大先輩はここまでの所、例によってテントを張らずに寝ている。雨の日はタープを張っていたとはいえ、蚊が寄ってくるからなあ。そういえば瀬戸内海の蚊は色が薄茶色で大きいようだ。夕方になると出てきて、雨でも出てきて、テント張らずに寝てみたかったけどやっぱり無理だ。
明るくなる中支度を終えて今日の行程を打ち合わせる。大先輩が「プランBがあるんだけど」と言って、とびしま海道の北側に出て西に進み、適当な瀬戸をくぐってまた南側に戻ってはどうかと提案した。海図には4とか5とかの下げ潮の数字が見える。面白そうだなとは思うけど、皆昨日の船折瀬戸のイメージが有ってビビってた。ここは安全なプランAでということで、とびしま海道の南側を真っ直ぐ島に沿って進むことにした。
階段は潮が上がっていて、海藻のある段はすっかり沈んでる。安心して舟を段を降ろして浮かべ、来島海峡を振り返りながら漕ぎ始める。どこの島も離れがたい。
大筋下げ潮に乗って順潮のはずなのだけど、島の脇では順だったり逆だったりコロコロ変わって素直じゃない。瀬戸から出てくる流れや、真横から当たって前後に分かれる流れだったりするのだろうか、一定しない。日差しで明るい浅い水底を見ながら漕ぐの好きだけど、淡々と距離を漕ぐなら島から離れて大きな流れに任せたほうが楽なのだろう。でもそんなのは気にせずそのまま岸ベタで漕いていく。
とびしま海道でもまだドンづきに近いこの辺りはきれいな砂浜があちこちにあって良いところ。島と島の間も近いし、確かに瀬戸を出たり入ったりして漕ぎまわってみたい。恐れてた瀬戸は幅広でこれならリスクは少なかったなと横目で見ながら漕いでいたら昼前に今日の目指す浜についた。
この浜より少し戻った所に大きな宿泊施設があって、昼食を取れる食堂や日帰りで入れる風呂もある。順調に漕いで時間はたっぷり有るので、まずは昼ごはん。濡れた道具などを浜に広げて乾かしたら歩いて皆で食堂に出かける。お刺身定食が美味しそうで飛びつく。瓶ビールも開けさせてもらう。久しぶりのなま物が美味しい。でもちょっと足りない。筋トレ後輩と調子に乗って海自カレーを追加で頼んだら、まんまと上にメンチカツが乗ってきた。さすがに腹いっぱいで、上を見ながらカヤックまで戻ってしばらく暇をかこつ。
風呂が開く時間になったので、また皆で連れ立ってぶらぶら歩き、施設の離まで行って久しぶりの風呂にありつく。とはいえ何日入ってなかったのかは指を折るのに苦労する。昨日、一昨日と数えるとよくわからなくて、最初から一つ二つといくつも指を折ってやっと答えが出た。
さっぱりして舟に戻り、皆でそぞろに集まって日が落ちる中だべる。いよいよゴールが近い。と言うか明日漕げばゴールの呉だ。正確には呉に入る音戸の瀬戸の手前に上がる。この生活ももう終わりかあ。
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