小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2019年3月28日木曜日

20190328 波遊び

南西の風を北風が押し下げてくれそうな予報で、波があったりするのかもしれない。そう思って三浦に漕ぎに来た。北東の風が上がってくるから遠出はできないけど、その必要もない。小潮

通勤電車の車中から見る三浦海岸は思ったよりも静か。まだ南西の風で風裏だから当然か。クラブハウスに向かうバスには子供連れのおかあさんが幾組もいて揃ってマリンパークに行くんだ。

舟の支度はコンビニ袋に気をつけるようになった。三度もカラスにやられてるから、間抜けなあいつと覚えられたかも知れない。今日はちゃんと隠しながら支度を終えて舟を出す。海はどんなだろう。


網代崎にはもちろん崩れ波が広く入ってる。でも西の風はもうやんで、北東の風に変わっている。


堤防を回って外に出る。いつも休みにあがる浜のあたりも離れた所から波が大きく立ち上がって岸に寄せていく。その間隔がとても近い。近くでできた波なんだろう。次々くるのはいいけれど、脱ったときのリカバリが厄介だし、ソロだからとても気を使う。


遠巻きにいつもの遊び場に来ると誰もいない。次々くる波に尚更チビリが入る。ソロの時は慎重を重ねて重ねて、大きなセットを外したり、崩れ始める前で降りて安全に遊ぶ。

そうやって乗っていたら、SUPが二人やってきた。いつも見る人達だ。平日というのに合計三人。場所がかぶらないように、無言のうちに左右に分かれて遊ぶ。その頃から少し波が小さくなり始めて、安心してどこでも突っ込んで行ける頃合いになってきた。シーズン初めてだからこのくらいが丁度いい。それでも一度ひっくり返されて、右でのセットに行くのだけど舟が回りきらない。手をかいても回らないので慌てて左で上がる。やばいやばい。

SUP の人たちはちょっと乗りづらそうで、コロコロ落ちては上がってる。そのうち板に正座して漕ぎ出した。最初は座ってて、うまく波に入れたら立ち上がって乗っていく。へー、そんなやり方もあるんだ。でも波の形が良くないのかあんまり乗れてないみたいだった。

こっちも、お昼を回ってだいぶ経ったし、北風が強くなってきたからと湾内に戻る。左のロールも大事だなと実感したので、ちょっと馴染むまで水につかって遊んでから、お日様の力がまだあるうちに戻って舟をあげた。

2019年3月24日日曜日

20190324 稲村ヶ崎行けた!

暖かくなったり寒くなったり。それが下に振れた週末。土曜は用事があったので日曜に三浦に。思ったよりも風があったけど、雲のないピカピカの晴れた日で気持ちよかった。中潮

数日前は稲村ヶ崎まで行けなかったけど、早起きして動けばなんとかなる感触があった。幸い日曜は海況が良さそうなので、始発で動いて目指してみる。電車の車中から見た三浦海岸はちょっと海面が暗くてザラザラしているように見えた。あれあれ?

それにしても土曜は寒かった。雲が厚くて暗くて、真冬に戻った感じ。一転、日曜は朝から快晴。でも冷え込んだ朝の空気はまだ冷たくて、小網代バス停からの坂道を入江まで下ると、日の差した水面からモヤが上がって漁船をぼやかしてた。カヤックの支度をする地面には霜が降りて、春の強まりだした日差しで直接消えていく。


なんとなく、いつもの黄色いポリ艇を引っ張り出す。パドルもいつものやつ。支度を終えて入江に浮かぶ。7:30 くらい。もうモヤは消えちゃった。ヨットの脇を抜けて堤防に近づくとなんだか向かい風。堤防の脇からは風浪がザブザブと湾内に入り込んでくる。あれあれ?


江ノ島はくっきりと見えてるけど、向かい風が思ったよりも強い。まあ55分漕いで、5分休んで、それで四回目の休憩までについたらついたで、と思って漕ぎ出す。力を抜いた腕を大きく体で振って、ゆっくりと歩くように、歩くように。だらだらと一日動き続けるのがスタイル。

荒崎で一回目、長者の手前沖で二回目、逗子湾の沖で三回目、ここまで前回と同じかちょっと遅いペース。気持ち北風が続いてるからしょうがない。先週はここで引き返したのをさらに前に進んで、四回目の休憩に時間を残して稲村ヶ崎に到着。

荒崎を過ぎたあたりから、ちょっとうねりっけを感じてたからもしかしてと思ってたけど、稲村ヶ崎にはそれなりに波が入ってる。七里ヶ浜側にも、由比ヶ浜側にも、どちらも サーファー・SUP がたくさんいて稲村ジェーンしてる。


さいわい、稲村ヶ崎に向かっては誰もいない。そこに小さな波が時々サワーっと入ってきて、カヤックでちょろりと乗るのにちょうどいい。ラッキーと思って何本か乗ってると、じわりと SUP やサーファーが寄ってきた。ちょうど 11:30 になったし、まだ海が落ち着いている間に引き返す。

帰りは岸ベタ。行きは元気があるから沖を漕ぐけど、疲れた帰りは距離が長くなっても岸のそばをのんびり漕ぎたい。小坪を目指して大崎につくと、浅い部分がずいぶん沖で崩れている。小坪に向かうポイントに SUP が一人だけ入ってた。もっと内側の道路に向かうところにはもっと人がいた。これまた人のいないのをいいことに何本か遊んでいたら、オープンカヌーのレース艇の人が通りがかりに波乗ろうとして漕いでた。やるなあ。

名島で5回目の休憩をして進むけど、ちょと南風が入りだした中を力をいれずにのんびりと漕いで長者まで。ここにも波が入ってて、シーカヤックの人が三人ほど遊んでる。挨拶をして一緒にやらせてもらう。岩場の手前で波が立ち上がり、結構落差を感じさせてくれる。楽しい。


目の前でひとり脱ったり、自分もひっくり返されたりしながら遊んだら、また休憩の時間になったので何かしら口に入れてまた進む。佐島のキラキラで七回目、荒崎を回って佃で八回目の休憩。ここまで結構向かい風だったなあ、荒崎を回るときは一段風が上がるなあと感想を漏らしながら漕いで、でもここまでくれば一安心。


連絡がてらスマホでクラブの掲示板に居場所を書き込んだけど、防水バッグに入ったスマホでスワイプするのは一苦労。いざという時には使えないなあ。あとちょっとを同じように漕いで湾内に入り、のっぺりした最後の入江を漕いで舟を上げた。

クラブハウスには三人ほど人がいて、立石までいったり、剣崎をタッチして戻ってきたり、今日はてんでばらばらに遊んだみたいだ。のんびり片付けて外をみたら夕日がいい色。


久しぶりにソロ漕ぎの範囲が増えた。ソロだとやっぱり4時前には荒崎を越えてこちら側に戻っておきたい。もっと早く漕ぐのは難しいから、もっと先まで行こうと思ったら、クラブに泊まって出発するしかないなあ。

2019年3月20日水曜日

20190320 稲村ヶ崎行けず

祝日の木曜は天気が良くない予報。一方水曜はとても良い日和。お休みを取って三浦に漕ぎに行く。大潮の干潮手前から満潮過ぎて日没まで漕いだ。

週末と違って家の細々とした事もある。それを終わらせてから、出勤や登下校の客と一緒に電車に乗って終点の三崎口まで。バスに乗り換えてクラブハウスにつき、支度をしてカヤックを海に浮かべたのが9時半。

空のカヤックを水辺に運んだあと、残りの荷物を取りに戻ったら、食べ物を入れておいたコンビニ袋がちょっと裂けて、中のロングカルパスのゴミが横に落ちてる。カラスかー。先週もピザポテトをキャンプ支度の時に持っていかれたばかりなのに学習しない。

いつもの釣りのお兄さんが言っていたのだけど、コンビニ袋は食べ物が入っていることが多いから、中身は関係なしに鳥が持って行くことも良くあるのだそう。簡単にと思ってコンビニ袋に大事なものをまとめておくと危ないかも。いずれにせよ置きっぱはだめだー。

カルパス以外は無事だったからまあいいやと、舟に乗り込んで浮かぶ。いい天気。今日は日没まで漕いで、もしかしたら綺麗に夕焼けてくれないか。


ヨットの脇を抜け、網代崎は静か。あれあれ、でもちょっと思ったより北風が強いなあ。一日カヤックに乗っているのが目標だから、上半身に力を入れず、体を大きく使ってゆったりゆっくり歩くように。

まずは荒崎を目指すけど、北北東は微妙に出し風。荒崎とその奥の山とでラインを決めてそれ以上は沖に行かないように気をつけて漕ぐ。あるところで亀城礁と江ノ島が重なる。行ってみようかな、どうしようかな。逡巡しながら漕ぐけど、三戸浜と長浜で風が抜けて波しぶきを浴びるとちょっとビビる。荒崎を回る。

小田和湾は思ったよりも風が抜けていない。正面の開けた景色は佐島からぐるりと回って江ノ島、今日はその奥の茅ヶ崎や平塚のビルまで見えた。その中に、崖の大きな地肌が2つある。右のやつが長者ヶ崎、左のやつが稲村ヶ崎。いっちゃえ稲村ヶ崎。

沖に出されたらすぐに岸によるつもりで左の崖にまっすぐ漕ぐ。50分漕いだら10分休憩が江ノ島チャレンジの通例だけど、まあ、55分に5分くらいでいいか。口に何かしら入れてすぐに漕ぎ始めることにする。三回目の休憩で12時を過ぎた。稲村ヶ崎はまだ向こう。右手を見ると逗子大崎の崖が大きく見えた。ここでタイムアップだなあ。朝が早ければ次の休憩までで稲村ヶ崎つけたかなあ。江ノ島はもうずいぶんくっきり見えた。


帰り道は岸よりで。となるとまずは名島の目指そう。しばらく鳥居を探しながら漕いで、あったあったと寄っていく。今年はまだお参りしていなかった。コンクリのお社に頭を下げ、鮫島を抜けて長者ヶ崎を目指す。


長者では弱い波が入っていて、SUPが一人遊んでた。ヘルメットをかぶる。ここは浅くて丸い石がゴロゴロしてるのでヘルメット必須。「一緒に遊ばせてもらってもいいですか」と挨拶すると明るい声で返事をくれた。あんまり綺麗に乗れなかったけど、ちょっと遊んで砂嘴に上がって先を見る。

砂浜に波が入って見えるので、どんなもんかと岸ベタで行く間に何本か遊ぶ。久留和を過ぎて立石が見える。その間でも何本か遊べる。川の流れ込みで底が砂浜なのでとても安心。いいとこ見つけた。ヘルメットをしまい、立石、芦名をぬけて佐島のキラキラでまた休憩、ちょっとの向かい風をよっこいしょで荒崎についたら一安心。



まだ日没まではだいぶ時間がある。稲村ヶ崎まで行ってやれないことはなかったけど、余裕をもって荒崎を越えて置きたかったし、岸ベタで遊びながら帰りたかったしで、ここは良しとしよう。ちょっとお日様低くなってきたなと思いながら、佃でまた舟を上げて休憩。大島での風の様子の確認と、いくつかの連絡でスマホをいじる。そしたらもうフリータイム。


佃の浜では水際で波にやられ沈、ショートをミスってロングで上がる。とほほ。練習しよう。気温はそれなりに高いけど、日が落ちてきて風に当たり続けるとそれなりに冷える。長者で中身を一枚厚手に着替えておいてよかった。佃でのんびりしたあとは、ちょうど日没の時間に合わせて網代崎にいられるように、諸磯にタッチして折り返す。


網代崎に戻ると西の空は雲、というか霞が厚くてお日様が見えない。これは夕焼けは無理だなあ。明日は天気悪いしなあ、ということで諦めてさっさと湾奥に戻って舟を上げた。


のんびりダラダラと一日舟に乗って過ごし、楽に体を使えてたと思う。最近距離を漕いでいなかったので、絶好の日和を試せてよかった。今週末の天気はどうかなあ。

2019年3月16日土曜日

20190316-17 三浦で土日

この週末クラブで三浦をキャンプする予定だった。だから天気予報にはずいぶん前から気をもんだ。最初は春の嵐だった土曜の予報も好転し、気がつけばなんとかやれそうな感じに。

16日土曜


早めの電車に乗って出かける。普段は使わないズダ袋に寝泊まりの道具が入ってる。クラブハウスに一番のりで自分の支度を始める。5分割の自艇を先週バラしたから、もう一度ネジを締め直してきちんとする。

水際まで空の舟を持っていて、他の荷物をそこで詰め込む。JINRO のペットボトルに水をいれて2本積み込む。2つで 8リットル。

あちこち動き回りながら支度をしていると大先輩の車組がやってきた。他にも参加メンバーが集まって全部で6人。先に支度ができたので一人でちょっと浮かんで小網代湾入り口の堤防まで。風のない春の海が霞んで眠たそう。網代崎には波はない。


上陸場所は南方面かな。荒崎から雨崎までのぐるりが、三浦半島を漕いでいて一番楽しいところ。小網代からはどこも日帰り範囲内だから、漕ぐ距離は大したことがない。どこにいても明日日曜の午前中には十分帰ってこれる。

そんなことを考えながら湾奥に戻ると、支度の終わった他のみんなが舟を出すところだった。それではと集まって出発。重い舟がキャンプっぽくてウキウキする。食べ物も宿も一切合切が入っているヤドカリ状態だと、いつもの海も広く感じて、どこにいってもいいような気がしてくる。

網代崎を周り、諸磯を抜け、ベタ凪の海を漕いでいく。三崎の堤防、長津呂崎を周り、安房崎からその先を見る。休みもせず宮川湾を渡り、東風崎を越えて横瀬島の近くで舟を上げた。まだ正午にもなっていない。でも今日は距離を漕ぐ日じゃない。明るいうちからダラダラ時間を過ごすために来た。だからもうここでいい。


大先輩の持ってきた大きなタープを張り、近くに転がっているプラ箱などを拾ってテーブルを作り、準備が完了。大先輩と何人かは早速飲み始めた。でも、おとなし目の後輩は少なめの昼ごはんを食べながら新聞を読んでいる。NZのモスク爆破テロの見出しが気になる。お酒を飲んでいないので聞くと、せっかくだからもうちょっと漕ぐ気があるという。

やったねと思って一緒に行こうと舟を出す。オサレな同期も合わせて3人で東京湾を見に行く。安房崎から三浦半島に取り付くときも割と向かい風があった。北東よりの風だと、東京湾側はワサワサしてそうですねーと話しながら風裏のひらたい海を漕いで剣崎を周ると、途端に風浪が向かってきた。まあそうだよねーと言って、久里浜の発電所の煙突を見て引き返し、舟をあげた。

ここからはダラダラと過ごす。日があるうちからバカ話をして飲み食いとともに楽しんだ。夜前にはちょっと雨がパラついたけど、大先輩のタープで安心。昼間があたたかだったこともあり、夜はタープの下でシュラフにくるまって寝た。テントを立てようとしたけど、酔っ払った大先輩が「めんどくさいよー、タープで寝ればだいじょうぶだよー」というのと、自分自身のものぐさにまけてそうした。でも大先輩がシュラフカバーを貸してくれた。

17日日曜


夜はぐっすり眠れたとは言わないけど、朝方日の出るまえに目が覚めて起きたときにはすっきりしてる。みんなが起き出す前に少し本を読んでいたりしながら、一人だけの時間も楽しく過ごせた。


帰りの日曜は午後から南西の風がバカ上がる予報。でも朝七時の海はとても穏やか。横瀬島はザブリザブリとしている。帰りも大したことのない距離だけど、予報が前にずれることもあるしと、早めの行動で八時には出発する。

昨日よりはだいぶはっきりとしたうねりが入ってきている。岸寄りを進んでどんぶらこする返り波を楽しみながら重い舟を漕いでいく。そのままサクサク漕いで馬の背洞門のあたりまでくると、前から前漕ぎの後輩と房総同期がやってくるのが見えた。朝クラブを出発してこちらに漕いできたんだ。

挨拶をして、聞くとまだ少し先まで、できれば横瀬島まで行くというので、正午前には小網代湾まで戻るように声をかけて別れた。

こっちはそのまま黙々と帰り道を漕いで行く。長津呂崎をまわるとうねりのギアががくんと落ちる。三崎の堤防の端を回るとさらにがくん。諸磯はのんびりとした春の海になっていた。これも風がこれから上がるとわからないけどね。

綺麗な潮で透き通った底までを見下ろしながらぺったりとした海を漕いで網代崎を曲がり、湾奥に戻って舟を上げた。まだ正午前。明るいうちにお散歩代わりの距離でこれだけ楽しく遊べる。ここはとってもいい場所だ。

そのうちに前漕ぎ後輩と房総同期が帰ってきて、しばらくしたら風が上がってきた。結局うねりが大きいので安房崎で引き返し、かわりにその足で荒崎までタッチして戻ってきたそうだ。泊まり組が2日で漕いだのと同じだけ漕いでる。やるなあ。

みんなでのんびりしながらお昼ご飯を食べていると風がさらに上がった。湾内にまで白波が立ってきた。これはすごいことですよ。ずいぶん正確な予報に頼って午前中だけ漕ぎはしたけれど、数時間早まってこれに捕まることを考えると余裕のある行動が望ましい。ダラダラするくらいが一番だとおもった。





2019年3月9日土曜日

20190309 春の海・オーシャンゴリラ

春の陽気につられて土曜に三浦に。風は午後から大荒れの予報。中潮

最近また Water Field Kayaks (wfkayaks.com) の「オーシャンゴリラ」が試乗艇として入ってきた。それやタイガーを含め、いくつか船を見たい人が来るというので、野次馬に朝早く出かける。

クラブハウスについたらいつもの釣りのお兄さんが支度をしているところだった。「今日は午前中勝負ですねー」と挨拶をすると、「そうなんですよ~、なのに二時間も寝坊しちゃいました」と苦笑い。手早く支度をしてボートでピューッと出ていった。

こちらは一人のんびりといつもの黄色いポリ艇を出して支度をしていると、船を見たいという人がやってきた。まだ大先輩が来ていないけど、早速オーシャンゴリラ、オーシャンタイガー、シメスタ5分割などを出してみる。

最近のカヤックの傾向は、小さめで一日ちょこっと遊ぶための物が多くて、本格的にツーリングに使えて大柄な人が乗れる舟が見つけにくいのだそう。洋物はあるけど高い。まさしくゴリラがそういう舟だからと見に来たのだそう。

写真を取る手伝いをしていたら、そのうち大先輩がやってきた。一緒に話をしながら、5分割も実際にばらして入れ子にしてみたりしながら撮影を進める。途中、大先輩はツアーのお客さんを迎えに行く時間になったので車で出ていった。

舟をおいての撮影も終わり、大先輩の帰りを待つけど、いつもよりちょっと遅い。ゴリラを浮かべた写真も撮りたそうなので、大先輩の代わりにちょっと乗ってみた。岸からの声で、ちょっと舟の向きを変えてみたり、富士山の方に向かって漕いでみたり、一通り動かしてみて一度舟を上げる。今日はこのままゴリラに乗ろう。

一度出したポリ艇を片付けていると大先輩がツアーの定刻組をつれて戻ってきた。舟を見に来た人もちょうど挨拶ができてよかった。その人はこれからボートショーを見に行くんだそう。


僕は一足先にゴリラで舟を出す。まだ風はなくて海は落ち着いてる。堤防を回ってみると、SUPが一人波乗りをしているのが見えた。うねりっけはあるけど間隔は長くて、遊べるサイズはとてもまばら。SUPとは別のポイントに入ってゴリラで波遊び。流石にちょっと長さを感じるけど、漕ぎ味が軽いので楽しい。

何本か遊んでたらSUP もこちらの方に移動してきた。順繰りに乗って、そのうち定刻組が出て来る時間になったので戻っていくと、ちょうど堤防の出口で行き会った。今日はお客さんの他に、オサレな同期と最近クラブに入った怖がりの新人さんが一緒だ。

「まだこんなに静かなんですけどねー」と話をしながら、のたりのたりの海をみんなで漕いで諸磯に。途中レース艇の人たちが抜いていく。挨拶がてら「風が出るから遠出はできませんねー」と声をかけあう。潮の低い春の諸磯の岩場を抜け、もうちょっと先の黒鯛込で一息ついて引き返す。



次の休憩は油壺の湾内、ここでダイダイイソカイメンを見ながら12時の鐘を聞いた。聞いたと思ったら、油壺の上の木々がわさわさ音を出し始める。あー、とうとう来たなと思い、ここからが正念場。みんなで油壷の湾から出て諸磯湾の出口に舟を向ける。そうすると、エビ島に向けて海が開け、南西からの風がブワンと入る。ものの15分、30分でここまで風が上がる。向かい風をほんの少し漕ぎ上がり、荒井浜に回ればあとは風に押され、波に押され、網代崎までは楽ちん。

ここで新人が一人先に出過ぎた。それをみて大先輩がペースをあげたそうに見えたので、「僕、捕まえに行きます」と声をかけて先に出る。お客さんは大先輩と同期がいれば大丈夫。追い波に乗ると時々ゴリラのバウが前の波の背に刺さる。楽しい。新人は漕ぎがしっかりしてるので結構早い。網代崎でようやく追いついて声をかけ、一緒に網代崎を回り込んで風裏のぺったりした湾内に入る。振り返れば、全面に白波が立つ。まだ網代崎はホワイトウォーターにはなってない。残りのみんなもすぐ後ろに来ている。合流して湾内の小さな浜に上がって昼ごはんにした。

普段なら一日かける距離を、半日でやっちゃいましたねー、と昼ごはんの話もはずむ。それにしても春の風の上がり方は早い。剣崎で 5m/s (11:55) あたりだったのが、30分後には 12m/s (12:25)。お昼のチャイムを待ってたんじゃなかろうか。お昼が済んだら、更に荒れた湾の外を見学しに、網代崎まで岸ベタで言ってみる。戻ってきたときは一匹ずつだった海面のウサギも、今はくっつきあってあちこち長く群れている。網代崎は崩れ波がうねりこんで、白い泡が澄んだ潮を明るい緑に変えてる。それをぺったりした風裏から見ているのは楽しい。青と白の濃淡でうっすらと富士山も見える。


もう外には出られないから、ちょっと湾の真ん中よりにでて、追い波を楽しみながら堤防側に渡る。もうあらかた漁船は戻り、これから出ていくヨットもいない。航路は僕らの独り占め。あっという間に堤防裏の静かな水面に戻り、あとはのんびり湾の奥まで日向ぼっこをしながら帰る。

小網代の入江は南西の風が抜けている。日差しはあるけどビュービューの風の中を、新人がロールの練習をするというので付き合う。怖いから安定感を増したいのだそうだ。例年より水温が高いとは言え物好きな。でも、ショートで上がるのをみたらとても上手だった。あとは実際の波の中で繰り返して自信をつけるだけじゃん。漕ぎもしっかりしてるし、聞いたらカヤックスクールに通ってずっと練習していたのだそう。どおりで、僕のようなずぶの素人とは違う新人さんだった。何度かやって、納得したようなのでみんなで舟を上げた。

今日はちょっと風と波のある中をゴリラで漕げた。520cm という長さの割によく動く。その場でクルクル回しても、全然長さを感じないし、とても軽く回る。でも前に漕げば素直にスッと舟が出ていく。幅も普通にある舟なので安心して乗れる。大柄な人にはお手頃でとても朗報だと思う。