小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2014年10月5日日曜日

初めての多摩川 事故に備えて

真冬の川で30分耐える

はじめてのことづくしです。川で漕ぐのはじめて、冬に漕ぐのはじめて、なによりもガイド無しです。なので、とても心配です。こわいので、できるだけ最悪のケースを考えて準備したいと思いました。カヤックの最悪といえば、やはり船がひっくり返る、つまり「沈(チン)する」ことだと思います。そして、船に再度戻る (再上艇といいます) ことができず、水中で低体温症になって動けなくなり、さようなら、というのが鉄板です。

多摩川の冬の水温をみると、日野橋より下流においては最低水温で10℃以下にはならなそうです (報告16号 + 多摩川の...研究)。10℃であれば、低体温症で意識を失うまで30分 (アクアビーチ)。その上で、この時間をさらに長くするためにウェットスーツを着ることにしました。

また、濡れて上がった場合に岸で体を温めるために、全身がくるまれる毛布と、救急のアルミシートは持っていった方が良いでしょう。アウトドアが好きな人は、お湯を沸かす道具も持っているでしょうから、それで湯たんぽを準備してもいいと思います。湯たんぽは、首の付根、脇の下、股間などの静脈にあてるようにしましょう。その上で、できるだけ早く救急車を呼べるよう、携帯も岸の人が準備しておきましょう。

さて、沈して水中にいても30分は確保しました。この時間で何ができるか考えます。大きく分けて、もう一度漕げる状態に戻るか戻らないかの分かれ道です。

船に戻る

ひっくり返った船に座ったままの状態で、さらにもう半回転船をひっくり返して元に戻ることをロールといいます。カヤックの由来であるエスキモーの人たちにとって、極寒で生き抜く必須テクニック、というのがうなづけます。しかし、僕も子供もロールができないので、これは論外。来シーズンにはと思っていますが今はまだです。

次に、再上艇という方法もあります。船に入った水をポンプで抜く時間が必要ですが、これならやった事があるのでビルジポンプをきちんと載せておきます。

船に戻らない

次に、船に戻らない方法を考えます。もちろん、船に手が届けばよじ登って上半身だけでも水から上げることで体温の低下を下げられます。しかし、船が流れてしまって届かない時には、無理に船に泳ぎ着くことで体温を下げるのは意味がありません。船は捨てましょう。

まずは岸に流れ着くのを待つ方法です。ウェットスーツを着ていれば、すこし泳ぐくらいでひどく体温が下がることもないでしょう。流されながら岸に向かって無理のない範囲で泳げれば、早く岸に戻れることになります。また、足のつくところにつけば、立ち上がって水から上がることができます。ただし、流れた先にすぐ堤などがあったりすると危ないので、堤からは上流に十分離れておきたいです。

もちろん、流されているだけで岸につけなかったらお話になりませんから、スローイングロープを岸から投げて、それで岸にたぐり寄せる方法も考えました。この場合、自分がどこまで投げられるか、きちんと近くに投げられるか、予め練習しておかなくてはいけません。実際の使い方については、Landsのページがわかりやすいです。特に、使用時の注意点などはよく読む必要があります。

まずは漕ぐ前にロープを投げて遊んでみようと思います。また、川にいる側にロープを掴んでもらわないといけないので、意識があって体が動くうちに、迅速に投げる必要があります。さらに、握力のない子供でもやれるように、PFDのクイックリリースにカラビナをつけておこうと思います。しかし、ロープを体に固定するのは大変危険なので、これも注意が必要です (後述)。

しかし、子供が初めての場所で漕ぎだす時だけは、ロープを結んで漕ぎだすことを検討しようと思います。ロープが届く範囲で一度漕がせて、感触をつかんだら外そうと思います。

最後に一点スローイングロープについて注意点。助ける方も、助けられる方も、ロープの輪などで体に固定するのは大変危険です。ロープの輪に手を通した場合、流れに引き絞られて抜けなくなる等の可能性があるからです。特に、流れの早い川ではそうだと思います。しかし、ロープを持つ握力すらない状態になってはその先の時間がありません。すぐにでもカラビナでロープを固定して岸まで引き戻そうと思います。

まとめると

安全対策としての準備
  • 最低でもウェットスーツ + PFD (ライフジャケット) を着る
  • 濡れて上がった時のために、毛布、アルミシート、あったかいお湯と湯たんぽ
  • かならず一人岸にいてカヤックを見張る、何かあったら救急に電話
  • スローイングロープを持参して投げる練習をする
  • PFDにカラビナをつけ、ロープを引っ掛ける練習をする (握力がなくなった場合に備えて)
救助の選択肢 (A=やれそう, B=まあまあ, C=無理)
  • C: ロール
  • B: 再上艇
  • A: 岸に流れるのを待つ
  • A: ロープを投げてたぐり寄せる
  • A: ロープを体に結んで船に乗る (初めての場所ではやります)
  • A: 119に通報する
前準備としては、この程度でしょうか。今後は次の4つを指標として、多摩川のポイントをこのブログでご報告していけたらなと思います。
  • できるだけ水が温かいところ (日野橋より上流では水温が低め、調布取水所より下流では水温が高め)
  • 足がつく深さが長く広く続くところ
  • 堤からは十分に上流に離れているところ
  • 岸にいる人がカヤックと一緒に川べりを移動しやすいところ

参考にしたサイト

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