小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2021年12月26日日曜日

20211226 禊サーフ

一年の集大成は、みんなで波遊びをして締めくくります。大先輩の車に集合し、馴染みのポイントに出発。現地集合組もいて、総勢7人でうねりのある海に漕ぎ出す。

ポイントまでは10分ほど漕ぐ。どこから来ているのか、三浦よりも大きなうねりに期待を膨らませながら、波遊びの場所までやってきた。SUPもサーファーも今日はいない。ここ一番の寒気で、日本海側は大雪になっているようだけど、太平洋側は気温の割には日が差せばあたたかだ。

波はとんでもなくいい。というか、選ばないと舟を壊しそう。大先輩もみんなに波を選ぶよう声をかけてから遊び出す。

初っ端は甲斐性のある先輩。それから何でもやる先輩、スリムな先輩と、順調に禊をすます。波に向かっていくときに後ろにひっくり返される。何度もロールをかます。上がったところに次の波が来ることもある。熱心な後輩はそんな中、三連続くらいロールをつなげて、たっぷりと水を浴びていた。大先輩もさすがにロールをかます。普段はロールの必要がない大先輩をひっくり返すこの波はさすがだ。


沖からココイチの波に長く乗り、岸に近づいて崩れ波を浴びながらブレースで耐え切ったらとても楽しい。耐えきれなくて泳いじゃうこともある。そうしたら、岸が近いから舟を流して追っかける。これはとても疲れる。浜に上がってずぶ濡れの体をおひさまに当てながら、呼吸を整えてまた波に漕ぎ出ていく。

陸に上がる方が寒いので、できるだけ海にいて昼飯もそこそこに波で遊ぶ。そうして日も陰ったころに、十分遊んだということにしてお開きにした。色づき始めた日差しの中、岬を一つ越えに水平線に向かってみんなで漕いでいく。そうして砂浜にみんなで無事に帰り着いた。

年末、透き通った日の光と潮をあびて、心も体もさっぱりと洗い流せた。これで気持ち良く新年を迎えられる。これからはまた日が伸びてくる。来年はどこ漕ごう。



2021年12月19日日曜日

エクストリーム昼寝 ///つとめる。よろしく。うどんや

カヤックを漕いでいての昼休み、晴れた日には昼寝に限る。クラブのみんなもたっぷりの日差しの中、浜に転がってヘソを青天井に向けていびきをたてる。

僕も大好きなのだけど、貧乏性なのか、ついカヤックを漕ぎたくてうずうずしちゃう。ぱっと昼を食べてすぐにまた海に戻りたい気もする。それに、日差しがあるとはいっても濡れたジャケットを風がなでると体が冷えていくのがわかる。

そんなモヤモヤの中、晴れてるのに風が強くて海に出られない日があり、ふと気がついた。こういう日にこそ昼寝をしに行こう。

つづらおりのウレタンマットと薄手の寝袋をリュックに入れて、なじみの公園に出かける。高校生の夏休み、時間を持て余して自転車で来ては、寝そべって本を読んでいたお気に入りの場所。


その場所にやってきて、マットを広げ、薄手の寝袋に入って日差しを受けると、体の芯まで熱が通ってくる。本も持ってきているけど、お日様の熱を味わいながら目を閉じてじっとしているだけで楽しい。目をあけたら雲ひとつない青空。綺麗な青と緑を楽しむ。



ここはいい。今までの趣味で、自転車を漕いだり、スキーをしたり、カヤックを漕いだり、狭いながらも動き回った中で、お気に入りの場所がいくつかある。川のそば、尾根の見晴らし、林間コースの雪の上。いままで見つけたそういう場所を巡って昼寝をしたい。

何かの趣味の途中で立ち寄るのではなくて、その場所にいって太陽の暖かさと周りの音、景色を味わいながらウトウトしたい。

昼寝のためだけにそこに行きたい。

そういう気持ちがむくむくと出てきた。これを勝手にエクストリーム昼寝と名付けて、海に出れない晴れた日はあちこち出掛けてみよう。どのくらいつづくかわからないけど、もし続いたら、年を食ってカヤックが漕げなくなった日でもいい趣味になるだろう。

日差しが恋しい時期がベストだからこれからがハイシーズン。次はどこにいこう。



2021年12月18日土曜日

20211218 予行演習

例によって朝のうちは風が強いけど、昼過ぎから落ちる予報。こういうパターンが本当に多いい週末。なにかいいうねりがあるような気がしてのんびりとでかけた。

次の日は芦ノ湖への遠足があるから、そちらに出る人は来ないだろうなと思ってたけど、はたしてスリムな先輩だけだった。

ちょっと先に出ていつものポイントで遊びながら先輩をまつ。今日は他に誰もいないポイントにまったりとした波が入ってきてる。先輩も追いついてきて、一緒にしばらくのんびりとした波を楽しんだ。

少し波が落ちてきたら、ポイント巡りに出かけよう。二人で漕ぎ出して、岩場のポイントまでやってきたら、ここはさすがにサーファーが4人ほど入ってた。思ったよりもうねりっけもあり、カヤックでは入れない波だった。

お目当てはその先のおめでたいポイント。ちょっと潮が上がりすぎたか、長くは乗れなかったけど、大きい波の立ち上がりで下に突っ込む感覚は練習できた。

たっぷり体が濡れたので、一休みしにまた漕ぎ戻る。途中、長浜で乗れるか寄り道しながらまたいつもの浜に戻ってきて、そこそこの昼休みでまた諸磯をまで漕いだ。

潮が上がりきった時間帯、乗れるかと思いきや、うねりが大きすぎて波が多方向から入り、せっかく乗ってもすぐに向かいの波で発射台状態。きれいには乗れず、ただ三角波に揉まれるバランスボールを楽しむ。

ここでもたっぷり体が濡れたので、日のあるうちに帰りましょうと漕いで舟を上げた。

クラブハウスには、四国の方に遠征に行っていた大先輩が帰ってきていて、今度は明日の芦ノ湖遠足の支度をしている。それを手伝いながら四国の話を聞く。

スリムな先輩は、素手じゃさすがにつらいと思案していた。次の週末は房総の禊サーフ、まだまだ寒くなるシーズンでもあるし、ミトンの手袋をおすすめしておいた。

2021年12月11日土曜日

20211211 この日に漕がなかったら

 

風なし、天気よし。この日に漕がなかったら一日うだうだ後悔すると思う。大先輩は知り合いと西の方に遠足に行っている。

そそくさとでかけて支度する。久しぶりに北に足を延ばそうかなと入江に舟を浮かべたら、名前を呼ばれた。どこだろうと見回すけど見つからず、こっちでーすとまた声がしてやっとわかった。

いぶりがっこ先輩と海慣れした後輩が一緒に歩いてた。南に行くと言う。昼頃に合流するかもー、と伝えて漕ぎはじめる。

海は朝から賑やかだ。手こぎの釣りボート、釣りのカヤック、遊漁船、モーターを外付けしたサップまでいる。座ってダブルブレードで漕いでる。

波はないし風はないし、そりゃみんな来るよねー。

調子に乗ってビュンビュン飛ばす。小田和湾を越えて立石に舳先を向けたとき、潮に乗ってる分GPSの速度が増し増しになってる。あまり行くと、潮を上り返すのが面倒だなあと思い始め、小田和湾の入り口でさっさと折り返した。

三戸浜の沖ではサーフ好きの先輩と久しぶりにすれ違い、プカプカ浮きながら世間話をした。最近は朝だけが多くて、今日は珍しく城ヶ島まで行ってきたそうだ。今日はいい日だもんね。

また南に向かう。結構話してたから、いぶりがっこ先輩達にはかなり先行されてるかな。諸磯を抜けて、釜根のあたりで、前方長津呂にカヤックが見えた。

追いつくと、レジェンド先輩とスリムな先輩。少しうねりのある中でマイクロプラスチックゴミを減らそうと、あちこち見つけては拾いながらのんびり漕いでる。

更に前には、オサレな後輩、海慣れした後輩、いぶりがっこ先輩の三人が馬の背手前に見えた。

示し合わせた訳ではないけど、総勢6人。集まって城ヶ島の赤羽根海岸に舟を上げた。ちょうど正午のチャイムを聞く。ここでのんびりと昼飯を楽しんだ。

写真はスリムな先輩から拝借

膨らんだ腹でまたみんな海の上に。のんびり帰ろうと思ったけど、諸磯でちょっと波に遊んでもらい、予期せず何度も水浴びする。日が短くなり、そろそろ日陰だと少し寒い。さっさと漕いで入江に滑り込み、明るいうちに舟を上げた。

さらにもうひとり、カッチリした後輩が出ていて、赤羽根目指すと出艇簿に合ったのだけど、帰り道どこにもいなかった。あれれと思って片付けてるうちに帰ってきて、話を聞くと馬の背まで行って、そこまでが赤羽根と勘違いしてて引き返した由。その穴の間岩をくるりと回り込めば僕らが見えたのに、惜しかった。これで場所をもう忘れないと言っていた。

2021年12月5日日曜日

20211205 風が落ちたら

なんにしろ土日の天気の巡り合わせが悪い。それでも、昼前から風が落ちてくれるのかな、という日曜にのんびりと起き出して漕ぎにくる。

仕度をして浮かぶと、まあ、それなりに風が吹いているかな。どうやらイケメン後輩が朝から先に出ているみたいだ。あんまり無理はしないとは思うけど、どこかで会うかなと北に追いかける。

昨日までの風で波が入っているかなと、今日はヘルメットを背負って出てきた。手に触れる水はぬるいけど、北風に吹かれるとすぐに冷えてくる。そろそろミトンの出番だなあ。ホイホイと漕いで黒崎の鼻が見えてきたら、舟をあげて芝生のパッチに腹這いに寝っ転がっている人が見える。

後輩は腰を伸ばすとか言って、漕いだ後によく腹這いになっている。彼に違いないと思って浜まで寄って行ったら、寝たまま顔をあげて会釈してくれたのだけど、全然違う人だった。ありゃりゃと思いながらこちらも会釈を返して浜から離れた。後輩はまだ先かな。

岩場のポイントまでやってきた。カヤックには良さそうな波が大きく入ってくる。さすがに何本かに一回はパスしないと、という絶好の調子。しっかり兜の緒を締めて。しばらく遊んでいたら、後輩が北からくだってきた。

後輩に寄って話を交わす。北風に荒崎の向こうまではみたけれど、さすがに海況がそこまでということで、佃と荒崎のあいだの浜に引き返してのんびりとしていた由。そこは、北風をブロックしてくれて、後ろの崖も白いせいか太陽も燦々と暖かい。これからの時期のお昼にはとてもちょうど良い浜。

朝よりだいぶ風が落ちてきたし、小田和湾を越えますか?という話もでたけど、今日は遠出する雰囲気じゃないかなと、もうしばらく波遊びを堪能する伝えて別れた。後輩はぷらぷらと南に漕いで行った。

こっちもしばらく遊んだら帰り道。ちょっと寄り道して、和田浜の端っこの川を遡ってみた。いけるだけいったら帰ってくる。黒崎の鼻の先にテントを張っている人がいる。それをぼんやり見上げながら黒崎を回ったら、岩場に舟をガリっとやってしまった。いけないいけない。

黒崎の鼻には、ウォーキングツアーなのか30人くらいの人の列が流れ込んでもいた。もうすぐ夕焼けの時間が近いけど、昼過ぎから出てきた雲で今日はイマイチかなあ。

俺の浜の沖くらいで南からまた上がってきた後輩と行き合う。夕焼けまで粘るあれでもないし、ゆっくりした感じで一緒に湾内に戻って舟を上げた。



2021年11月27日土曜日

20211127 ふらふら

ぐいぐいと日が短くなって、北風もだいぶ板についてきたそんな土曜日に三浦に漕ぎに行く。

クラブハウスにつくと、大先輩の車にはカヤックが何艇か積んである。明日の遠足の準備が万端だ。乗ってる舟を見ながら、誰がいくのかなんとなく想像する。

自分の薄い舟をしたくして入江に浮かぶ。水は暖かい。今年はタコクラゲを見られなかったせいか、秋をすっ飛ばした感じが強い。

とりあえず南に行こうと、網代崎を回って風の中に出ていく。諸磯、釜根、長津呂崎と追い風に調子よく漕ぎ、安房崎まできて思案する。

ここからは北東からの風が吹き抜けて、それっぽい雰囲気を出している。まずは宮川湾の風車下まで漕ぎ上がって様子を見ようと、バウからの飛沫を浴びながら向かいの中を漕ぎ上がる。

今まで宮川で舟をあげたことはなかったけど、ちょっと用事があって上がってみた。岸まで岩場なので気を使いながら。ベーグル屋の横を通って坂を登り、上のバス通りまで登って周りを見回し、気が済んでまた降りてきた。

これ以上先に行くのはやめにして折り返す。安房崎を回ってしまえば風裏の静かな海。三浦の堤防もベタベタを漕いで、そのまま海外町、黒台込、諸磯までやってきた。

灯台の入江はひっそりとしていて、数週間前のテント村が嘘のように誰もいない。上がっても良かったのだけど、ちょっと昼には早いかなと、またちょっと向かい風を頑張って荒崎にタッチして、結局いつもの浜に昼過ぎにあがった。

ここでだらだらとしてたらもう日没が近い。せっかくなので、海の上で日が落ちきるのを確認してから、さっさと堤防に滑り込んで舟を上げた。


もうちょっと遠出をしたかったけど、まあ、北風の中ソロだしこんなもんかなとも思う。あちこち上がって野暮用も進んだし、一日楽しんだ。

2021年11月20日土曜日

20211120 北風さんこんにちは

風がそれなりにありそうだけど、なんとなく土曜に漕ごうとクラブハウスにやってくる。入り江に浮かんでいつもどおりにヨットの脇を抜けていくと、なんだか空が霞んで富士山も見えない。まずは一人で諸磯まで行く。灯台の入り江はガランとしてて、冬がいよいよ来たかなあ。

思ったよりも吹いてないなと思いながら、諸磯の岩場で波遊び。今日は大潮で午前中は潮が高いからか、安心して長く遊べる。岩の間をすり抜けて、浜の様子を見て回る。

網代崎を回った湾内でしばらく浮いて待ち、筋トレ後輩と合流する。がんがん向かい風を漕ぎ上がりたい気分だというので、北に北に漕いでいく。荒崎の手前までは風裏だけど、小田和湾を覗き込むように岬を回り込むと北東の風にあおられて風浪がそれなりに寄せてくる。

湾を渡る気分にはなれないので、岸沿いに湾の奥まで進んでいこうと、北風に真っ向勝負。飛沫を顔に受けながら長井、斉田浜で折り返した。

帰り道は一点追い風追波。間隔の短い風浪にバウが埋まりながらガンガン漕いで俺の浜に休憩に上がった。

風向き的に裏なのに加えて日がたっぷりとあって暖かい。昼ごはんをすませたら、出発の時間を決めて横になったけど、まんまと寝過ごす。その間に、あとから出ていたおされな後輩が浜に上がってきた。

今日は亀城礁から沖網代とつないでいたら、北東の出し風が強くて、諸磯で岸によってのんびりとしていたらしい。これから北東の季節ですなあ。

その後輩と入れ替わりで僕ら二人は支度をしてまた浮かぶ。ちょっと諸磯の先にやぼ用があって、それを済ませに漕いで出た。そうしたら、今度は雰囲気イケメンの後輩が南からくるのに行きあった。こちらは剣崎までいってきた由。これまた宮川からの向かい風が大変だったそうだ。二人共この風でよく岸から離れるなあ。ご安全に。

南の用事も済んで、最後の向かい風を漕ぎ上がって網代崎を周り、静かな小網代の入江に滑り込んで舟を上げた。








2021年11月6日土曜日

20211106 長者まで

カヤックを漕ぐと肩の調子がよくなるというので、 筋トレ後輩と誘い合わせて漕ぎにくる。今日はちょっと北風が強めだけど、それをまたガシガシ漕いでみよう。

NZ先輩も来ていて、三人一緒に舟を出す。中々の風の中を漕いでいく。荒崎を回り、小田和湾を越えていく。まあ午後は落ちてくるでしょう。そうして着いてみると、期待したほど遊べる波があるわけでもなく、これから先に足を伸ばす感じでもなく、かといって長いする感じでもなく、またすぐに南に引き返していくことにする。

これはいつものパターンで、どこで休むか思案しているうちに、結局俺の浜まで帰ることになる。実際にそのとおりで、長者でタッチダウンした以外は淡々と漕ぎ続け、三戸浜あたりまでやってきた。そのあたりで筋トレ後輩がちょっとのんびり漕ぎ出して、ガス欠の腹をかかえて浜に上がった。

平日の休日を含めて結構漕いだので、肩はだいぶ動くと嬉しそうだ。まあこんだけ漕いだからいいかなと、あとは浜でまったりとしたら入江に戻って舟をあげた。

久しぶりに北に漕いだ気がする。そういえば最近大崎を見ていない。ちょっと海況をみてもう少し北まで足を伸ばしてみよう。

2021年11月3日水曜日

20211103 日時計

筋トレ後輩と申しあわせて横瀬島まで往復。とても良い海況。後輩は右が四十肩の様子で随分ながい。カヤックを漕ぐと少し具合がよくなるという。週に三回ぐらい漕いだらすぐ治るんじゃないかと言っているが、週三はなかなか難しい。漕げるときはできるだけ漕ぎましょう。

帰り道、三崎の堤防から諸磯の灯台を見ながら、ちょっと手を止める。デッキに落ちる自分の影を見ながら、その影の長さで日時計を作れないかと、馬鹿な話をしていたら後輩がちょっと疲れたみたい。

諸磯の灯台の入江までさくっと漕いで舟をあげ、ちょっと賑やかな浜に邪魔させてもらう。

ちょうど良い時間に昼寝をして休憩をしたら、のこりをのんびりと漕いで舟をあげた。

2021年10月30日土曜日

20211030-31出て、帰る

ちょうど去年の今頃、クラブの遠足でしまなみ海道を何泊かしながら漕いだ。その帰りの車中で、自立したカヤッカーという言葉が大先輩の口からでてきた。家から出発して帰ってくるまで、一人で考えてこなし、安全に過ごす。

小網代周辺でなら、それなりに漕いで日帰りするようにはなれたけど、知らない海岸線を何日もふらふらと自由に漕いで回れるような境地には程遠い。今年に入ってまたそれを実感する。

遠いなら遠いなりに、まずは地元をふらふらしようと、家の近辺で一泊することにした。家から全部一切合切をカヤックに詰め込んでカートで転がし、近くの浜まで歩いていく。

この時期の日の出はだいぶ遅くなった。海沿いの歩道を歩いていると、声をかけられる。

「釣り?」
「いや、漕ぐだけです。そちらも釣りですか?」
「いや、伊勢海老。忘れ物しちゃって取りに戻るところ」
「お仕事ですか。今日は良い海ですね」
「うん、凪だね。気をつけて」
「ありがとうございますー」

海で漁師さんに声をかけられると、何故かいつも緊張するけど、今日は会話の内容にほっとする。

浜に荷物をおろして支度を始める。分割して入れ子になったパーツをコクピットから引き出して、全部つなぎ合わせたら、今度はハッチにキャンプの荷物を詰めていく。寝袋、テント、着替え、諸々。カヤックカートもタイヤを外してハッチに詰める。なんだかんだで小一時間。準備ができた。


そっと水に浮かべて、前後のバランスが気になりながら、普段より重い舟の手応えを味わいながら、北に向かって漕ぎ始める。軽く10キロほど漕いで、スーパーに買い出しに行こう。そうだ、その前に、クラブに寄って眞露の4Lペットボトルに水を入れていこう。クラブでは筋トレ後輩といぶりがっこ先輩が支度をしていた。二人は買い出し漕ぎに付き合ってくれる。

小網代湾を三人で出てくる。風が落ちると思ったらまだまだ強い。向かい風に気合が入ってよっしゃよっしゃと漕いでいく。荒崎を回ると真正面からの風になる。さらに気合が入ってこいでいく。ひとしきり飛沫を浴びて、小田和湾の奥まったところにある公園の浜に舟をあげた。

二人には公園でのんびりしていてもらい、自分は地元のストアで明日までの何食分かの買い出し。ビニール袋を提げて公園に戻り、これをコックピットに押し込んだら、そのままキャンプ地にとんぼ返り。もろもろ荷物を積んだら、食べ物を入れる場所がない。4Lペットボトルはシートの後ろ、買い出しのビニール袋は足の先、どちらもコックピットの中に。

またほいほいと漕いでキャンプの浜まで戻ったら、僕はクラブのオンライン出艇記録を上陸済みに変更する。先輩と後輩の二人はまだ出艇のままだ。クラブまで帰らなくちゃいけないのだから当然だ。一方僕はカヤックに全部積んであって、ついたそこが今日の家。

昼飯と昼寝を二人はのんびり楽しんで、日が低くなった頃に帰っていった。僕は一人で身の回りの支度を始め、日が沈む前にテントや食事の諸々を済ませ、日が沈むのを見ながらあとは好きなだけのんびりとした。


日が落ちて真っ暗になってしばらくした頃、何かが爆発するような音がしきりにしてなんだろうと思っていると、時折海の上に火柱のようなものが上がっては消えた。はじめは雷の音か、大きな船のエンジンをかけたのかと思ってたけど、その火柱で伊豆のどこかの花火が見えてるのだと気がついた。あとから調べたら熱川の花火だったらしい。鯵たたき丼の錦、まだやってるかな。高磯の湯からこの花火見えたら最高だろうな。花火が終わったら海も静かになり、自分もテントに入ってぐっすりと寝た。


明るくなって目が覚めた。携帯で天気予報を見ると、昼ころから雨が降り出しそうな予報に変わっている。というか、この時点でポツポツと感じる。ゴロゴロしてようと思ってたけど、本降りになる前に撤収しようと、さっさと身支度を終えて舟をだし、クラブに寄り道して空のペットボトルを返す。大先輩は、今日は西伊豆に遠足の日だったから、もう車ででかけた後だった。あとは家の近くの浜までちょろっと漕いで、またカートでコロコロと引いて家まで帰った。


これで家から出て一泊し、帰ってくるまでやれたことになる。あとは一日の中でどこまで漕いで、どこで舟を上げるか、そういう判断を繰り返していけばいいんだろう。水を歩いてどこまで行こう。カヤック楽しい。

2021年10月24日日曜日

20211024 こっそりソロ

クラブの前の神社の例大祭とかで、日曜の午後いっぱい舟の出し入れができないと連絡があった。それなら家から出そうと、前の日から準備しておく。

土曜は風が強くて出らんなかったけど、日の入りは良い感じだった。近所を自転車で走り回って、良さそうな場所を探す。

日曜は日の出で起きて、舟をコロコロ転がして行く。ついついクラブから薄い舟で出ちゃうけど、分割艇乗るとキャンプツアーを思い出して、違うウキウキがある。

この週末は大先輩と何人かが関西方面に遠足してるし、お祭りもあるしで、今日は誰にも合わないだろう。そのへんの浜からこっそりと漕ぎ出した。

まだ北風吹いてるなあと思いながら、でも汗かかなくて丁度いい。荒崎目指して漕いで、荒井浜の沖くらいにきたら、何でもやる先輩が橙色の舟で行き会う。午前中勝負で漕ぎに来たのだそう。少し世間話したら、まだまだ職場は色々と気を遣う感じみたいだ。一緒にたこ焼きパーティーできるのはまだ少し先かなあ。

それで別れて僕は荒崎まで。公園が開いたからか、浜には人が一杯来ていて、めいめい遊んでるけども、ここは割とずっと日陰な場所なので寒そう。

折り返して佃、一本乗って楽しむ。途中、南からきた大所帯のカヤックグループとすれ違いに挨拶する。二十艇くらいはいたんじゃないか。

次のキャンプに向けて、浜で少し試したいことがあったので、俺の浜まで岸寄りで漕いでたら、沖からさっきの大所帯が小網代方面に漕いでくるのが見えた。

俺の浜前でまたすれ違いながら、小さい浜に先に上がらせてもらい、カヤックの荷物をゴソゴソいじって試したいことがなんとなくできた。

そうしたら、小網代までいってかたのか、一旦先に進んだ大所帯が戻ってきて、小さい浜に上がりだした。あら、大きい浜に上がるかと思った。すみませんと挨拶して自分の荷物を片付けた。

今がカヤックのベストシーズンですよねーと世間話に声を掛けてもらい、賑やかな気分を貰ってから、また一人で漕ぎ出す。ちょっと小網代入江まで周り、油壺も入りでのんびり岸寄りを楽しんで、また家のそばのこっそりした浜で舟を上げた。

クラブと違うのは、ここからカヤックを引いて坂道を登らなくちゃなので、落ち着くにはあと三手間くらいあるけど、全部ソロで完結できているのは味わいがある。

2021年10月13日水曜日

20211013 スポンジロール

 予報は雨。でもそんなの関係ない。濡れて泳いで明日ぶデー。朝に大先輩の車に集合してサーフ遠足にレッツゴー。その車中、クラブのビルジスポンジを新調したので、ゆめゆめ無くさないようにという話になる。沈脱、とくにサーフの中で沈脱し、水を抜くなどすると、コックピットの中のものが流れ出し、気づかなかったり見失ったりでなくしやすい。その一番頭がスポンジ。そのためには沈脱を減らさなくては。

久しぶりのサーフ遠足。馴染みの六人で浜に舟を並べ、浜に打ち下ろす波をくぐってポイントにはいる。今日はサップもサーファーもおらず、ぼくらだけだった。

波の調子はちょうどよく、楽しく遊べるギリギリの大きさ。これ以上大きかったらシーカヤックだとめんどくさそうだ、という一歩手前の滑らかな波が、沖から沖から寄せてくる。昼飯もそこそこに、朝から夕方までひっきりなしに乗りまくって、今年のこれまでのストレスを追い出した。

いよいよお開きというところで巻いた波のタイミングが悪く合ってしまい前転をかます。舟が左ロール側に止まってしまったので苦手だけどそのままロール。パドルの角度がうまくあってなくて何度か失敗し、素直にロングロールでフェースの角度を確認してから上がった。スポンジなくさずにすんだ。危ない危ない。カヤックがまっすぐ立ったと言われ、大先輩が動画に撮っていたから楽しみだった。結果、ばっちり撮れていたので、切り出して拝借する。自分のカヤックが立つのは初めて見た。ほほー。

大先輩から拝借

そうしてめいめいが最後の一本を終えて浜に戻る。誰もスポンジはなくさずに終わった。めでたしめでたし。沈脱もちろんあったけど、無くさないようにと思っていると、脱った時に周りを確認するし、また、きちんとロールして脱らないようにしようと意識する面もあったと思う。

ロールの最初の肝は、セットを反射的に行えるまで反復しているかどうか、だと思う。練習でロールはしていても、不意に沈した時に「ロール or 脱」の二択を意識するようではロールはできるようになっていないんじゃないだろうか。無意識のうちに自動的にセットをし、トライする。それが失敗した時に初めて、「アゲイン or 脱」の判断が意識に上ってくる。

今まで、練習ではできても実際の場でなかなか成功しなかった後輩が、この夏の練習の成果か、ふとバンバンロールが上がるようになった。話を聞いてみると、「脱」という選択肢がだいぶ消えたと見えて、沈した時に体が自動的にセットに入ったという。キャンプツアー中に岩の陰から崩れ波をくらって沈したときも、「シュラフ濡れちゃうかな」と考えながらセットに入っていたという。そこから脱の選択肢はもう消えている。その成果はこの日も生きていて、ロールの上がりざまにまた崩れ波で沈して、で都合三回のロールをきちんと上がりきってた。それで自信がついたのか、より大きな波を待って乗れるようになり、効率的にたくさん楽しめるようになった。これで波乗りが急速に上達すると思う。


ロールの話を書いたので、実践的なロールの要点を一つ書いておこうと思う。あくまで個人的な嗜好だけど、それはあがりきった瞬間の体勢が、フォワードストロークのフィニッシュとほぼ同じになること。体は立って、パドルのパワーフェースは水面に垂直で水から抜く瞬間。そうでないと、次の波から逃げたり、岩場から離れたり、次の一歩に遅れが出る。上がったら、まるでフォワードストロークを直前までしていたかのように、そのつながりで次のフォワードに入る。そういう意味で言えば、ホワイトウォーターで CtoC がスタンダードなのはすごく納得できる。

体が極端に後ろにのけぞったり、前のデッキに前傾したりして上がってくるロールは少なくともサーフのように常に水が動いているところでは使わない。後ろにのけぞるのは、膝のかかりが悪くても上げやすいので、余裕がない時にやることはあるけど。逆に、前デッキにべったりで、パドルを低く構えて上がってくるようなロールは使い所がない。顔をあげて辺りを見回し、パドルを構えてと、どうしてもテンポが悪い。

今回の遠征では、そういう実践を左右両方やらされた。波がロールのブラッシュアップを手伝ってくれた。夏の終りのいい区切りになったと思う。


2021年10月10日日曜日

20211009-10 羽根をのばす

 波はかえってもまた寄せるものだから、引いている間にできるだけ羽をのばそう。今日はみんなで近場でキャンプなどをしてはどうだろうということで三崎口に朝に集合し、大先輩の車で一泊分の食料を買い出しによってからクラブで舟を支度してみんなで漕ぎ出した。

今日はクラブのシェア艇を借りてそこに荷物を積んだ。最近できた分割式のアリュートパドルっぽいやつで漕いでいく。遊び上手な先輩は見送りで、途中赤羽根海岸でお昼にするといって浜に向かってそれていった。僕らは上陸せず、そのまま安房崎から先へと進んでいく。長津呂崎から強まっていた向かい風がさらに強まる。目的地に向かって風との真っ向勝負。淡々とパドルを回す。

途中、クラブの何人かが先に出て、第一候補地の様子を見にいった。そろそろついた頃だろうと海上から電話で連絡してみると、果たして先客がいたということで、手前の別の場所に目標を切り替えて、それでもまだ風との真っ向勝負は続く。都合4時間を上陸せずに漕ぎ通して今夜の宿に舟を上げた。ビジターさんはよく頑張ってくれてた、お疲れ様。

大先輩には色々連れて行って貰っている。日本海が多いのと、あと一回瀬戸内も漕いだ。キャンプをして、また来たいなと思った浜がいくつかあるけど、三浦半島も全然負けていないと気づく。一日漕ぎまわる中で何気なく通り過ぎてしまっていた浜も、泊まりに上がってみると、遠征での浜と比べても一二を争うじゃん。

八景島から逗子までだったら、一日あれば回れちゃうくらいの手頃な半島の中で、いろんな海を経験できる。ここで身についたカヤック力はどこでも自分を自由に動かしてくれる。それは常々思っていたけど、加えてキャンプの楽しみも十分に受けとめてくれるなんて、そのありがたさといったらない。そしてなにより、クマが出ないのでぐっすり眠れた。

朝はもともとのんびり出発と決めていたので、朝にざっと降った雨の間、テントで本を読んで過ごす。気がせいたかすでにテントを畳んじゃった何人かが、大先輩と雨の立ち話をしているのが聞こえる。その雨雲が西に行っちゃうとすっきり晴れて、寒かった朝からは嘘のように暑い。落ちていく追い風をのんびりと漕いで、どこも寄り道せずに小網代の入り江に戻って舟を上げた。

(大先輩から拝借)
  


2021年10月6日水曜日

20211002 またひと夏

世間の騒がしさに一喜一憂しながらまたひと夏が過ぎます。台風が房総半島をかすめて過ぎた。普通なら強まる吹き戻しの北風が以外に穏やかだった一日。太平洋のうねりを感じながら一日漕いだ

白み始めた空をみながら歩いてクラブハウスにつき、日の出とともに舟を出す。久しぶり、というわけではないのだけど、何日かキャンプの舟で漕いだので、おっとと、こんな感じだったねと、少しもそもそと体を振り込んで薄い舟を試しながら堤防を回っていく。

もちろん台風の残りを期待して出てきたのだけど、網代崎を見る限りは案外おとなしい。ずっと北寄りの強風だったから、おちるのも早かったんだろうか。

それでも近場のポイントにはもうSUPなど人が出ていて、その中にサーフカヤックで入っている知り合いがいた。寄って行って挨拶をして、ここのところの世間話をひとくさりする。

波をそれなりに待つ感じだったので、話がすんだら漕ぎ出して他を行脚して回る。狭い岩場のポイントは暴力的な波が入り、そこに6,7人のサーファーが浮いている。こちらもみんな朝がはやい。

それを横目に見ながらの場所でひとしきり遊ぶ。ここはうねりがあって潮が低い時、凄くいい。ぐらっしぃナぐりぃーんうぇーぶってやつを堪能する。 実にカヤック向きの良い波。スピードに乗って広い緩い斜面を右に左にスラロームをきる。

そのうちに筋トレ後輩が出てきそうな時間になったので、のんびりとパドルを回して入江に一旦戻り、仕切り直して一緒に漕ぎ出す。

網代崎の岩場は静かで、その先のうねりはおくびにも出さない。岩場の上をするりと抜けて諸磯の手前までくると、油壺から次々に漁船が出てくる。クラブに歩きながら上の道から見た湾は、台風を避けて油壷に逃げ込んだ船がいっぱいにしてた。その船が次々とでて来ていて、諸磯側に渡る隙間がない。まっすぐ抜ける船もあれば、すぐに北に針路を変えて、沖網代方面に抜ける船もある。その間でソロソロ、オロオロとパドルを回し、心を決めたらダッシュで諸磯に渡った。

諸磯からさきはうねりのギアが一つ上がる。まだ潮が低いけど、上がってきたら岩場の中が楽しそうだ。まずは先に進んで、釜根、長津呂崎、安房崎まで太平洋のうねりを岸から大回りで楽しみながらやってきた。

横瀬島方面をみやると、東風崎の灯標が立ってるあたりで白波が見える。沖を回って行けなくもないけど、行かなくてもいいですよねと後輩の弁。それで引きかえすことにした。

諸磯まで戻るとまだ潮がちょっと低い。舟を壊しに来ているような波が立ち上がって崩れ、岩場に浴びせ倒す。そんな波の隙間を抜けて灯台の入江に入ると、子どもたちが浮き輪でスノーケリングしている静かな水面。諸磯は天然自然の防波堤。

帰り道にちょっと油壷の湾に寄り道をする。諸磯の灯台で渡るよりも、油壺の湾に入ってから渡ったほうが、漁船のスピードも遅いうちだから渡りやすいと思って。それに、まだどのくらい船が残っているか見てみたい気持ちもある。油壺の折れ曲がった湾に入って、ちがさき丸とか色々の船の名前を見比べながらひょいと湾の向こう岸に渡り、また岸沿いに油壷から出ていった。

昼ごはんに決めていた俺の浜によってくるとちょうど12時の鐘がなった。小学校みたいと後輩がつぶやいて舟を上げた。今日は朝が早かったから、まだ強い日差しに熱を持った小砂利の浜に寝っ転がり、しばらく昼寝。

しゃっきり目が覚めて、最後にもういっちょと荒崎まで往復した。朝遊んだ場所は、潮が上がって波が厚くなりすぎたけど、崩れ波はより大きくなって巻かれて楽しんだ。そうしてもう一周、一通り行脚して舟をあげた。

夕色が出てきた湾をみながら帰りの坂道を上がる。海はいつも同じだけど、周辺の人の動きは複雑だ。面倒くさい辺りは避けて通ろう。カヤックはどこにでもいける乗り物だから。

2021年6月26日土曜日

20210626 江ノ島

 世の中の上がり下がりの間、一息つくまがあるかないか、その隙間を縫ってちょっと距離を漕ぐ。

行き先は江ノ島。分割艇をあらかじめ前日にクラブに移しておいたので、クラブからのスタートあんどゴール、行きは沖をまっすぐ、帰りは岸ベタでの鉄板コース。

行って帰って45km強。平均時速5kmで考えて、なんだかんだで10時間は海に出ていることになる。それだけいれば何かしらあるもので、それをチームでなんとかする良い実践でもある。

今年は四人乗りのコンコルドがないなと思っていたら、大先輩がタンデムを一艇出すという。レジェンド先輩と二人がタンデムで、道中何かあってもタンデムをローテーションすることで対応の幅が出る。

支度をして堤防から出てみれば、べったべたの凪の海。午後の風の上がりは気になるのもの、午前中は楽々ペースをつかみ、常にくっきりと見える江ノ島をめがけて漕いで行く。今回はタンデムを目標にきめて、その斜め後ろを一定の距離でコバンザメのようにくっついて漕ぐことにした。


他の舟から一定の位置を保って漕ぎ続けるにはそれなりに気を使う。いつもちょこちょこと細かいコントロールをする必要があって、そのうち疲れてくると、そういうのが面倒くさくなって自分の真っ直ぐで漕いじゃうこともある。それをせずに、今日一日をコントロールしきって漕いでやろうというのが今年の目標。

なんとか漕ぎきって帰ってきてみれば、これ以上ないという海況に恵まれ、みんなで笑顔でゴールした。自分のカヤックメモ帳にはページ一杯の出来事が書き込まれたけど、それをここに書いてもはじまらない。これは実際に来て、やってみて、そういう類いのものだなと気づいた。それでも思い出のよすがに、幾つかの単語を並べておこうと思う。

ムカデ
レジェンドナイト
あおり漕ぎ
トビウオ
江ノ島で溺れそうになった話
橋の上のアッキー
差し入れポカリ
フランスパンより美味しい物
激浅タンデムサーフ座礁
レジェンドは小田和湾がお嫌い
差し入れエビス

クラブでのツアーはいくつかあるけど、この江ノ島往復はその中でも一番のおすすめ。自分一人の力だけで江ノ島往復するのはある意味簡単だ。グループで、きちんとリスクを抑えた中で、このようなツアーを経験できるのはとても貴重だと思う。ですので...

あなたも一緒に江ノ島往復にチャンレジしてみませんか? 来年ぜひ。

2021年5月30日日曜日

20210530 自前でやる

家から一人で舟を出す。二個口になっている分割カヤックを、一つはカートに乗せ、もう一つは背中に背負って、夜明けの早い朝、コロコロ歩いて海辺に出る。

家から10分ほどで入江にでて荷物を下ろし、5つのピースを連結していく。すぐそばを川が流れていて、小さな藪蚊がワンワン出ていて鬱陶しい。帰りは家から少し離れるけど、蚊のいなそうな場所で上がろう。

舟が組み上がった頃には日は高くて、時刻は早いけど朝という気はしない。カートやら袋やらを舟のハッチに詰めて入江に浮かんだ。

最近は薄い舟ばっかり乗ってたから、自分が縮んだかと思うくらい舟が大きい。キャンプツーリングに思いが飛ぶ。

小一時間漕いで小網代のクラブに寄り、薄い舟の細々とした用事をすましてまた漕ぎ出す。昨日の風で波があるかと期待したけど、いつものポイントは今ひとつ。

それなら距離を漕ごうかと南方面に漕ぎ出したらホイホイと剣崎で折り返し、横瀬島で少し長い昼休憩になった。その後は、サカサカと漕いで、舟をバラすつもりの浜までやってきた。

随分潮が引いてて、上げたそばで舟をバラし始めたら、実は2つ隣の浜にズレて上がっていて、このままじゃ道路に出れないから正解の浜までバラした舟を手で運ぶ羽目になって失敗した。

ともあれまた一つはカートに乗っけて、もう一つは背負って、それでちょっと遠くなった帰り道を歩いて帰った。

なにげに、船をバラすよりも他の装備品を塩抜きして干すのが面倒くさいと気づいた。クラブだったら、PFDもスカートも帽子も一切合切ハンガーに引っ掛けて外に吊るして置けば、水がボタボタするのも気にせず勝手に乾くけど、部屋の中だと勝手が悪い。クラブのシステムの便利さに納得。

ともあれ、日のあるうちに片付いてあとはのんびりした。そう言えば、城ヶ島の南はいつもどおりうねりが有って楽しかったな。この舟だと外海っぽく感じれてロマンがある。また早く漕ぎたいなあ。


2021年4月23日金曜日

20210423 前転

仕事や世間の波の合間を縫って、狙いをきめて漕ぎにでる。尾根筋から下る小網代への道で、木陰を抜けてくる風にジャケットのチャックを上まで閉めた。それでも、クラブハウスで支度をしていると、日差しの中の熱は確実に強まってる。


さて行きますかと、入り江の静かな森を見回してから漕ぎ出ていく。波がなかったらのんびりと南の方に漕ごうか、波があったら近場を転々と散歩をして回ろうか、特に行く先を決めずに小網代の湾から出てきた。網代崎をみると、台風2号からのうねりがしっかりとある。よし、近場をぐるりと回ろう。でも、今日はスタートが遅かったし北風もまだ強いから、荒崎までで小田和湾は越えないほうがいいな。


大筋決めて漕ぎ出すと、近場のポイントにはすでにサーファー・SUPが入っている。平日というのにお互いやりますな。沖からかすめて会釈しつつ先に進む。ここはパス、そんなに波もないしねと、すっぱい葡萄の狐を思い出しながら、でもお互い怪我したら良いこと一つもないからね。カヤックは波を探して20kmでも動ける。そして移動自体も楽しい。


結構向かい風だなーと、重いパドルを感じながら岩場の狭いポイントまで漕いできた。こっちもすでにサーファーが一人いる。ここのサーファーは態度が荒い。近づくだけで、向こうから寄ってきて強い言葉で追い出しにかかる。近寄らないのが無難。


それで、次はおめでたいポイントまでやってきた。ここは潮位が低い時にわりといい波が立つけど、僕ら以外が入ってるのを見たことがない。波待ちポイントで振り返ると、松の岬の向こうに富士山が見えて、どこか目出度い気分になる。今日の富士山は、のっぺりした青で塗りつぶされて書き割りの富士。


ここは大きめの波がちょろっと立ってすぐに落ち着くし、行った先が広く深いので、大きい波に安心して突っ込める。突っ込めば、しょっぱなから横乗りやロールでビショビショになる。慣らしが終わってココイチの波に突っ込んだら、バウが完全に沈んで前転した。それでも底にはつかない深さだから舟が傷む心配もない。いいねえ。大きい波のスピード感は格別で、ハルが水面を跳ねるポンポンという振動をお尻で楽しんだ。


しばらく遊んだら、これからどんどん潮が上がっていく時間帯。サーファー・SUPには乗りづらい波になるかなと、またポイント巡りに勤しむ。岩場は波が落ちず、サーファーが二人に増えてた。近場はSUPが岸に上がって波待ちをしていた。カヤックでなら乗れるかなという波をだいぶ待って一本のり、諸磯のほうまで足を伸ばした。


諸磯は南からのうねりがもろにぶち当たって、いつもの波待ちポイントで盛大に巻いてる。波はあるし、潮はまだ低かったしで、何本か巻かれてロールしたあと、灯台の入り江に上がってすこし様子見をした。舟を痛めそうだったし、低い水温を渡ってきた風に濡れて吹かれると、波待ちが少し寒い。地面からの熱に心地よくなりながら、潮が上がるのをのんびり待った。


少しは上がったかなとまた出ていったけど、波の巻き方がバウを刺しそうなので、いつもは邪魔な岩のさらにその先の落ち着いた場所で乗る。波があるので、それでも十分楽しくやれた。諸磯はポイントに両側から波が回り込んできて、乗ってる最中の真正面からも波がやってくる。一本乗り終わった場所で待っていると、反対の波でまた帰ってこれて、行ったり来たりの波遊び。


最後にもう一箇所、俺の浜のポイントで一本。大きいのに合わせたら、ちょうどバウが落ちて今度は底に当ててしまった。ここは浅いんだ。それで本日二度目の前転。ちょっとやりすぎた、これが潮時と戻って舟を上げた。


一日を通してあちこち漕ぎまわって、潮の高さでどこかしら遊べる場所があった。シーカヤックで楽しい波のピークは、サーファー・SUPの波とちょっとずれていると思う。三浦のいろんな海、お互い気をつけて一緒に楽しみたい。


2021年4月18日日曜日

木賊をさがして


暇があればカヤックをしていたいと思うけれど、中々そうも行かないこともある。休日の海況が悪いこともあるし、家のこともあるからそうそう毎日漕ぎにでるのも憚れる。そういう時にも、家の中で少しでも海やカヤックに触れてたいと思ってた。

ある時、お昼に上がって休んでいた浜でぶらぶらしていたら、トコブシの貝殻がとてもきれいなのを見つけた。それで、自分の指輪から貝のパーツがいくつか抜け落ちているのを思い出した。

ぐるりと20個ほど三角形に切られた貝が嵌めこまれているうちの、数個がなくなってた。ちょうどいいやと、最初はアワビの子供だと思っていたトコブシの殻を持ち帰り、割って削って形を合わせ、欠けた場所にはめ込んで、満足した。いつでも三浦の海を身に着けていると思えるのは悪くない。一つ、また一つと嵌め込んで、都合半分程はもう三浦のトコブシに置き換わってきた。


その次は、正月の三が日に、割り箸を捨てるのがもったいないような気がして、見様見真似で適当にカヤックのミニチュアを作ってみた。それにちょっと興が乗って、伝統的なグリーンランドカヤックの作り方を調べ、それを真似て  1/10 のサイズでもっとちゃんとしたものを作って見た。

子供の頃には、図工が嫌いでしょうがなくて、作品を完成させたことなどついぞ無かったのに、歳をとって気が長くなったのか、ちょっとずつ作業を進めて完成にたどり着くことができるようになったようだ。


ミニチュアを大先輩に見せたら、削りかけのグリーンランドパドルがそのままになっているのを、大先輩が僕にくれた。その材は作りかけの途中に誤って折っちゃったけど、一本、ちゃんと完成したいと思ってホームセンターで 1200円の米松を買ってきて作ってみた。これは中々思ったような重さと出来栄えが難しく、次の、またさらに次のと作って、今の所片手の程の本数を作ったけど、まだまだ作ると思う。折っちゃった大先輩の材はその後、うまく他の材を組み合わせて一本のパドルに仕上げられた。どこかに引っかかってたトゲが抜けて良かった。

まあまあ良くできたと思えるようなパドルには、雪月花をテーマに、月だったり桜の花だったりを、これまた三浦のトコブシの殻で螺鈿をして勝手に満足している。まだ雪をやれていないので、次こそは雪で作ろうと思う。


そうして、鉋やノミを研いだ砥の粉がでたり、木のクズが溜まってきたりすると、どうやらこれで金継ぎができるようだと気がついた。

漆を買ってきて、自分の気に入ったぐい呑や茶碗の欠けを繕って、だんだんと金継ぎの道具や材料が増えてきた。

漆の表面を研ぐのに、いろんな方法がある。近代的な方法としては耐水ペーパーが思いつくけど、これは器の表面に傷がつく。器に優しいのは、じつは伝統的なやり方の炭や木賊のほう。炭でいくら器をこすっても、釉薬のガラス質の表面は傷がつかず、漆だけを見事に研げる。

もちろん、研ぎ用には最高級の駿河炭というのが売ってはいるのだけど、ここでも三浦の浜が活躍した。浜で砂をザラザラと手で掬えば、炭の屑がいくらでも見つけられる。ちゃんとしたものではないけれど、別に自分の器を直して悦に入っているだけだから誰も困らない。

ところが、炭だとちょっと研ぎが荒いので、木賊のほうが細かく表面を仕上げられるらしいと知った。なので、次は三浦の浜で木賊を探そうと、晴れた大風の日に三浦のあたりをぶらぶらしている。

カヤックが今の所、螺鈿、ミニチュア作り、木工、金継ぎと流れてきている。この風が吹いたら的な繋がりを、なんとかカヤックに戻して循環させたいのだけど、木賊の次がどうなるか先は見えない。見えないながらも漕いでいれば、次の岬を一つずつ越えて、そのうちまたカヤックに戻るかな。

2021年4月17日土曜日

20210415 房総サーフ

世の中の波を交わしつつ、近場で少し足を伸ばす。東京都はかわしつつ、大先輩の車に数人で乗り込み、平日の道路をレッツゴー。

風と波の予報は結構強くて高い。久しぶりのサーフ行であるし、薄い舟を持ってきてもらっていたから、ちょっとビビりながら、でもワクワクしながら、みんなと海の様子を予想しながら車は進んでいく。

目的の浜についてみると、思ったほどは波がない。うねりはきれいに入ってくるけど、九十九里側はクローズというのとは違った様子。サーファーやSUPの人たちも陸から眺めて、波が上がるのを待っている様子。これから潮が下がるのを期待しているようだ。

カヤックは、海で浮いてる分には暖かだから、すぐに支度をして海に浮かんでいくらでも波を待てる。目の前の海は、色がはっきり2つに分かれてる。底が砂の半分は色も明るく、気持ちよく乗れそう。もう半分は底が岩で春の海藻が立ち上がり、水面に流れて色が黒い。どんどん漁師が入ってきてワカメかなにかを採っている。こちらのほうが波はいい。

大先輩は漁師がいる波の良い方に漕いで行くので僕もついていく。波がきたきたと思ってパドルを差すと、からまる海藻に掴まれる春の風物詩。後から入ってきたSUPの人たちが海藻エリアまでやってきたけど、あまりおもしろく無かったようで、明るい方に戻っていった。

潮が下がりだし、そこからまた上げ潮に転じて、いればいるだけ波が良くなってきた。このころには、サーファー、SUP、漁師、全員あがって僕らだけになった。午前中は波を待つ感じだったけど、今は待つ暇がない。長く乗って戻ってきたら、すぐに次のがやってくる。結局、大先輩が上がろうと言うまで、用足に一度浜にあがっただけでずっと遊んでいた。都合五時間くらいか。

他のメンバーもめいめいの場所で波を楽しんでた。一緒に沈脱して浜に打ち上がってた二人は一番の敢闘賞だねーと、帰りの車中でにぎやかに失敗を分かち合う。世の中の波もまた次のうねりが来始めているようだ。ピークをうまく交わしながら、隙間を見つけて楽しもうと思う。

2021年4月9日金曜日

20210409 横風チャレンジ

そういえば、今年はまだ森戸神社まできちんと行っていなかったと思って漕ぎに行く。午前中はまだ北東よりの風が続くので、横風チャレンジにちょうどいい。最近、横風の中苦労することが多い気がする。

もう桜は全部散った。日差しには熱がこもり出したけど、海の上を吹いてくる北風はまだ冷たくて、冬のさり際を感じさせる。晴れた空の下、向かい風を漕ぎ上がり、荒崎。風がまだまだ強いので、ちょっと長井沿いに中まで入ってから小田和湾を渡る。

期待していたうねりは全然なく、ちゃぷちゃぷの風浪を突いて長者を目指す。波遊びができないのを確認したら、またパドルに力を込めて名島の赤い鳥居を目指す。このエリアは平日というのににぎやかで、SUPと何回も行き合う。

鳥居について北側に回り、その先の大崎と稲村ヶ崎を見る。大崎でも波はないだろうなあ。目をこらしても、何の盛り上がりも感じない。さっぱりと諦めて森戸神社脇の川に滑り込む。そこから神社を見上げて三浦のカヤッカーの安全を祈る。もちろん僕ら自身も精進して安全航海に励みます。

年明けの恒例がやっとすんで、岸沿いをのんびり帰る。小田和湾も中まで入り込んでぐるりと岸沿いに。湾の奥の停泊エリアでは、ヨットが一艘沈んでいて、水面からマストの先端が数メートルほど突き出ている。その先端からはられたワイヤーが何本か、広がりながら水面下に消えていく。乗られなくなった船というのは物悲しい。ワイヤーをくぐって挨拶をした気になって、それで荒崎を回って帰っていった。

週末はちょっと漕げないけど、平日にまた房総のツアーがある。薄い舟でどこまでやれるか、挑戦してみたい。

2021年4月3日土曜日

20210403 灯台めぐりとカヤックホイホイ

土日のどちらかは天気が悪いイメージ。良さそうな土曜に漕ぎに出る。今日も筋トレ後輩と。うねりがありそうなのでまた波回りをしたいなあと北方面に。

先にでて近場のポイントで様子を見ながら後輩を待つ。前回ほどではないけれど、うねりははっきりとある。後輩と合流して佃に。サーファーがいないうちに数本乗って荒崎タッチの亀城礁まで。

今日はあとから何人かメンバーが出てきそうなので、みんなとの合流を目指してここで折り返す。亀城の灯台から北をみはらしてから沖アジロを目指す。

亀城から見る沖アジロは、おもったよりも左にある。ほとんど三崎の堤防にかぶるくらい。水平線のヨットの群れの中に沖アジロを探して見つかるわけもない。

沖アジロから諸磯を目指しながら、キョロキョロとみんながいないか探す。結構カヤックがちらほら漕ぎ出していて、お、と思って空振る。

諸磯灯台から今度は安房崎を目指し、長津呂崎のうねり波を楽しみながら漕ぎ進む。城ヶ島灯台の次は馬の背あたりから安房崎灯台を眺め、でもみんなの姿が見えない。ここいらで引き返す。

帰り道、たくさんのカヤックをみた。グループで漕ぐカヤックがいくつも。いよいよ暖かくなってきた。それでも、どれもうちのメンバーじゃない。なかなか珍しい。

俺の浜まで戻って休憩した後、近場のポイントに弱く波が入っていたので、そこで後輩と少し遊んだ。後輩はいいのに一本乗ったところで沈脱し、ちょうど良い訓練になったというところで区切りとして、入り江に戻ってプカプカ浮いてた。

春の干潮はすごい引く。浅い干潟の底をみながら浮いて雑談をしていたら、急に声がして目をあげた。そしたら、4つのカヤックに囲まれて、アザラシだったらしとめてたとからかわれる。やっとみつけたうちらのメンバー。ほんとに静かに話していたのに、全然気づかなかった。

そのメンバー達のあとから、続々と別のグループも入り江に入ってきた。お高いファルトも何艇もあるし、見慣れないカラーリングの艇もある。カヤックホイホイというか、定置網にかかる魚のようにカヤックが入り江に流れ込んできた。

日曜は午後から天気が崩れそうな予報、暖かくなった好天の土曜、みんながでてくるのもわかる。気温は上がるけど水温はまだ低く、強い風がふく時期が続く。みんな気をつけてご安全にー。















2021年3月30日火曜日

20210330 北方面行脚

平日、これまた良い海況、プラス、うねりが入ってそう。ちょうど都合があったので、筋トレ後輩と漕ぎに出る。

少し早くに出て、近場のポイントで一人だけ肩慣らし。はっきりとわかるうねりが来ていい感じ。何本か楽しんでるうちに後輩が来たので、北の方に足を伸ばして波のポイントを回る行脚に出る。

後輩は腹筋を強く使ってしっかりと上体を回し、トルクのある漕ぎでぐいぐいといく。WFKのゴリラが好きでいつも乗っているけど、これでスピードを乗せられるとちょっときつい。横風があると、僕の薄い舟のほうが風見がでやすいので、ゴリラの筋トレ速度にあわせようとすると、常に片側だけ漕ぐことになる。ストームパドルも、横風が強くて持ち替える必要なんかない、片側だけ漕ぐ状況のパドルなんじゃろうか。

それも丁度よいトレーニングだと言い聞かせて頑張って漕ぐ。小田和湾を渡り、長者までずっとそんな感じ。

ここで波チェック。後輩にはプカプカ浮いていてもらって、長者のポイントで SUP に紛れて数本気持ちよく乗れた。

そのまま折り返して、帰り道は岸ベタで波をチェックしながら。長者の南側のすぐの浜でも岸壁に向かってきれいに波が立ってた。行った先が浜じゃないので、SUPは嫌うのかもしれないけど、ここが一番波が良かった気がする。

そこから浜沿いに南に進みながら、SUP のいるところで一本のり、その先のサーファーがいるところではパスして沖に戻って後輩と合流した。

ここまで上陸なしなので、立石で上がろうかと漕いでいき、立石の浜に入っていったけど後輩は沖でプカプカ浮いている。戻ると、まだ少し漕げそうだから荒崎までというので、佐島のキラキラまで漕いできた。

今日のうねりはいい感じに回り込んで、キラキラにも弱い波を送り込んでくれている。下は砂地で浅いし、波の速度も遅いしで、後輩も波遊びにチャレンジ。スーッと舟が走る感覚を何本か楽しんでた。


ひとしきり遊んだので、荒崎で休憩しようと漕ぎ始め、いざ荒崎の小さな浜にあがろうとしたら、後輩がまた沖でプカプカしてる。もうちょっと先までというので、佃にまでやってきた。

ちょっと浅くなってきたけど、ちょっといい感じに波が入ってる。楽しく何本か乗ったら、浜からサーファーが二人、ポイントに出てきたので諦め、進むことにした。

じゃあ次は黒崎に休憩ポイントを狙って漕いでいったら、また後輩は沖に浮いて浜によってこない。ここまで来たら、俺の浜までいくというので、結局上陸なしで帰ってきてしまった。

後輩曰く、浜に上がって寝そべった瞬間、助かったーと思ったらしい。自分でグイグイ漕いで、先へ先へとゴールをずらしてきたのに面白い言い分だなと思ったけど、飲まず食わずで30km近く、いいペースで漕いできたらそらそうだろう。

後輩が休んでいる間、近場のポイントで波遊びをしていたら、手広くやっている後輩もやってきた。ソロで赤羽根海岸目指して漕いできたけど、うねりがすごくて長津呂崎で引き返したそう。

上げ潮で、だんだん波は良くなっていくようだ。穏やかな波だけど、何本か長く楽しんで、浜で休んでいる後輩もピックアップして、三人でのんびり堤防をまわって舟を上げた。

平日というのに、どこのポイントもSUP、サーファーがいて波乗りに余念がない。逗子あたりまでは足を伸ばせなかったけど、にぎやかだっったんじゃないか。そっちのほうがいいポイントだから、みんなどんどん北にいって、南はひなびた感じがいいなあ。

2021年3月27日土曜日

20210327 桜の咲く頃に

昨日に続いて今日も良い海況の予定。小網代のうぐいすは年中鳴いているけど、春の盛りに聞くと一段と良い気がする。


クラブハウスの支度中に筋トレ後輩とNZ先輩と一緒になり、剣崎まで足を伸ばすことにした。

昨日に続き、風無く、波無く、ノタリの海。とはいえ、長津呂崎を回ったあたりで筋トレ後輩がグイグイとペースをあげ、のんびりした漕ぎから一変。

後輩は暑いとギヤが落ちるけど、向かい風で涼しい風が吹くと俄然漕ぐ。この日も北東の春の風でだらりとしてたのが、城ヶ島の南に入ってからいつものパターンだ。

そのペースで安房崎を過ぎ、剣崎を過ぎ、雨崎まで来てしまった。先輩と僕はヒーコラ言いながら着いていく。

雨崎は春の様子で、浜で密になって写真を撮り合っている幾人かがいた。パドルの手は休めず、遠巻きに沖から横目でチラチラ見ながらの帰り道。

東京湾からの帰り道、ここまでは漕ぎっぱなしで、何かしら腹にも入れないとね、ということで、赤羽根海岸近くの小さな洞窟をくぐった浜にあがった。そして、後輩はコロッケパンを鳶に引っ掛けられる。手には傷がつかなかったので、良しとしよう。

気を取り直して帰り道、網代崎を見たところで大先輩たちが北から帰ってきたのが見えた。湾に入って合流し、入り江の奥の桜を一通り見回ってのんびり舟を上げた。

人がいっぱいの満開の桜が懐かしい。花が咲くだけじゃ気分がしない。きれいだねーと、お互い喜び合う人の集まりが花見なんだなと思う。桜は毎年きれいに咲いてくれるから、人の踏ん張りと知恵であともうちょっと。その時が楽しみ。

2021年3月26日金曜日

20210326 鯛の牙

今年も世の中の物事がいろいろ重なってうねりを作ってる。また一つ季節が進んでだいぶ暖かくなった。そろそろドライを脱いでもいいかなという陽気だ。

平日にクラブハウスに来てみると、ボート釣りの人が何人か支度をしている。あれー、土曜日みたいですね、お互いニヤニヤしながら声をかけ、準備が済んだ人から海に出ていく。

薄い舟を浮かべて乗り込み、入り江を滑り出す。冬の澄んだ潮からは時期が進み、春のトロンとした色が出てる気がする。

堤防を回って外に出ると、のたりのたりとした海。空も春霞で、富士山はぺったりした空気の向こうに塗りつぶされた。

風は朝から夕方まで一日弱いままの予報。一瞬昼前に南が強まるかもしれないけど、どこまでも漕げそう。よし、北の名島にお参りに行こう。

とことこ漕いで、荒崎まではできるだけ岸寄りに。そこからは長者目指してどーんといく。ついた名島のまわりは海藻がわさわさしてて、浅い岩場を覗き込んで回った。

名島から向こうに江ノ島が見える。ぷかぷか浮かびながら手を合わせて引き返し、長者の砂嘴で一休み。

帰り道は岸沿いで、久留和の浜の色や、佐島のキラキラで目を楽しませながら、荒崎を回って堤防まで帰ってきた。

ひょっとみると、堤防の付け根の砂浜で、遊び上手の先輩がロール練習をしている。近づく間見ていると、熱心に何度もくるくる回ってる。まだ水は冷たい。

静かに後ろから近づいて、沈した瞬間に横につけ、上がった瞬間に挨拶をすると驚いてくれた。しめしめ。

話を聞くと、ゴーグルをしているとヌメーっとゆっくりしたリズムであがるんだけど、ゴーグルなしだと、ついついスパッと上がってしまうんだそう。ゴーグルなしでもヌメーっとやりたくて、体に染み込ませてるのだそう。

確かに、基礎がしっかりとしていないと、ショートのロールでゆっくり上げるのは難しい。パドル面が動いてのサポートが減るから、他の要素がちゃんとしていないと安定して上がらない。

とはいえ、先輩はそのへんの要素はばっちしなので、あとは気持ちの持ちようだけですよね。

体が冷えたので、戻りましょうかと漕ぎながら話を聞くと、キング先輩も漕ぎに来ていて、油壺入っていくのを見たそう。あそこでのんびりするのも良いよね。

仕舞支度は釣りの人、カヤックの人がまじりながら、明日土曜も海況はすごく良さそうなので、また明日きちゃいます?なんてジャブの打ち合いをしながら。

釣りの人でも一番馴染みがあるお兄さんは、真鯛、メジナ、アカハタ、オウモンハタを持ち帰る。そのお兄さんに思い切って、鯛の歯を貰えないか声をかけた。

自分はここ一年、金継ぎをしているのだけど、蒔いた金粉を磨くのに、鯛の歯がとても具合が良いみたい。鯛牙とも言われ、棒の先につけた鯛の歯で、金粉の表面をなでてやるとピカピカになる。ほかにもガラスや瑪瑙も使われてるようだけど、三浦の地元の鯛で作れるなら嬉しい。

このお兄さんは、魚屋で売ってるアラなんか目じゃない大きさのサイズをいつも持って帰っているので、もし捨てるならと事情を話したら、今日釣った鯛から前歯の部分ゴリゴリと切り離して僕にくれた。ありがとう!今年も一年、漁に恵まれますよーに!

家に帰って一番大きい歯を一本、丁寧に切り離して棒の先にくっつけ、手元の試し塗りの銀粉を磨いてみたら、すぐツルツルになった。


桜の咲く頃に釣れた三浦の桜鯛、ありがとー。

さて、また明日も良い海況。陽気に誘われて漕ぎに行こう。

2021年1月10日日曜日

こんな夢を見た

軽バンに乗って高速を走っている。大学の同級生が助手席に、その彼女がハンドルを握っている。僕は助手席の後ろにすわり、四人目は曖昧だ。運転がすこしふらついて、しっかり前をみろと彼氏が釘を刺す。

大町をすぎるあたりの高速で、道路の先に白馬三山が綺麗に夜空に大きく登る。夜明けが近いのか、明るんで入るけど赤みはまだない。冬は日の出が遅いので、この時間にこれだけ綺麗な三山が見られるんだと自慢する。後ろにはスタジアムのような大きな照明が光ってて、大町スキー場だと地元感をはなにかける。その時は、前の二人がいきなり職場の女性に変わってた。

人も場所も曖昧に変わりながら、それなりの筋でつながって夢がずんずん流れていく。

次の瞬間、白馬にあがる下道を走っていた。暗い夜道が右にゆるく曲がるなと思った瞬間、同級生の彼女がハンドルを握る車が、軽く揺れて縁石を乗り越えて飛んだ。

縁石の向こうは用水路で、三階くらいの高さの下に薄い水の流れがある。飛んだ車はその落差を綺麗に落ちて、四輪が同時に水を散らしてすぐに止まった。衝撃は軽く、皆ですぐに降りて何故かジャッキアップされてる車の下をみんなで覗く。その下から小さい火の舌がちろちろ見えたので、水がでる消火器でそれを消した。

そうしたら、地元のレッカー業者の車庫に車とともに移動し、四人でどう帰るか相談している。前席の二人が小学校の同級生二人に変わって、フレームのダメージ、代車の話をしている。僕は車に詳しくないので、自分の腰を左右に振りながら、ちょっとシクシクするなとダメージを探っているところで目が醒めた。四時。

今日は波乗りでカヤックに行こうかと思っていたけど、なんとなく夢見が悪いし時期も悪い、トータル縁起が悪いということで、出かけるのはやめにしてまた寝ることにした。おやすみ。

20210104 長者参り

新年の区切りを曖昧に過ぎたけれど、過ぎたものは過ぎたなりに動こうと思う。あらたまった空気を吸いながら三浦に。

お膝元の白髭神社にまずはお参り。お賽銭に集めてあった硬貨を持たずに来たので、一番大きい硬貨を大きめの音をたてて入れる。鈴は鳴らせない。クラブと三浦のカヤッカーの航海安全を祈って手を合わせる。

そしたら支度に戻る。薄い舟はスターンデッキによく水をかぶるので、ハッチの防水をよりしっかりとしたい。ネオプレーンでできた細長いパッキンのようなものを、ハッチの根本の部分にくるりと巻いてみた。ハッチの凸凹がしっかり噛み合ってるし、これで様子を見てみよう。

支度をして舟を浮かべる。スターンハッチの上に座って沈めてみる。水が温かい。具合は良さそうだ。

ちゃんと乗り込んで漕ぎ出し、遊べるポイントまでやってきた。初乗りで何本か遊び、しっかりスターンに波をかぶらせたら浜に上がってハッチの具合を確認する。もう少し強い波を当てて、ハッチが飛ばないこともそのうち確認したい。

そうして遊んでいたら、ぼんやりイケメンの後輩が出てきた。一緒に長者まで漕いで、途中久留和で買い物をしようと思う。

荒崎まではぼんやり漕いで、そこからは直線漕ぎにチャレンジ。レンジを決めて真っ直ぐ漕ぐ。右に右に流されてたので、ラインの左狙いをキープ。


久留和についてコアのお店に歩いていく。今回はちゃんとマスクを持ってきた。後輩はドライを探しているけれど、足の丈はL、腹回りはSSのようなスリム体型なのでサイズを探すのが大変だ。今回は僕だけセミドライのパンツを買って、フィッティングで着させてもらったそのままで帰る。

久留和からもう少し北まで行ってみよう。まずは長者で砂嘴をまたぐ。森戸まで行けるかと思ったけど、鮫島から名島の鳥居を向こうに眺めて手を合わせ舟を引き返す。

長者で上がって簡単な昼ごはんのあとは一気に帰る。佃にはサーファーが入っていて、寄り道は近場だけ。思ったよりも近場が良かった。うねりの方向なのか、長者には何もなかった。これが冬の感じなのだろう。

明るいうちに舟を上げて、富士山を眺めながら仕舞支度を終えた。ハッチの具合もだいぶいい。買ったパンツも温かい。寒い時期への対応もばっちり。

例年より足早に通り過ぎた長者だけど、またあらためてお参りしようと思う。新年、気持ちをあらためて、様子を見て海に出たい。