小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2024年5月25日土曜日

20240525 また次の

GWに遠くでキャンプ泊しながら漕いでくると、帰ってきても全然スイッチが切り替わらない。次は何か違うやり方でやってみようと頭の中が試行錯誤する。仕事にならない、

中でも今回は雨の日のタープの便利さを改めて知らされて、自分でも取り入れたいと思った。そうやって荷物を減らして、薄い舟でも一泊の三浦キャンプならやれると思った。

それなら練習しましょうと、家からカートを牽いて舟を出す。丁度三浦の道草マラソンに知り合いが出ていて、海から応援できたらそれもいい。

パドルを縛るのに思ったより手間取って、そしてまた込栓を折ってしまった。もう予備がない。やっと浮かぶともうマラソンは出走してる頃合いで、海の上のカヤックが見えたかどうか。

とりあえず久里浜を回れるかと北に漕ぐけれど、10時頃までは北東の風が強い。予報どおり。とりあえず堤防の先まで出て真正面に風を受けてみる。東京湾ぽい風浪が立って、まあ行けなくはないけど行っちゃだめなやつ。そうなるだろうなとは思っていたので、とりあえず引き返して手近な浜に上がり、タープをの張り方を試しながら風が落ちるのを待つ。


まあ、こんなもんかと気が済んだ。風が落ちてきたのを確認してまた久里浜の堤防を回る。これなら大丈夫と言うことで先に進める。午後は今度は南風が上がるので、早めに下浦のテトラには戻る気持ちで漕ぎ出す。

オオツカネでその先を考える。まあ、風待ちで時間使ったし、浦賀で折り返しますか。寄居で昼めしにしたかったけど、やっぱり南風が気になるし。

浦賀では東と西の叶神社を水面から眺め上げてお参りをし、燈明崎で飲み物を買いに一度船を上げる。道からの入口の広場には路草マラソン100キロコースの補給所が有った。知り合いは63キロコースのだから浦賀までは来てないけど、こういうのを転々と回っているのだなあと思った。

また浮かんでオオツカネまで戻る。風はまだ落ち着いていたので、もうちょっと出てみるかと海獺島までいくと結構潮が流れてる。その先の笠島の浮標までタッチして折り返し、久里浜の堤防まで戻った。思ったよりも流れてて海面ザワザワしてた。いい感じ。

これで下浦のテトラの内側に入ってしまえば安心感がある。手近な浜に一度上がってのんびりと昼飯として、それで残りはテトラ脇をのんびりと漕いで舟をあげた。あー、早く次のキャンプがしたい。

2024年5月19日日曜日

20240519 笠懸神事

ツアーではのんびり漕いだので、少し体に鞭を入れたい。来月になったら江の島往復のツアーもあるしなおさらだ。筋トレ後輩も同じ思いのようで、申し合わせて朝から一緒に舟を出す。

今日は荒井浜で笠懸神事を丁度やるらしい。それなら午前中ペース上げ目で漕いで荒井浜までやってきて、一息付きながらそれを見て大先輩のツアー組に合流しようという目論見。

よっしゃよっしゃと漕いで諸磯を過ぎる。何となく潮の流れが気になる。追いなのか向かいなのか。追いなような気がする。あっという間に安房崎まで着て先を見る。海況は良いのでとりあえず横瀬島までは行きましょう。

それにしても波の感じがぜんぜん違う。長津呂崎でうねりがガシャガシャしているのを漕ぎ慣れているとだいぶ強い。

横瀬島はタッチですぐに折り返し、また安房崎、長津呂崎、三崎の堤防ときて辺りを見回す。笠懸には間に合いそうだ。よしよし。でも大先輩たちの気配がない。キョロキョロしながら諸磯を抜け、荒井浜まで来てしまった。

浜は人が一杯で、いかにもな声のアナウンスがしきりに笠懸神事の説明をしている。浜の前にはSUPも三人ほど浮かび、事が始まるのを待っている。

僕らも遠目に浮かびながらアナウンスに耳を澄ます。時間どおりに神事を始めますと聞こえた。そこから神主さんが祝詞を上げ、町の住民やら市長やら果ては県の議員やらが玉串を捧げて挨拶をし、とまあ小一時間経っても馬が出てこない。

しびれを切らしたので一旦浜諸磯まで戻って船を上げ、もそもそと昼ごはんを食べて大先輩たちを北に探しに行くことにした。その途中荒井浜を過ぎようとした所で丁度馬が走ってくれていた。四人ほどが左に右に笠懸をやったのが見れたので満足。そのまま岸を睨みながら荒崎を目指し、黒崎を過ぎたところで大先輩に合流できた。

それで舟を返して俺の浜にコーヒー休憩に上がってそぞろに話をする。今日のゲストさんに一人サーフィンやらOC-1やらをやっていた人がいて、どおりで後ろからの漕ぎ姿がしっかりしてると思った。岩場のポイントで、大先輩が波に乗るのを見て自分も一本乗ったそうだ。すげえ、日本もまだまだ裾野は広く、頂も高い。

その人はそのうち隠岐の島にカヤックのツアーに行くそうだ。いいねえ。そういう話をしながら入江に戻って軽く回って舟を上げた。

2024年5月5日日曜日

20240504 -0505 GW 旅に暮らせたか

いよいよ漕ぎは最後。目標の浜まで二十キロ弱。そこで今回の瀬戸内の漕ぎは終わる、距離は短いけど、ついた浜から大先輩は車を取りに岡山で出発した浜までバス、新幹線、電車、タクシーと乗り繋いで戻らなきゃならない。手漕ぎの舟でもこれだけの日数積み上げればそれなりの距離になった。

ゴールの浜から乗るバスは一時間に一本なので、漕ぎは短いとはいえ時間に気を遣う。まだ日の低くてひんやりした海に漕ぎ出してしんみりしながら漕いでいく。

とびしま海道は本州に近づく島ごとに護岸が増え、浜が減っていく気がした。そうして漕いでいるとなんだか催してきた。出発のときにかすかにあったもやもやを気にせず出てしまったなと思いながら、キョロキョロあがれる場所はないか探しながら漕ぐけど、車道が壁になって上がれる場所が見当たらない。開発された海岸線が恨めしい。

ツアーのペースだと汗もかかず、ただ下に出てきてしまうのか、どんどん強まってくる。仕方ないので、大先輩に休憩予定の浜まで先に漕ぎますと伝え、レジェント先輩の「えー、あとちょっとだよー我慢できないの〜?」という激励の声を尻目にペースを上げる。

下っ腹に力むとチョロりとしそうになる。まずら腕漕ぎ気味に回して体が温まってきたら少し波が治まる。その隙に普段のように漕いでいくと背中に汗が滲み出す。それで良い循環を回し、時々また戻って来る波に堪えながら見えていた浜に一人で滑り込んだ。降りた時には出口が少しパクパクしていて限界だ。時間が惜しいので目の前にいる人にトイレの場所を聞いてギリギリセーフ。さっぱりして舟に戻り、こちらに向かってくるみんなを迎えた。その時間の差は数分にしかならなかった気もするけど、のんびりペースで漕いでいたらその遥か前に駄目だったと思う。

気を取り直してすぐにまた皆で水の上。しばらく岸沿いに巻いたらすぐに先が開けた。ここからゴールの浜までは8キロほどの渡り。右後ろからの潮流に乗って1時間半ほどか。

海況は申し分なく、晴れた日差しの微風の中を淡々と漕いでいく。これで浜についたらもう漕ぎはおしまいか〜、嫌だな〜、と思いながら漕ぐと自然にペースが鈍る。そうすると、さっき空にしたはずの体内にさざ波が立ち始め、水かさを増して行く。

いやだ〜、最後はみんなでゴールしたい。もう先には行けない。なんとか間に合えと祈りながら気もそぞろに水をなでていたらゴールの浜辺前まで来ていた。しかしここですぐに上がれるわけではない。車のつけやすい場所にあげたいし、ゴールの瞬間を動画に収めたい。色々な渦が滞留しながら秒が過ぎ、分が過ぎで限界を超えてしまった。

半分もだしてないけれど、なんだか締まりの無いゴールで情けなし。力なくガッツポーズをして皆の列に並ぶ。これで一端のカヤッカーになれたのか。でもみんなには内緒。

ササッと着替えて大先輩はバス停に向った。予定では戻ってくるのに六時間かかる。その間は残りの5人で過ごす。とりあえずさっぱりしたいので、ロールをして水を入れよう。ツアーはいつもナイロンのスカートなので何度か回れば腹からコックピットに水が入る。

筋トレ後輩も浜の暑い日差しを嫌がったか一緒に回るというのでまた二人で浜の前に浮かび、少し沖に出て回る。瀬戸内海の水はまだ冷たくて、二度ほど回ったらザバーっと水が入ってきて途端に体が冷えた。これで十分。

あとは陸の服に着替えて脱いだものを水洗いし、他の荷物も並べて濡れ物を乾かす。時間はたっぷりある。浜から道路を挟んでキャンプ場があり、大きなテントがいくつも建っている。その風景と比べて僕らの荷物には何故か強い生活感が漂う。その少しの差を大事にしたい。


浜でやることも無くなったので、呉の町に出よう。浜に残るという二人を良いことに荷物を託し、筋トレ後輩とシリアル弟合わせて三人で呉の町に出た。銭湯に入り、そして昼飯を食べる算段。ついでに呉の駅でお土産も買って、またバスで浜に戻った。

後は大先輩が戻ってくるまでに自分たちの荷物を持ち帰り用にまとめ、カヤックを空荷にしておいたり、なんだかんだで動いていたら丁度六時間で大先輩が車で戻ってきた。手早く荷物、カヤックを積みながら、これからの行程を相談する。

一日早くゴールについたので時間は余裕がある。今は夕方五時。これから出て夜通し走れば渋滞になる前に戻れそうだというので、もうこのまま帰ることにする。ドライバーに気持ちよく走ってもらうのが最優先。

帰路につく前に浜からほど近いお好み焼き屋に入って打ち上げ。漕いでる間に懲りたのでお酒は控えてノンアルで乾杯したけどこれがとんでもなく美味かった。おでんと合わせて美味しく飲んで食べたら、後はもう一目散に横浜に帰る。ツアーの帰りはいつも速い。今回はさらに速くて、余韻が始まる前に帰ってきてしまった。


ツアーを終えたと言うより、一つの学校を卒業したという方が近い感覚でその後を過ごしている。ゴールを目指したと言うより、日々浜から漕ぎ出て浜に上がり、食べて寝る生活を一日一日と暮らしていたら、気がついたら今ここでおしまいとなった。できたらこれを何ヶ月、何年と続けたい気にもなった。これが、行ったきりで帰ることのない旅に暮らすということなのかなと思った。また、そうして過ごすには瀬戸内はやりやすいところだなあ。まずは三浦の海で暮らしてみたい。


2024年5月3日金曜日

20240503 - 0504 GW メシ、フロ、ネル

今朝のご飯は何にしよう。テント周りから離れて来島海峡が見える海際まで行き、ゆっくりご飯支度。晴れてても結構寒暖差があって夜露に濡れるね。軽めのシェルター持ってきてるけど、まあそれなりに中が濡れる。昼にすぐ乾くから良いんだけどね。

大先輩はここまでの所、例によってテントを張らずに寝ている。雨の日はタープを張っていたとはいえ、蚊が寄ってくるからなあ。そういえば瀬戸内海の蚊は色が薄茶色で大きいようだ。夕方になると出てきて、雨でも出てきて、テント張らずに寝てみたかったけどやっぱり無理だ。

明るくなる中支度を終えて今日の行程を打ち合わせる。大先輩が「プランBがあるんだけど」と言って、とびしま海道の北側に出て西に進み、適当な瀬戸をくぐってまた南側に戻ってはどうかと提案した。海図には4とか5とかの下げ潮の数字が見える。面白そうだなとは思うけど、皆昨日の船折瀬戸のイメージが有ってビビってた。ここは安全なプランAでということで、とびしま海道の南側を真っ直ぐ島に沿って進むことにした。

階段は潮が上がっていて、海藻のある段はすっかり沈んでる。安心して舟を段を降ろして浮かべ、来島海峡を振り返りながら漕ぎ始める。どこの島も離れがたい。

大筋下げ潮に乗って順潮のはずなのだけど、島の脇では順だったり逆だったりコロコロ変わって素直じゃない。瀬戸から出てくる流れや、真横から当たって前後に分かれる流れだったりするのだろうか、一定しない。日差しで明るい浅い水底を見ながら漕ぐの好きだけど、淡々と距離を漕ぐなら島から離れて大きな流れに任せたほうが楽なのだろう。でもそんなのは気にせずそのまま岸ベタで漕いていく。

とびしま海道でもまだドンづきに近いこの辺りはきれいな砂浜があちこちにあって良いところ。島と島の間も近いし、確かに瀬戸を出たり入ったりして漕ぎまわってみたい。恐れてた瀬戸は幅広でこれならリスクは少なかったなと横目で見ながら漕いでいたら昼前に今日の目指す浜についた。

この浜より少し戻った所に大きな宿泊施設があって、昼食を取れる食堂や日帰りで入れる風呂もある。順調に漕いで時間はたっぷり有るので、まずは昼ごはん。濡れた道具などを浜に広げて乾かしたら歩いて皆で食堂に出かける。お刺身定食が美味しそうで飛びつく。瓶ビールも開けさせてもらう。久しぶりのなま物が美味しい。でもちょっと足りない。筋トレ後輩と調子に乗って海自カレーを追加で頼んだら、まんまと上にメンチカツが乗ってきた。さすがに腹いっぱいで、上を見ながらカヤックまで戻ってしばらく暇をかこつ。


風呂が開く時間になったので、また皆で連れ立ってぶらぶら歩き、施設の離まで行って久しぶりの風呂にありつく。とはいえ何日入ってなかったのかは指を折るのに苦労する。昨日、一昨日と数えるとよくわからなくて、最初から一つ二つといくつも指を折ってやっと答えが出た。


さっぱりして舟に戻り、皆でそぞろに集まって日が落ちる中だべる。いよいよゴールが近い。と言うか明日漕げばゴールの呉だ。正確には呉に入る音戸の瀬戸の手前に上がる。この生活ももう終わりかあ。

2024年5月1日水曜日

20240501 - 0502 GW しまなみ海道、船折瀬戸

05/01

夜半から降り出した雨はそのまま夜が明けても続いている。うまくいけば、舟を上げる昼過ぎには止んでくれそうな予報。

5時前からゴソゴソ動き出して雨降りの中を撤収するのもだいぶ慣れた。このあたりから、前半部分の記憶が少し曖昧になる。どこの島で泊まったとか、何日前に瀬戸大橋くぐったとか、良く考えて指を折らないと出てこない。

旅の興奮が抜けて、日々の暮らしとして受け止め始めたのだと思う。もう一つの印が、ゴール地点を意識しなくなったこと。割とゴールまで何キロとか、途中のチェックポイントまでのペースとかを頭に留めながら漕ぐ方だと思うのだけど、このあたりからそういうのが気にならなくなった。普通に目が覚めてご飯を食べ、船を漕いでまたご飯を食べて寝る。それを大事に大事に繰り返すことに頭が使われていた気がする。

ともあれ、静かな水面に雨がぱらつく中、しまなみ海道に向かって漕ぎ出す。今日は伯方島あたりまで行ければ良い。島の風裏から抜けたのか、しばらくすると追い風、追い波を感じる。それでも風浪の中にうねりは感じないのが瀬戸内らしいか。

途中、百貫島にあがって小休止。なんの気無しに風表の浜に突っ込んで上がってしまったが、大先輩はちゃんと風裏に回り込んでゆったりと舟をあげていた。ほんの 10m の些細なことだけど、こういうところだよね。風に吹かれて浜に立っていると寒いので、みんな用事を済ませてそこそこにまた浮かぶ。

弓削島に取りついたらそこを回り込み、下げ潮と風の調子に乗ってぐんぐんと漕いで行く。弓削島の山肌はなんだか丸くぽっかりと抉り取られて、自然にできたと思えない。そんなことを考えながら通り過ぎてそこいらの浜で今日はおしまい。

昼には止む予報が段々とずれ込んで、日が暮れるまで結局雨は降ったけど、タープの下でみんなでそぞろに過ごし、それぞれのテントを張る頃には止んでくれた。二泊三日と雨が続いたけど順調に漕いで来れたし、明日からは風もない好天ということで気分も上がる。明日はしまなみ海道をくぐるので、大先輩の行程を聞くのに身が入る。船折瀬戸か荒神瀬戸か、潮止まりの時間に合わせて近くまで行っておいてその時考えよう。


05/02

今日は少し行動が早い。七時半には伯方島の南側にいて潮の様子を確認したいということで、そこまで行く時間も考えて出発は六時半とした。すると当然シリアル兄弟の二人はもっと行動が早いわけで、準備を終えて腕組みをしながら浜に立ち、筋トレ後輩の積み込みを見ている。急かしてるつもりが無いのはわかってるんだけど、年の功がにじみでてくるんだよねぇ。でもそれも毎日の流れに組み込まれていて、自然と時間前の出発となる。

伯方島の南に回って、前に漕いだ沖浦ビーチ前を過ぎる。これで本州側から伯方島までのしまなみ海道が自分の中で繋がった。四国に上陸したことがまだないので、あとちょっとだなあ。そうして西に進んでどちらの瀬戸を通るか思案する。

今日は小潮で、時間は満潮を二時間ほどすぎた頃合い。一番静かな条件なわけで、船折瀬戸の方を見やるとまあ落ち着いている。こちらなら航路を跨ぐ必要もないし、一気に漕ぎ抜けてしまいましょうと、伯方島に沿って狭い水路に入っていく。こんなに落ち着いている時であっても、白い灯台から先はそれなりに流れて潮波が立っている。楽しい。船もまだこないうちに瀬戸を潜り抜けられてホッとした。小潮でこれなら大潮の時とか、流れにまかせて下るだけでもどうなっちゃうんだろう。ひっくり返されてドンブラと流されていくのが目に見える。

パドルをとられてやばかったなどと話しつつ、大きな橋を潜った先の浜に上がって小休止。日も高く差すようになって白い砂と青い空が久しぶり。下げ潮に乗ってずんずん漕いで、気持ちのいい浜についた。

とりあえず浜に舟を上げて相談する。白い浜で気持ちが良いのだけど、潮が上がっても平気だろうか。波打ち際の線を見るとギリギリアウトのようにも思える。浜から20メートルほど離れて階段に整備された岸があって、その段の上の道を少し歩くと空き地のキャンプ場がある。どちらにするか。

階段は海藻で滑りやすい感じ。空荷の舟なら気にしないけど、荷を積んだ重い舟を上げるのは嫌な気しかしない。わがままをいって、浜で全部荷物を下ろして上のキャンプ地まで足で運び、軽くなった舟を階段で上げることにした。三浦の漕ぎとは違って気を遣う。怪我も舟の故障もそこで終了になってしまう。

陽の当たって風も適度に抜ける気持ちの良いキャンプ地に腰を据えて午後が始まる。ここ3日濡れていたテントも綺麗に乾く。雨だとタープの下に皆集まってこじんまりとするけど、晴れているとばらばらに広がっている。あちこちに寝袋やテント、漕いでた服も広げられ、あるだけの広さを有効活用させてもらう。そうして、鞆の浦で買っておいたジャンプを読むのにちょうどいい時間だった。