小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2020年12月29日火曜日

20201229 潮で洗う

季節の移り変わりはこんな時勢でも変わらないけれど、年の区切りは人との関わりだなと思う。その年のよしなしごとを馬鹿笑いのお酒で流してさっぱりする。そういう場の役割をあらためて実感する年だった。

今日は暖かになる予報だけど、朝の冷え込みは冬本番で、朝の入り江はモヤでいっぱいだ。指先を温めながら薄い舟を支度する。筋トレ後輩もやってきて、日の上がりきった入り江に一緒に浮かぶ。

先日は長者にパドルを買いに行ったので、今日は南方面、剱埼を目指す。今日も随分良い海況。行きはさかさかと漕いでいく。今日は海もにぎやか。ファルトやウッドカヤックなどとすれ違った。

剣崎の水路に入り一休み。昼には近場に戻っておきたいのですぐに折り返し、岸寄りにのんびりと漕いでいく。安房崎でリジッドカヤックがいたと思ったら大食いの後輩で一緒になる。馬の背沖でもう一艇と思ったら今度は洋物の先輩。皆さん、今年もお世話になりなした。期せずに挨拶ができた。

四人で凪の海を漕ぎ戻る。ここのところ潮が澄んで綺麗。前を向いて漕ぐ視界に砂底と岩場が交互に色を変える。それで諸磯、網代崎を過ぎて浜に昼飯にあがった。

洋物先輩と大食い後輩はまだ漕ぎ足りないと見えて、昼ごはんのあと北に漕ぎ出していった。筋トレ後輩は昼過ぎの砂浜でいびきを出し始めた。

まるで4月のような昼下がり、まだ陽射しの力があるうちに、水につかる練習をする。パドルを肩に担いだり、後ろから前にパドルを回したりと、澄んだ潮を十分に気持ちに染み込ませる。沈脱から馬乗りレスキューを成功させて仕上げ。浜に上がって服を乾かしながら、後輩のいびきをのんびり聞いて年が過ぎてゆく。沖をかなりの数のカヤックが北に動いていった。

最後に一人、房総同期がやってきて一年のしめくくりに挨拶。一緒に入り江に戻って舟を上げた。さすがにこれで漕ぎ納め。またすぐ漕ぐとはいえ、人の身でラインをまた一つ越える。新しい年もよろしく。

2020年12月26日土曜日

20201226 茜から金と青と黒

年の瀬。世の流れにつれてクラブの忘年会はやらないことになったけど、海況が良いのでそれはそれとして海に出る。

クラブハウスにつくのがちょうど日の出の頃。冬至はもう過ぎてこれから日は伸びていくけど、それとは逆に日の出はまだまだ遅くなる。茜色の富士山を見ながら朝の支度をした。

今日は筋トレの後輩のお遣いがある。久留和のコアアウトフィッターズで中古のパドルを買いに、一緒に漕いで行く予定。後輩が来るまでの間、近場を回って波遊び。風はなく、きれいなうねりが沖から入り、ポイントを独り占めで楽しんだ。乗りやすい波なので、パドルを前傾でさばいて舵取りをするコツを掴めた。

また入り江に戻って筋トレ後輩と一緒に北に向かう。途中NZ先輩も合流して、荒崎を越えて久留和に上がりパドルを買う。これで僕もワーナーオーナーと嬉しげだ。気持ちも漕ぐ手も軽やかに、長者を回って折返す。長者の波は今ひとつだった。期待してただけに残念。近場のポイントは良かっただけに、うねりの方向なのか海は不思議だね。

なんとなく、二時には近場の浜に戻るという話になっていたので、それを目指して淡々と佐島沖、荒崎とつないでちょうど二時に浜に上がった。

そのうち大先輩とちっこい後輩が網代崎から漕いできて浜にあがる。雰囲気イケメン後輩も佐島折返しで戻ってきて合流した。風もなく、陽射しが暖かい浜でのんびりする合間に大先輩のいびきが響く。今年は大変な年でしたね。お疲れさまです。


日もだいぶ降りてきて冷えの近寄りを感じたら腰を上げて海に浮かぶ。網代崎の先に金色のかたまりが降りてきて、さざなみに三色のモザイク模様をつくる。それを眺めながら堤防をまわり、まったいらに滑り込んで舟をあげた。

朝日から夕日まで楽しんだ。暗い時期に動くこともない。夜は寝て、また明るくなったら動き出そう。

(夕日の写真はイケメン後輩から貰ったもの)

2020年12月18日金曜日

20201218 縦縞

週末用事があって漕げないなあと思っていたら、都合よく平日に隙間ができるもので、できるだけ早起きして出かける。

クラブハウスから見る富士山はとても珍しい縦縞模様をしていた。
夕方から風があがりそうなので、午後一には近場に戻っておくつもりで少し距離を出す。軽い追い風にのって快調に南方面へと漕いでいく。剱崎の水路で折り返しに決めて、往路は寄り道せずにまっすぐ安房崎から横瀬島をかすめて剱崎の水路に入って一休み。

予定より少し早くこれたので、帰りはのんびりと岸ベタで戻り、盗人狩りや宮川のハーバーでも少しパドルの手を止める。たっぷりの日差しが綺麗な潮を差し通してどこを漕いでいても底まで見える。汗をとめてくれる程度の風も心地いい。

最高だなあと思いながら安房崎にとりついたら、目の前をカヤックが横瀬島方面に進んでいく。あれ、と思ったら、向こうがパドルをあげてくれて、レジェンド先輩だった。きっと横瀬島往復だろう。

自分は諸磯まで漕ぎ戻って浜で昼休み。そのうち先輩が戻ってくるだろうと思って、三崎の堤防の方にちらちらと休みながら首を伸ばす。浜の反対側では素潜りをおえた女性二人組がウェットを着替えて焚き火で暖をとっていた。うちの一人が流木を拾いがてら声をかけてくれてこちらも挨拶を返す。

そのうち先輩が戻ってきたので舟をあわせ、網代崎まで一緒に漕ぐ。先輩はまだご飯を食べていない。腹が減ったし、これで帰ると言うので別れ、僕は風がまだ吹いてこないので沖網代、佃とちょっと足を伸ばしてから帰った。

結局風があがらなかったので思ったよりも距離を漕げたし、ポカポカで過ごせて良い日和。帰る頃には富士山の縦縞もだいぶとけて薄くなってた。今年もあと少し。気を抜かずに漕ぎ抜きましょう。




2020年12月12日土曜日

20201212 今年一静かな海

 風が落ち着きそうな土曜日があるので、カヤックを漕ぎたいという知り合いを何人か連れて大先輩のツアーで一緒に漕ぐ。三崎口の駅を降りたら雨が降っていて心配になったけど、クラブハウスで準備をしている間に雨はやみ、ドライレクチャーを終えて小網代の入江に浮かぶ。

日は差さないけど雲は薄く、風がないので漕いでいる間みんな体がポカポカ。水温も高く下半身はコタツの中。堤防を回れば小網代湾と同じような海が伊豆半島まで静かに広がる。とっても良い1日になりそうな予感。

皆初めてなので舟は右に左に向きを変えながら、時には人にぶつかったり。それでも漕いでいればなんとなく効率的な動かし方をそれぞれが見つけて、なんとなくまとまって進んでいく。

そうして荒崎で昼ごはんにあがり、その景色を楽しみながら、秋の最後の温かみを満喫する。来週からは本格的な冬の寒さがやってくる。その前に漕ぎに来てもらえてよかった。

昼の後はどんどん引きを覗いたあと荒崎の先端から江ノ島をのぞみ、かすかな水の動きに舟を任せる。うねりも風浪もないわけだから、これは潮が起こしているんだろう。

それではと南に向きを変えて小網代にまっすぐ沖を帰る。舳先からひろがるV字の波がはっきりとしている。雲の切れ目からお日様が見えてきて、ミルキーな極楽の漕ぎの時間。それが終わるのがもったいなくて、途中の小さな浜で小休止をはさんでお日様の残りを全身で吸い込んだら。そうして暮色のすすむ中を帰って舟をあげた。


2020年12月5日土曜日

20201205 北風すーいすい

 今日はみんなで東京湾を漕ぐ。八景島から出て三浦海岸まで 30km の定番コース。去年も同じ時期にやろうとしたけれど、北風が強く波が高かったので外には出られなかった。今年もちょっと風はあってどうだろうか。

始発で動いて海の公園の駐車場で大先輩と合流し、舟を浜に並べてみんなの到着を待つ。日が出たあたりから風と雨が強まって、あれあれを思いながらトイレの軒を借りて自分の支度をする。沖からは釣りのカヤックが帰ってきて、雨の中撤収していった。

デイパックや街着など、持ってきたものを全部カヤックに詰め込んで自分の準備は完了。そのうちにみんなも集まり出して、予定どおりにみんなの支度も済んでいよいよ出発。オサレな同期が見送りに来てくれ、浜に手を振りながら漕ぎ始めた。

八景島の北側を回り込んで狭いほうから東京湾に出る。去年よりも波はないのがわかる。これは行ってみましょうかね。住友のクレーンを目安に八景島の湾を渡り、強まる三角波の中をみんなでペロリと漕いだ。堤防の内側は少し落ち着いてるけど、大きな船で跳ね返る波がそれなりに波をごちゃごちゃにする。前漕ぎの主は休みが合わずこのツアーに参加できなかったので、数日前にソロでおなじコースを漕いでいる。ソロは神経を使うし、また一段と疲れたろうに、さすがだ。

住友の堤防を抜けたら、右手には米軍の進入禁止エリアが広がる。ここは海保が回っていて、声をかけられることも多いのだけど今回は素通り。この辺りから波の方向が落ち着いて、追い風追い波モードが確定。波に合わせてパドルをチョンチョン入れているだけで舟が先へ先へと進んでいく。猿島めざして、ぐらんぐらんしている灯浮標を過ぎる。


猿島の風裏で一休みした後、普段であれば馬堀にとりついて漕ぐことが多いけど、今日はまっすぐ観音崎を目指した。左後ろからの風、波をいなしながらちょんちょんと漕いで観音崎をまわり、たたら浜で昼休み。陸の上のほうが寒いのはいつものこと。30分ほどで用を済ませてまた海の上に。

久里浜までは完全に波の方向があわさって、みんなのペースがさらにアップ。バウが下がればパドルを回し、舟の走りに合わせて歓声があがる。ゴールラインは久里浜の堤防を回ったところ。滑り込んだらパドルも落ち着き、残りは岸べたで野比、津久井浜、三浦海岸までまったりと漕いで舟をあげた。30kmほど漕いだけど、風、波に助けられて体は全然楽だったなあ。

振り返ってみると、寒くて海況もきつめではあったけど、クラブのみんなで漕げば楽しい1日。普段より1時間以上早く行程を消化して、明るいうちにクラブハウスに帰って仕舞支度ができた。