小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2023年1月7日土曜日

20230107 三浦七福神

 毎年初めのクラブイベントのミウラ・セブンまわり。集まったのは六人。三崎口の駅で待ち合わせて、大先輩の車で妙音寺に参る。「声をあげるな」という看板がでている厳しめのお寺。階段を上がっていつものお堂に向かおうと思うと、目の前で重機が空き地をならしている。お堂を建て替え中のようで、もっと上に、さらに階段で上がっていってお参りできるようだけど、時間が惜しいので、その階段の上り口に置いてある賽銭箱に投げ入れ、階段に向かって今年の三浦カヤッカーを見守ってもらえるようお願いする。

そしたらクラブハウスに移動して身支度とカヤックの積み込みを終え、出かける前に地元の白髭神社にお参りする。一番お世話になっている神社なので、お賽銭もはずむ。前回来た時に買った手袋は結構売れたと見えて、小豆色の最後の一個があるばかり。それを熱心な後輩が買って喜んでいた。

もう一度車中で菊名海岸でカヤックをおろす。ちっこい後輩が家族で見送りに来てくれた。さらにちっこい子供は支度中のカヤックに勝手に乗り込んでニコニコしていた。大きくなるのが楽しみ。出発の集合写真を一緒に撮って、いざ六艇のカヤックが水に浮かぶと、なんだか子供は泣いてしまった。後輩に抱き上げられて泣いている浜にみんなで手を振りながら、次の円福寺に向けて漕ぐ。少し北風を感じるけれど、冬の東京湾はこんなものか。

風表になる金田の浜は船の出入りに気をつかう。今回は全員クラブメンバーで、誰も沈せず無事に浜にあがり、円福寺にお参りする。帰りがけ、石畳におちた千円札を大先輩が見つけて、落とし主とおぼしきグループに素早く声をかけて、早速徳を積んでいた。

次は剱崎を回って毘沙門の浜にあがり、毘沙門堂にお参りする。白鬚神社についで馴染み深い。横瀬島はいつもの折り返しポイント。浜に戻ってお昼にする。浜には車が何台か止まっていて、そのうちの一人がラジコンのグライダーをふわりふわりと飛ばしていた。

今年は集合の時間が一時間遅い。メンバーのみなのでここまでのペースは良いけれど、お昼にのんびりしてしまうと日没タイムアウトしやすい。年末に洗濯機が壊れたという大先輩の話に、冷蔵庫が壊れたという後輩がさらに乗っかり、花が咲きそうになったのをなんとか堪えて大先輩が出発の声をかける。

ここんところ潮が澄んでいて、東京湾はそれほどでもなかったけど、城ヶ島に向かうにつれてぐんぐん透明度が上がっていく。空は冬の薄い青、風も落ちて絶好の漕ぎ日和の中静かにパドルを回していく。

それで三崎の堤防を回り込み、海外町のあたりで舟をあげた。ここから三崎の街並みを抜けて見桃寺と海南神社をお参りし、ささっとまた海に戻る。これで三時過ぎ。風もないし、完漕の見込みがついた。凪いだ海を滑るように漕ぐ時の心持ちはまた格別。パドルの音もなく船が進んでいく。


だいぶ陽が色づいてきた頃合いに黒崎の鼻につき、左に大根、右にキャベツの畑道を抜けて最後の延寿寺にお参りする。カヤックで来たのがわかったのか、寺の関係者から声をかけられ、以前クラブメンバーだった甲斐性のある先輩の近況を聞かせてもらった。先輩は今年は走って七福神をまわって、三時間半ほどだったそうだ。登り下りのある半島の道をよく走るもんだ。元気そうでなにより。2021年は一緒に年越しサーフできたけど、去年はこれなかった。今年もどこかの波で会うと思う。

そうして黒崎の鼻の浜に戻ると、もう日没がぎりぎり。ちょうど漕いでいる間に完全に沈むだろう。


海上に戻ってお日様をちらちら見ながら、そのうち沈んだら、暗くなる海の底をゆらゆら見ながら入江に滑り込んで舟をあげた。

一年の初めを良い漕ぎでみんなと回れた。今年もたくさん良い海で漕ぎ回れますよーに。

2023年1月3日火曜日

20230103 長者参り

新年の漕ぎ始めに長者にお参りしよう。そうして三浦にやってきた。クラブハウスの前ではボート釣りの人たちが準備をしている。釣り人の朝は早い。彼らが出払ったあとにようやく支度が終わって舟を入江に浮かべる。今日は風が落ちていく晴天の予報で漕ぎ日和。久しぶりに持った自分のパドルが重く感じる。年末のサーフは分割できるカーボンパドルだったし、最近距離漕いでなかったからなぁ。ウルフ号が新しくなってワンピースパドルをそのまま積めるようになったから、今度からのサーフはいつもの自分のパドルで行こう。

そんなことをぼんやり考えながら入江を出て防波堤までやってきた。富士山をみながら箱根駅伝はもう出発した頃だろうなと考える。烏帽子岩のそばで浮きながらテレビ中継に映りたい。それで一呼吸したらとりあえず荒崎を目指す。海況が良いし、名島の鳥居を回ってから長者に参ろう。

荒崎までくると、崩れた岩肌が二箇所、大きく見える。左は稲村ヶ崎、右は長者ヶ崎。逗子の大崎はまだ隠れて見えない。左の岩肌を目指して漕いでいく。淡々と漕いで長者ヶ崎が近づいてくると、柴崎の建物の後ろから少しずつ大崎が見えてくる。目標をそちらに変えて、そのうち見えてくるはずの赤い鳥居を探しながら漕いでいく。

だいぶ近づいてようやく鳥居が見えた。鳥居によって富士山との間に入ってお辞儀をし、くるりと回って祠の下にできるだけ舟を寄せて手を合わせる。岩場の間でそうして少し浮いていたら、葉山の方からカヤックの一群が漕いできた。そのうちの一人がすれ違いざまに名前を呼んでくれて、知り合いなのに気づいて新年の挨拶ができた。今日はいい海ですもんね。

森戸神社の脇の川に少し入ってこちらも水面から社の屋根を見上げて手を合わせ、頭を下げる。これで折り返し。長者まで戻ったら砂嘴に舟をあげ、歩いて薮を抜け、西側の浜に腰をおろして昼ごはんにする。浜からの景色をぼんやりと眺めながら、若い頃の自分に心の中で悪態をついて立ち上がる。

長者のお参りもすんだ。世の中なるようになっている。呼吸を入れ替えてパドルを手にし、穏やかな海を佐島まで淡々と漕いでいく。途中久留和でカヤックの一群が沖から浜に入っていった。佐島のキラキラでは時間をとって、空をみながら寝そべって休憩した。浅い海底は砂紋が幾筋も見える。思えばここまでずっと底が見えている。三戸浜沖も小田和湾も底が見えていた。こんなに透明なのは年に一度あるかないか。漕いでいてとても気持ちがいい。

ここまできたら俺の浜までは一と漕ぎ。さっさかと漕いで浜に上がる。ここでコックピットの荷物を全部出し、海水で中を洗う。前回の年末サーフツアーで砂をいっぱい入れてしまった。奥のフットブレースの発泡スチロールも外して空っぽにしたコックピットに水をいれ、舟を揺らしてから一気に排水する。だいぶ砂が落ちて気持ちいい。諸磯の神社もお参りしようかと思ったけど、南はまたいく機会があるから今日はこれまでにしよう。荷物をもどしてまた水の上に浮かび、のんびりと入江の奥に戻って舟を上げた。

最後に白髭神社のお守りを買いに階段を上がる。正式なお参りは七福神ツアーの時にみんなとやりたいけれど、お守りを買いそびれないように先に社務所が開いている時間に行っておかないとまずい。ここ何年かでついた生活の知恵。ついでに手作り手袋を買ってホクホクした気分でカンカン石を叩いてから階段を降りて今日はおしまい。

新年の漕ぎ始めは穏やかな海だった。今年も安全に漕いでまわろー。