小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2019年12月29日日曜日

20191228 漕ぎ納め禊

今日はみんなでちょっと遠出で漕ぎ収めに行く。年の終わりに潮を浴びて、来年への抱負をあらたにする。

場所に決まりはないけれど、まずは波が立つところ。普段はサーファーがいるところも、寒い北風の吹くこの時期は割と空いている。

そうして車ででかけて外房にやってきた。日差しは割とあるけど風が寒い。素早く支度をして総勢7人が浮かぶ。シーカヤックの中にいればこの風でも暖かい。

浜から出て隣の湾に漕いで行くと、手頃な大きさの浜に緩やかに波が入っている。浜には釣り人が一人居るだけで、海の上は僕らだけ。

それではと体をほぐしに遊びだす。まずは一人、波打ち際で脱ってうちあがる。水がコクピットに入ったカヤックは軽く100キロ程になる。波に寄せられて飛んでくるカヤックが体に当たれば、手足なんか平気で折れる。だから、カヤックの真ん中近くに立たないように、先っちょあたりでカヤックを扱い、寄せては引く波とカヤックの動きに合わせて上手く水を抜いて軽くする。

そうしてまた戻ってきたらまた浮かぶ。波に合わせてダッシュしていれば暖かい。


ひとまず落ち着い来たので浜に上がり、昼ごはん。潮が下がってきて波がどんどん良くなる。すぐに海に戻ってまた乗り出す。
沈もすれば脱もある。熱心な後輩は、普段の練習ロールは完璧なんだけど、いざ波沈すると上手く行かない。できると思わず、寒くても毎回練習しなきゃなと言っていた。でもこの後輩はブレースが上手くなって、大きな崩れ波を横で受け、そのままローブレースで浜まで横に乗り付けた。お見事。

他にも、90度まで倒れた舟をハイブレースで反射的に立て直した房総同期。本人覚えてないので、体に染み付いた動きになってきてるんだろう。色々のファインプレーに声を上げつつ、失敗して泳いだり、みんなたっぷり潮を浴びて禊は完了。

日もだいぶ低くなって来たので、さて帰るかと、カヤックの群れが沖に向かって漕ぎ出す。そりゃ最後は浜に上げるのだけど、浜に背を向けて進みだすと、その一瞬は海に棲む感覚を強く意識する。

またちょろっと漕いでもとの浜に舟を上げ、道中温泉と食事をして帰った。車の中では今日の出来事で盛り上がる。横乗りを途中で降りるためにはどうするか、大先輩が運転席から話してくれたけど、肝心の横乗り後輩は疲れて寝て聞いていない。それがまた笑いに変わって賑やかに漕ぎ納めを終えて帰った。

来年もまた、みんなで元気で無事にこげますように。

2019年12月21日土曜日

20191221 年を忘れる

今日は年を忘れる日。午前中は少し北風があるけど、昼からは日差しも見える予報。これなら漕いでいれば暖かだし、昼ごはん頃には浜でポカポカできるかな。長潮

去年の忘年会は寒かった。荒崎の東屋で雨と風をしのぎながら、海の上のほうが暖かくて、すぐに舟に戻ったのを思い出す。今年は薄い雲もまばらな下を、みんなで舟を支度してでかけていく。総勢 13艇。

網代崎を南に回り込んで諸磯が見えると、追いの風と波。ちょっと押してくれる感じに合わせてダッシュしたり、それぞれのペースでバラバラに、それでもなんとなくまとまってもいて、みんなで航路を通るヨットを待ったりしながら赤羽根海岸にやってくる。

この頃には太陽がはっきり見えて、低い角度から照らされた岩肌が明るい。空、草、土の三色が三浦のトリコロールカラーだと思う。小さい浜にみんなで上がり昼ごはん。後ろの崖は北風を遮り、南からは日差しが体を温める。水もまだ暖かい。三浦のカヤックは今がベストシーズン。潮も澄んできれいだ。

のんびりと昼ごはんを食べたら、頭はクラブハウスでの飲み会にシフト。また洋々と漕いで帰っていく。クラブのペースだからスイスイ。長津呂崎を回ったあたりからはちょっと向かい風がしっかりとしてきたけど、全然問題なし。ちょっと早いくらいに小網代の湾に戻って舟をあげた。前漕ぎの後輩は来てなかったけど、その門下生の房総同期が「プラス50分」は漕ぎたいと言って、最後まで水の上だった。


みんなが仕舞支度を終えてクラブハウスに集まって、明るいうちから飲んで食べた。いろんな話があったけど、年を忘れ、また新しい年がやってくるのが楽しみだ。それでも忘れちゃ行けないこともある。アラン島の漁師の言葉をまた借りよう。
海が怖くないやつはすぐに死んじまう。出ちゃいけない日に出るもんだから。おれたちは海が怖いから、死ぬのもほんの時々だけ。 
-- アラン島 ジョン・ミリントン・シング

海を知っていて、やれることは全部やって、それでも容赦ない時もある。諦観と達観を持って海を受け入れる漁師の言葉は機知にあふれ、海の魅力と怖さが余すところなく伝わってくる。これからもずっと、僕の慢心を戒めてくれると思う。

来週は裏の忘年会で波に揉まれにいく。今年の漕ぎ納め。やれることは全部やって今年も最後までクラブのみんなと楽しく漕ごうと思う。

2019年12月15日日曜日

20191215 道場主

先週は土日が漕げず、体がシャッキリとしない。土日どちらかは漕ぎたいよねと、風のいくらかましな日曜を選ぶ。北風で気温はあがらなそうだけど、日差しはたっぷり。中潮

遠出はできないしと、タカをくくってのんびり出かける。クラブにつくと前漕ぎの後輩がすでに舟を出していた。北風のきつい中、長者で折り返し、剣崎くらいまでは漕ぐかもしれないという。道中会えるかな。

支度をしているうちに大先輩も出てきて一緒に舟を出す。青空は明るいけど、北風で皺をつくった水面は暗い色をしている。冬の海を少ししんみりと大先輩と北に漕いで行く。

堤防を周り北に舳先を向ける。風が抜けるのはすずめ島、三戸浜、和田長浜。佃嵐崎でちょっと休憩の間、パドルを変えてしっくりと来ていないロールを何度か回る。最後で上がりきれずにまた水中に戻る。あれれ。

遅ればせながらマスコット先輩が舟を出すというので、お迎えがてら南に戻る。追い風でピューンと堤防手前まで戻ったら合流できた。ちょうど昼だったので、手近の浜に上がってご飯にした。

今日は日差しがたっぷり。のんびりする前にいっちょ回り倒しておこうと、浜の前でしっかり練習する。一度パドルを古いのに変えたら感覚が戻って、新しいパドルでもしゃっきりと上がるようになった。舟を早く回そうと思って、パドルが水を掴むタイミングが早くなってた。頭の上までパドルが来るのを待ってから腰を返そう。満足してお昼にあがる。

昼がすむと、大先輩、先輩、僕の三人で浜辺に寝そべってのんべんだらりとする。北風はまだそれなりに吹いて、沖にはうさぎがまだ飛んでいる。風裏の浜には燦々と日があたりとても良い陽気。体を乾かしていたらヘソ天で寝ていた大先輩から軽く鼾が聞こえてきた。マスコット先輩がいつものダミ声で「あー、寝てるー」と言ってもそのまま寝続ける。お疲れなんでしょう。

先輩は、漕いでいて津波が来たらどうしようと普段から考えていたらしく、カヤックの中にすっぽりと入り込んで蓋をしてなんとかならないかと話し出す。自分のスプレースカートを蓋にするつもりのようだ。中に入っちゃうから自分のスカートは使えないと指摘すると「あれ、ほんとだ。無理かなー」。マスコット先輩と話していると、ロール練習の後のように頭がクラりとするときがあるのも愛嬌の一つ。

そのうち大先輩が起きたので、もう一度北に向かって三人で漕ぎ出す。荒崎を回り込んで小田和湾を見晴らしても、朝から出てる前漕ぎの後輩は姿は見えない。沖をピューっと南に戻ってしまったかな。こちらも北風に押されてピューっと帰って、もう日がだいぶ低くなったので湾に入って舟を上げた。


もう後輩はすでに後始末を終えて帰った後だったけど、クラブの連絡網で後輩が今日、今年通算1000海里 (1852km) を漕いだと知る。すげー。去年は1000キロ来いだけど、今年は海里かー。まだ12月も日があるし、海況によっては2000キロまであと 150なんてすぐにも思える。もう、前漕ぎ道場の道場主としての貫禄がばっちりだ。

来週はクラブの忘年会。昼前後でのんびり漕いで舟をあげ、明るいうちから今年の出来事を思い起こしてお酒を飲む。千海里の道場主は自分のスタイルをしっかり持っている。他のメンバーのスタイルも色々で、みんなの話を聞きながらワイワイ飲むのが楽しみ。

2019年12月5日木曜日

20191205 平日同好会

こんどの週末は天気や都合があいまって漕げなさそう。平日の様子を見ていたら、すっぽり木曜がはまり、お休みをいただいて三浦にでかける。風は大したことなく、晴れ間もたっぷりの予報。小潮

家のことをすっかり終わらせてから出かけてクラブハウスについた頃には、前漕ぎの後輩がすでに舟を出したあと。みると、荒崎と安房崎の間を漕ぐようだ。着々と距離を出していますな。

自分も舟を出して網代崎をまわり、南に舟を向ける。なんとなく安房崎から先まで行ってみたくて、でも動き出したのが遅いからと思って、盗人刈りを目指すことにする。週末だと釣り人が多くて入りづらいけど、平日なら良さそうだ。

北からの風浪だけではなくて、南からのうねりも入ってきてる。諸磯につくと、岩場は崩れ波が右から左からジッパーラインを作っている。おお、結構いかついねと思ったら、南から後輩が漕いできた。安房崎で折り返してもうここまで戻ってきた。波に揺られながらちょっと話をしていたら、流れでレスキュー練習になる。


後輩は何回かロールして水を浴びたあと、脱りますといってひっくり返った。波に揺られながらリエントリーロールで戻る。やるなあ。リエントリーは水がたくさん入ってほねなので、舟をつけて二人でビルジポンプで排水する。僕も負けじと何回か一緒に水を浴びたあと、後輩は別れて北に進んでいった。

僕は引き続き南に。三崎への堤防を回り込むとうねりが大きくはっきりとする。長津呂崎もいい感じ。しっかりと隠れ根を避けながら安房崎まで楽しい。横瀬島まで行ってみたくなるけど、南風の余裕を見て、いつでも帰れる距離にしておこう。ソロのときは10倍慎重に。素直に盗人刈りを目指して安房崎を離れる。

盗人刈りが近づいてくると、右から左にシーカヤックのグループが抜けていった。おお、やっぱり海況がいいと我慢できなくなるよね。いいよね。ちょっと舟を揺すられながらも盗人刈りの橋までつくと静かになる。明るい岩肌から青い空に抜けていくのがいい。

盗人刈りからは宮川のヨットあたりでのんびりして戻ろう。お昼はどこで食べようかと思ったけど、まだお腹も空かないので、青空を楽しみながら長津呂崎を回るところまできてしまった。まだ距離のある釜根を見てプカプカ浮きながら昼飯を食べる。

もう後輩は帰っただろうな。諸磯をまた抜けて佃嵐崎まで漕ぎ、そこで引き返して帰って舟を上げた。夕日が見えるかと、途中すずめ島で時間を潰したけど、今日は雲が多くてきれいな夕焼けにはならなかった。それでも風の落ちた滑らかに暗い水面を滑る感触はこの時間ならでは。秋の風情で一日を締めくくる。

今日は平日でもそれなりにカヤックをみた。海が良ければいつでも誰かしらが漕いでいる。次の週末は漕げないけど、その次はもう少し距離を出したいな。

2019年11月30日土曜日

20191130 八景島界隈

今日はクラブで東京湾を漕ぐ予定で朝から出かける。八景島から出発し、一日かけて三浦海岸まで漕ぐ。だいたい 30キロくらいか。一日晴れるけど、午前中は北風がちょっと強いかなー、という予報だった。小潮

大先輩が舟をつんで海の公園までくるので、それに合わせて動く。八景島で始発のシーサイドラインに乗ろうとすると、シーパラのジェットコースターが運休してると貼り紙があった。へー、そうなんだ。

海の公園で大先輩と合流し、車から舟を下ろしたら、大先輩は車を三浦海岸に回送しに行った。その間、僕は海の公園でそのまま舟の荷物番。日が上って温まる中を、のんびり支度したりひなたぼっこをして過す。そのうちに参加メンバーがあつまり出したので、舟を砂浜に移して本格的にパッキングをする。今回は出発地点に車がないから、一切合切、靴もバッグも全部の荷物をカヤックのハッチにつめて漕いでいく。

そういう意気込みで支度を終えて、全部で六人が浜に揃う。大先輩も電車で戻って来た。一緒にシーパラのジェットコースターと、門型クレーンの沖を見ると、沖から入ってくる風浪がばしゃばしゃしてる様子が見て取れる。あれあれ。大先輩の海図にみんなで頭を寄せて考える。

門型クレーンを回り込んで堤防の中に入れれば、そこからは波が落ち着いて猿島までいけると思うし、その先の観音埼を周れば、これはもう風裏になってあとは余裕。午後は風もおちるというし。なので、問題はまだ北風、風浪の強い中、門型クレーンをまわれるかどうかの最初の 3キロが勝負。そういう大先輩の見立て。正直浜から見た様子だと厳しめだけど、まずは見て回ろうと、マージンを取ってジェットコースター近くから対岸の門型クレーン先を観察しにみんなで舟を出した。


クレーンの岸壁は、東京湾の奥からの風浪がもろにあたり、しかも水深が浅いのでいかつい三角波がたちやすい。ジェットコースターに近付く前にもうふよんふよんした波が舟をゆすり始めた。尖った波頭も風に吹かれてあちこち崩れている。八景島に近寄ると、ボート釣りの人たちも波を避けて島べったりに浮いている。それをすり抜けながら島のさきっちょに集まって先を見る。はい終了。これは百が一、十が一の感じなので絶対にやめましょう。まあ、大先輩がここまで連れてきてくれたのも、みるのも勉強という意味合いなので、元々行ける気はなかったですけれども。

沖はここまでで、あとは野島周辺を午前中ブラブラし、午後の様子は風を見て考えるということにして、引き返す。引き返すとは言っても、野島の南側の水路を狙ってかすめるので、三角波がいかついところをまだまだ横切る必要がある。ウヒョーウヒョー言いながら野島にとりついたらほっと一安心。追い風にパドルを上に掲げ、押してもらう。ネイチャーな後輩は、最初ぼくらがパドルを持ち上げてるのでアホになったかと思ったけど、実際にやったらほんとに風に押されたのでびっくりして喜んでた。何事も初めては楽しい。

野島をぐるりと回って、八景の駅までのんびり漕いでいく。とはいっても、小さな川を遡ってみたり、のんびりと静かな水面を楽しみながら。川は、タイか香港の街中を漕いでいるようにも思えて、アジアンな味わいの舟屋を楽しめた。


川から出てシーサイドラインをくぐってヨットの脇を過ぎ、琵琶島が見えてくると、その横にシーカヤックの集団が溜まっていた。挨拶をすると、ここを地元にしているカヌークラブの人達で、今日は練習会の日なんだそうだ。うちの1人が、ここは360度周りを陸に囲まれて安心して漕げるいい場所だという。漕いでいて思ったけど、とても大きな油壺湾のようで、ほんとにカヤックに恵まれた場所だと思う。岸壁前の厳しい三角波とギャップがすごい。こちらは小網代からきたと伝えてわかれた。帰って調べたら、横浜金沢カヌークラブだと思う。


地元の人に習って琵琶島の小さな橋をみんなでくぐり、水面からお社に詣てて引き返す。ちょうどいいお昼の時間。野島の小さな浜に上がる。昼御飯のコンビニ袋を自分の場所にポンと置いて、公園のトイレに歩き出した。トイレ、結構歩いたなあと思いながら用を足してふとトイレから出たら、みんながトイレに来てた。あらら。みんなが終るのを待って一緒に歩きだしたら、ご飯場所が無人なのに思い付く。コンビニ袋が剥き出しだとまずい。ご飯場所に近づいてあっと思ったら、地面をからすが歩いていて、走っていってみたけど、もう僕のお昼ご飯が全滅してた。すぐ横にはラップに包まれたお握りがあったのに、それには触らずに僕のコンビニ袋だけ集中してやられた。みんなのお昼から少しずつ分けてもらい、もともとのお昼より増えたくらいだけど、自分の不注意がうらめしい。

お昼を終わってみんなで午後の相談。風は強いままだし、三浦海岸に車を取りに行く時間を見込むと、じたばたせずに海の公園で舟をあげるのが最善手。そう決めて野島から出発し、それでもまた八景島の先っちょまではみんなで見に行った。


風は幾分弱まった気がするけど、波は依然としてある。ここで引き返すのは間違いないのだけど、大先輩のスイッチが入る。八景島の影からでて、もろに北風のあたる側を漕ぎ上がり、島を一周していくことに。島の北側というゴールが明確だし、距離も短い。自分のギアを上げて漕ぎ出す。いいチャンスです。

写真には写らない波を漕ぎながら、マリーナの入り口に向かって漕ぎ上がる。逆にこのあたりはまだ写真が撮れる。しかし、マリーナ出入り口を越えた突堤の横に差し掛かると、三角波のギアがまた一つ上がったように思う。みんな自然とヒャッホーと声が漏れ、自然のロデオコースターを楽しんでる。一度横のカヤックが波に落とされ、タッパーんと音を立てたのにはひやりとした。ネイチャー後輩が沈したかと思った。みんなでつかず離れずまとまって漕ぎ、その中でも大先輩は一番岸壁に近いところを通って楽しんでいる。それで数分進んだら、島の北側の水路が見えてきた。ここからは波が弱くなり、落ち着いた湾内への帰り道になる。

八景島のコースターとブルーフォールは休止してるけど、一回の三角波で落差が 50cm もあれば、200回揺られれば獲得標高でブルーフォールに一回乗ったのと同じくらい。八景島に来たもとくらいは取れたかな、と自分だけ妙に得した気分で湾内に帰った。

大先輩がまた一度回送した車をまた三浦海岸まで取りに戻る間、穏やかな浜辺の前でのんびりと漕いだり小さい波に乗ろうとダッシュしてみたり、それぞれ時間を過ごして舟を上げ、ゆっくりと帰り支度が終わった頃に大先輩が帰ってきた。みんなで舟を積んだら解散となった。

狙ったコースは漕げなかったけど、岸壁によるタフな三角波を経験できたのは良かったと思う。一時期 10m/s を超えて北風も吹いたけど、別に強風も波浪も注意報は出ていなかった。それでも北東からの風が吹けばクレーンの岸壁はいかつい三角波を作り出す。その海域にはそれぞれ厄介な場所があるもんで、いい経験になった。

それに、野島周辺の水路もとても楽しいことがわかった。外に出られなくても安全に楽しめる水域がある。今日あったクラブも良いところを地元にしているなと思う。

来週はどうだろうか。ちょっと距離を漕げるかな。

2019年11月24日日曜日

20191124 まだまだ波遊び


この週末はクラブのみんなでキャンプツアーをする予定だったけど、天気の都合があわずに断念。代わりに、土曜の夕方から街の居酒屋に集合して、大先輩も含め何人かで飲んだ。0次会に始まり2次会でお開きになったけど、有志で3次会までやったようだ。

その痛飲が日曜の朝にひびき、のんびりとでかけた。日曜は北風もだんだんと弱まり、日差しも見えてくる予報だった。中潮

クラブハウスにつくとにせこ先輩が支度を終えていた。舟を二人で運んで、ポイントで合流しましょうと声をかけて送り出す。自分も支度をして水に浮かぶ。お酒は抜けているけど、シャッキリしてるとは言えない、もっさりした体で漕ぎ出す。網代崎には期待できる波があった。


ポイントに近づくと、シーカヤックが二艇見える。にせこ先輩とサーフ好きの先輩だ。SUPやサーファーも入っているので、僕らは少し離れたところで遊ぶ。サーフ先輩の話では、朝のうちは北風がまだ強く、うねりがはっきりとしなくて今一つだったという。それがちょうど風が弱まるつれ、そして潮が上がってくるにつれ良くなってきたそうだ。

確かに、サーフ先輩も水につかって遊べる程度には波が良くなってきた。面白い。ちょっと冷たくなった潮を頭から浴びて、僕の気分もしゃっきりした。爽快だ。SUP/サーファーも上がり、僕らだけになって楽しく遊んだけど、そのうち潮位がだいぶあがったのか、うねりはあるけど波が丸くなりすぎてきた。それでサーフ先輩は上がった。


にせこ先輩と僕も他の場所の様子見をしに動くことにする。諸磯に向かって漕いでいく。空一面の雲も晴れ間が見えだし、低気圧が連れてきた南の空気も相まってとても暖かい。高くて広い空の下、広がる岩場の中でこれまただいぶ楽しんでお昼にした。


お昼が終わってまた出ると、後からでていたレジェンド先輩が安房崎から帰ってきた。うねりがひどかったよーと言いながら諸磯を抜けてくるので、一緒に網代崎まで三人で戻ると、レジェンド先輩は湾内に帰っていった。にせこ先輩と僕はまだ遊ぶ気がある。なのでまたいつものポイントに戻る。

そこで遊んでいたら、今度は房総同期が出てきた。そして一時間ほど三人で遊んでいたら、次は大先輩が出てきた。四人になって夕方まで遊ぶ。同期と大先輩も昨日だいぶ飲んでいたので、出足が随分遅れたようだ。それでも出てくれば気分がさっぱりする。一時間、二時間でも潮を浴びれば効果は十分。日がだいぶ陰ったけど暖かい空気の油凪を漕いで、まったりと舟を上げて帰った。

来週は東京湾側を30km程漕ぐクラブのツーリングの予定。走水や多々良浜など、お気に入りの場所をめぐりたい。八景島の造船所前の三角波も楽しみだ。カヤック漕ぎたい。




2019年11月16日土曜日

20191116 美味しいパエリア

とっても良い天気。知り合いがカヤックをしてみたいというので、大先輩のツアーに参加してもらい、一緒に漕ぐことにした。一日晴れて穏やかな風中潮

知り合いと一緒なのでのんびりと動き、集合時間に三崎口で大先輩の車に乗せてもらう。他にもお客さんがいて、でもみんな経験者だった。海況は良い。ちょっと遠くまで行くかもしれない。大丈夫かな。

一通り支度が終わったら、知り合いには大先輩のドライレクチャーがある。他のお客さんは先に入江に舟をだしている。レクチャーを終えて、全部で 7艇が浮かんだ。軽く一回りしたらヨットの脇を抜けて出ていく。

知り合いはサカサカと漕いでいるつもりだけど、ゆったりとした漕ぎの経験者に置いて行かれてしまう。何が違うんだろうと考えながら一つ一つのストロークを注意深く見ながら漕いでいた。


堤防から網代崎に渡り、南に進んでいく。海況が良いので、行けたら赤羽根海岸という話に当然のようになる。まあ、知り合いなら頑張れるだろう。諸磯を過ぎる頃、後ろから別のカヤックのグループが追いついて過ぎていった。今日はいい日和だもんね。そういえば、入江にも青いファルトが入ってきていた。

堤防下の入江から南をみて、大先輩から赤羽根海岸を目指すということになる。知り合いのここまでの漕ぎで、大丈夫と思ってもらえたんだろう。ええ、やればできちゃいますよ。

長津呂崎は静かだけど、いつものことで小さいなりの三角波がちゃぷちゃぷしている。それを回って南側にでる。島の南岸の崖が見通せて気持ちがいい。漕ぎ出したら向こうから黄色いパドルの上がり下がりが見えてきた。NZ先輩が早くから出て、横瀬島往復で戻ってきた。これで 8艇になる。


遠くの台風からか、うねりが皆無というわけでもなくて、小さい洞窟の浜に上がるのは難しそうだ。赤羽根海岸に上がるのも気をつけないといけないだろう。なので、浜についても少し待ってもらい、お客さんには一艇ずつ入ってもらうことにして、先に僕らが上がる。ちょっと失敗して、降りてから舟を引きずり上げる間に、舟を横にされてしまった。もう降りていたからいいのだけど、ちょっとのんびりやりすぎた。反省。

今日は知り合いが一緒なので、大先輩のご飯を分けてもらう。ダッチオーブンで炊いたパエリヤは、具だくさんのエビの赤と鮮やかな黄色のご飯粒で華やか。青空、緑の草、茶色の壁を眺めながら、赤と黄色を見て楽しむ。やっぱりこのお昼ごはんはとてもおいしい。

日差しで暑いくらいの中、のんびりと休んだら帰り道。でたらすぐにザブンと音がしたので振り向くと、暑すぎた大先輩が出てすぐロールをしていた。これは珍しい。相当暑かったんだろう。

知り合いのストロークはだいぶ水を掴むようになってきて、グループの前の方をキープするようになった。時折、なにか試してみては舟が右に左に振れていた。あとで聞いたら、舟を傾けたときに、それが舟の動きをどう変えるか試していたんだそう。

これはシーカヤックの基本で、リーンすると舟は倒した側と反対に曲がりやすくなるのだけど、それを知っているわけではない。ただ、知り合いはヨットの経験があるので、ハルと水面のコンタクトが非対称になると、舟の動きが変わるのは知っていた。だから、カヤックの場合にはどう動くのか試して、外側リーンを「発見」していたようだ。なかなかやるな。

帰りの長津呂崎を過ぎるあたりも、水面の様子から下の岩根を予想して、きちんとブーマーを避ける動きをしている。海の経験があるから飲み込みが早いなあ。

それでたんたんと漕いで諸磯まで戻り、軽くお茶をしたら湾まで戻る。だいぶ日が低くなり、凪いだ海面がテラテラとした茜色だった。眠たくなる目でその色を見ながら入江まで戻る。知り合いは最後まで入江をぐるぐると周り、最後の一人になってから上がった。楽しんでもらえて何より。

明日はクラブメンバーの進水式がある。それも出たかったけど、まあそれは仕方がない。きっとにぎやかにお祝いをすることと思う。

2019年11月9日土曜日

20191109 海が温かい

こっちには来ないけれど太平洋でまた台風がうろうろしてる。少しの期待を込めて土曜に出かける。雨はないけど、思ったよりも陽が出ない中潮

三崎口のバスがちょっとひどい。電車がつくその1分前にバスが出てしまう。ここの2分がなぜ遅らせられないのか。その次は20分後。山本周五郎の野分を読みながらバスを待っていたらあっという間だった。

クラブハウスで一人支度をして舟を出す。大先輩は今日は北に行くんじゃないかなと思うので、下見に荒崎まで。今日は午前中はそれなりに北風が吹く予報。狭いポイントにはしっかりと波があり、5本に3本は見送らないといけない感じで楽しく遊ぶ。そのうちにサーファーが入ってきたので無理せずそこを離れた。

荒崎手前の人気の無い浜には南からのうねりが入り、安心はできない感じ。どんどん引きも無理だろう。北にきたらどうするつもりかなあ。ちょうど良い時間になって引き返す。

途中でスリムな先輩にいきあう。挨拶をすると、大先輩達は南に行ったそうだ。予想が外れた。二人で少し遊んで、それから追いかけようということにして、その場で少し波で遊ぶ。正直、思ったよりも全然波が無い。そのうちに大先輩が南から寄ってきた。

荒井浜までは行ったけど、レースがあるとかで、たくさんの SUP が行き来していて、その列をまたぐのが手間で南に行くのをやめたのだそうだ。それに、このうねりっけだと長津呂崎もかったるいし。

遊べるほどの波もなかったし、これで大先輩に合流して漕いで行く。ちょっと向かい風かなとは思うけど、みんなすいすい漕いだ。上がる場所には悩んだけど、荒崎で岩場をかいくぐって無事に上がれた。それにしてもこの時期は陸の上の方が寒い。陽が差さないとなおさらで、お昼ご飯もそこそこに引き返してまた水の上。暖かさにほっとする。水はまだまだ温かい。

途中、もう一度あがってお茶にし、今度は日差しもあってゆっくり休む。その間に、近くの浜に入る波でスリムな先輩と少し粘った。二本くらいは長く乗れてよかった。でも、一番いいのに乗ったのは、お茶が終わって舟を出した時の大先輩。

なぜか、大先輩が通りがかるときこそココイチいいのがくる。それで綺麗に乗って声が上がる。羨ましい。それでパタリと止まったので、みなでまとまって帰って舟をあげた。


2019年11月4日月曜日

20191104 万全に遊ぶ

三連休。大先輩と何人かはキャンプツアーにお出かけ。お留守番組はどこで漕ごうかと考える。三連休の最終日に狙いを定めて出かける。小潮

朝の支度がちょっと寒い。カヤックの服はバッチリだけど、普段着が薄手過ぎた。朝のクラブハウスで日陰に入って晩秋をはっきりと感じた。

クラブの連絡網を見ると、一人か二人か出てきそう。それまで荒崎までを一回り。今日は波がないだろうと踏んで、自艇の五分割艇を出した。分割できるけど、組っぱなしでクラブのラックに差しっぱなしなのはご愛嬌。

朝のうちは少し強く吹く向かい風の中、岸寄りを漕いで荒崎まで。風裏のどんどん引きは波が穏やかで、眠たそうなかすかなうねりが南から入って水路の奥まで舟を押してくれた。日陰に風に吹かれてちょっとおセンチになる季節柄。

ちょうど良い頃合いでクラブハウスに戻ると二人支度していた。スリムな先輩と海慣れしてる後輩。スリムな先輩は最近塩島さんのところにグリーンランドパドルを発注したらしい。そんな話をしながら荒崎まで漕ぐことにする。後輩がまだ入ったことがないというので、どんどん引きに入って引き返す。

せっかくなので、先輩と後輩にグリーンランドパドルを使って漕いでもらう。二人はフェザーになれているので、ブレードというよりアンフェザーに違和感があって、怖い怖いいいながら来た道を戻る。

そうしたら、向かいからNZ好きの先輩がやってきた。合流して黒崎の鼻にあがりお昼ごはんにした。

そうしたら、こんどは房総同期が舟を出してくるという。忙しないパターンだ。さらに、マスコット先輩もすでに舟を出して、また荒崎を目指して漕いでいる様子。なんだかんだ総勢五人が漕ぎに来た。居残り組でも随分賑やかだ。他にも何人かカヤックにすれ違う。そういえば、朝にも小網代の入江の奥でのんびりしているカヤックがいた。寒くて SUP が減る季節でもカヤックの数はそんなに変わんない気もする。

マスコット先輩には会えなかったけど、同期と合流できてちょろっと漕ぐことにする。同期は自分の舟を考えていて、スリム先輩の乗っている WFK スパルタン・ナイト・カーボンを大先輩に勧められたらしい。それで、スリム先輩にお願いして今日乗らせてもらっている。先輩は上がるけど、そのナイトに乗って、北風も落ち着いてきたから、南の諸磯の方に行こうという話になる。NZ先輩、房総同期、海なれのした後輩と僕、計四人で網代崎から先に進む。

同期は軽い舟が好き。漕ぐのよりも、ラックの出し入れや、浜での舟の上げ下げには力がいるから、小柄な人だとそれは軽いほうがいい。クラブ艇のリビエラ・カーボンに乗ったときは「フェラーリだ」と喜んで漕いだり、プリンスも悪くないけど、ちょっとシートがきつめだったりで、それでナイトの名前がでてきた。ナイトも「軽い軽い」とウキウキで漕いでいる。

そしたら、ちょっと波が出ている場所があった。普段は岩場が浅くて怖いけど、今は小潮の満潮でそれなりに深い。一回りしたら大丈夫そうだったので、みんなで遊び始める。試乗の同期は、「先輩が波乗りもしていいよと言ってた」といいながら試してる。元気だ。

ちょうど風も落ち、空も晴れて日差しが暖かく、水もぬるい。四人で代わる代わる遊ぶ。波が崩れずに押してくれて、感覚を掴むのにちょうどよい。それでしばらく乗っていたら、まずは同期がひっくり返る。待ってました。見ていると、借りたナイトでちゃんとロールであがる。はい、お買い上げー。

次は波遊びが初めての後輩。まだかなとまってたらやっと沈した。練習でのロールはできるのだけど、さっさと諦めてパドルを離し、すぐに脱ってた。でかした。波がまだ来るなかで、きちんと馬乗りで戻った。まずはそこから。次はパドルを離さずに脱ろう。

二人とも濡れても大丈夫な服を来ている。とはいえ日も低くなってきたし、片付ける間に日陰で体も冷える。ちょうど潮時と網代崎を回って帰った。あんまり距離は出なかったけど、秋晴れのした荒崎まで二往復と波遊びまでみんなとやれた。これで北寄りの風で天気が安定して冬になっていく。水の暖かいうちに秋の日差しをたっぷり浴びてカヤックを漕ぐぞ。

2019年10月26日土曜日

20191026 油断大敵 その4

風が弱く、お日様がたっぷりで、小さめのうねりが残っていそうな土曜日。こんな日に気持ちが海に向かないわけにはいかない。実際に行けるかどうかはそれぞれの都合があるけれど、実際に行ければ万々歳。中潮

始発のバスに乗ってクラブハウスに。誰もいない。この週末はクラブのキャンプツアーがあって、大先輩と何人かがでかけている。持っていかれたカヤックでラックの隙間が目立つ。

黄色のポリ艇を支度して舟を出す。今日はなにで遊ぶにしてもいい日。波で遊んでもいいし、距離を出してもいいし。

網代崎を眺めながら期待を込めて堤防から外に小網代湾を出ていく。近場のポイントに向かうと遠くから SUP が入っているのが見える。それに混じってダブルブレードとシーカヤックが一人いる。サーフなら何でもやる先輩がポイントですでに遊んでいた。

クラブメンバーの近況を報告したりなどする。いつも元気な先輩は半袖で漕いでいる。今日は暖かくなる予報とはいえ、波で濡れまくるのに元気だなあ。

思ったより波はなかったので、先輩といろいろ動き回ることにする。狭いポイントにはサーファーが三人ほど浮いていた。なので別の場所に移動する。

ここは波立つときが全然読めない。なんか、ある時にはある、小さい波は立たない。この先輩とはここで遊ぶことが多い気がする。大きいところを探しにいくからかな。


一瞬だけ盛り上がって崩れるから長く乗るのは難しいのだけど、それはそれで楽しめる。崩れる場所は限定的だから、周りに弾き出されれば割と安全。岸寄りの落ち着いたところでは、青いファルトが釣り竿を振ってた。

波が崩れてくるだけじゃなくて、それが回り込んでジッパーラインになる場所もある。ちょっとそこで浮いていると、違う方向から波を同時に受けて一度は本気で沈して、洗濯機遊びが楽しい。

先輩も、沈したところを崩れ波にそのまま持っていかれ、そのまま波にクルリと舟を起こされてた。段々と雲が晴れてきて、楽しい気分がさらに上がる。富士山も雪をかぶって黒富士から季節が変わっていく。


ひとしきり遊んで、さっきサーファーの居たポイントにちょっと寄り道して戻る。そうしたら、いつものポイントでいぶりがっこの先輩が波遊びしているのを見つけた。ここでまたちょっと遊んでいたら、サーフの先輩が自分の携帯をなくしたのに気がついた。

防水パックに入れ、紐を首にかけて漕いでいたのが気づいたら無かったという。何回か沈をした場所があるから、そこだろうといってまた戻ってきた道を戻り、みんなで探した。電話はかかるから、電源も入っているし、電波の届くところにはあるようだ。防水パックにも空気は入っているけれど、浮いてくれるわけじゃないから水には沈んでそう。電波は水深何メートルまで届くんだろう。

それでみんなでキョロキョロしながら何箇所か探し回ったけど、残念ながら見つからず。やっぱりPFDの肩バンドあたりに紐をつないでおかないと、油断大敵だなあと話した。


サーフの先輩はそれで帰ったけど、いぶりがっこの先輩と、それから合流したマスコットの先輩と一緒に亀城礁まで足を伸ばした。はっきりと上げ潮を感じ、亀城礁の浅い岩場の上を、川のように南から北に流れていた。灯台の南側はぺったりとして水盆のような水になっていて、岩場を挟んで北側は瀬を越える水のようにざばざばと波立っていた。それを楽しみながら、沖網代をタッチして湾内に戻って舟を上げた。

今日は人も少ないだろうと思ったけど、先輩たちと一緒に漕げて一日楽しかった。来週もクラブのキャンプツアーがあるから三浦にくる人は少ないかもしれない。一日のんびりと距離を出して漕ぐいい機会だ。

2019年10月20日日曜日

20191021 長者行けず

心の緩みを引き締めて三浦に出かける。朝方は北風が強めで始まるけど、だんだん落ち着くんじゃないかという予報。一日曇りで寒い小潮

また北方面を攻めてみよう、名島まで行けるかな、北風がある間は長者で折り返してもいいなと思って舟をだす。

おとなしい網代崎を見ながら堤防を周り、向かい風を北に漕ぎ上がる。向かいと行ってもそれほど強くはない。三戸浜、長浜の吹き抜けを確認しながら荒崎につく。この様子なら名島行けるかなと思い、長者の沖あたりを目指して真っ直ぐに出る。

斜め前からは風浪が来るけれど、後ろからのうねりはものともせずに舟を押してくれる。楽ちんにパドルを回してたら、立石の沖あたりで風のギアが一つ上がったように感じた。冬のカヤックがやってきた。今日は服装をちゃんとしてるから問題ない。ロープもちゃんと持っている。

それでどんどん漕いでいったら、久留和の沖あたりでもう一つ風のギアが上がった気がする。風浪の表面に皺がよりだした。注意して、バウを長者に向けて岸によることにした。尾が島の手前に点々と浮かぶブイにそって真向かいの風を漕ぎ上がる。パドルがだいぶ重い。

途中、SUP が一人、岸に向かって漕いでいるのに行き合う。波があるので膝立ちになって、右に左にと何回か漕いでは風に横向きにされながら岸を目指していた。ウェットを着込んでしっかりしてはいそうだけど、釣り竿を持っているのが気になる。

あっという間に追いついたので、進んでるのか心配になって、「風強いっすねー、大丈夫ですか?」と聞くと「えー、大丈夫です」というので、分かれて岸に向かうことにする。ちらりと SUP を見たけれど、バウにトグルもないし、ロープがあっても引けないなと思った。

それで久留和の堤防まで戻って振り向いてみると、まだ沖を漕いでいた。あららと思い、行動食を食べながらしばらく見ていた。余計なお世話かもしれないけど、「だいじょうぶ」が信じられなくて気になった。そうしたら、少し岸によって波がおさまったところまできたのか、立って漕ぎ出した。まあこれなら大丈夫だろう。気が済んで引き返すことにする。長者までも行けなかった。

帰りは岸ベタで軽い軽い。諸磯までびゅーんと戻ってちょっと波で遊んで大先輩のグループと合流した。距離は大したことなかったけど、向かい風の中結構漕いだので疲れた。あとは大先輩とのんびり漕いで、お茶をして帰って舟をあげた。

そうしたら、お客さんの一人がなんとクラブメンバーに入会してくれた。すいすい漕いでいて、上手だなと思っていたら、少し経験のある人でクラブを考えていたのだそうだ。ホンモノのイケメン後輩が入ってきた。大事件だ。これからどうぞよろしく。

今日はちょっと冬の北風を甘く見てた。出し風になるし、慎重に漕ごうと思った。これで今度こそ一通りあらが出揃ったろう。カヤックシーズンは終わらない。また来週こよう。

2019年10月14日月曜日

20191014 また油断大敵

また一つ大きな台風が過ぎて、海も落ち着いてくるかという月曜日。大潮。昨日は台風が連れてきた南の空気で晴れて暑かった。一点、今日は陽がささずに雨も降るかもしれない天気

始発がまだ暗い時期になった。朝早くというより、夜中に動く感じで支度をしてでかける。三崎口のバスで、ガンガン漕いでる同期にあった。バス停の脇に大きな防水のダッフルバッグが置いてあって、なんか見たことがあるなと横目に見ながらバスに乗ろうとしたら、コンビニから同期が出てきてバッグを持ち上げた。一人じゃちょっと心細かったから嬉しい。


二人で支度をして舟を出す。逗子の方の様子を聞くと、今回は波が落ちるのが早いのだという。網代崎も今ひとつな感じで、だめだったかー、と思いながら堤防を出る。まあ、それならそれで、一回りして遊ぼう。ちなみに、平塚沖での観測データは、台風が接近してきた夜7時、6m 近くの波 (1/3波高)、30m/s の風を最後にデータが止まってしまっている。壊れちゃったのかなあ。

それなりの北風の中、いくつかポイントを回るがどこもうねりは感じない。一箇所だけ、狭い岩場のポイントで面白く 30分程遊んだけど、サーファーが入ってきたので遠慮して動くことにした。

同期は亀城礁が気になるようで、そこまで行って見ようと沖に少し漕いででた。水が暖かく、24度くらいはあるから、その上を吹いてくる北風も寒さは感じない。しぶきは受けるけど、薄手のウェット長袖一枚で快適に漕いでいく。

岸から離れるにつれ、北からの風浪が大きくなるのはいつものこと。ちょうど引き潮が抜けていくのも相まった波を漕いで行く。亀城礁が近づいたなと思った頃、左手から漁船が数隻つらなってやってきた。曇った灰色の海で、少ししぶきが飛ぶ中、漁船がゴンゴンと波をけちらして過ぎていく。小舟が二艘、波間に揺られてても見えにくいだろうな、そう思ったら、その列を横切って亀城までいかなくてもいいよねとお互い思う。

なので、ここからは追い風追い波に乗ってビューンと諸磯を目指そうということになった。同期はダウンウィンドというのがやってみたかったようだ。漕ぎ出すと、波のとり方がとても上手で、僕はどんどん離されていく。あと一こぎが足らなくて僕が波に乗れないのを、すっと捕まえて先に進んでいく。上手だ。時々ペースを落として待ってくれる同期を追いかけて一生懸命に漕いで、それで諸磯の手間まできたら波がちょっと大きくなり、僕でもようやく波を捕まえやすくなって並べた。あー、短い距離だけどとっても疲れた。

諸磯で折り返して堤防に戻ると、ちょうど前漕ぎの後輩が舟が堤防から出てきた。同期は舟を上げ、僕は堤防の内側でちょろちょろ水を浴びてた。水が暖かいのだけど、上に戻ると風でちょっとずつ冷えてきた。そしたら後輩が堤防を回って戻ってきた。

後輩のロールは随分と左が安定してきてた。無理に力を使わないぶん、右より左のほうが上手にみえる。スカリングブレースも、左のほうが無理がないように見える。せっかくだから、少し波があるところで練習しようと、北からの風浪が寄せる網代崎手前まで移動して、今度は馬乗りをして遊ぶ。

やっぱり馬乗りは大事だ。脱った時のセルフはロールの前の段階として確実にできるようになっておかなくちゃいけない。馬乗り、フロート、リエントリー、そのどれでも、というか全部、それなりの波のあるところでやって自信をつけるのが大事。ロールだけで油断しちゃいけないですねーと後輩と話しながらひとしきり遊んでた。

そしたら、水が暖かくても、濡れたウェットで風に吹かれるとやっぱり寒い。同期も後輩も上はもうジャケットを来てたのに、僕だけ気持ちが夏から全然切り替わってなかった気がする。それで泳いで風に吹かれたものだから、途端に寒い気がしてくる。昨日の暑さで油断した。

ちょうど季節の変わり目、冬本番の前にいろいろ油断を洗い出した。ちょうどいい。台風も減ってきて、北風はあるもののこれから冬の晴れ間が楽しめる。水もまだまだ暖かい。ちゃんと準備して冬のカヤックを楽しもう。

2019年10月5日土曜日

20191005 油断大敵

台風がくるかとやきもきしていた週末も、蓋を開けてみたら絶好の日和。しっかり漕ごうと思う。でも、台風のうねりが少し残ってやしないかという期待もある。小潮

クラブハウスについたら、骨太の後輩が船をあげてきたところだった。三時に目がさめてしまい、朝のうちにちょこっと漕げるからと出てきたそうだ。それでお腹がすくまで漕いだから、子どもたちの朝に合わせて帰るところ。ほんとうに朝飯前だね。

もう一人、レジェンド先輩もすでに舟を出して南方面に行っている。大先輩のツアーも南方面のようだけど、今日は北の気分。名島あたりを目指すつもりで漕ぎ出した。狭いポイントで遊びつつ、今がピークでそんなに続かないだろうと思ったので数本楽しんだらヘルメットを脱いで先に進む。ちょっと負荷をかけつつ名島を目指したけど、引き返すと決めた10時には着かなかったので途中で引き返す。

道中大変海況がよろしい。黒鯛込あたりの見当だったけど、ひょっとしたらツアーはまた「もうちょっと先まで」行っているかもしれない。そうすると距離が 30km を超えてくるのできちんと食べながら漕いだ。

帰り道に狭いポイントをチェックすると SUP が二人。でも波は全然ないから、少し眺めただけで漕ぎつづける。

いざ黒鯛込。諸磯から岸べたですすみ、くるりと最後の岩場を回ると入江が見える。はい、いない。まあ、ランチのスロープに人がいないからわかってたけれどもね。念の為海外町の護岸をチェック。いません。

あー、これは城ヶ島まで行ったな、戻ってくるあたりで会えるかなと、三崎の堤防の端で最後のわらび餅を食べて漕ぎ始める。

堤防の前の三角波は小さくはない。ツアーはよく行ったなあと思いながら、結構いかつい長津呂を抜けて馬の背洞門。その岩場を回ったらたくさんのカヤックが見えた。赤羽根海岸から舟を出したところで大先輩と合流。

今日のお客さんのグループは常連さんなのだけど、いつも何かとイベントフル。とことん頑張ってくれたんだけど、さすがに無理になって手が止まった人が一人。NZ先輩が一緒にいてロープを持っていてくれたから良かった。僕もちゃんとロープは持っていこう。最近出番がないからと油断していた。自艇の時は持っていくのに。

NZ先輩がその一人を引いてくれたのだけど、ちょっとふらついて沈しそう。なので僕が舟を押さえて一緒に引いてもらうことにした。近くを並走してるくらいじゃ沈を止められない。なので NZ先輩は二艇を、しかも僕の重いポリ艇を引いてぐんぐん漕いでいく。それでもデッキに馬乗りにさせた人を運ぶよりは軽いと言っていた。最終的には大先輩がさらに NZ 先輩を引いて二艇で二艇を直列でひっぱる形ですぐに諸磯についた。

陸に上がって休めば元気も出てくる。お茶の時間が終われば、最後の一漕ぎはがんばれるというので全員で舟を出し、自力で漕いで帰って舟を上げた。


いつも持ち歩いていたのに、ちょっと荷物が増えたからと最近ロープを持ってなかった。油断大敵。ちゃんとロープ持っていこう。遊びの道具は二の次、三の次。



2019年10月1日火曜日

20191001 そこの灯台を回ってちょっと先まで

週末は用事があって漕げなくて、もやもやしているところに天気の良さそうな様子。次の週末は台風がうろうろしているし、良い日和の火曜にお休みもらって三浦に漕ぎにいく。中潮

大先輩が支度しているクラブハウスに到着して、久しぶりに自艇を取り出す。今日のお客さんはいつも元気な常連さんだ。メンバーも一人漕ぎに来ている。

みんなの支度を終えて漕ぎ出すと、とても良い日より。薄い長袖を通して陽射しの照りはまだ感じるけど、全身が焼かれるのとはもう違う。お燗が喉をじわりと通っていく味わい。水もまだ十分温かいけど、入江の奥には立派なタコクラゲが上がってきている。おセンチになってしまう海のいろ。

浅くなった諸磯の岩場には潮が流れ、するりと漕ぎ抜けたら三崎の堤防がすぐだ。この先は初めての人もいる。長津呂は相変わらずの波だけど、それ以外はぺったりとした海を漕ぎ進んで安房崎に。もともとの予定ではここまでだけど、ここまでいいペースで来ている。大先輩のいつもの「どうですかね。海況が良いのでもう少し先まで行ってみましょうか」で決まり。

それぞれのペースで漕いで横瀬島に到着、ここでお昼をゆっくり休んで岸沿いに引き返した。帰り道は少し疲れも見えたけど、カヤックは舐めるようにペースを守って進んでいった。日も低くなった頃に網代崎を回り込んで入江に滑り込んでゴール。20km を超えたツアーでみんな満足げだった。

2019年9月22日日曜日

20190922 ひと夏ひと秋

台風がやってくる三連休、天気予報をにらみながら日曜に三浦に。雨が降る前に上がるつもりで早く動く。波のできが良かったら、雨でも構わず居残るつもりではあるけど、はてさてどうなるか。小潮

クラブハウスには朝漕ぎが好きな後輩が来ていて、戸を全て開けてゆっくりしていた。朝ごはんをのんびり食べながら、目の前の入江のヨットと空を見ている。みんなが贅沢にカヤックを楽しんでる。

後輩は車中から海を見ていて、あちこちの海岸に波があってサーファーがいたと言う。無理のない範囲で気をつけて遊びましょう。

ポリ艇を浮かべて漕ぎ出す。網代崎は思いの外おとなしいが、ゆっくりしたうねりは見て取れる。堤防を回った北風の様子は秋めいてきた。青空が高く、雲がはっきりしていて気持ちがいい。

いつものポイントにはすでに SUP とサーファーが幾人か入ってた。あんまり刺激しないようにヘルメットはかぶらず、帽子で漕いできたので問題なし。波に乗ると、幅をいっぱいに使って上手に大きく乗っているので、邪魔になるかと思って場所を変えた。シーカヤックの波遊びはやっぱり動きが違うから気をつかう。

シーカヤックは場所を移動できるのも大きい。沖にでるのも苦にならないし、一度漕ぎ出せばあちこち遊びながら回れる。もう一つの場所は広いんだけど、浅い岩場に崩れ波が長く押していくのでちょっと気をつけたい。そのせいか誰もいないのでしばらく遊ぶ。他のメンバはまだ出てこない。ソロの気軽さで他の場所を見に行くことにする。

次のポイントではサーファーが三人入っていた。ヘルメットをかぶりっぱなしで刺激するのは良くないと思い、遠巻きに様子を眺めた。ここは狭い岩場の間に向かって波が入るので、ちょっとでもはっきりとしたうねりの時は危なくて行けない。沈脱して水船を流してしまったら目も当てられない。また次のポイントに移動する。

最後に見て回ったポイントは、正直ここで波遊びしている人を見たことがない。サーフ大好きの先輩と何度か遊んだことがあるくらいか。波が良ければここまで出てくることはあまりないから、正直初めて見場所だったけどこれがすごく良かった。

沖を漕いで動いていた時は、今日のうねりは思ったよりも大したことないと思っていたけど、このポイントに向かって狭い湾を渡っている間に、小さいと思っていたうねりの盛り上がりにビビる。手を止めて様子見していると、湾の奥の小さな漁港に向けて漁船が帰ってきた。その漁船が止まったと思ったら、左右に首を振りながらごくゆっくりとジグザグに進んでくる。その都度に後ろからのうねりを交わし、ようやく港に入っていった。船長さんが心を砕いていたのが見て取れた。そんな動き、三浦で初めてみた。

その航路から少し外れたところのポイントは、隠れ根で波がいかつく立ち上がっては崩れる。今日はうねりが大きいから崩れ幅の広い。そのスペースを好きに使って遊ぶ。ただ、波が大きすぎて一本としてちゃんと乗れなかった。前転あり、後ろからどつかれ沈あり、てっぺんからのおっこち沈ありと、大きな波に揉んでもらった。

ここのいいところは、うねりを割ってくれる隠れ根がピンポイントで、その向こうは深くて波が落ち着くので、わりと安全にチャレンジできる。これはいいところを見つけた。

ちょうど良い時間になったので小網代に戻ると、SUP・サーファーに混じっていぶりがっこ先輩が波乗りしているのに行きあった。それならと一緒に少しだけ遊んで、それで昼には帰った。先輩は波遊びの合間に釣った魚をクラブハウスに戻し、午後も遊ぶと言ってまた出ていった。元気だ。他にも3人ほど、メンバーが舟を出していたようだ。

舟を上げた頃には雲も低くなっていたけど、午前中はだいぶ青空も見れたし、吹く風は涼しくて夏をまた一つ数え終わった実感がある。それでもまだ、台風が蒸し暑い空気を持ってきてくれる時期もありそうで、その境目でいったりきたりをもう少し楽しめそうだ。

2019年9月14日土曜日

20190914-16 輪島ツアー

父親の弟、つまり叔父さんが隣の家に住んでいて、子供の時分にとても良くしてもらった。叔父さんはそのうち引っ越してその家ももうないのだけど、隣に居た頃には、子供の僕を逗子や三浦の浜に海水浴に連れて行ってくれた。叔父さんは海で遊ぶのが好きだった。

叔父さんの奥さんは輪島近くの生まれの人で、里帰りがあれば叔父さんはついていった。暑い時期であれば叔父さんは喜んで輪島の澄んだ海を泳いだ。黒い砂の舞い上がる三浦の波打ち際と比べて、輪島の海の透き通ったことを思い出しては、僕に話してくれた。

その記憶がずっと残っていて、輪島の海を機会があれば漕いでみたいと思っていた。それがクラブのツアーで輪島に行くというので、何とか縁をつないで参加できることになった。

初日:

真夜中に集合場所に集まり、大先輩の車に七人が乗り込む。土曜になった瞬間がツアーの始まり。一旦高速道路に乗ったら、富山あたりまでは高速でズバッと走り通す。今回はメンバーに恵まれて、大先輩も運転を代わりながら休めた様子。いつもありがとうございます。

日が明けた頃、とうとう日本海が見える。海が見えると車内も活気づく。能登半島の根元を通って半島の西側の海岸を北上。その途中で大先輩が高速を降りた。あれ、と思ったら、海岸間際まで来て砂浜に車が降りていく。大先輩は千里浜ドライブウェイに寄り道したかったようだ。明るい色の砂浜は硬く締まり、うねりはありながらも滑らか。その上をカヤックを積んだ車がポンポン跳ねながら進んでいく。屋根の上のカヤックを見て振り向く人も多い。でもまだここでは漕がないのです。

もう一度山の中に入って海に降りたら輪島。ついたー。車をおりて、ちょっと遅い時間の朝市を歩く。道行く売り子の人たちからは関西めいた言葉が聞こえてきて、自分の言葉の味気なさを思う。

朝市の中で遅い朝ごはんを食べに入ったら、「つるも」という透明な海藻が入った味噌汁がうまかった。フカヒレスープに勝ったね。近所のスーパーで買い出しをすませて袖ヶ浦のキャンプ場に到着。いや、長かった。

鉄道の路線図などを見ても、能登の上半分は全然電車が来ていない。輪島にも昔は駅があったが廃線となって、バス停に「輪島駅前」の名前が残るだけ。山奥はともかく、海に面していれば近くに鉄道が通っているかと思っていた。伊豆半島の西側もそうだけど、半島の先は陸の孤島になりやすいのだな。海から漕いでこれるとは思っても、近くまで車で行けないと時間がかかる。なかなか手強いぞ、輪島。叔父さんの頃には電車がまだあったのだろうか。親戚が車で迎えに来てくれてたのかな。

キャンプ場で自分たちの居場所をおさえたら今日から二泊、この場所にお世話になる。舟を6艇、波打ち際に下ろして並べ、身支度を終えると正午を過ぎた。いよいよ輪島の海を漕ぐ。


初日はそんなに漕がない。輪島港から河原田川に入って街中を少し遡るとすぐに浅くなりそこで引き換えした。途中、市役所の前で舟を上げ昼休み。ちょうどスーパーの看板が見えたので、地物の魚介類を大先輩が買い出しに行く。最初のスーパーでは見つからなくて心残りだったのだろう。それは立派なサザエを6つとバイ貝をひとつ、それからホウボウの刺し身とアラを買って嬉しそうに帰ってきた。サザエの数が足りないのでスーパーの人に交渉したそうだけど、向こうも無い袖は振れなかったろう。大先輩と二人のしょんぼりとした話しぶりがが目に浮かぶ。


買い物がおわりまた舟上に戻ると、川から海に出てキャンプ地まで帰った。カヤックをママチャリ代わりに使うのは楽しいし、好きだ。

地の物も手に入り、さっぱりと着替えて、大先輩のダッチオーブンを囲んで話し込みながら夕ご飯をゆっくり過ごす。明るかった空を岬の向こうに沈む夕日が二色に変え、その境目をみんなで探した。みんなが違うところを指差し、それでいいんだと納得した。濃く赤い空明かりの最後の一筋に照らされて、もう暗い海を他のキャンプ客の誰かがまだ泳いでいた。それぞれの時間で海を過ごす風景のその一部である僕ら。隠岐のときとは違って、一緒にその風景を作っているように思えたのは不思議だ。

明日は朝から起きて一日カヤックを漕ぐ。自然と話にも区切りがついて誰となく荷物を畳だし、テントに戻ってぐっすりと寝た。


二日目:

今日はどこまで行こう。昨日は浜を出て東にいたので、今日は西に行きます、それがカヤッカーです、と大先輩が言うので、片道で門前まで漕ぎ通すことにした。27km くらいか。

昨晩に浜に流れていた漁協の風予報どおり軽い向かい風、うねりは無く、つるんとした水は清く澄んで、相当な深さでも見通せる。これが叔父さんの言っていた輪島の海か。宝石はきっと水になりたかったんだと思う。光を溜め込み、投げ返す透明な質量。少しのゆらぎで色は変わり、その遊びはとどまらない。振り返ってみると、漕いでいる間は近くの水面ばっかりを見て、その揺れる色をずっと見ていた気がする。


ときおり海女さんの近くを通った。海女さんはあちらこちらにいた。たまにこちらに手を振ってくれる海女さんもいた。大きな赤い軍手のような手袋をヒラヒラさせながら、浮き輪につかまっていた。水面に戻ってきた海女さんは独特な音をさせて息をしている。どこか海棲動物の鳴き声のようで、もの哀しい。

ちょうど真ん中くらいの行程でお昼にした。小石の浜で、両脇の山を削った沢が真ん中に流れ込んでいる。キャンプ地として最高の場所として記憶した。少し長めの休憩をとり、全員がしっかり体を休めたら門前に向けて出発。


9月とはいえまだまだ日中は暑い。大先輩はスプレーを外し緊急冷却しながら漕いでいる。ウェットスーツを着てきた後輩はさすがにぼーっとしてきて、沈して体を冷やす。それがいいと思います。

そうして暑い昼下がりに門前の広い砂浜に到着し舟を上げた。みんなで完漕のハイタッチをしてねぎらう。本当だったら一泊1.5日で門前-輪島のつもりが、海況が良かったから一日で漕いでしまった。それがこのクラブらしい。大先輩の口癖は「もうちょっと先まで行ってみましょうか」。空荷のカヤックとはいえ、まだクラブに入ったばっかりの後輩二人は良く漕いだと思う。ただまっすぐ漕ぐのではなく、しょっちゅう岩の間を曲がったり、止まったり動いたりロックガーデンを楽しみながらだから距離でみるより疲れたはずだ。だからハイタッチの主役はその後輩たちだった。


大先輩が車を取りに行っている間浜で過ごしていると、地元の軽トラがやってきて道路脇に上げたカヤックのそばで止めた。邪魔かなと思って声をかけると、平気だという意味で運転席のおじさんが両手を上げて大きく丸を作ってくれた。すると車を降りてきて空の土嚢を砂の上に放り出し、ちりとりで一つ一つ砂を詰めだした。

畑にイノシシ避けのシートを上からかけて、それを押さえるのに使うのだという。以前は居なかったのに、どこから泳いできたのかだいぶ増えて、畑の厄介者なんだそうだ。そう話ながらおじさんは砂を入れて手際よく袋を縛っていく。できあがった土嚢は僕が軽トラまで運ばせてもらった。大先輩の車が戻る前に作業が終わって欲しいという打算もあるけど、話のお礼の気持ちもある。120%の後輩も加わって、二人で交互に砂袋を運ぶ。地元のおじさんは砂を詰めながら、門前の昔話をした。「500人いれば400人は船乗りになって街を出ていく。3人子供がいればその家は栄えると言われた。自分も外洋航路の船乗りで、辞める年になったから戻って農業を暇つぶしにやってるんだ。」

十もの袋ができあがると、おじさんは軽トラを出して帰っていった。僕らも小さいながらも船乗りといえるのか。そういう気概はもって海に出たい。船乗りの街、門前で海の先輩から偶然話を聞けて良かった。

そのうち大先輩が車で戻ってきて、舟と人を積み込んでキャンプ地に戻った。この舟はもう帰るまで積みっぱなしで、明日は漕がない。これで輪島の漕ぎは終わった。あの海の上にふたたび訪うその時まで、あの透き通った時間はおあずけ。

キャンプ地に帰ると日が沈むぎりぎり。途中スーパーに寄って買った地の小鯛を蒸してつまみながら昨日よりも遅くまで飲んで寝た。


最終日:

帰りの朝は早い。荷物を片付けて車に乗り込み、出発したのが6時ほど。行きとは違うルートでアルプスのど真ん中、白骨温泉に立ち寄りさっぱりしたら、近くのそば屋でツヤツヤに透き通った綺麗な蕎麦を食べて、松本から中央高速で帰った。そば屋では大先輩は何故かカレーを頼み、「結構辛いよ」と美味しそうに食べてた。帰りの車中では、みんなの面白い音楽セレクションにあわせて120%後輩の思い出が掛け流しに溢れ、とめどなく笑って帰った。

おじさんが好きだった海を漕げて良かった。輪島の名前を聞けば、いつもその思い出とリンクしてたけど、今回カヤックの流れでその海までこれて、聞いただけじゃなく、僕も見たと言えるようになってとても嬉しい。


2019年9月7日土曜日

20190907 同期会

台風が二つ、日本の近くにいる週末。15号は思ったよりも弱まらずにやってくる。日曜の予報はアホみたい(5m うねりをともなう) なので、その前の絶好の土曜に漕ぎにくる。小潮

結構うねりがあるんじゃないかと期待して出かけた。ポリ艇を支度する。ボート釣りのお兄さんがきていて、今日はパヤオまでマグロとカツオを狙いにいくと行っていた。ここのところ、土日どちらかは落ち着いて出られる日があっていいですねと言葉を交わす。

入江からヨットの脇を抜けたあたりでスペアパドルを忘れたのに気がつく。浮き足立ってた。ダメダメ。スペアを取りに戻って出直し。網代崎をみてみるとそれほどでもない。近場の波も今ひとつ。別のポイントに漕いで行ってみると、こちらにはサーファーがもう3人浮かんでた。素直に距離漕ぎにする。諦めが肝心。

先週は南に行ったから、北の長者ヶ崎くらいまで行ってみよう。午後の波遊びに期待をこめて、あまり遠すぎず。荒崎からまっすぐに長者の岩肌を目指す。右が長者、左の岩肌が稲村ガ崎。逗子の大崎の岩肌はこの角度だと柴崎の裏になって見えない。

ちょっと負荷をかけつつもだらだらと漕いで長者。道中あまりうねりを感じず、長者のポイントにもさざ波のみ。とっとと引き返して佐島のキラキラした入江で一休み。相変わらずの南国感。水につかって体を冷やす。ここの浜に上がれたらどんなにいいだろう。

無風の小田和湾を渡って荒崎を回り込むと、たくさんのカヤックが見えた。近寄ってみるとやっぱり大先輩の組だったので、そこで舟をあげて一緒に昼休みにした。台風と一緒に暑い陽気がぶり返す。水につかって体を冷やすのが気持ちいい。ゆっくり休んだら小網代に向かって漕ぎ戻る。

お客さんと一緒に漕いで、波遊びポイントにきたら、ちょっと遊べそうな感じになってた。メンバーが波に入るのをみて、やんちゃなお客さんが一人、やりたそうに寄ってきた。ちょうど良い波がきたので漕げーとけしかけると、うまく一本、沈せずに最後まで乗り切った。お見事さん。その後も残って乗ろうとしたけど、これ以上は危ないからお茶の休憩に連れて戻る。

メンバーはまだ何人もポイントに残って遊んでる。そちらに合流して遊び続ける。一人減り二人減りと夕方が近い頃になったら、サーフカヤックを牽引してガンガン同期がやってきた。もっと波があると期待して来たのだそうだ。ちょっと期待ハズレの波ではあったけど、爆走同期と、もう五年生になった同期組で随分遅くまで堪能した。それぞれのペースではあったけど、同期でこの場に揃ったのがなんだか沁みた。

明日は台風がとんでもない予報。それでも前漕ぎの後輩は湾内だけでも漕ぎに来るだろう。なんとなく、小網代ライダースという声もちらほら聞こえてくる。カヤック楽しい。

2019年9月1日日曜日

20190901 賑やかな雨崎

久しぶりにやってきた絶好の日和。今日距離を漕がなくていつ漕ぐのか。日差しもありながら風は弱く、うねりもない。中潮

ここのところ、イベントごとがあったり、うねりがあったりでまとまった距離を漕いだ日がなかった。自分のメモを見返してみると、7月13日に雨崎に行ったのが最後だったから、一月半は近場で過ごしていたというわけか。どうりで体がしゃっきりしない。

馴染んできたパドルでここは一つ、距離を漕げるところを確認しておこうと、始発で動いて雨崎を目指す。

朝のクラブハウスには前漕ぎの後輩が来ていた。やはり距離を出せておらず、うずうずしていた様子。支度を終えて一緒に舟を出す。後輩は荒崎-安房崎間を往復するとのこと。後輩は北方面に行くことが多い。長者、名島あたりを良い目標にしている。堤防で再会を約して北と南に漕ぎ別れる。

朝入江を出るときに、トビウオの子供を見た。トンボより小さいくせに、水面からメダカが飛び出したかと思うといっちょ前に羽を伸ばして飛ぶ。とてもかわいい。そういう時期になりましたなあ。

今日は沖を大回り。諸磯も長津呂も横瀬島も中を通らず、沖を真っ直ぐに漕いで行く。水温もひんやりとして、日差しがあっても暑くない。ロールをせずとも快適に漕げて、水も大して減らない。スイスイと漕いで雨崎につく。

雨崎にはたくさんのテントが並び、普通の海水浴場のように賑やかだった。沖で浮かびながら折返しの休憩をしている間にも、荷物を持った人たちが一組、また一組と浜に向かって荷物をかかえて歩いてくる。まだ夏なのか、夏の終わるのを待っていた人たちか、はてさて。

追い返してサクサクと漕ぎ、黒鯛込まで戻ったところで大先輩たちに合流できた。エビ島でお昼にしてるかと思ったら、朝からすでに人が島に上がっていて駄目だったのだそうだ。良いスポットはどこも取り合いですな。

帰り道にもう一度と思ってエビ島に立ち寄ると、やっぱりまだ人がいる、と思ったら爆漕同期をはじめとしたメンバーだった。それならと大先輩達もそこに舟を上げた。

スノーケリングには良い日和でもあるけど、もうちょっと距離を出しておきたい。速くはないけど、だらだら一日中漕いでいたい。横を見るとスリムな後輩も漕ぎたそうだったので、声をかけて一緒に荒崎まで行くことにする。目指すは沖アジロ、亀城礁からの荒崎コンボ。大先輩に行ってきまーすと声をかけ漕ぎ始める。

ちょうど潮が上がってくるところ。諸磯から沖アジロの沖合、亀城礁までなんとなくどんぶらこしている。うねりはないし風もないから、これはきっと潮の波なんだろうな。中でも、佃にむかって一番強い潮波の流れがあるように感じた。

後輩においてかれないように頑張って漕いで、すずめ島まで戻ってきたら大先輩がその少し先でお茶の休憩をしていた。それに合流してお茶をいただき、あとはのんびりみんなと漕いで舟を上げた。

そういえば、道中カヤックほとんど見なかった。黒崎で一艇みたくらいか。こんなにいい日よりなのに珍しい。前漕ぎの後輩も見なかった。後で聞いたら、荒崎 - 安房崎 - また荒崎で先に上がったらしい。荒崎に二回いくのはまた酔狂な。

だいぶ暑さも和らいで、海の上にいればとても涼しい。距離を漕ぐにもキャンプにも、これからカヤックシーズン上げ調子。がんがん漕ぎたい。

2019年8月25日日曜日

20190825 カヤック夏祭り

今週はクラブで夏祭りという名の運動会。天気には気をもんだけど、無事に開催できる運びに。遠出をする日じゃないし、曇っているくらいがちょうどいい。長潮

始発で動き、バスでなんでもやる先輩と一緒になる。海の様子を見ながら、今日はみんなのために魚を釣ってくれるのだそうだ。

それにしても今年は夏が短かったような気がする。出かけるときの暗さに日の短さを感じる。空気もひんやりとして、一日水に浸かるのに、一枚上に羽織るものがあったほうがいいかと逡巡した。もう秋の空気だ。梅雨が長かったから、夏なんて2週間くらいしかなかった気がする。

クラブハウスについたら他の人がもう来ている。手広くやっている後輩は近くで前泊した。祭りまではいられないけど、朝一その辺を漕いで、できれば波遊びをして帰るのだそう。それを見送り、自分たちの支度もして先輩と浮かぶ。

堤防まで先輩と出てみると、網代崎は微妙に小さな波を立てている。無理すれば遊べなくもないか。沖に釣りにでる先輩とわかれ、波遊びをしにいった後輩を追いかけた。ポイントには後輩だけで、ダッシュの練習にちょうどよいくらいの波が来ている。何本かやるうちには大きめのやつも来て沈して脱して遊ぶ。サーフ沈でのロールにはまだまだですと後輩が楽しそうだ。そこにNZ先輩もやってきた。

今日の運動会のために入江に目印のブイを浮かべて置きたかったので、二人と別れて入江まで戻る。先週と同じように大きめの石を沈め、そこから紐をペットボトルにつないで浮かべておく。入江の真ん中に 20m くらい離したブイが2つ。

そうしたら後輩が帰ってきて船を上げた。他のみんなは大先輩の車で大挙してやってきた。ワイワイと支度をしてたくさんのカヤックが入江に浮かぶ。カヤック運動会の始まり。


最初はウォーミングアップの「鬼ごっこ」。単純明快。大先輩が最初の鬼となってみんなを追いかけ回し、だんだんと鬼が増えていく。最後まで残った一人が勝ち。鬼のタッチは、舟と舟をコツンと当てるか、一つあるビーチボールをぶつければ鬼が増える。パドルでのタッチは、振り回してエッジが人に当たると危ないからなしにした。

大先輩が入江の中で声を上げて 30 数える。その間に15艇ものカヤックが入江じゅうに散らばって、大先輩の様子を伺う。数え終わると、スカートの上にビーチボールを乗っけたまま大先輩がダッシュした。魚のように舟が群れで動き、そこから一艘離れたカヤックが岸寄りに追い込まれ、ボールをぶつけられて鬼が増えた。

二人になると、二方向から追い込めるようになる。逃げる群れが少し集まったかと思うと、バッと二手に別れてダッシュ。それを鬼の二人が追う。そのうちに、大先輩がダッシュ漕ぎしながら舟をリーンで曲げようとして沈した。「やべっ」という声に続いて体が水に落ちる音がする。即ロールで上がる。

そうして追って逃げて鬼が増え、あちこちでワーワーキャーキャーいいながら全員が鬼になっておしまい。ウォームアップを通り越してかなり疲れる。


次の種目は二組にわかれてのリレー。自分の番がくるまでは、応援で休んでいられる。一つのブイからスタートして向こうのブイを周り、戻ってきたらタッチして次の人がスタート。これまた単純。最初の二人が並んで、ヨーイドンでスタートする。途端にスイッチが入る。漕ぐ人も応援する側も、まさに小学校の運動会さながら。自分の番の相手はスリムな後輩。折返しのブイをギリギリで周り、お互いつかず離れずで次の人にタッチ。すんごい疲れて肩で息をする。人数が奇数な関係で、大先輩は二回出番があり、アンカーもやった。決着がついてもみんなヘトヘト。ブイの距離を見て、もうちょっと長くてもいいかななんて声もあったけど、20mくらいがちょうどよかったようだ。


次の種目はちょっと一休みということで、その場で回転。スイープとバックストロークを合わせて、何ストロークで一回転できるか競う。僕は八回、他にも七回の人がいたけど、大先輩は六回で回った。さすが。


昼前の最後の種目は二人三脚。沈脱した人を艇に乗っけるなりして向こうのブイまで漕ぎ、そこで漕ぐ人が入れ替わって戻ってくる。これをまた2チームに分かれてリレーした。お客さんで乗っかる側は楽かと思ったら、漕ぐほうがとてもつらい。足して二で割ったとしても、最初の普通のリレーよりも疲れた。たった 20m でこれだから、実際の状況で人を乗っけて岸まで漕ぐというのは無理なのかもしれない。それでも、後ろに乗った人がうまくバランスを取って、水に体をつけないようにしていてくれれば一番スピードが乗った。


これが終わるとみんなヘトヘト。今日は朝からずっと入江で遊んでるから、外の景色も見に行きたい。昼ごはんの場所を見つけに堤防を回って外に漕ぎ出し、すずめ島の向かいの浜にみんなで上がった。日差しが出てきて気持ちいいのだけど、風はちょっと冷たい。日陰にはいられず、温まった砂に寝そべったりして暖をとる。


昼休みのあとは最後の仕上げに入江まで戻り、騎馬戦を始める。これはカヤックのシートに立ち上がり、最後まで立っていた人の勝ち。と言っても、立ち上がって漕げるのはほんの 2, 3 人。だいたいは立ち上がることすらままならず、生まれたての子鹿になって足を震わせて、それでドボンと落ちる。入江の中ではやれるけど、堤防の外で立った人はまだいない。


それがいつのまにかロールの練習会になっていって、日もだいぶ落ちた。散々泳いで疲れたあとに軽くお酒もいれられて賑やかに帰った。夏のお祭り騒ぎカヤック、楽しかった。また来年のために新しい種目を探そう。

2019年8月19日月曜日

20190819 下田のイルカ

日曜から2泊3日で下田に家族で遊びに来ている。なか日の月曜。まるまる自由になる一日をどう過ごそうか考えて、下田の水族館でイルカとカヤックするのいいんじゃない?と予約しておいた。うみがめカヤックスさんの「いるかとさんぽ」というツアー。

料金には水族館の中を回る入場料も含まれているから、早くに水族館について中をみて回る。美味しそうな魚がいて、今晩は地金目の寿司でも食べようねと相談する。コツメカワウソ、ウミガメ、かわいい。動物がどれも近くていい。

集合時間になったので、イルカの入江を見渡すデッキに集まり、説明を受けて支度をする。舟はシットオンのタンデム。クロックスはだめでマリンシューズを貸してくれる。防水バッグを持っていたけど、それも持ち込めず。落としたらイルカが食べちゃうからかな。なんにしろ、イルカの住んでいる入江だから、イルカの安全への配慮に申し分なし。日焼け止めも塗っていい場所に指示がある。素直にガイドさんにしたがって水の上に浮かぶ。

イルカはすぐに近くによってきて水面から目を出し、じっとこちらを見ている。興味を持ってくれているしるしで、明るい声を出して手を振ってあげると、こちらの気持ちも伝わるそうだ。

イルカが潜ればキョロキョロして、顔を出せばそちらに向かって漕ぎ、それを繰り返して追いかけっこを楽しむ。一緒の舟の息子と合わせて漕ぐとグンと船足がのび、小さな入江ではせせこましい。かみさんはガイドさんと一緒の舟で完全にお客さん。

小一時間してイルカショーの時間になり、一緒にいたイルカがステージのトレーナーのそばに泳いでいった。ショーが進んでいくのを遠巻きにカヤックから見る。

三匹いたイルカのうち二匹は聞き分けがよく、トレーナーの指示にしたがっていろんな芸を見せているが、残る一匹は機嫌が良くないのか指示に従わず、潜っては顔を出しを繰り返していた。そのうちに長く潜ったかと思うと、ショーを見ているかみさんのカヤックの下を通り抜けて離れたところまで行ってしまった。

ショーの進行をするアナウンスが「他に興味のあるものをみつけちゃったかなー」とフォローをしていたが、アドリブも大変そうだ。それでもトレーナの根気で最後は三匹のイルカが一緒に大ジャンプを見せてショーは盛り上がって終わった。それでツアーも終わり。岸に舟をあげてガイドさんにお礼をしておしまい。

ガイドさんがイルカと漕ぐときのコツを教えてくれた。それは下手くそに漕ぐこと。できるだけ水面を叩くように、水しぶきを上げるように漕いだほうがイルカは遊んでると思ってよってきてくれるそうだ。普通にきれいに漕ぐと、静かに進むだけで、イルカからしたらつまんないようだ。

そんな話を色々教えてもらい、ちょっと違う切り口のカヤックツアーを楽しんだ。

2019年8月17日土曜日

20190817 3m の三角波

台風が過ぎて行って風が強まる予報。午後からの用事の前に、暑い中の水浴びくらいは平気だろうと三浦にでかける。大潮。もともと遠出はできなそうな海況だしちょうどよい。

クラブハウスには先輩が一人来ていた。今日は慌てて出ていく必要はない。先輩とのんびり話しながら、バラしてあった自艇をのんびりと組み立てる。最近は来ると直ぐに漕ぎたくてポリ艇ばかり乗っていた。

組み立てと支度が終わり、一足先に出ていった先輩を追って自艇で漕ぎ出す。今日は南西が強く吹くから、先輩とは湾内で会えるだろう。

次の週末にはクラブのみんなで夏祭りの予定。祭りといってもカヤックで普段はやらないようなことを集まってやるだけのことだけど。だから祭りというより、運動会と言ったほうが近い。そのプログラムの一つに徒競走と言っていいか、単なる漕ぎダッシュがある。

そのスタートとゴールの目印に、ペットボトルでも浮かべてブイを作ろうと思った。その重しを作るのに、ビニール袋に砂を詰めて沈めてみようと袋を持参した。

堤防の手前までいくと、先輩の船が砂浜の脇に見えた。先輩は堤防の上で向こう側の様子を見ているようだ。僕も浜にあがり、早速砂を袋に入れて沈め、実験してみる。砂と言っても貝殻のかけらもあり、思ったより軽くて簡単に動きそう。結局、ビニール袋に2つ3つ入るくらいの石のほうが具合がよいとわかった。

ブイを作る目処がついたので、先輩と連れ立って堤防を回ってみた。

先輩は一時期カヤックをやめていたけど、また最近ちょくちょく漕ぎ始めた。やめる前にはあちこち遠征もしていて、津軽海峡を横断したときの話を聞いた。その時、海況は全体に良かったのだけれど、それでも真ん中あたりの潮目までくると 3mの三角波ができていたそうだ。自分は平気だったけど、名のあるクラブのタンデムが沈したり、自分も三角波でバウがいきなり沈んだり、なかなかエキサイティングだったと話してくれた。もちろん伴走船をつけてあって、サポートは万全。

今日の波は3m の三角波には到底及ばないけど、それでもざぶざぶしていて漕ぎごたえがあった。それなりに楽しかったですねーと堤防内に戻って先輩と話しながら帰って舟を上げた。

来週はクラブの集まりがあるけど、その前に家族で下田に旅行する。下田の水族館では、飼育されているイルカと一緒にカヤックを漕ぐツアーをやっている。それに家族で申し込んだ。どちらも楽しみだ。

2019年8月11日日曜日

20190811 ひゃっはー!

台風が日本の近くでゆっくり動いていてやきもきしながら帰ってきたのが土曜日。時差ボケをなおす良い運動にとカヤックをしに三浦まで出かける。一日風も弱いけど、だいぶ台風のうねりが強い予報。若潮

波遊びなんて持ってのほかだろうな、湾内でのんびりとかなと思いながら三崎口で始発のバスに乗ったら、なんでもやる先輩がいた。お互いにニヤリとしてクラブハウスにつく。

二人で支度をして舟を出す。今日は二人共ポリ艇なので運ぶのが重い。そそくさと浮かびヨットの右はじを抜けて行くと、すでに出ていたマガ先輩が戻ってきた。堤防の外はイカした波で、サーファーが5人ほど浮いている場所もあるそうだ。

あらあらと思いながら堤防を回ると、台風5号かの時よりもうねりがでかい。流石にこれはなーと思いつつサーファーの沖を漕ぎすぎる。いつものポイントが近づいてきて、よく見るとそこにパドルが上がり下がりしている。サーフ好きの先輩がサーフカヤックですでに入っていた。他には誰もいない。合流して聞くと、朝の5時半からやっているという。さすが。

僕らだけならありがたい。いくつかうねりをかわして目を慣らしてから、行けそうなやつで乗り始める。このあたりがシーカヤックで遊べる波乗りの限界かもしれないな。時にはそれを超えたやつがくるので、バックしてかわしてよく選ぶ。

サーフカヤックの先輩は流石に動きがそれっぽい。波を横に走り、崩れた所でスイと方向転換して波を上がり下までおり、いい場所で乗り続けていく。曲がり始めたらブレース横乗り一択のシーカヤックとは違う。

沖に出るときも思いっきり波に突っ込んでバウが跳ね上がり、自然と声があがる。これはシーカヤックのほうが有利だろうな。


乗り越えるかロールしてかわすか悩ましいような波も度々。これを越えてゆかなければならない。


三人で青空のもと波遊びをして、そろそろツアー組が出てくる時間になったのでサーフ好きの先輩とは分かれて二人で入江に戻った。


今日のツアーも大人数。湾内だけかと思ったけど、きのうよりうねりは落ち着いてきたこともあって、油壺まで大きく沖を回って行ってみることになった。網代崎から荒井浜までは、岩礁の周りも含めて一面にうねりが崩れて白くなっている。こんなのみたことない。それでもある程度沖に出れば普通に漕げるのがうねりのいいところ。上手にコースをとって油壺湾に入ると一安心。近くの浜で昼食とした。

昼食の間には久しぶりにガンガン漕いでる同期がやってきた。あいかわらず真っ黒だ。家の近所で元気に漕いでいるようで安心した。みんなの話が盛り上がる。昼食をのんびり食べてワイワイ言いながら入江に戻って、クラブハウスでも楽しくだべって帰った。

これからしばらくは台風のうねりで波が高い日が続く。安全に、でも身の丈ちょっと上の波が来てくれたらまた来週も楽しめるかな。

2019年8月8日木曜日

20190808 もういっちょサンディエゴ

やっぱりシットオンじゃ物足りないなあと思っていて、ネットをポチポチ検索していたら、ちゃんとしたシーカヤックを貸してくれるところを見つける。浮足立って、午後に時間に余裕がある日をみつくろって、路面電車とバスを乗り継いで出かける。

行きの路面電車、ホテルから数分のところに駅があるのだけれど、運行間隔が15分ほど。一本逃すと都会の電車になれた人には待ち時間がつらい。それにカヤックを漕げる時間も減るし。

なのに、駅に渡る道路の信号待ちをしていると、遠くからすっとろい電車が走ってくるのが見える。近くの踏切も音を鳴らしており始める。気が焦って、信号が青になった瞬間走り出し、閉まり始めるドアにホームから飛び乗った。

何駅か乗って降りて次はバスに乗り換える。バスの運賃は 2.5ドルで前乗りタイプ。注意しなきゃなのは、運賃箱にお札をいれてもお釣りが出ないこと。だから、1ドル札を三枚いれても、お釣りがこない。

運転手さんのパターンは三通り、2ドルでいいよと言ってくれるか、お釣り出ないけどそれでもよければ 3ドル入れてと言うか、何も言わずに 3ドル入れさせるか。もしかしたら、前の人が3ドル払ったら、次の人が2ドルになったりしてるのかもしれない。

番外編で、日本のつもりでドル札を 3枚重ねていれると 1枚としか反応してくれない。それで運転手と問答になったことが昔ある。時間がかかるけど、一枚ずつ入れるのが安全。

目的のマリーナ近くのバス停で降りて、マリーナをずっと回り込んで、目当ての Aqua Adventures まで歩いていく。


店に入って店員さんにシーカヤック借りたいと伝え、ポンツーンに案内してもらう。どれがいいと言われるので、ラダーのないやつならなんでもいいやと選ぶ。メーカーは知らず。


スカート、PFD、パドルを受け取って支度をして水に浮かぶ。スカリングドローでポンツーンから離れようとすると、店員さんがちょっと顔を変えた。この店でシーカヤックを借りるには、陸上か海の上で店員さんにセルフレスキューできるのを見せる必要がある。なので、ポンツーンからちょっと離れて一発回って店員さんとにっこり。

それでマリーナから一人で漕ぎ出した。やっぱりシーカヤックはいい。リーンして小気味よく動くし、何より一体感があって水が近い。上機嫌で小一時間漕いでポンツーンに帰ってきて一度舟を返した。

この日は、6時から夕方パドリングイベントが有志向けにやっている。このお店の常連がボランティアではじめての人たちに安くガイドツアーをやっている形だ。ソロの他にそれにも参加して、安く夜まで日の入りまで漕げる塩梅。


一旦舟は返してしまったので、もう一度リーダと話して舟を決める。シーカヤック乗るというと、初見のやつに乗せるわけ無いだろうという態度が見えたけど、レスキューしなくても平気だなと念を押して結局はシーカヤックを選ばせてくれた。

ところが今度はスカートを借りるのにひと悶着する。以前、バリバリ漕げるぜ、という人が来て乗せたら、ポンツーンですぐに沈して挙げ句にスカートが外せずに大変だったんだそうだ。

さっきロールしてみせた店員はもういないし、ボランティアのリーダの意見を尊重してスカートなしで水に浮かぶ。安全第一。知らないやつの言葉を鵜呑みにしちゃいけない。

舟を回すときにリーンを深くする癖があるので、水を掬わないように気をつけよう。そう思いながら、先に浮かんでいる人とポンツーンの周りをちょろっと漕いで戻ってきたらリーダが寄ってきて、スカートつけてもいいと声をかけてくれた。さっきの店員さんが僕のことを話してくれたとのこと。スカートをちゃんとつけてこれでなんとか落ち着いた。

総勢はシーカヤック3艇、シットオンシングル3艇、シットオンタンデム1艇、SUP 2枚で日が低くなり始めたマリーナから湾に漕ぎ出す。30分程湾内を漕いで2つの橋をくぐり、適当な浜に上がって一休み。

タンデムに乗っていた家族連れが水際で遊んでいると、「エイがいるから気をつけろ、歩くなら足を砂に擦りながら後ろ向きに歩け」とリーダが声をかけてた。底は広く砂になってるからいるんだなあ。海の中は見えないから怖いぜ。

また海の上に戻って帰り道。お日様が低くなり空が色づく中を漕いで変える。マリーナに入る頃には色がだいぶ出ていた。


マリーナのブイやポンツーンには所々アザラシが乗って寝ている。全然動かないから最初は気づかなかった。湾を漕いでいる時に一頭泳いでいるのが見えたので、それでやっとブイの上のアザラシに気づいたくらい。普段いるなんて思っているから気づかない。サザエやアワビを観察するときと同じだな。


帰り道に何発か回って潮を感じる。気持ちいい。それで戻って舟を上げ、リーダーにお礼を言って別れ、着替えをさせえもらおうとお店に戻ったら入り口がしまっている。中は真っ暗。もう八時ちかいから当然といえば当然だけど、シャワーとは言わないまでも、着替える場所くらいは貸してもらえると思い込んでいた。

暗くなった植え込みの脇で、それでも監視カメラには録画されているんだろうなと思いながら、こそこそと着替えてさっぱりした。もう日は落ちきって道もくらい。潮を浴びたままだけど空気は乾いているのですごくさっぱりした気分。夜道をのんびり歩いてまたバスと電車を乗り継いで帰った。明日は飛行機で帰る。週末は台風でどうか楽しみだ。



2019年8月4日日曜日

20190804 サンディエゴ・コロナド

サンディエゴで一週間ほど過ごす事になって、4日の夕方になってホテルについた。時差ボケを解消するのに一番いいのは、軽い運動だと思ってる。向こうの昼の時間に体を動かして、それで夜はぐっすり眠る。

軽い運動といえばカヤックだから、ホテルの近くにいい場所はないかと探すと、ホテル近くからフェリーで5分、サンディエゴ湾を渡ったコロナドというところでシットオントップカヤックのレンタルを見つけた。

ネットでは17時に閉店と書いてあって気が焦る。さっさとホテルの部屋で荷降ろしして、持ってきてあった防水バッグに必要なものを詰めてフェリー乗り場まで15分程を歩く。フェリーが来て、サンディエゴ湾をあっという間に渡る。フェリーには自転車を乗っけてもいい。往復で10ドル払う。乗るときに、切符をチェックする人に切れ目を入れられる。これで一回乗ったことになる。帰りは、切れ目の入った切符を回収されるのだろう。

コロナド側についたら、Bike and Kayak Tours というレンタルのところまでは歩いてすぐ。聞いたら、六時過ぎまで乗せてくれるという。ラッキー。パドルとPFDを借り、カヤックがおいてある浜まで歩いていくと、店員がシングルカヤックを水際まで準備してくれた。それにのって水に浮かぶ。やったね。

サンディエゴ湾は細長くて、北に向かって入ったかと思うとすぐに東に曲がり、反転して南まで長く入り込む、J の字を逆さまにしたナマコみたいな形。その真中くらいにいるので太平洋のうねりは何もない。ただ曳き波が時折起こす。舟の行き来はとても多く、仕事の舟、観光船、個人の舟などが目の前をひっきりなしにすぎる。

だから、カヤックは航路には行かない。赤いブイが点々とあるのが目印で、それより沖には行かないように言われる。それより岸側にいれば、どこまで漕いでも良いそうだ。ただ、北にいくと米軍の基地があるので、湾の奥、南の方向に進む。

サンディエゴ湾には一本、コロナド橋という青い橋がかかっている。そこを最初の目印に漕いだ。


他にもはしけがあり、だいたい木でできていてそれをくぐって遊ぶ。


曳き波を待って波乗りしようと思ったけど、全然だめだった。残念だ。サンディエゴの緯度は N33 度弱。日本で言えば佐賀あたり。なのに気温は全然低い。夏でも30度行かないのがほとんど。日差しは照りつける感じはあるけど、空気は乾いて風が吹けば涼しい。

カヤックをしていても、雫がどんどん乾いていく。湾の中だから太平洋の生の潮ではないかもしれないけど、水もすこし冷たい気がする。漕ぐのにちょうどよい。


そうして小一時間、大きな油壷湾を漕いでもとの浜に戻ってきた。六時というのにまだ明るい。期間中また機会があればぜひ漕ぎたいけど、できればちゃんとしたシーカヤックがいいなあ。

2019年8月1日木曜日

20190801 無邪気にはしゃごう

高校生になった息子が友達を連れて四人でカヤックを漕ぎにきたいという。それで大先輩のツアーに申し込んだ。学校は夏休みだけど、僕は休みをとって三浦にでかける。一日暑い大潮

クラブハウスについて支度をする。ペダルの位置や沈脱の仕方、パドルの使い方などの陸トレを真面目な顔立ちで聞いている高校生を少し遠巻きに眺める。みんな運動部で、ひょろっとして薄い体つきでパドルを持って、ぎごちなく振り回す。

舟を入江に浮かべて外に出る前の軽い準備運動。あちこちに漕ぎまわって楽しそうだ。ヨットの右側を抜けて広いところに出ると、まっすぐ進まない舟をなんとかして、右に左に動きながら、大先輩と他のお客さんのペースにそれほど遅れずについてくる。

堤防を回ってエビ島を目指す。今日のそこで昼休憩。少し慣れたとはいえ、まだ舟はまっすぐ進まない。すぐ前を行く友達の舟に少しずつ寄ってはスターンに擦ってしまい、自分が左に行けば友達の舟は右を向いてしまう。「やめろよー」とじゃれつきながら、それでもペースには遅れずついていく。今日は海も穏やかで、どこで沈しても、出てきてくれさえすればなんとかなる。好きにやらせて後ろから漕いで行く。

エビ島でスノーケリングをして、カニやらヤドカリやらで興奮する高校生を新鮮に思いながら、自分は他のお客さんと話をしてのんびり過ごす。息子たちは騒がしく楽しんでいるようだ。それでもお行儀良さそうな印象がある。

お昼を済ませ、黒崎の鼻まで漕ぐことにする。午後はだいぶ慣れてきて、友達の舟をわざと横に向けはじめた。最初は仕方なくだったのが、今はもう狙ってやっている。そのために、スターンを狙って後ろがダッシュをすれば、前はダッシュで逃げようとしてあちこちに舟が動く。それでも全体としてはまとまって、ツアー全体が縦長になるようなことはない。ただ大きいまとまりの中で、舟が右に左にあちこちに動く。大人たちのツアーではこんな風には動かない。まっすぐ進みながらもペースにムラができて、縦に伸びてしまうのが普通だ。元気やのうと思いながらまた後ろからついていく。

黒崎で一休みし、引き返す。そしてまた堤防手前の浜で一休みし、小網代の入江まで帰ってきた。ここで高校生グループはロールがしたいと言い出した。サポートにたって、みんなものの10分くらいでロングは上がるようになった。上半身が軽いから、ロールも簡単に上がる。不必要な筋トレでデッドウェイトになっているマッチョとはエライ違いだ。

そうして入江で遊んで五時になった。さすがに大先輩の「帰りましょう」コールが入って舟を上げた。大人な口を聞くようになっても、新しいことを屈託なく吸い込んで、そういうのを目の前で見ているのは楽しい。また、自分の親などに声をかけてまた三浦の海に来てくれればいいと思う。

2019年7月28日日曜日

20190728 水をあびよう

また週末に向けて台風がやってきて予報がころころ変わる中、この日曜はクラブのレスキュー練習会の予定。湾内がメインだから多少は風があってもやれるけど、やっぱりスカッと晴れてたほうが気持ちはいい。若潮

先週は台風からのうねりで結構遊べた。今週はどうかなと、朝から始発で動く。家の近くは本降りで雨が降っていたけど、京急にのって三浦半島を南に行くうちに雨も止み、ただの曇り空になった。三崎口のホームは夏の朝の蒸した空気。

クラブハウスについてみると、すでに前漕ぎ道場の二人が出ていた。波遊びのようだ。先週のうねりのイメージが頭にあり、少し気になる。支度をして後を追いかける。

網代崎を見て堤防を回るあたりでうねりの無いのがわかる。問題なしとはいえもう少し波がほしい気持ちもある。ポイントまで行って二人に合流する。今回の台風ではうねりが方向的に入ってこれなかったのか、風浪で長く乗れる波ではない。それでも楽しいことは楽しい。みんなが揃うまでの時間を遊ぶ。爆漕の同期は何度かひっくり返りけど、どれもロールできちんと上がる。練習前の実践はばっちりだ。

時間になったのでクラブハウスに戻り、手分けしながらみんなの船を運んで入江に浮かぶ。大先輩の説明を聞きながら、手順を確認してパドルフロート、馬乗り再乗艇、グループレスキューをこなす。助ける側、助けられる側、両方やる。ここまで一通り終わったら、次はロールの練習に入る。


スキーで転んで立てない人はいない。転んだら、斜面で立ち上がってまた滑り始める。これは一番最初に練習すること。滑ること、止まることよりも前に練習する。あかちゃんだって、立って転んで立ち上がる。歩くのはその後。それに、転ぶのを嫌がる人は上達も遅い。自分を試さないから。

カヤックも同じはず。転んだら気軽に起き上がれないと自分をいろいろ試せない。リーンも限界まで試せないし、ドローストロークの練習だって億劫になるだろう。ハイブレースなんてほとんど沈してる。はじめのうちこそ転ぶことも多いい。だから、簡単に立ち上がれるようにしておくのは一番最初のステップ。馬乗り、フロート、ロール、なんでもいいけど、自分で立ち上がる方法を確実に身につけたいし、身についた引き出しは多ければ多いほどいい。

とはいえ、ロール以外は水が入る。水が入れば舟が不安定になるし、ポンプで水をその都度抜くのはとても疲れる。消去法で、ロールが一番楽ちん、というのは揺るがない。ロールがあるから、あんなに細身な舟でも安心して乗れる、崩れ波の中でも堂々と進める。クローズドデッキの沈しても水が入らないという特性がカヤックという舟の核心だと思う。その特性をフルに使わないのはもったいない。


馬乗りで水のたっぷり入ったカヤックの水をビルジポンプで抜きながら、ぶつくさと考えた。今日初めてロールの練習をするメンバーも何人かいたけど、全員一度はロールが成功してお昼ご飯。朝は雲一面の空も、この頃には晴れて夏の湿った青空になった。

午後は引き続きロールの練習をしたあと、みんなで堤防から外に出た。南風が上がり始めて、チャプチャプした風浪が沖から寄せてくる。これはちょうどいいと、ここで一通り、馬乗り、グループレスキュー、ロールをおさらいする。その間にスズメ島まで流されてきた。

静水ではすんなりできた馬乗りも、ちょっとの風浪で難しくなる。何度もよじ登ってはひっくり返る。ロールをミスっては沈脱する。練習会の締めくくりに波間で浮かんで潮につかり、成功したら拍手、失敗したら声援を送ってたっぷり遊んで帰った。

2019年7月23日火曜日

20190723 梅雨があけた!

起きたら、思いがけずムクムクとサボりっけが。土曜にサーフ好きの先輩と遊んだ余韻が残っていて、海に触れたくてしかたなかった。大先輩のツアー組も出るし、他にも何人かメンバーが漕ぐ様子。当日の休みの申請をして三浦にでかけた。中潮

皆が支度しているところにクラブハウスに着く。なんでもやる先輩とほんわかした後輩、手広くやっている後輩が来ている。何でも先輩にくっついて先に出る。先輩は日曜に来て、残ったうねりで結構遊べたらしい。土曜に遊んだ話もしながら堤防の外を大きく一回り。

週末のうねりはもう消えた。灰色の曇り空の下に真っ平らな海が続く。網代崎もさざなみがかろうじて。それでも沖に向かうと潮波か北風の作った風浪か、デッキにかぶるくらいはあって面白い。一回り様子を見て堤防に戻ったら大先輩の組が出てきたので合流する。

諸磯の浜でお昼休み。平日の海はのんびりしてる。遊漁船も少ないので、沖からのエンジン音があまりしない。サザエ取りの漁師が舟の真ん中近くに取り付けたエンジンをくるくる動かしながら、棒を下ろしては引き上げ、サザエを鉤爪から外して箱に落とし、また棒を下ろす。左手はエンジンの舵を握ったまま、片手で棒とサザエをさばく。頭は箱で下を覗いたまんまこれをこなす。

帰り道は油壺で一休み。お客さんがのんびりしている間、僕らも遊ぶ。手広くやっている後輩がスカリングドローを練習する。手が疲れますね、というので、それも足の踏み込みで漕ぐのは同じだよというと、えっ、なるほどーと言って練習を続ける。頑張ってねー。

すごい上品な後輩がいて、その人は結構長くシーカヤックスクールで学んでいた。その後輩がスカリングドローをした時には、頭の向き、手の位置、空手の構えがびしっときまるようで惚れ惚れしたのを思い出す。それに比べると、僕は野良育ちだから、まあ、とりあえず足を踏み込んでおけばいっか、くらいのアドバイスしかできない。

ほんわかした後輩はスノーケリングが大好き。カヤックに乗ったままやればと言ったけどピンと来ないのでやってみせる。マスクを借りて沈をし、体を伸ばして息継ぎの管を上に出し、沈したそのまま過ごす。なるほどとトライするけど、後輩は息継ぎの管がどうしても外に出ない。苦しくなって慌ててロールで上がる様を見てお客さんと笑う。まあ、こんなの一人の時に海でやっていたら周りの漁船やらボートやらが心配して寄ってくるから良くないね。

堤防近くまで戻ってお茶の休憩。お客さんの一人から高尚な話を聞かせていただき、なるほどなーと思いながら過ごしていたら雲がだいぶ晴れた。四時が近くなって途端に青空が広がり日がジリジリ差す。カヤックを上げた入江も日差しが砂ぞこまで通り、浮かべたカヤックの影が落ちる。久しぶりの風景だ。ちょうどこの時に三浦の梅雨が明けたんだと思う。みんなで明けましておめでとうと言い交わして舟にのり、湾奥に戻って舟を上げた。

舟の片付けをするだけでも汗が流れた。来週はクラブでレスキューの練習会。好きなだけ水につかってられるね。

2019年7月20日土曜日

20190720 うねりがやってきた!

台風が九州から韓国に抜けている最中、日差しはないけど風もない週末。うねりのありそうな土曜を狙ってでかける。日曜の方が賑やかそうだけど、波なら土曜。中潮

朝、クラブに着くとちっこい後輩がすぐにやってきた。知り合いがツアーにやってくるので、その前に軽く近場で釣りをしておくのだそうだ。聞くと、堤防の外にはじゃんじゃんしぶきが上がっているらしい。どこか高い場所から見たそうだ。こちらの気持ちも上がる。

ここんところ削っていたグリーンランドパドルがようやく形になって、今日はそれを試してみる。ヨットの脇を抜けて、小洒落た別荘につけるはしけを左に回って、まだちょっと太めに削ったパドルを回しながら網代崎を見る。ああ、やばいねえ。

堤防の先にでて、岸からいつもの距離感で漕ぐと、ふつうのうねりでも盛り上がり、波頭が巻きそうにそそり立って過ぎてゆく。これが大きめのやつだとこの距離でも崩れて岸まで止まらないだろう。うん、これはやばい。

いつもより岸から距離を取ってポイントに行くと、サップとサーファーが一人ずつ入ってた。会釈をして波を待つ。うねりは大きく、舟は上下するのだけど、ちょっと斜度が足らずに押してくれなそうな感じ。すこし眺めてみたけど、イマイチと思ったので場所を変える。

こちらのポイントは誰もいないけど、うねりの立ち上がり方がやばい。真ん中のスープに入ったら絶対だめ。とはいえ広いから左側にエスケープすれば大丈夫という考えでしばらく眺める。

下が岩場になっているスープゾーンはデカすぎるし、波頭がチューブを巻くのでシーカヤックで遊ぶ波じゃない。かといって、ちょっと深めのこちら側はなだらか過ぎて中々乗れない。大きければ良いというわけでもないし、難しいな。

手頃なのを選んでダッシュを繰り返しても中々うまくのれず、ちょっとスープ側に入ってしまったので止まったらまずかった。向きを変えている間に次の波がちょうど崩れるのにぶつかりそれをブレースで受けた。舟は押されて波頭に持ち上げられ、チューブが巻く瞬間に舟ごと下に落っこちる。ほんの50センチかそこらのことだけと思うけど、おしりがストンと真下に落ちる感覚はなかなか珍しい。

ストンと落ちた舟がザブンと波の面に落ち込む瞬間からが、波に転がされる時間。水の中でブレースからセットに体を変えるけど、まだ舟はまだ波の中。息が続かなくなって待てずにロールをしたけど失敗して、はい、アウトー、と思った瞬間膝が抜け、自然と沈脱となった。

抜けたあたりでは崩れ波も消え、セルフレスキューする時間はある。流れも崩れる場所からは離れるようになっている。コックピットのコーミングまで水が入ったちょっと不安定な舟に馬乗りで再乗艇し、浜に上がって水を抜いてひとしきり反省。

よし、と思ったら沖を後輩が出ていくのが見えた。潮時と後輩を追っかけて世間話したあと気を取り直してまたポイントに戻る。今度は丁度よい波を何度か乗れた。それで今日はおしまいにして大先輩のツアー組に合流しに湾内に戻る。

大先輩組とゆっくり諸磯、油壺を巡ってお昼を食べる。昼食後、スリムな後輩に声をかけて、諸磯のなかで波がワサワサしているところで馬乗り、T字をお互いに練習する。夏ならではだなあ。それでまた大先輩組に合流する。お客さんたちももう少し漕ぐようだ。それで漕いでいたら、いつものポイントにカヤックがいるのに大先輩が気づいた。沖からかすかに見えるカヤック。それで僕だけポイントまでいったら、サーフ好きの先輩だった。

もうサーファーとSUPはおらず、先輩だけだった。波なら今日だろうと、家のことをなんとか片付けて午後から遊びに来たのだそうだ。一緒に遊びはじめる。ちょうど楽しみやすいサイズの波でバンバンやる。あんまり大きくないけど、崩れる瞬間にバウが落ちるとちゃんと前転できる。先輩もやったし、僕もやった。やっぱり波遊びは楽しい。

そのうちに大先輩組が帰ってきた。新しく SUP も一人入ってきたので、二度目の潮時と組にくっついて帰って舟を上げた。


久しぶりに脱った気がする。見上げるようなサイズの波は崩れた時にロールの態勢まで落ち着くのに時間がかかる。息を吸い込んでできるだけ長く水の中で落ち着いていられるよう、気持ちを長く持とう。いつもはすぐに上がっちゃうけど、ちょっとワンテンポ待って舟の落ち着きを感じよう。

ようやく台風のうねりを感じることができた。今度の週末はクラブのみんなでレスキューの練習をする。そういう練習が楽しい時期がうねりとともにやってきた! 夏のカヤック、はじまった!

2019年7月13日土曜日

20190713 まだまだ梅雨の中

まだまだ梅雨前線が絶好調。せっかくの三連休もスッキリとは行かないね。とはいえ土曜は曇り空でも風はなく雨も降らない予報。距離を漕ぐには良い日和と思ってでかけた。

ここんとこ剣崎を回っていなかったから雨崎を目指そう。そして、お昼頃には近場に戻って大先輩の定刻組と合流しよう。始発で動いて舟を出す。久しぶりの水の上に大きく一つ息をつく。

ヨットの右を抜けて網代崎まで視界が広がると、シーボニアの前、航路の真ん中をタンデムのファルトが漕いでいた。小網代湾の中は北側 (三戸浜側) の岸に沿って漕ぎ、堤防から真っ直ぐの航路には近づかないようにと、タンデムに素早く近づいてお願いする。快く受けてくれて、北側の岸に向かってくれた。右側通行の原則もあるかもしれないけど、マリーナや漁港のスロープと、そこから外の海に向かう道筋は避けたほうがいいよね。

なんでも和田長浜から出たというそのタンデムから離れて先に進む。網代崎は静かで、かすかなうねりっ気が隠れ根で波立つ以外はぺったり。よし、漕いでいくぞー。湾から出ても、小網代の入江を漕ぐような心持ちで広い海を行く。

長津呂崎を越え、馬の背洞門を過ぎた辺りで青いファルトとすれ違う。その先、東風崎沖の灯標近くで今度は赤いファルトと行き合う。その先またいくつかのシーカヤックを見ながら雨崎タッチで折り返し、馬の背洞門あたりまで戻ったらまた青いファルトとすれ違った。同じ人のように思う。その後ろから黄色いファルトがまた漕いで過ぎていった。赤青黄で三色揃っていいことあるかな。

帰り道の途中、安房崎の手前あたりで大先輩から電話があった。今日の昼ごはんは荒崎にするとのこと。南方面ではなかったので、まだちょっと漕がないと合流はできない。時間を決めてなにかしら口に入れながら荒崎を目指す。20キロちょっとだったら気にしないけど、30キロを越えるあたりで行動食のある無しが体に出てくる気がする。

荒崎についてみると、定刻組はまだ昼食の最中だった。ほえー、疲れた。挨拶をして混ざり、ご飯の残りを少しいただく。お味噌汁が美味しい。土用が近いこともあって、うなぎの炊き込みご飯だった。大好きなのに、行動食を食べすぎてたくさんは食べられず。くやしい。

帰りはみんなと一緒にのんびりと小網代まで帰る。沖を真っ直ぐ漕いでいく。すると、トビウオが何度か飛び出して油凪のなめらかな海面をスレスレに滑って向こうに落ちる。美味しそうだな。水面に飛び出すトビウオの尻尾ははちきれそうで、中の詰まった筋肉が透けて見える気がする。

今回のお客さんはとても元気な人たちで、片付けのあとも会話がはずんで名残惜しく、三浦海岸の飲み屋さんに移動して短い時間だけど飲み直した。そのお店ではトビウオのなめろうがあって、かねがね美味そうだと思っていたトビウオの身を生で食べられてとてもうれしい。元気なみんなのおかげと思う。また機会があったらぜひ会いたい人たちだった。

2019年6月29日土曜日

20190629 梅雨の曇り

前線をひっつけながら低気圧が近くを通っていく土曜日。前線の北側になるので風はあまり吹かない予報。ただ、低気圧の通る場所によって雨がひどいかも、ひどくないかもしれない。風の強そうな日曜と比べて雨を選んだ。結局昼までちょこちょこ降ったけどその後は曇りで漕ぎやすい一日だった。中潮。

始発で動きはしたけれど、すぐには舟を出さず、クラブハウスで自分の舟やパドルの手入れをごそごそとやる。いつもの釣りのお兄さんも同じ考えで、舟の艤装をやりに来ていた。こちらは部屋の中だけど、お兄さんは雨合羽で雨に打たれながら。お互い好きですなあ。

ひとしきり道具の始末がついたので、舟を出す支度をしたのが10時。ちょろっと近所の見回りにでる感じで、荒崎と安房崎を回ってくることにする。

強くない北風がありつつも、南からのんびりとしたうねりも届いてくる。まずは北に舟を向けて漕いでいたら、狭いポイントに波があるのが見えた。寄って行って一本のる。今日はグリーンランドパドルで漕いでいて、最近作ったキャップが先端にさしてある。

気にせず入ってシャーッと乗り出したら、スターンラダーがぐいと引っ張られたかと思ったらスポンと抵抗が抜けた。もしかしてと思ってパドルをあげたら、まんまとキャップが無くなってた。普通に漕いでる分には良かったけど、さすがにここの波でラダーいれるとだめかー。

反対側をはずしてPFDのポッケに入れ、もう何本か波で遊んだら荒崎まで漕いでタッチして折り返す。時間としては満潮にむかっていくところ。なんだか北から南に潮波のようなものができている。その流れにのって諸磯を過ぎ、長津呂崎を回って安房崎タッチ。
今日は長津呂崎に釣り人の姿が少ない。帰り道には岩のそばまで寄って、岩を洗う海の色を曇天に楽しみながら帰る。

諸磯ではジッパーラインで落差のある三角波ができやすい場所がある。良い練習になるから波で遊んでたら、北からシットオンが二艇、灯台の脇の岩場から抜けて南に漕いで行った。

小網代の堤防を入ると、中で海の学校のお客さんがシットオンカヤックで楽しんでいる。雨でも風がなければ結構良い漕ぎ日和。思ったよりも賑やかな海だった。それで帰って舟をあげた。




2019年6月23日日曜日

20190623 江ノ島の裏側

今日はクラブで小網代-江ノ島往復ツアー。土曜は夏至の日。一年で一番昼の長い時期をフルに活かした年に一度の距離漕ぎイベント。行きは江ノ島にまっすぐ沖を漕ぎ、帰りは岸べたで風景を楽しみながら漕いで45km。

予想された天気は雨が降るかなと思わせながら、なんだかんだで一日曇り、風も吹かず絶好の海況だった。

この日は集合が早い。始発で動いてクラブハウスにつくと、車で先についてる人がちらほら。さらには昨夜から泊まってすでにソロで安房崎に往復にでかけた人もいる。レジェンド先輩。これから45km 漕ぐのに、その前に15kmほど足しておくという発想はなかった。

支度をしているとレジェンド先輩が帰ってきた。これで自艇は片付け、今日は四人乗りに乗るそうだ。まあ、そうじゃなきゃ安房崎行かないよね。僕も今回は四人乗り要員。

四人乗りのカヤック、コンコルドを組み立て、スタート前の集合写真をみんなで撮る。総勢11人。コンコルドのメンバーは前からちっこい後輩、僕、レジェンド先輩、大先輩と決まる。大先輩の出発前ミーティングで、「スピード勝負ではありませんから、コンコルドを先頭に、ペースを守って参りましょう。50分漕いで10分休みます。」と釘が刺される。

目標は時速6kmをキープして漕ぐこと。このペースで50分漕げば 5km 進み、10分休める。つまり、休み込みで時速5kmを繰り返していく。もちろん風や流れで影響を受けるけど、無風、静水であれば延々と漕ぎ続けられるペース。

それでは気張ってまいりましょう。鈍い色の海に11名8艇が浮かぶ。漕ぎ始めてすぐに、コンコルドのやばさに気がつく。普通に漕いじゃだめだ。スピードが出すぎて、シングルが45km漕ぐペースになれない。

パドルが水を掴まないようにしないといけない。ブレードを水にいれたら、下の手の重みで自然に沈んで行く程度にして、それ以上は水を掴まないようにゆっくりとパドルを送って早めに水から抜く。これが地味に疲れる。上の手に体重をかけちゃうとパドルに力が加わってしまうので、上の手は宙吊りをキープ。体もできるだけ捻らず、要するに手漕ぎだけで漕がなくてはいけない。


漕ぎ始めて一時間もしないのに肩が凝ってくる。肘や手首も軋んでくる気がする。これじゃ全行程もたなそうだから漕ぎ方を工夫し、上の手の肘を落としてパドルを下から支えると楽になった。

そうしたらあとは鼻歌。コンコルドは楽ちんでペースを守り、淡々と休憩を繰り返して江ノ島についた。


江ノ島を南側から回って大橋のたもとに上陸したらお昼ご飯を食べる。みんなの調子も上々、元気元気。コンコルドのメンバーも変更なく復路出発。そしたら、僕らから離れて浮かんでいたシーカヤックが、グルングルンと連続でロールし始めた。どこにも好きな人はいるもんだねーと話しながら鎌倉高校駅の前を漕いでいく。この日はうねりも入っていてサーファーがいっぱい。その切れ目が大きく空いたところを狙って、なんでもやる先輩が一本乗って帰ってきた。

ツルツルの海面を同じペースでたんたんと漕いで大崎につく。グループは縦に伸びたり縮んだりしながら、ここまでみんなしっかりとペースを守って漕げてきた。そろそろ30km超えるあたり。

大崎では SUP もサーファーもいないスペースが大きく空いていたので、コンコルドで波乗りしようと突っ込んでみた。大きいやつに乗ろうとする後ろ二人と、小さめのやつで安全に漕ぎたい前の二人でうまく噛み合わず、微妙な波乗りになってしまった。それでもバウがシャーッと波を切ってバウの後輩がひゃーっと声を上げた。

見ていた何人かも波乗りをして気が済んだら長者ヶ崎まで行って三時のおやつ上陸。といっても三時は過ぎていたけど。ここからが魔の時間帯。長者の出発は 4:15。コンコルドのメンツは変更なしで佐島を目指して漕いで行く。佐島についてちょっとへこたれた人もいたけど問題なし。日没のペースを念頭に入れて、念の為に水上でコンコルドとメンツを入れ替える。

僕がシングルに移り、パワーが落ちた人が一人コンコルドへ。こういうこともあろうかとコンコルドで楽をしておいた。安全に追い込めるよう計画してある。なんていいクラブなんだ。

シングルは独り身の気軽さで漕いで荒崎をまわり、そのまま小網代の堤防を回ってゴール。曇り空でもまだまだ明るい。日の長さを十分に楽しみながら奥の入江に滑り込んで舟を上げた。前漕ぎの後輩がとっていた GPS ログを確認したら、なんだかんだで50km漕いだ。8:00 出発、18:30 到着、休憩、昼休みコミコミで10時間半。みんなお疲れ様。

江ノ島チャレンジは毎回濃い。10人からいれば何かしら起こる。そういう対応の練習も含めて経験が積めるクラブはありがたいし、何より楽しい。また来年も楽しみ。

2019年6月17日月曜日

20190617 北へ南へ

土日は天気が悪かった。土曜は風と雨。日曜は晴れたけど、とても強い南西風が吹いてアウト。それでも漕ぎたくなる面々はいるもので、出艇記録を見てみると前漕ぎの後輩が日曜に来て、目の前の入江くらいでプラプラして帰ったようだ。気持ちわかる。

一点月曜は晴れて風も落ち着いた予報だったので、お休みをとって三浦にのんびりとでかけた。それでクラブハウスについてみると、カヤックの支度をしている先客がいた。結局前漕ぎの後輩も日曜だけじゃ満足できず、お休みをとって漕ぎに来てた。

天気のタイミングが悪いですよねーと挨拶したら、一足先に後輩が船を出す。北方面、名島まで往復するそうだ。僕は南方面、うねりの入った城ヶ島南側がどんなか見ながら漕いで横瀬島。逆ですねー、湾に戻る頃落ち合えたらいいですねー、と話して見送る。

僕も支度をして舟を出す。しっかり夏の空だけど、空気はまだ乾いていてさっぱりと、本当に気持ちよく漕げる海況。それでさかさか漕いで長津呂崎まできた。三崎の堤防あたりからはうねりとその返し波で舟が上下に揺られるようになる。長津呂崎の中は泡だらけの海が明るいブルーになって気持ちがいい。気をつけて中を抜けて、揺られながら横瀬島まで渡る。

ここまで南からのうねりがはっきりとあったけど、横瀬島にはそんなに波がない。そんなものかと少しがっかりして引き返す。そうしてスズメ島まで折り返したら後輩も北から帰ってきた。

それで、一緒に堤防の中に戻って少し水浴びをしたら、二人とも満足したので戻って舟を上げた。北は名島、南は横瀬島まで、なんとなく二人でそれぞれの持ち場をパトロールした気分だった。

次の週末も漕ぎたい気は満々だけど、また大荒れのパターンとなりそう。まいったまいった。グリーンランドパドルを削って見ようとホームセンターで木を買ったので、漕げなかったらそれを削って気を紛らわそう。

2019年6月9日日曜日

20190609 出張居酒屋

昨日やろうと思っていてつい遊んでしまった残り仕事を片付けに三浦に行く。北東の風がちょいと強めに吹く予報で、もともと遠出のつもりはなかったのでちょうどよい。一日曇りで北風のため気温も上がらず、秋口を想像させるしんみりとした一日だった。小潮。

ちょっとは早起きしてクラブハウスにつく。双眼鏡で沖網代をガン見するとうさぎも立っておらず、まあ漕げなくはないかな。でも昨日遊べたから今日は自艇の仕事を片付けよう。

舟を五分割したあとの処置が問題。二個口になるのだけど、どちらか一つは背中に背負いたい。そうすれば両手が開くから、もう一個を電車に乗せたりなどの処置がやりやすくなる。そう考えて、いろいろロープのからげ方とか試してみたけど、腰ベルトがどうしてもいるとわかる。全部が肩にかかると、30kg の荷重が背骨-腰の接続にかかるわけだから当たり前か。なんとかして腰ベルトで腰に直接負荷をかけないと背骨と腰の付け根が危ない。

それでロープをからげたところにカラビナとD環で腰ベルトを取り付け、背負って歩いてみる。肩がずいぶん軽くなり、これならいい感じ。背負ったままクラブハウスの前をくるくる歩いてみると、目の前の入江にカヤックが入ってくるのが見えた。

こうなると自分がそわそわしてくる。とりあえず二個口にまとめてクラブハウスの中に移し、黄色のポリ艇を準備して自分も入江に浮かぶ。今日は一人かなと思ったら、ちっこい後輩が朝の散歩でとれたての枝豆を買ったので、昼過ぎに持ってきてくれると連絡があった。後輩は漕がないそうだけど。ともあれ、それまでには戻りたい。舟を出したのは11時半。13時に戻っておけばいいかな。

そしてヨットの脇を抜けたらすぐのところにカヤックツアーが一組。軽く挨拶をしてすぎると、その先の堤防手前にさらに大勢のカヤックが。あらら、結構北風の中でもツアーに来てるんだな。こちら側は風裏だからという判断かな。

目の前の大グループは堤防から湾口を渡って南の方に漕いで行った。僕はこれから一時間半分。時間が読みやすいように向かい風の北側に進む。引き返す時間と決めた時間には佃嵐崎までついていたので、ここで一息ついてから追い風でピューっと帰る。

堤防を回り、奥の入江まで入ると五分ほどの余裕があった。ロールで周り倒して舟をあげると後輩が迎えに出てくれた。舟を片付ける間に枝豆を茹でてくれる。ついでに鈴木水産で買ったといって、カンパチの寿司も出てきた。

それをつまみにビールを一缶、海草焼酎磯っ子も少し飲んで、隠岐の道後を一周した話などを聞かせてもらう。話のつながりで壱岐を一周した話や、納沙布岬を回り込んだ話など聞きながら、居酒屋のように楽しく飲み食いできた。ありがとうとお礼を言ってお開きにした。来週はもうちょっと自艇をいじって移動方法のめどをつけたい。それがすぎたら江ノ島ツアーだ。今年はコンコルドかタンデムに乗ろうかな。

2019年6月8日土曜日

20190608 来てみて考える

前日夕方に、土曜18前の強風注意報が三浦西岸に出ていて、南西の風だから漕ぐのは避けたい予報。それでも自艇の艤装や分割時の取り回しとか、ぼちぼちやろうかなと思ってのんびりいこうと思った。結果あまり風も強まらず、晴れ間を縫って思いっきり遊べた。中潮。

土曜のんびり起きた。家の諸々をすませて電車に乗って出かける。朝の予報だと夕方手前で風が弱まっていきそうで、その頃にちょろっとでも浮かべたらいいかな、それまではクラブハウスで陸の作業をしていようと思いながら、電車で携帯をいじる。

そしたらクラブの連絡網で、なんでも先輩が漕ぎに来る宣言をしていた。僕の乗ってる電車の数本前で向かってるようだ。朝起きたら風が弱まる予報に変わっていたから、ひとまずでかけてきたっぽい。車内でクスクス笑いがふと漏れる。

クラブについて剣崎の風をチェックすると、北東寄りの風が吹いていて、これなら近場で波遊びするのに問題なさそう。すでに支度の終わっていた先輩は先に行ってるねと船を担いで漕いで行った。

自分も支度をすませて追っかける。網代崎を見るともう波があるのがわかる。急いで堤防を出て近場に行くと、SUPが二人、サーファーが一人、そこに先輩がカヤックで一人。どれも見慣れた人たちだ。エリアがかぶらないように遊びだす。

波はカヤックにはちょうど良い。遠くから乗せてくれて、崩れずに奥まで届いてくれるので練習にちょうどいい。一本の波の中で、リーンのかけ方をイン、アウトと色々試しながら乗れる。スピードがあるから遠くにパドルを出しても強く水面が押し返し、ほぼ舟が横倒しになってガンネルが水面を切っていく。楽しい。ただパワーが強いから踏ん張る腕もそれなりに疲れる。特に手首。まっすぐ体重を加える場所を探りながら。

先輩も、横に向こうとするカヤックを無理やり抑えようとして最後は波にまけ、二度ほど沈してる。その都度あっさりひょいとロールで戻る。波の間隔があるので波が過ぎてさえしまえばリカバリもたやすい。とても安心して遊べる。

僕も横に向けられて真横に走った鼻先に波が崩れ、横っ腹にその波を真横からもらう。こういう時はブレースしても詮無いことで、素直に巻かれてロールする。

のんびり正午前から出てきたとはいえ、ひっきりなしにスピードのある波で遊ぶと疲れる。そのうちに引き潮いっぱいになり、浅すぎて波が崩れだしたので、疲れたこともあるしここで引き上げとした。雲がすっかり引いた晴れ間の下をのんびりと大回りして漕ぎ、沖網代、荒井浜沖、網代崎と回って舟を上げた。道中お互いの沈を笑い合いながらのんびり漕いで楽しかった。

今日はどうかと思う予報だったけど、蓋を開けてみれば楽しく遊べた。もちろん逆のパターンもあって、来てみたら予報より海況が悪く、予定よりも近場で引き返すこともある。そういう一つ一つの判断を積み上げるのもカヤックの楽しみの一つと思う。それで楽しく考えて帰ってみんなでビールを飲めたら一日いい日。明日も来よう。


2019年6月2日日曜日

20190602 名島往復

釣り人の朝は早い。年食うと起きるのが早い。年をとった釣り人はとっても早い。4時になる前から車がやってきてボートを支度しては釣りに出ていく。その音を聞きながらぬくぬくとクラブハウスで寝続けて、さっぱりと目が覚めて歯を磨く。一日曇りだろう。大潮。

前漕ぎの後輩がくるのに間に合うように朝ごはんを食べ、なんとなく準備を始めておく。NZ先輩、手漕ぎの先輩、早起きの後輩ものんびりと動いてる。水野さんの車はもう出ていった後だった。

そのうちに前漕ぎの後輩とその一番弟子が車でやってきた。前漕ぎの後輩はもう今年に入って 800km 漕いでるそうだ。まだ6月に入ったばかりというのにすごいペース。このまま漕ぐと一年で 2000km 行くなこりゃ。

今日はその後輩がグループのリーダとなってちょっと距離を出す。支度をしながら行く先を名島と聞く。了解です。グループのメンバーは、房総同期、NZ先輩と僕で全部で四人。浮かんだら堤防まで出て先を見る。

風のない相模湾は低い雲と濃い霞でぼんやりしてる。亀城礁が見えてくるまでしばらくかかる。沖に出るとトビウオが飛び出した。丸々太った胴体がしっぽをビビビと震わせしっぽ立ちし、ヒレを張ったらすーっと飛んでいってそのうちポシャんと落ちる。いつみても美味しそうだ。

亀城礁について一休み。今日は50分漕いで10分休むの繰り返し。亀城礁の岩場にはスズメダイの群れがいた。光るような青色が群れてると見栄えがする。NZ先輩はここで折り返して大先輩のツアー組に合流する。またあとでー。

亀城礁の次は直接名島を目指すけど、裕次郎灯台も名島の鳥居も見えるわけが無い。灰色の階調がなんとなく違う岬の一つに決めて、そのちょっと沖を目指して漕いで行く。漁船をさけたり、網を避けたりでまとまりながら漕いで名島についた。途中、ウミスズメを見た。ウミスズメとスズメダイを同時に見れたのは不思議だ。

名島についたら引き返して長者を目指す。途中鮫島の岩場を抜けていくところで知り合いにあった。向こうから、オレンジ色が眩しいカヤックに乗ってグリーンランドパドルを持ったグループが来るなあと思いながら挨拶をしたら、グループの後ろの方で手を振ってくれて気がついた。おー、ご無沙汰、元気そうでなによりー、と声を掛け合ってまたそれぞれ進んでく。こっちのグループはなんだか僕らより華やかな気がする。

房総同期が、そろそろ背中の筋肉がバリバリになってきたといってストレッチをしている。立石まで戻ってちょうど20km 。いいところの筋肉で漕いでるね。長者の砂嘴は浅くて盛り上がり、南側も岩場が出て通り抜けるのが骨なので昼休みは立石にした。

ここまで戻ってれば安心。まだまだ南風も上がる気配がない。今から出れば、大先輩のツアー組に簡単に合流できる。そうやってツルンとした小田和湾を渡って荒崎から沖網代。ここまで来たら、もう少し戻って距離を伸ばすだけ。ついでに釜根をタッチして引き返したら、ちょうど大先輩達が俺の浜から出てくるところに行き会えた。

沖から浜を目指して漕いで行くと、ツアー組の人たちがわらわらと浮かんで来た。そのうちの一人がこちらに向かって漕いできて、少しして止まるとコクピットの中からパーコレーターのポットを出して掲げた。小さい後輩の洋上コーヒーデリバリー、いただきます。

近づいて大先輩のシェラカップを受け取り、コーヒーを注いでもらう。もうだいぶ冷めていてこぼしても危なくない。それだけ浜でのんびりとコーヒータイムをしていたんだろう。このシェラカップはもう買えないやつなのだそうで、海に落としたら大変。気をつけて受け取り、飲み干したらPFDのカラビナにきちんと繋いでおいてから漕ぎ出した。

みんなで一緒に湾内に戻ると、リーダがこれで 38km こいだと教えてくれる。そしたら、せっかく後少しで40kmなのだからと、リーダは房総同期とあと 2km を漕ぎにまた堤防に向かって引き返していった。さすが前漕ぎの師範と弟子だ。この弟子は女性ながらも僕らと一日よく漕いだと思う。これなら、江ノ島往復もシングルで十分やれるんじゃないか。期待が膨らむ。

残りはのんびりと帰り、みんなで舟をあげておしまい。雲は厚かったけど、一日漕ぐ続けてちょうどよい陽気だった。知り合いにも葉山で会えて嬉しかったし、洋上デリバリも美味しかった。何より、人と一緒に思う様一日漕げた。これもクラブ様々だ。来週も楽しく漕ぎに来よう。


2019年6月1日土曜日

20190601 パドルキャップ試し漕ぎ・五年生

この週末はホタルを見にくるメンバーも多いかと思い、夜はクラブハウスに泊まる準備をして三浦に。晴れる予報だったけど、午後は思ったよりも雲が出た。まだ中潮。

そういえば、今日から五年生で、このクラブにはいって丸々四年間漕いだ。卒業する必要なんてないのだから、これからもだらだらと漕いで行くつもり。カヤック楽しい。

ツアー組が出てくる前に、ちょっと立石まで往復しておく。明日は前漕ぎが好きな後輩がくる。一緒に漕ごうかと思ってるけど、ついていけるか心配だから、ちょっと体を試しつつもあんまり疲れないように。

パドルキャップをつけたグリーンランドパドルでさかさか漕いで立石についた。最初はタプンタプンと、パドルを水に入れるたびに水を掻き込んじゃったけど、慣れたらすっと入るようになった。キャップのせいでタプンとしやすくなった気もする。スッと入る幅がすごく狭くなった。でもまあ、使ってるうちにズレて外れちゃうようなこともないし、いっか。

網代崎くらいまで戻ると、諸磯のほうにツアー組が見えた。追いかけて、諸磯灯台の入江でこっそりと交じる。数えると18艇ほど出ていて大船団だ。これなら最近の SUP にも負けてないぞ。お客さんは楽しい人たちで、賑やかに話しながらお昼の休憩場所まで無事に漕いだ。

みんなが浜に上がったので、ちょっとだけ長津呂崎まで一人で折返し。内側の堤防のトンネルを抜けて出たとき、後ろから声をかけられて、振り向くとNZ先輩が抜けて来るところだった。後ろにいたの全然気づいてなかった。一流のカヤッカーは常に視界が広いと大先輩の言葉。とほほ。気をつけよう。

お昼からの帰り道、鳥山をみつけては、スリムな先輩となんでもやる先輩がダッシュで突っこんでいく。僕らが途中でお茶をしに上がった時も、沖のキラキラした中を行ったり来たりしてずっとやってた。あの距離を足したら、きっとずいぶん遠くまで漕いでることになると思うな。

その夜は、お客さんは先に帰ったけど、残ったメンバーでお酒を飲んでホタルを見に行った。配達の途中の WFK 水野さんも加わって、過去のご経験や、WFK の設計の話など、いろいろ聞かせてもらいながら楽しくお酒を飲んだ。水野さんが寝たあとも、寝酒を最後に一杯と言ってからメンバーだけでだらだらと過ごし、真夜中をちょっとだけ過ぎて寝た。明日は前漕ぎの後輩とその一番弟子が朝からくる。それを迎えて一緒に漕ぐぞー。気合を入れてぐっすりと寝た。

2019年5月30日木曜日

20190530 悪あがき

カヤックではなかったけれど、先週末も短い時間とはいえ海には触れられた。みなとみらいから小型のモーターボートに乗って、ベイ橋とつばさ橋を左右に見える位置まですっ飛んでいき、帰りはちょっと大桟橋やらを眺めながらまたみなとみらいに戻るなどしてた。

でもやっぱりそれでは足らなくて、平日お休みをいただいて三浦に。朝の家事をしっかりと終えて、通学の学生に混じって三崎口の駅を降りる。今日は一日良いお天気。若潮。

そこで初めて、スペアのグリーンランドパドルを家に忘れたことに気づいた。自分の間抜けさに胸から腕までの力が一瞬で抜ける。肩が落ちるとはよく行ったもんだ。昨夜の準備で、忘れそうだから玄関先に出しておこうかと思いながらも、いや、そんなこと無いと部屋にそのまま立てておいた上での忘れ物。ズルけちゃいけいないなあ。

気を取り直してクラブハウスまで着き支度をする。今日は体をほぐす程度にして、のんびり楽しんで帰ろう。明日は人間ドックがある。あんまり疲れるとお小水も濃くなるし、へんな数字がでても嫌、とはいえ、ちょっとでも脂身を減らしておきたい、そういう意地汚い心持ちで入江に浮かぶ。

大先輩のツアー組を待つ間、疲れない程度にだらだらと過ごし、少し水も浴びた。ボートやヨットはなんだかんだ水の上という気がする。カヤックは水の上と水の中の間、その不思議な隙間がとてもしっくりとくる素敵な乗り物だと思う。

ツアー組が出てきて、平日というのにとても賑やか。シングル六艇で穏やかな海を進み、みなのんびりとこの隙間を楽しんだ。お昼の休憩時には、一人でちょっと黒崎まで漕いでいた房総同期が合流してきて、一段と賑やかに。

帰りがけに、同期とひとしきり水を浴びる。ロングはサーフの中でも上がるのだけど、まだまだショートが頼りなく、それを練習したいのだそうだ。みていろいろやりながら、ちょっとやって見せたりもしながら、こういう練習のできるいい時期になったなあ。それで帰って舟をあげた。

そういえば、小網代の森はこの時期ホタルが飛ぶ。アカテガニに次ぐ一大イベントになっているみたいで、梅雨前の爽やかな夜にたくさんの人が来て、二週間ほどの短いホタルの光を見て楽しみに来る。そのために、普段は夜には入れない小網代の森も、誘導の安全ボランティアが立って夜間開放してくれる。

今日のお客さん達も見たいと行ったので、みんなで日没を待って森に入り、ホタルの光を見て帰った。夜間開放は今週末まで。週末はクラブのみんなと見られるかな。




2019年5月20日月曜日

パドルの先にキャップつける

スペアにカーボンのグリーンランドパドル持ってて、時々気分に合わせて使ってるんだけど、やっぱり浅いところ漕いでると突っつく。諸磯あたりは特に良くやる。

先端が別部品になってて、傷んできたら交換できるようになってるやつもあるけど、僕のは安いやつだから傷んだらそれまで。

あちこち凹んだ部分をみては、補修のしかたをぼんやり考えてたけど、ふとゴムシートを縫い合わせてキャップみたいに被せてやれば行けるんじゃないかと思い立つ。

ハンズで厚み 1mm程度のゴムシートを買って、パドルの先端に合わせて D の字に二枚切り出したら、縁を合わせて曲線の辺をチクチク縫い合わせる。それを左右で2個作った。

ミョっと左右に引っ張ってパドルの先端に差し込んだらいい感じ。風呂の湯にパドルの先を突っんで、キャッチの感じを見る。縫い目の凸凹が巻き込んだ細かい泡が出るけど、目をつぶってれば感触に違いがないから別にいいや。


あとは使ってみて、漕いでる間に取れたりしないか試そう。良さそうだったら完成版を作って落ち着けそう。曲線部分を綺麗にカットして、あと縫い目の処理もきちんと。海で試せるまでちょっとあいてもどかしいけど、そんな時もあるよね。

2019年5月18日土曜日

20190517 PFDお試し

ちょっと午後が風が強そうだけど、日差しはあって気持ちよさそう。朝は波もありそうということで、午前中遊び倒して午後のんびりするつもりで早くから出かける。大潮。

もう朝が寒いということもめったになくなってきて、クラブハウスの前の芝生ですでにジリジリと熱を感じながら支度をする。後輩が一人、朝早くから来ていてすでに長者に向けて出ていったあとだ。

自前の PFD でできないロールがあるのが釈然とせず、支度をしながら思い立ってサブの PFD とクラブレンタルの PFD をハッチに詰め込んでおく。後で暇を見て違う PFD で試してみよう。

早速入江からヨットを抜けて網代崎を見る。いい感じにうねりが先端を洗ってる。すでに SUP が入っているポイントは避けて、近場で波で遊ぶ。綺麗ないい波で、カヤックで練習するにはピッタリ。舟を押してくれる感じが強く、あまりダッシュしなくてもスッと波に入れる。それを奥までいくつも乗らせてもらって楽しむ。

体がなれてくるとうちょっと刺激が欲しくなる。浜を一つ二つ渡って別のポイントを見に行く。でもそちらはサーファーが二人入ってた。大きい波が来て、彼らのひゃっほーが聞こえる。楽しんでるようでなにより。僕はおとなしくもとの場所に戻る。

そのうち大先輩達出てくる時間になったので、入江の奥に戻ると皆が舟を浮かべ始めたところだった。そこに早起きの後輩が長者を往復して帰ってきた。これでのんびり片付けて帰るそうだ。数カ月後にロングツアーに参加するみたいなので、着々と距離をこなしておくのって大事だよね。

僕らはまた入江から出て外に行く。なんでもやる先輩は途中で波遊びにひっかかり、先輩を残して僕らは北に。スリムな後輩も北に行くと先に抜けていった。追い波、追い風で、皆で飄々と進む。でも調子に乗って行き過ぎると帰りの向かい風が辛い。佃嵐崎の浜に上がり、ここでお昼とした。

大先輩がお昼を作っている間、朝サーファーがいたポイントを見に行くと、釣りSUP がひっくり返ってゾーンの岩の間で泳いでる。ボードとは離れずにすんだみたいで、見ているとそのうち岩の脇でボードの上に戻った。すると、ポイントに一人いたサーファーが寄って行って、波の立ちにくい岩の隙間を指さして、戻る道をアドバイスしているようだった。そうして膝立ちで漕いで戻っていく釣りSUPの上にはクーラーボックスが一つだけ乗ってた。

釣りSUPに声をかけたあと、そのサーファーは浜に上がってすぐに帰っていったのでポイントがあいた。ラッキーと思って何本か遊ばせてもらって大先輩のお昼に戻った。ほくほく。

雲がはれて日差しがたっぷりあって、浜でのんびりしているのが楽しい。ポカポカしてきたので、持ってきた PFD を取り替えてロールを試す。やっぱりクラブレンタルの PFD は百発百中でできる。自前の二つの PFD は百発で百はずす。PFD の浮力の無さが技術でカバーできる範囲かどうか、この夏のテーマにしてみよう。

お腹もおちついて、大先輩が次を考えている。帰りの向かい風は思ったよりも弱まらずだ。よし、もう先には進まずに、のんびりと向かい風を漕いで帰ろう。そういえば北に行ったスリムな後輩も、波遊びにひっかかった先輩も、どちらも合流してきていない。電話をしたら後輩は長者まで行っていた。帰りがんばってー。

向かい風でも漕いでいれば進む。黒崎、俺の浜で休憩を入れつつ、午後丸々をゆっくり使って帰って舟をあげた。波で遊び疲れた先輩、長者から向かい風を漕ぎ戻ってきた後輩とも黒崎で合流できて、ぽつりぽつりと話をしながら漕ぐのも楽しい。来週はちょっと漕げそうにないから、小網代のホタル、6月の週末まで残ってますように。



2019年5月12日日曜日

20190512 振り出し

水もぬるんできて、最近できるようになったロールをさらに練ろうと思って三浦にでかけた。最初北風が残るけど、だんだん落ちていく予報。遠出はせずに近場で練習してから大先輩のツアー組に合流しよう。小潮

前回までは自分の PFD 等一式の道具がなくて、レンタルの道具を借りて漕いでいた。自分の道具はウルフ号に積まれて隠岐ツアーとともにあったから。そのツアーも終わり、自分の PFD を身に着けて舟を出す。

海は霧が出ていて真綿の中に暖かに長寝をする休日。人気のない海を漕いで堤防までいくとポジティブな後輩が浜で朝ごはんを作っていた。もう荒崎まで往復して、ゆっくりしたら上がるのだそうだ。パイプを片手にこちらに手を振ってくれた。それぞれのスタイルで朝を楽しむのがいい。

僕も練習の前に荒崎まで往復しておく。網代崎はとても静かで波遊びの誘惑もなく、軽くパドルを回して堤防まで戻ってきた。後輩はもういない。

さて、と思ってロールをしてみるけど上がらない。なんか、セットしても舟が起きてこない。舟の角度で PFD の浮力の違いをはっきりと感じた。前回急にできるようになったのは、レンタルの PFD の浮力がバカみたいにあったからだと気づいた!

バランスブレイスしてみたら明らかに違う。今までは不思議に思わなかったけど、自前の PFD だと顔がどうしても沈んでくるので、ハンドスカリングが必要になる。前回はじっとしてれば顔が水面にでた。浮力に頼ってできてただけかー。ちきしょう。

しょんぼりして湾内に戻ると、真面目な後輩がでてきた。ツアー組もすぐに出てくるそうだ。湾内で合流して出発する。

昼ごはんを食べた赤羽根海岸では、地べたにあぐらをかいて座っていたレジェンド先輩の右手から、とんびが食べかけのアンパンを上手に掠め取ってまた空に上がった。足になんだか茶色いかたまりがチラと見えた。先輩はちょうど二口三口を食べたところだった。ざーんねん。

帰り道の荒井浜では、僕らの脇を抜いていく動きのヨットがいた。沖の岩場の横を通っている最中、ヨットがちょっと気にかかる距離で後ろから並走して近づいてくる。ちょっと嫌だなと思っていると、「ゴゴン!!!」と鳴った。どうやら浅い岩場に乗り上げたらしい。諸磯湾からまっすぐ沖に出ていくのが普通の航路のところを、すぐに北に曲がって来ていた。。デッキにでた人から「ここ、こんなに浅いの」という声が聞こえた。乗り上げているもんだから、波が下がれば舟が傾き、波が上がるとまた戻る。でも進みもできず、戻りもできない。しばらく見ていたけど、カヤックで引っ張っても詮無いし、僕らにできることは何もないからそのまま進んだ。先週は沈脱した自作カヤックの人に行きあったし、ヒヤリなことが続いたから、僕らも気を引き締めていきたい。

実はちょっと早めに帰る用事があったけど、レジェンド先輩、なんでもやる先輩、道具好きの後輩もいて賑やかだったので、その後ついつい最後のお茶休憩までいてしまった。堤防あたりからはあわててダッシュして帰り、そそくさと荷物をまとめて帰った。ちょっと消化不良。来週は落ち着いて漕ぎたいけど、天気はどうかな。

2019年5月5日日曜日

20190505 一回り

酔っ払って目が覚めて、朝露がおりて日が出る前はまだまだ冷える。今日は一日海が良さそう大潮

ムキムキの後輩がまだ起きてこない間、自艇を分割してどうまとめたらいいか試して遊ぶ。ロープをうまくからげて、大きい方のつづらをどうやって背負うかなあ。

そのうち後輩も起きてきて、朝の細々をやっていたらジモティの先輩がやってきた。今日は三人で軽く一回りして上がろうという話になって出発する。後輩は荒崎の先を知らないから、もう少し北を見に行こう。新しい景色がカヤックの醍醐味と思う。

春の大潮で潮位がとても低い。網代崎の隠れ岩も出てきてる。沖網代方面にはヨットがいっぱい帆を広げて浮いてる。北の方の亀城礁はわりと空いている。よし、そちらに向かおう。

三人でまとまって淡々と亀城に向かって漕ぐ。水もぬるまって、とても気持ちがいい。三浦はいつも何かのエンジン音が聞こえていて、よく知った商店街を歩いているようだ。遠征から帰ってくると、いつもの地元の喧騒にホッとする。

亀城で少し見晴らして、天神島を北から回り込んで笠島マリーナ方面に進む。道中天神島の沖合で北から来るカヤックグループに行きあった。見知った顔を見つけたので、すれ違いざまにハイタッチをしようと手を伸ばすけどギリギリ届かず。舟を止めて挨拶をする。まだまだ元気にやってますよと聞いて嬉しい。一度車に乗っけてもらって、諸磯から三浦の大根畑の台地を見晴らしながら駅まで送ってもらったことがあった。相変わらず元気な笑い顔だった。

その後僕らは笠島マリーナのキラキラで休憩。潮位が低いので一段と南国感が強い。しばらく味わって引き返すことにする。橋の下は底が出ていて通れないので、また北側から天神島を回り込んで帰る。

それにしてもムキムキの後輩のペースが早い。すっと前に出るので、並ぶとペースを落とさずそのまま漕ぎ続けるから、ずいぶんサクサクと漕いで小網代まで帰った。聞くと、後ろにおいていかれると沈した時に気づいてもらえなそうだから、必死に漕いで前をキープしていたんだそうだ。必死に漕いでる風でもなかったけど、こっちも随分疲れた。ちゃんと足で漕げてたら追いつかないなあ。

これでGWはもう漕がないだろう。10連休、よく遊ばせてもらった。それでも飽きないから不思議なもんで、海にでて水に触れるだけでいつもワクワクする。なんでだろう。来週は来れるかな。

2019年5月4日土曜日

20190504 水浴び

筋トレな後輩が久しぶりに漕ぎたいというので、前日から泊まって一緒に飲んで、次の日に漕ぐことにした。

とはいえ、僕は暇があったので、泊まりの前に午後過ぎからちょろっと湾内で水を浴びることにする。昼ひなかにバス停に並ぶと日差しがジリジリとして夏のよそおい。城ヶ島、三崎港方面のバスは人の列が長い。

油壺行きのバスもそれなりに並んでいるけれど、小網代で降りる人はそういない。木陰の坂道を降りながら、また夏がくるなあ。

支度をして舟を出す。湾内から外を見ると海は落ち着いた感じもするけれど、北の方からは入道雲が見上げるようにモクモクとしている。外には行かず、堤防のすぐ内側で水浴びをする。ここ最近、急にできるようになったロールがだいぶしっくり来たので、雲を見ながらのんびりと舟を上げた。

クラブハウスで仕舞支度をしていたら、後輩がやってきた。この頃には大分空が暗い。と思ったらゴロゴロの音が大きくなり、ピカッと光って雨が降り出した。

クラブの出艇記録を見ると、大磯方面に一泊二日で行っている前漕ぎの後輩がいる。北の方は思いっきり雷雲の下だろう。しっかりした人だから心配というのではなかったけど、念のため電話をしたら、鵠沼海岸あたりで浜に上がって雨宿り中、今日はもう海に出ないとのことだった。お気をつけてー、と声をかけて電話をきった。

クラブハウスでは二人でのんびりと飲み始め、途中尾根を上がって山崎屋に食事をしに行った。エシャロットやそら豆なんかをつまみながら少しお酒を飲み、しめに油壺ラーメンを食べたらとても優しい味だった。

クラブに戻ってもう少し飲んだらシュラフにくるまって寝た。明日は朝から漕ぐぞー。

2019年5月2日木曜日

20190502 ほっと一息

隠岐から帰ってきてほっと一息、三浦に。基本晴れたけど、怪しい入道雲があった。中潮

始発から動いて一人でまずは水の上に。波がありそうだったからと急いで網代崎を過ぎる。いい感じにうねりがある。それならといつものポイントに着くと誰もいない。SUPが来てるかと思ったけど、これはいいや。

乗りやすい波を何本も遊ばせてもらう。一時間ほど遊びまくって少し波が落ち着いた。そのうち一人、また一人とクラブの人が出てくるのが見える。ポジティブな後輩と、ガジェット好きの後輩。その次に、NZ先輩が出てきた。NZ先輩と一緒に波で遊ぶ。お互いずぶ濡れになって遊んでいたら、ポジティブな後輩が合流してきた。一緒に少し落ち着いてたら、飛行機好きの先輩と房総同期が湾から出てくるのが向こうに見えた。

合流して南に行こうと三人で追いかけはじめたけれど、全然追いつかない。どころか引き離されていくからしんどい。振り返って待ってくれればいいと思うけど、どんどん進んでいく。

諸磯の岩場を抜けていく二人を追って、こちらも三人で追いかけるけど距離は縮まらず。僕らが岩場に入ったところで横の入江から知らないカヤックが寄ってきた。同じ方向に行くのかなと思いながら何回かパドルを回して振り返ったら沈脱してた。NZ先輩がすでにレスキューの構えに入っていたので、風下をキープして様子見。

再乗艇がすんで少し様子を見ると、そのカヤッカーは三戸浜に戻るそう。諸磯より北側なら波は落ち着いてるから問題ないだろうと思うので、そこで別れて僕らはまた前の二人を追いかける。

諸磯から三崎の堤防の先を見るとカマネの先で盛大に崩れてる。長津呂崎はどんなだろう。堤防から先はちょっと厄介だなと思いながら漕いでいると、前の二人が内側の堤防に逸れていくのが見えた。五人が合流して黒鯛込でお昼にした。二人も堤防から先は荒れていてしんどいのでやめたそうだ。

お昼の入江から空を見ると、北に入道雲がたくさんできている。濃い白がモクモクに詰まった夏の雲だ。そこから灰色雲の連なりが伸びて僕らの上を通りそう。雷がなる前に湾内に戻ろうと漕ぎ出したら、それまでの南風が急に北に変わってすうっと寒くなった。前線のせめぎあいを感じる。

湾内に戻ってしばらく待つと、灰色雲もそれ以上ひどくならず南に消えていった。もうちょっと湾の外で遊んで、ちょうど良い時間になったのでクラブハウスに戻ったら、なんでもやる先輩がすでにお酒を飲んでいた。あとからいぶりがっこの先輩も泊まりに来るらしい。

夕日と先輩を待ちながら、みんなでお酒を飲んでそれで帰った。GWはまだまだ天気が良さそうだ。

2019年4月27日土曜日

20190427-30 隠岐ツアー

GW まるまる、クラブのみんなで隠岐の島を漕ぐ。前半は島前、後半は島後。どちらもの欲張りは言えず、僕は前半戦のみ参加。みんなが島前から島後にうつるフェリーにそのまま乗って本土に戻る予定。

土曜・往路

金曜に仕事を終えたら支度をすませた荷物を背負って横浜駅で集合する。真夜中きっかりに大先輩の車に総勢7人が集まる。挨拶もそこそこに浮足立って出発。横浜から夜通し走る。クラブの遠征はいつもそんな感じだ。早い昼飯時には鳥取・境港について、午後二時過ぎのフェリーに乗って西之島の別府港に渡る予定。道中の車内は寝る人、寝ない人、入り乱れて楽しい。ほとんどを運転していた大先輩はそうも言えないかもしれないけれど。

境港で食料を買い出し、フェリーに乗る。外海を往く舟に乗るのは初めて。この日は北風が強い。おおかた揺れるだろう。たった二時間ちょいとはいえ、舟に酔うかもしれない。大先輩が酔い止めを準備してくれているのだけど、それを飲んだらお酒が飲めない。横ではちっこい後輩がケロッとして、人混みのざこ寝場に場所をみつけてストレッチをしてる。後輩は長期ツアーによく参加していて、壱岐を回ったり、天塩川をくだったり、フェリーは何度も乗ってる。ひきかえこっちは、それなりに年をくってはいても初めてのことだから、口には出さずにドキドキしてる。気が張ってるから眠くはないけど、自分が寝不足なのは間違いない。大事を取って薬も酒も飲まず、動き出した景色を様子見する。一緒にビールを買っていたおおらかな先輩には不義理をした。この先輩もツアー常連。

フェリーは境港をでて美保関を回り込む。島根半島の東端を過ぎれば日本海の外海。飛ぶうさぎが見え、フェリーも揺れだす。デッキに出て美保関の灯台を横目に波を見る。カヤックでも漕げるだろうか。遠くをみながらぶらぶらして、しばらくしたら隠岐の島々が見えてきた。見えたと思ったらあっという間、知夫里島と中ノ島の間を抜けて西ノ島に到着。別府港で舟を降りたら耳浦のキャンプ場までちょろっと走ってやっと着いた!これから3泊の前半戦はここ耳浦がベース。よろしくね。


時刻は午後6時前。西の方だから日没が遅くまだ明るい。テントやタープなど、居場所の確保もそこそこに、食事の支度を始める。境港の買い出しで、大先輩がたっぷり貝を買ってくれていた。白バイ貝・本バイ貝・サザエをたっぷりとダッチオーブンに放り込んで蒸して食べる。うまい。鍋には味のでた蒸し汁がたっぷり残った。真面目な後輩がソーメンを買ってあったので、蒸し汁に水を足してソーメンを茹でる。この後輩とレジェンド先輩はなんだかソーメン推し。その推しどおり、ソーメンがうまい。賑やかに食べて飲んで、暗くなったらすぐ寝た。北からのうねりがキャンプ場の浜にダッパン、ドオーンと大きい音を立ててるけど寝不足の勢いで全く気にならない。起きたらいよいよカヤックを漕ぐぞ。


日曜・国賀海岸

朝露ってすごいね。いつでも水が補給できるね。明るくなったら待ちきれずに起き出す。真面目な後輩のテントが僕のテントから少し離れた所に移動してる。あとで聞いたら、僕のイビキがうるさくて夜中に場所を動かしたんだそうだ。あー、ごめん。ともあれ、さっさと自分の朝ごはんを作る。大先輩はタープの下でシュラフにくるまってまだ寝ている。レジェンド先輩と古株の後輩はそれに遠慮してか、タープの外で離れてお店を広げる。けどちっこい後輩は、大先輩の鼻先で朝ごはんを作り出す。長期ツアーを繰り返し、もう家族との言われようは伊達じゃないなと感心し、ちっこい後輩に並んでご飯を作り出したら大先輩が起きた。

朝の身の回りのことを済ませたらいよいよカヤックを下ろして浜に並べる。漕ぐまで長かったあ。



出発したらそこはいつもの海。三浦で身についたことは裏切らない。風は落ち着いているけれど、昨日のフェリーを揺らした北からのうねりは弱まりながらも残っている。ちょうど楽しいくらい。

耳浦の入江を北に出たら、西の国賀神社まで12km程を漕ぐ。切り立った崖と透き通った海の間を粛々と進んでいく。ただただ楽しい、嬉しい。国賀海岸のハイライトは摩天崖という崖で、海面から257m切り立った崖になってる。あれ?と思って調べてみたら、アイルランドのモハーの断崖が高くて214m。あれ?モハーを漕いでみたいと思ってたけど、摩天崖より低いの? 隠岐すげー!


 上を見ながら漕いで摩天崖を通り過ぎ、国賀神社のある浜に上がる。東屋があったのでそこでみんなで昼ごはんを食べる。
国賀神社の浜からなだらかな芝生を登れば通天橋が下に見える
通天橋
一番尖ってるやつが観音岩
僕は田中美佐子が好きで、彼女はこの島の出身。子供の頃、島の崖の上に立って海を見て、私は将来この島で夫が漁から帰る船を待って、こうして海を見るんだ、と思ったそうだ。何かの番組でそう話していた。同じ崖から海をみても、季節が変われば天と地だろう。島での生活は生半可では行かないな。

お昼が終わったらまた来た道を帰る。通天橋をくぐって出ていき、国賀海岸を東に東に。


来る時は船越あたりををすっ飛ばして沖をまっすぐ行ったけど、帰りは岸によって漕いだ。自然と船越の街に寄って行き、船引運河を通って西之島の南側に出て一休み。落ち着いた家なみにほっとする。漁船ものんびりしてる気がする。



船引運河をまた戻ったら外浜のあたりの砂底がとても気持ちがいい。雲も随分薄くなり、空と海の青、草の緑、岩壁の灰茶色、それぞれが目の栄養になる。


このあたりから向かい風が強まりパドルが重かった。じりじりと前に出てキャンプ地に戻る。ちっこい後輩は「疲れたぁー」と声を張った。お疲れ様。またタープの下に戻って明るいうちから飲んで寝た。

月曜・東国賀海岸

朝から雲が低く、昼過ぎからは雨が降る予報。この雨は夜通し強まって降り続く。朝早くから起き出して海を見に行く。ここの所波はどんどん落ちて、シャラン、パシャンと、空も海もどんより眠たげだ。

今日の予定は、西之島の東の端っこ、冠島にタッチしてこようというもの。耳浦を今度は右に出ていきながら、今日は洞窟、岩場を一つずつ丁寧に潰す。国賀海岸は断崖が続いて勇壮だけど、上を向いて漕ぐばかり。東国賀海岸のほうが、カヤックであちこち入り込むには面白いような気もする。


あちこちの岩場で竿を出す釣り人たちに感心しながら、あっという間に冠島。岩場の間をすり抜けると、アカモクがびっしり生えている入江。レジェンド先輩が先に藪漕ぎのようにパドルを抜き差しして進んでいくと、その後ろに転々と轍の後が残った。面白がって同じ轍を進んだ。後ろから来る他の人たちは、お構いなしにそれぞれの跡をつけて進んできた。

中之島は目の前に大きく広がって、行ってみるのも悪くない。島前に囲まれた内側の湾は言ってみればカルデラ湾で、島前の島々が火口の縁の峰々なんだそうだ。四方を囲まれて、内側を漕ぐ分には安心できそうな、とてもカヤックに向いたフィールドだと思った。ちなみに、焼火山というのが火口そのもので、島々のちょうど真ん中に位置している。


冠島からちょっと戻った浜に舟を上げ、手早く昼ごはんを食べてまた耳浦に戻った。どの入江も水が透き通り、深い砂底もはっきり見える。そこからアカモクなどの海藻が立ち上がったり、アマモがびっしり生えてたり、森を上から見ているのが楽しい。スノーケリングで潜り、その森をすり抜けて泳ぐのは楽しいだろうな。

あとで調べたら、帽子岩と名前がついてた
この日は最後まで風もなく、静かな海をゆっくりと漕いで耳浦に戻った。島前を漕ぐのは今日まで。明日は昼のフェリーで島後に渡る。ぱぱっと着替えたら、カヤックを全部大先輩の車に積み戻し、一息ついたら雨が降り出した。これも予定どおり。

午後いっぱいは、買い出しも含めて雨の中の島内観光。由良比女神社、摩天崖の展望台を周り、にしわき鮮魚店で岩牡蠣、ユアーズこだまで新鮮なホタルイカを買って帰ったら楽しい時間の始まり。岩牡蠣は蒸して、その蒸し汁がまたソーメンになる。おいしい。ホタルイカも茹でたてがとんでもなく美味しい。

おおらかな先輩は海鮮が大好きで、ホタルイカの掬い取りに行ったり、カキをお取り寄せして食べるそう。先輩に任せておけば、カキの貝柱の切り方も教えてくれるし、ホタルイカの茹で加減もバッチリだ。でも、強まる雨の中、自分の居場所に水が上がってくると、IKEA バッグを敷いてのんびりしていたお尻がうっかりと濡れていた。

カヤックをやっているせいか、濡れる事自体に鈍感になってるみたい。それでもお尻を濡らせば寝るときにまずい。浜にいって打ち上がった漁具などでみんなの椅子として、居心地をどんどん良くして楽しく飲んで寝た。昨夜僕のいびきがうるさくてテントを動かした後輩も、この夜は雨音でイビキが気にならずぐっすりと眠れたそうだ。よかった。

火曜・松江

夜更けの三時ころ雨がやんだように思う。テントの中はしんなりとしながらも暖かに眠れた。明るくなったら起き出して、昨日の煮汁を使ったうどんを大先輩からごちそうになる。朝から美味しい。細々としたトラブルを解決しながら、小雨の中を上手に撤収して耳浦キャンプ場を跡にする。お世話になりました。ありがとう。

フェリーまでは時間があるので、焼火神社にお参りにいった。参道を登ってお社につくと、お社の屋根がすっぽりと、背後から覆いかぶさる洞窟の穴にはまり込んでいる。パラパラの雨も木々の霞の間を抜けて音なく落ちている。真水で湿った森の空気を吸い込んで気分が清らかになる。その心持で皆の無事を祈って山をおりた。海の安全に霊験のあるお社なので心強い。

軽く昼をすませたら、みんなでフェリーに乗り込む。西之島から島後にフェリーは渡り、そこで他のみんなは降りる。後半は島後をまるっと漕ぐ予定だ。厳し目だった風の予報が好転し、後日の連絡では島後の一周をしている途中だそうだ。僕は島後でフェリーを降りず、そのまま本州の七類港に戻って松江で一泊し、次の日飛行機で戻った。島後の西郷港で他の皆が降りるときは、三浦でいつでも会ってる面々とは言え、ちょっとしんみりする。だから見送りは船室ですませ、外は見ないでフェリーの有料シャワーで体をさっぱりさせた。

不思議と今まで遠征は日本海ばっかりで、若狭湾も良かった。隠岐も最高だった。家並みと水が近く、ひっそりとした時間の進みに憧れる。悪い季節には行かないのだから無責任にとも思うけど、良いとこ取りでいいからもそっと足を伸ばそう。