんのパターンは三通り、2ドルでいいよと言ってくれるか、お釣り出ないけどそれでもよければ 3ドル入れてと言うか、何も言わずに 3ドル入れさせるか。もしかしたら、前の人が3ドル払ったら、次の人が2ドルになったりしてるのかもしれない。
番外編で、日本のつもりでドル札を 3枚重ねていれると 1枚としか反応してくれない。それで運転手と問答になったことが昔ある。時間がかかるけど、一枚ずつ入れるのが安全。
目的のマリーナ近くのバス停で降りて、マリーナをずっと回り込んで、目当ての Aqua Adventures まで歩いていく。
店に入って店員さんにシーカヤック借りたいと伝え、ポンツーンに案内してもらう。どれがいいと言われるので、ラダーのないやつならなんでもいいやと選ぶ。メーカーは知らず。
スカート、PFD、パドルを受け取って支度をして水に浮かぶ。スカリングドローでポンツーンから離れようとすると、店員さんがちょっと顔を変えた。この店でシーカヤックを借りるには、陸上か海の上で店員さんにセルフレスキューできるのを見せる必要がある。なので、ポンツーンからちょっと離れて一発回って店員さんとにっこり。
それでマリーナから一人で漕ぎ出した。やっぱりシーカヤックはいい。リーンして小気味よく動くし、何より一体感があって水が近い。上機嫌で小一時間漕いでポンツーンに帰ってきて一度舟を返した。
この日は、6時から夕方パドリングイベントが有志向けにやっている。このお店の常連がボランティアではじめての人たちに安くガイドツアーをやっている形だ。ソロの他にそれにも参加して、安く夜まで日の入りまで漕げる塩梅。
一旦舟は返してしまったので、もう一度リーダと話して舟を決める。シーカヤック乗るというと、初見のやつに乗せるわけ無いだろうという態度が見えたけど、レスキューしなくても平気だなと念を押して結局はシーカヤックを選ばせてくれた。
ところが今度はスカートを借りるのにひと悶着する。以前、バリバリ漕げるぜ、という人が来て乗せたら、ポンツーンですぐに沈して挙げ句にスカートが外せずに大変だったんだそうだ。
さっきロールしてみせた店員はもういないし、ボランティアのリーダの意見を尊重してスカートなしで水に浮かぶ。安全第一。知らないやつの言葉を鵜呑みにしちゃいけない。
舟を回すときにリーンを深くする癖があるので、水を掬わないように気をつけよう。そう思いながら、先に浮かんでいる人とポンツーンの周りをちょろっと漕いで戻ってきたらリーダが寄ってきて、スカートつけてもいいと声をかけてくれた。さっきの店員さんが僕のことを話してくれたとのこと。スカートをちゃんとつけてこれでなんとか落ち着いた。
総勢はシーカヤック3艇、シットオンシングル3艇、シットオンタンデム1艇、SUP 2枚で日が低くなり始めたマリーナから湾に漕ぎ出す。30分程湾内を漕いで2つの橋をくぐり、適当な浜に上がって一休み。
タンデムに乗っていた家族連れが水際で遊んでいると、「エイがいるから気をつけろ、歩くなら足を砂に擦りながら後ろ向きに歩け」とリーダが声をかけてた。底は広く砂になってるからいるんだなあ。海の中は見えないから怖いぜ。
また海の上に戻って帰り道。お日様が低くなり空が色づく中を漕いで変える。マリーナに入る頃には色がだいぶ出ていた。
マリーナのブイやポンツーンには所々アザラシが乗って寝ている。全然動かないから最初は気づかなかった。湾を漕いでいる時に一頭泳いでいるのが見えたので、それでやっとブイの上のアザラシに気づいたくらい。普段いるなんて思っているから気づかない。サザエやアワビを観察するときと同じだな。
帰り道に何発か回って潮を感じる。気持ちいい。それで戻って舟を上げ、リーダーにお礼を言って別れ、着替えをさせえもらおうとお店に戻ったら入り口がしまっている。中は真っ暗。もう八時ちかいから当然といえば当然だけど、シャワーとは言わないまでも、着替える場所くらいは貸してもらえると思い込んでいた。
暗くなった植え込みの脇で、それでも監視カメラには録画されているんだろうなと思いながら、こそこそと着替えてさっぱりした。もう日は落ちきって道もくらい。潮を浴びたままだけど空気は乾いているのですごくさっぱりした気分。夜道をのんびり歩いてまたバスと電車を乗り継いで帰った。明日は飛行機で帰る。週末は台風でどうか楽しみだ。
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