小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2019年7月28日日曜日

20190728 水をあびよう

また週末に向けて台風がやってきて予報がころころ変わる中、この日曜はクラブのレスキュー練習会の予定。湾内がメインだから多少は風があってもやれるけど、やっぱりスカッと晴れてたほうが気持ちはいい。若潮

先週は台風からのうねりで結構遊べた。今週はどうかなと、朝から始発で動く。家の近くは本降りで雨が降っていたけど、京急にのって三浦半島を南に行くうちに雨も止み、ただの曇り空になった。三崎口のホームは夏の朝の蒸した空気。

クラブハウスについてみると、すでに前漕ぎ道場の二人が出ていた。波遊びのようだ。先週のうねりのイメージが頭にあり、少し気になる。支度をして後を追いかける。

網代崎を見て堤防を回るあたりでうねりの無いのがわかる。問題なしとはいえもう少し波がほしい気持ちもある。ポイントまで行って二人に合流する。今回の台風ではうねりが方向的に入ってこれなかったのか、風浪で長く乗れる波ではない。それでも楽しいことは楽しい。みんなが揃うまでの時間を遊ぶ。爆漕の同期は何度かひっくり返りけど、どれもロールできちんと上がる。練習前の実践はばっちりだ。

時間になったのでクラブハウスに戻り、手分けしながらみんなの船を運んで入江に浮かぶ。大先輩の説明を聞きながら、手順を確認してパドルフロート、馬乗り再乗艇、グループレスキューをこなす。助ける側、助けられる側、両方やる。ここまで一通り終わったら、次はロールの練習に入る。


スキーで転んで立てない人はいない。転んだら、斜面で立ち上がってまた滑り始める。これは一番最初に練習すること。滑ること、止まることよりも前に練習する。あかちゃんだって、立って転んで立ち上がる。歩くのはその後。それに、転ぶのを嫌がる人は上達も遅い。自分を試さないから。

カヤックも同じはず。転んだら気軽に起き上がれないと自分をいろいろ試せない。リーンも限界まで試せないし、ドローストロークの練習だって億劫になるだろう。ハイブレースなんてほとんど沈してる。はじめのうちこそ転ぶことも多いい。だから、簡単に立ち上がれるようにしておくのは一番最初のステップ。馬乗り、フロート、ロール、なんでもいいけど、自分で立ち上がる方法を確実に身につけたいし、身についた引き出しは多ければ多いほどいい。

とはいえ、ロール以外は水が入る。水が入れば舟が不安定になるし、ポンプで水をその都度抜くのはとても疲れる。消去法で、ロールが一番楽ちん、というのは揺るがない。ロールがあるから、あんなに細身な舟でも安心して乗れる、崩れ波の中でも堂々と進める。クローズドデッキの沈しても水が入らないという特性がカヤックという舟の核心だと思う。その特性をフルに使わないのはもったいない。


馬乗りで水のたっぷり入ったカヤックの水をビルジポンプで抜きながら、ぶつくさと考えた。今日初めてロールの練習をするメンバーも何人かいたけど、全員一度はロールが成功してお昼ご飯。朝は雲一面の空も、この頃には晴れて夏の湿った青空になった。

午後は引き続きロールの練習をしたあと、みんなで堤防から外に出た。南風が上がり始めて、チャプチャプした風浪が沖から寄せてくる。これはちょうどいいと、ここで一通り、馬乗り、グループレスキュー、ロールをおさらいする。その間にスズメ島まで流されてきた。

静水ではすんなりできた馬乗りも、ちょっとの風浪で難しくなる。何度もよじ登ってはひっくり返る。ロールをミスっては沈脱する。練習会の締めくくりに波間で浮かんで潮につかり、成功したら拍手、失敗したら声援を送ってたっぷり遊んで帰った。

2019年7月23日火曜日

20190723 梅雨があけた!

起きたら、思いがけずムクムクとサボりっけが。土曜にサーフ好きの先輩と遊んだ余韻が残っていて、海に触れたくてしかたなかった。大先輩のツアー組も出るし、他にも何人かメンバーが漕ぐ様子。当日の休みの申請をして三浦にでかけた。中潮

皆が支度しているところにクラブハウスに着く。なんでもやる先輩とほんわかした後輩、手広くやっている後輩が来ている。何でも先輩にくっついて先に出る。先輩は日曜に来て、残ったうねりで結構遊べたらしい。土曜に遊んだ話もしながら堤防の外を大きく一回り。

週末のうねりはもう消えた。灰色の曇り空の下に真っ平らな海が続く。網代崎もさざなみがかろうじて。それでも沖に向かうと潮波か北風の作った風浪か、デッキにかぶるくらいはあって面白い。一回り様子を見て堤防に戻ったら大先輩の組が出てきたので合流する。

諸磯の浜でお昼休み。平日の海はのんびりしてる。遊漁船も少ないので、沖からのエンジン音があまりしない。サザエ取りの漁師が舟の真ん中近くに取り付けたエンジンをくるくる動かしながら、棒を下ろしては引き上げ、サザエを鉤爪から外して箱に落とし、また棒を下ろす。左手はエンジンの舵を握ったまま、片手で棒とサザエをさばく。頭は箱で下を覗いたまんまこれをこなす。

帰り道は油壺で一休み。お客さんがのんびりしている間、僕らも遊ぶ。手広くやっている後輩がスカリングドローを練習する。手が疲れますね、というので、それも足の踏み込みで漕ぐのは同じだよというと、えっ、なるほどーと言って練習を続ける。頑張ってねー。

すごい上品な後輩がいて、その人は結構長くシーカヤックスクールで学んでいた。その後輩がスカリングドローをした時には、頭の向き、手の位置、空手の構えがびしっときまるようで惚れ惚れしたのを思い出す。それに比べると、僕は野良育ちだから、まあ、とりあえず足を踏み込んでおけばいっか、くらいのアドバイスしかできない。

ほんわかした後輩はスノーケリングが大好き。カヤックに乗ったままやればと言ったけどピンと来ないのでやってみせる。マスクを借りて沈をし、体を伸ばして息継ぎの管を上に出し、沈したそのまま過ごす。なるほどとトライするけど、後輩は息継ぎの管がどうしても外に出ない。苦しくなって慌ててロールで上がる様を見てお客さんと笑う。まあ、こんなの一人の時に海でやっていたら周りの漁船やらボートやらが心配して寄ってくるから良くないね。

堤防近くまで戻ってお茶の休憩。お客さんの一人から高尚な話を聞かせていただき、なるほどなーと思いながら過ごしていたら雲がだいぶ晴れた。四時が近くなって途端に青空が広がり日がジリジリ差す。カヤックを上げた入江も日差しが砂ぞこまで通り、浮かべたカヤックの影が落ちる。久しぶりの風景だ。ちょうどこの時に三浦の梅雨が明けたんだと思う。みんなで明けましておめでとうと言い交わして舟にのり、湾奥に戻って舟を上げた。

舟の片付けをするだけでも汗が流れた。来週はクラブでレスキューの練習会。好きなだけ水につかってられるね。

2019年7月20日土曜日

20190720 うねりがやってきた!

台風が九州から韓国に抜けている最中、日差しはないけど風もない週末。うねりのありそうな土曜を狙ってでかける。日曜の方が賑やかそうだけど、波なら土曜。中潮

朝、クラブに着くとちっこい後輩がすぐにやってきた。知り合いがツアーにやってくるので、その前に軽く近場で釣りをしておくのだそうだ。聞くと、堤防の外にはじゃんじゃんしぶきが上がっているらしい。どこか高い場所から見たそうだ。こちらの気持ちも上がる。

ここんところ削っていたグリーンランドパドルがようやく形になって、今日はそれを試してみる。ヨットの脇を抜けて、小洒落た別荘につけるはしけを左に回って、まだちょっと太めに削ったパドルを回しながら網代崎を見る。ああ、やばいねえ。

堤防の先にでて、岸からいつもの距離感で漕ぐと、ふつうのうねりでも盛り上がり、波頭が巻きそうにそそり立って過ぎてゆく。これが大きめのやつだとこの距離でも崩れて岸まで止まらないだろう。うん、これはやばい。

いつもより岸から距離を取ってポイントに行くと、サップとサーファーが一人ずつ入ってた。会釈をして波を待つ。うねりは大きく、舟は上下するのだけど、ちょっと斜度が足らずに押してくれなそうな感じ。すこし眺めてみたけど、イマイチと思ったので場所を変える。

こちらのポイントは誰もいないけど、うねりの立ち上がり方がやばい。真ん中のスープに入ったら絶対だめ。とはいえ広いから左側にエスケープすれば大丈夫という考えでしばらく眺める。

下が岩場になっているスープゾーンはデカすぎるし、波頭がチューブを巻くのでシーカヤックで遊ぶ波じゃない。かといって、ちょっと深めのこちら側はなだらか過ぎて中々乗れない。大きければ良いというわけでもないし、難しいな。

手頃なのを選んでダッシュを繰り返しても中々うまくのれず、ちょっとスープ側に入ってしまったので止まったらまずかった。向きを変えている間に次の波がちょうど崩れるのにぶつかりそれをブレースで受けた。舟は押されて波頭に持ち上げられ、チューブが巻く瞬間に舟ごと下に落っこちる。ほんの50センチかそこらのことだけと思うけど、おしりがストンと真下に落ちる感覚はなかなか珍しい。

ストンと落ちた舟がザブンと波の面に落ち込む瞬間からが、波に転がされる時間。水の中でブレースからセットに体を変えるけど、まだ舟はまだ波の中。息が続かなくなって待てずにロールをしたけど失敗して、はい、アウトー、と思った瞬間膝が抜け、自然と沈脱となった。

抜けたあたりでは崩れ波も消え、セルフレスキューする時間はある。流れも崩れる場所からは離れるようになっている。コックピットのコーミングまで水が入ったちょっと不安定な舟に馬乗りで再乗艇し、浜に上がって水を抜いてひとしきり反省。

よし、と思ったら沖を後輩が出ていくのが見えた。潮時と後輩を追っかけて世間話したあと気を取り直してまたポイントに戻る。今度は丁度よい波を何度か乗れた。それで今日はおしまいにして大先輩のツアー組に合流しに湾内に戻る。

大先輩組とゆっくり諸磯、油壺を巡ってお昼を食べる。昼食後、スリムな後輩に声をかけて、諸磯のなかで波がワサワサしているところで馬乗り、T字をお互いに練習する。夏ならではだなあ。それでまた大先輩組に合流する。お客さんたちももう少し漕ぐようだ。それで漕いでいたら、いつものポイントにカヤックがいるのに大先輩が気づいた。沖からかすかに見えるカヤック。それで僕だけポイントまでいったら、サーフ好きの先輩だった。

もうサーファーとSUPはおらず、先輩だけだった。波なら今日だろうと、家のことをなんとか片付けて午後から遊びに来たのだそうだ。一緒に遊びはじめる。ちょうど楽しみやすいサイズの波でバンバンやる。あんまり大きくないけど、崩れる瞬間にバウが落ちるとちゃんと前転できる。先輩もやったし、僕もやった。やっぱり波遊びは楽しい。

そのうちに大先輩組が帰ってきた。新しく SUP も一人入ってきたので、二度目の潮時と組にくっついて帰って舟を上げた。


久しぶりに脱った気がする。見上げるようなサイズの波は崩れた時にロールの態勢まで落ち着くのに時間がかかる。息を吸い込んでできるだけ長く水の中で落ち着いていられるよう、気持ちを長く持とう。いつもはすぐに上がっちゃうけど、ちょっとワンテンポ待って舟の落ち着きを感じよう。

ようやく台風のうねりを感じることができた。今度の週末はクラブのみんなでレスキューの練習をする。そういう練習が楽しい時期がうねりとともにやってきた! 夏のカヤック、はじまった!

2019年7月13日土曜日

20190713 まだまだ梅雨の中

まだまだ梅雨前線が絶好調。せっかくの三連休もスッキリとは行かないね。とはいえ土曜は曇り空でも風はなく雨も降らない予報。距離を漕ぐには良い日和と思ってでかけた。

ここんとこ剣崎を回っていなかったから雨崎を目指そう。そして、お昼頃には近場に戻って大先輩の定刻組と合流しよう。始発で動いて舟を出す。久しぶりの水の上に大きく一つ息をつく。

ヨットの右を抜けて網代崎まで視界が広がると、シーボニアの前、航路の真ん中をタンデムのファルトが漕いでいた。小網代湾の中は北側 (三戸浜側) の岸に沿って漕ぎ、堤防から真っ直ぐの航路には近づかないようにと、タンデムに素早く近づいてお願いする。快く受けてくれて、北側の岸に向かってくれた。右側通行の原則もあるかもしれないけど、マリーナや漁港のスロープと、そこから外の海に向かう道筋は避けたほうがいいよね。

なんでも和田長浜から出たというそのタンデムから離れて先に進む。網代崎は静かで、かすかなうねりっ気が隠れ根で波立つ以外はぺったり。よし、漕いでいくぞー。湾から出ても、小網代の入江を漕ぐような心持ちで広い海を行く。

長津呂崎を越え、馬の背洞門を過ぎた辺りで青いファルトとすれ違う。その先、東風崎沖の灯標近くで今度は赤いファルトと行き合う。その先またいくつかのシーカヤックを見ながら雨崎タッチで折り返し、馬の背洞門あたりまで戻ったらまた青いファルトとすれ違った。同じ人のように思う。その後ろから黄色いファルトがまた漕いで過ぎていった。赤青黄で三色揃っていいことあるかな。

帰り道の途中、安房崎の手前あたりで大先輩から電話があった。今日の昼ごはんは荒崎にするとのこと。南方面ではなかったので、まだちょっと漕がないと合流はできない。時間を決めてなにかしら口に入れながら荒崎を目指す。20キロちょっとだったら気にしないけど、30キロを越えるあたりで行動食のある無しが体に出てくる気がする。

荒崎についてみると、定刻組はまだ昼食の最中だった。ほえー、疲れた。挨拶をして混ざり、ご飯の残りを少しいただく。お味噌汁が美味しい。土用が近いこともあって、うなぎの炊き込みご飯だった。大好きなのに、行動食を食べすぎてたくさんは食べられず。くやしい。

帰りはみんなと一緒にのんびりと小網代まで帰る。沖を真っ直ぐ漕いでいく。すると、トビウオが何度か飛び出して油凪のなめらかな海面をスレスレに滑って向こうに落ちる。美味しそうだな。水面に飛び出すトビウオの尻尾ははちきれそうで、中の詰まった筋肉が透けて見える気がする。

今回のお客さんはとても元気な人たちで、片付けのあとも会話がはずんで名残惜しく、三浦海岸の飲み屋さんに移動して短い時間だけど飲み直した。そのお店ではトビウオのなめろうがあって、かねがね美味そうだと思っていたトビウオの身を生で食べられてとてもうれしい。元気なみんなのおかげと思う。また機会があったらぜひ会いたい人たちだった。