小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2021年10月13日水曜日

20211013 スポンジロール

 予報は雨。でもそんなの関係ない。濡れて泳いで明日ぶデー。朝に大先輩の車に集合してサーフ遠足にレッツゴー。その車中、クラブのビルジスポンジを新調したので、ゆめゆめ無くさないようにという話になる。沈脱、とくにサーフの中で沈脱し、水を抜くなどすると、コックピットの中のものが流れ出し、気づかなかったり見失ったりでなくしやすい。その一番頭がスポンジ。そのためには沈脱を減らさなくては。

久しぶりのサーフ遠足。馴染みの六人で浜に舟を並べ、浜に打ち下ろす波をくぐってポイントにはいる。今日はサップもサーファーもおらず、ぼくらだけだった。

波の調子はちょうどよく、楽しく遊べるギリギリの大きさ。これ以上大きかったらシーカヤックだとめんどくさそうだ、という一歩手前の滑らかな波が、沖から沖から寄せてくる。昼飯もそこそこに、朝から夕方までひっきりなしに乗りまくって、今年のこれまでのストレスを追い出した。

いよいよお開きというところで巻いた波のタイミングが悪く合ってしまい前転をかます。舟が左ロール側に止まってしまったので苦手だけどそのままロール。パドルの角度がうまくあってなくて何度か失敗し、素直にロングロールでフェースの角度を確認してから上がった。スポンジなくさずにすんだ。危ない危ない。カヤックがまっすぐ立ったと言われ、大先輩が動画に撮っていたから楽しみだった。結果、ばっちり撮れていたので、切り出して拝借する。自分のカヤックが立つのは初めて見た。ほほー。

大先輩から拝借

そうしてめいめいが最後の一本を終えて浜に戻る。誰もスポンジはなくさずに終わった。めでたしめでたし。沈脱もちろんあったけど、無くさないようにと思っていると、脱った時に周りを確認するし、また、きちんとロールして脱らないようにしようと意識する面もあったと思う。

ロールの最初の肝は、セットを反射的に行えるまで反復しているかどうか、だと思う。練習でロールはしていても、不意に沈した時に「ロール or 脱」の二択を意識するようではロールはできるようになっていないんじゃないだろうか。無意識のうちに自動的にセットをし、トライする。それが失敗した時に初めて、「アゲイン or 脱」の判断が意識に上ってくる。

今まで、練習ではできても実際の場でなかなか成功しなかった後輩が、この夏の練習の成果か、ふとバンバンロールが上がるようになった。話を聞いてみると、「脱」という選択肢がだいぶ消えたと見えて、沈した時に体が自動的にセットに入ったという。キャンプツアー中に岩の陰から崩れ波をくらって沈したときも、「シュラフ濡れちゃうかな」と考えながらセットに入っていたという。そこから脱の選択肢はもう消えている。その成果はこの日も生きていて、ロールの上がりざまにまた崩れ波で沈して、で都合三回のロールをきちんと上がりきってた。それで自信がついたのか、より大きな波を待って乗れるようになり、効率的にたくさん楽しめるようになった。これで波乗りが急速に上達すると思う。


ロールの話を書いたので、実践的なロールの要点を一つ書いておこうと思う。あくまで個人的な嗜好だけど、それはあがりきった瞬間の体勢が、フォワードストロークのフィニッシュとほぼ同じになること。体は立って、パドルのパワーフェースは水面に垂直で水から抜く瞬間。そうでないと、次の波から逃げたり、岩場から離れたり、次の一歩に遅れが出る。上がったら、まるでフォワードストロークを直前までしていたかのように、そのつながりで次のフォワードに入る。そういう意味で言えば、ホワイトウォーターで CtoC がスタンダードなのはすごく納得できる。

体が極端に後ろにのけぞったり、前のデッキに前傾したりして上がってくるロールは少なくともサーフのように常に水が動いているところでは使わない。後ろにのけぞるのは、膝のかかりが悪くても上げやすいので、余裕がない時にやることはあるけど。逆に、前デッキにべったりで、パドルを低く構えて上がってくるようなロールは使い所がない。顔をあげて辺りを見回し、パドルを構えてと、どうしてもテンポが悪い。

今回の遠征では、そういう実践を左右両方やらされた。波がロールのブラッシュアップを手伝ってくれた。夏の終りのいい区切りになったと思う。


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