世間の騒がしさに一喜一憂しながらまたひと夏が過ぎます。台風が房総半島をかすめて過ぎた。普通なら強まる吹き戻しの北風が以外に穏やかだった一日。太平洋のうねりを感じながら一日漕いだ
白み始めた空をみながら歩いてクラブハウスにつき、日の出とともに舟を出す。久しぶり、というわけではないのだけど、何日かキャンプの舟で漕いだので、おっとと、こんな感じだったねと、少しもそもそと体を振り込んで薄い舟を試しながら堤防を回っていく。
もちろん台風の残りを期待して出てきたのだけど、網代崎を見る限りは案外おとなしい。ずっと北寄りの強風だったから、おちるのも早かったんだろうか。
それでも近場のポイントにはもうSUPなど人が出ていて、その中にサーフカヤックで入っている知り合いがいた。寄って行って挨拶をして、ここのところの世間話をひとくさりする。
波をそれなりに待つ感じだったので、話がすんだら漕ぎ出して他を行脚して回る。狭い岩場のポイントは暴力的な波が入り、そこに6,7人のサーファーが浮いている。こちらもみんな朝がはやい。
それを横目に見ながらの場所でひとしきり遊ぶ。ここはうねりがあって潮が低い時、凄くいい。ぐらっしぃナぐりぃーんうぇーぶってやつを堪能する。 実にカヤック向きの良い波。スピードに乗って広い緩い斜面を右に左にスラロームをきる。
そのうちに筋トレ後輩が出てきそうな時間になったので、のんびりとパドルを回して入江に一旦戻り、仕切り直して一緒に漕ぎ出す。
網代崎の岩場は静かで、その先のうねりはおくびにも出さない。岩場の上をするりと抜けて諸磯の手前までくると、油壺から次々に漁船が出てくる。クラブに歩きながら上の道から見た湾は、台風を避けて油壷に逃げ込んだ船がいっぱいにしてた。その船が次々とでて来ていて、諸磯側に渡る隙間がない。まっすぐ抜ける船もあれば、すぐに北に針路を変えて、沖網代方面に抜ける船もある。その間でソロソロ、オロオロとパドルを回し、心を決めたらダッシュで諸磯に渡った。
諸磯からさきはうねりのギアが一つ上がる。まだ潮が低いけど、上がってきたら岩場の中が楽しそうだ。まずは先に進んで、釜根、長津呂崎、安房崎まで太平洋のうねりを岸から大回りで楽しみながらやってきた。
横瀬島方面をみやると、東風崎の灯標が立ってるあたりで白波が見える。沖を回って行けなくもないけど、行かなくてもいいですよねと後輩の弁。それで引きかえすことにした。
諸磯まで戻るとまだ潮がちょっと低い。舟を壊しに来ているような波が立ち上がって崩れ、岩場に浴びせ倒す。そんな波の隙間を抜けて灯台の入江に入ると、子どもたちが浮き輪でスノーケリングしている静かな水面。諸磯は天然自然の防波堤。
帰り道にちょっと油壷の湾に寄り道をする。諸磯の灯台で渡るよりも、油壺の湾に入ってから渡ったほうが、漁船のスピードも遅いうちだから渡りやすいと思って。それに、まだどのくらい船が残っているか見てみたい気持ちもある。油壺の折れ曲がった湾に入って、ちがさき丸とか色々の船の名前を見比べながらひょいと湾の向こう岸に渡り、また岸沿いに油壷から出ていった。
昼ごはんに決めていた俺の浜によってくるとちょうど12時の鐘がなった。小学校みたいと後輩がつぶやいて舟を上げた。今日は朝が早かったから、まだ強い日差しに熱を持った小砂利の浜に寝っ転がり、しばらく昼寝。
しゃっきり目が覚めて、最後にもういっちょと荒崎まで往復した。朝遊んだ場所は、潮が上がって波が厚くなりすぎたけど、崩れ波はより大きくなって巻かれて楽しんだ。そうしてもう一周、一通り行脚して舟をあげた。
夕色が出てきた湾をみながら帰りの坂道を上がる。海はいつも同じだけど、周辺の人の動きは複雑だ。面倒くさい辺りは避けて通ろう。カヤックはどこにでもいける乗り物だから。
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