小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2020年12月29日火曜日

20201229 潮で洗う

季節の移り変わりはこんな時勢でも変わらないけれど、年の区切りは人との関わりだなと思う。その年のよしなしごとを馬鹿笑いのお酒で流してさっぱりする。そういう場の役割をあらためて実感する年だった。

今日は暖かになる予報だけど、朝の冷え込みは冬本番で、朝の入り江はモヤでいっぱいだ。指先を温めながら薄い舟を支度する。筋トレ後輩もやってきて、日の上がりきった入り江に一緒に浮かぶ。

先日は長者にパドルを買いに行ったので、今日は南方面、剱埼を目指す。今日も随分良い海況。行きはさかさかと漕いでいく。今日は海もにぎやか。ファルトやウッドカヤックなどとすれ違った。

剣崎の水路に入り一休み。昼には近場に戻っておきたいのですぐに折り返し、岸寄りにのんびりと漕いでいく。安房崎でリジッドカヤックがいたと思ったら大食いの後輩で一緒になる。馬の背沖でもう一艇と思ったら今度は洋物の先輩。皆さん、今年もお世話になりなした。期せずに挨拶ができた。

四人で凪の海を漕ぎ戻る。ここのところ潮が澄んで綺麗。前を向いて漕ぐ視界に砂底と岩場が交互に色を変える。それで諸磯、網代崎を過ぎて浜に昼飯にあがった。

洋物先輩と大食い後輩はまだ漕ぎ足りないと見えて、昼ごはんのあと北に漕ぎ出していった。筋トレ後輩は昼過ぎの砂浜でいびきを出し始めた。

まるで4月のような昼下がり、まだ陽射しの力があるうちに、水につかる練習をする。パドルを肩に担いだり、後ろから前にパドルを回したりと、澄んだ潮を十分に気持ちに染み込ませる。沈脱から馬乗りレスキューを成功させて仕上げ。浜に上がって服を乾かしながら、後輩のいびきをのんびり聞いて年が過ぎてゆく。沖をかなりの数のカヤックが北に動いていった。

最後に一人、房総同期がやってきて一年のしめくくりに挨拶。一緒に入り江に戻って舟を上げた。さすがにこれで漕ぎ納め。またすぐ漕ぐとはいえ、人の身でラインをまた一つ越える。新しい年もよろしく。

2020年12月26日土曜日

20201226 茜から金と青と黒

年の瀬。世の流れにつれてクラブの忘年会はやらないことになったけど、海況が良いのでそれはそれとして海に出る。

クラブハウスにつくのがちょうど日の出の頃。冬至はもう過ぎてこれから日は伸びていくけど、それとは逆に日の出はまだまだ遅くなる。茜色の富士山を見ながら朝の支度をした。

今日は筋トレの後輩のお遣いがある。久留和のコアアウトフィッターズで中古のパドルを買いに、一緒に漕いで行く予定。後輩が来るまでの間、近場を回って波遊び。風はなく、きれいなうねりが沖から入り、ポイントを独り占めで楽しんだ。乗りやすい波なので、パドルを前傾でさばいて舵取りをするコツを掴めた。

また入り江に戻って筋トレ後輩と一緒に北に向かう。途中NZ先輩も合流して、荒崎を越えて久留和に上がりパドルを買う。これで僕もワーナーオーナーと嬉しげだ。気持ちも漕ぐ手も軽やかに、長者を回って折返す。長者の波は今ひとつだった。期待してただけに残念。近場のポイントは良かっただけに、うねりの方向なのか海は不思議だね。

なんとなく、二時には近場の浜に戻るという話になっていたので、それを目指して淡々と佐島沖、荒崎とつないでちょうど二時に浜に上がった。

そのうち大先輩とちっこい後輩が網代崎から漕いできて浜にあがる。雰囲気イケメン後輩も佐島折返しで戻ってきて合流した。風もなく、陽射しが暖かい浜でのんびりする合間に大先輩のいびきが響く。今年は大変な年でしたね。お疲れさまです。


日もだいぶ降りてきて冷えの近寄りを感じたら腰を上げて海に浮かぶ。網代崎の先に金色のかたまりが降りてきて、さざなみに三色のモザイク模様をつくる。それを眺めながら堤防をまわり、まったいらに滑り込んで舟をあげた。

朝日から夕日まで楽しんだ。暗い時期に動くこともない。夜は寝て、また明るくなったら動き出そう。

(夕日の写真はイケメン後輩から貰ったもの)

2020年12月18日金曜日

20201218 縦縞

週末用事があって漕げないなあと思っていたら、都合よく平日に隙間ができるもので、できるだけ早起きして出かける。

クラブハウスから見る富士山はとても珍しい縦縞模様をしていた。
夕方から風があがりそうなので、午後一には近場に戻っておくつもりで少し距離を出す。軽い追い風にのって快調に南方面へと漕いでいく。剱崎の水路で折り返しに決めて、往路は寄り道せずにまっすぐ安房崎から横瀬島をかすめて剱崎の水路に入って一休み。

予定より少し早くこれたので、帰りはのんびりと岸ベタで戻り、盗人狩りや宮川のハーバーでも少しパドルの手を止める。たっぷりの日差しが綺麗な潮を差し通してどこを漕いでいても底まで見える。汗をとめてくれる程度の風も心地いい。

最高だなあと思いながら安房崎にとりついたら、目の前をカヤックが横瀬島方面に進んでいく。あれ、と思ったら、向こうがパドルをあげてくれて、レジェンド先輩だった。きっと横瀬島往復だろう。

自分は諸磯まで漕ぎ戻って浜で昼休み。そのうち先輩が戻ってくるだろうと思って、三崎の堤防の方にちらちらと休みながら首を伸ばす。浜の反対側では素潜りをおえた女性二人組がウェットを着替えて焚き火で暖をとっていた。うちの一人が流木を拾いがてら声をかけてくれてこちらも挨拶を返す。

そのうち先輩が戻ってきたので舟をあわせ、網代崎まで一緒に漕ぐ。先輩はまだご飯を食べていない。腹が減ったし、これで帰ると言うので別れ、僕は風がまだ吹いてこないので沖網代、佃とちょっと足を伸ばしてから帰った。

結局風があがらなかったので思ったよりも距離を漕げたし、ポカポカで過ごせて良い日和。帰る頃には富士山の縦縞もだいぶとけて薄くなってた。今年もあと少し。気を抜かずに漕ぎ抜きましょう。




2020年12月12日土曜日

20201212 今年一静かな海

 風が落ち着きそうな土曜日があるので、カヤックを漕ぎたいという知り合いを何人か連れて大先輩のツアーで一緒に漕ぐ。三崎口の駅を降りたら雨が降っていて心配になったけど、クラブハウスで準備をしている間に雨はやみ、ドライレクチャーを終えて小網代の入江に浮かぶ。

日は差さないけど雲は薄く、風がないので漕いでいる間みんな体がポカポカ。水温も高く下半身はコタツの中。堤防を回れば小網代湾と同じような海が伊豆半島まで静かに広がる。とっても良い1日になりそうな予感。

皆初めてなので舟は右に左に向きを変えながら、時には人にぶつかったり。それでも漕いでいればなんとなく効率的な動かし方をそれぞれが見つけて、なんとなくまとまって進んでいく。

そうして荒崎で昼ごはんにあがり、その景色を楽しみながら、秋の最後の温かみを満喫する。来週からは本格的な冬の寒さがやってくる。その前に漕ぎに来てもらえてよかった。

昼の後はどんどん引きを覗いたあと荒崎の先端から江ノ島をのぞみ、かすかな水の動きに舟を任せる。うねりも風浪もないわけだから、これは潮が起こしているんだろう。

それではと南に向きを変えて小網代にまっすぐ沖を帰る。舳先からひろがるV字の波がはっきりとしている。雲の切れ目からお日様が見えてきて、ミルキーな極楽の漕ぎの時間。それが終わるのがもったいなくて、途中の小さな浜で小休止をはさんでお日様の残りを全身で吸い込んだら。そうして暮色のすすむ中を帰って舟をあげた。


2020年12月5日土曜日

20201205 北風すーいすい

 今日はみんなで東京湾を漕ぐ。八景島から出て三浦海岸まで 30km の定番コース。去年も同じ時期にやろうとしたけれど、北風が強く波が高かったので外には出られなかった。今年もちょっと風はあってどうだろうか。

始発で動いて海の公園の駐車場で大先輩と合流し、舟を浜に並べてみんなの到着を待つ。日が出たあたりから風と雨が強まって、あれあれを思いながらトイレの軒を借りて自分の支度をする。沖からは釣りのカヤックが帰ってきて、雨の中撤収していった。

デイパックや街着など、持ってきたものを全部カヤックに詰め込んで自分の準備は完了。そのうちにみんなも集まり出して、予定どおりにみんなの支度も済んでいよいよ出発。オサレな同期が見送りに来てくれ、浜に手を振りながら漕ぎ始めた。

八景島の北側を回り込んで狭いほうから東京湾に出る。去年よりも波はないのがわかる。これは行ってみましょうかね。住友のクレーンを目安に八景島の湾を渡り、強まる三角波の中をみんなでペロリと漕いだ。堤防の内側は少し落ち着いてるけど、大きな船で跳ね返る波がそれなりに波をごちゃごちゃにする。前漕ぎの主は休みが合わずこのツアーに参加できなかったので、数日前にソロでおなじコースを漕いでいる。ソロは神経を使うし、また一段と疲れたろうに、さすがだ。

住友の堤防を抜けたら、右手には米軍の進入禁止エリアが広がる。ここは海保が回っていて、声をかけられることも多いのだけど今回は素通り。この辺りから波の方向が落ち着いて、追い風追い波モードが確定。波に合わせてパドルをチョンチョン入れているだけで舟が先へ先へと進んでいく。猿島めざして、ぐらんぐらんしている灯浮標を過ぎる。


猿島の風裏で一休みした後、普段であれば馬堀にとりついて漕ぐことが多いけど、今日はまっすぐ観音崎を目指した。左後ろからの風、波をいなしながらちょんちょんと漕いで観音崎をまわり、たたら浜で昼休み。陸の上のほうが寒いのはいつものこと。30分ほどで用を済ませてまた海の上に。

久里浜までは完全に波の方向があわさって、みんなのペースがさらにアップ。バウが下がればパドルを回し、舟の走りに合わせて歓声があがる。ゴールラインは久里浜の堤防を回ったところ。滑り込んだらパドルも落ち着き、残りは岸べたで野比、津久井浜、三浦海岸までまったりと漕いで舟をあげた。30kmほど漕いだけど、風、波に助けられて体は全然楽だったなあ。

振り返ってみると、寒くて海況もきつめではあったけど、クラブのみんなで漕げば楽しい1日。普段より1時間以上早く行程を消化して、明るいうちにクラブハウスに帰って仕舞支度ができた。


2020年11月27日金曜日

0本目 = 5本目

 パドルを自作するようになったそもそものきっかけは大先輩にもらった削りかけの材だった。おおまかに羽子板になった状態で何年か寝かされてあった青森ひばの材。それを適当なデザインナイフで目分量で削り始め、丸太ん棒のような状態で試し漕ぎをして形になり始めたなと思ったら、クラブへの行き帰りのエスカレーターで天井に挟んで押し割ってしまった。

大先輩に謝ってシャフトから真っ二つになった木を見せたら、また何かにつかうでしょうと大先輩がそれをシェアパドルの束の奥にたてかけて、そのまま三年ほど寝かされたようになっていた。

おった後は自分で材木を買ってパドルを作りはじめて、その間中、折れた材が頭の隅にあった。どうにかうまくヒビの入ってない大丈夫な部分を切り出して、足りな分は他の木でおぎなってパドルにできないかもやもやしていた。

それをようやく形にしようと動き出した。だいぶ色の変わった青森ひばを割ってヒビの範囲を確認する。結果、端から端までの芯を米ひばで準備し、ブレード部分を青森ヒバでサンドイッチにした。


そのままでは完成に至らなかった材だけど、組み合わせで新しいパドルに作り替えて、これでトータル五本目のパドルができあがりそうだ。せっかく貼り合わせたラインが見えるので、割れ止めの伝統的な手法である千切(ちぎり)を飾りとしていれた。表面に象嵌ではいるだけなので、割れ止めには全然効いてはいないけど、木の色で模様がでるのを楽しみたい。



2020年11月23日月曜日

20201123 リハビリ

 晴れるけど、風の強い三連休。午前中は凪だけど午後は風が爆上げとかやりにくい日が多い。クラブのみんなも、それぞれの都合に合わせて、この日の午前中だけとかパラパラと漕ぎに来ていた。

そんな中、次のパドルを削ったりなんかして陸時間を過ごしつつ、朝の北風をなんとかしのげば1日海にいられそうな月曜に目標をあわせて三浦にでかける。始発よりは遅れた電車でのんびりだった。

白い自分の舟を支度して、朝のいつもの一回り。先週の北風と同じくらい吹いているような気がする。岸沿いでべったりと進みながら、いくつかのポイントで波遊びしながら進む。夜に西寄りの風が吹いていたからか、和田長浜の南端に波が入っていて、ここで初めて一本乗れた。砂底だから、いつもここに波があればいいのにね。

その先、釣り人に気をつけながら浜を回り込んで佃で一休み。9時位から風が落ち着いてくるのかなとみていたけど、なかなか落ちない。南の様子も見に行こうかなと、岸沿いに漕ぎ出したら、黒崎の鼻手前で向こうからくるカヤックに行き合う。あ、と思うと片方がパドルをあげて振ってくれた。大先輩とスリムな先輩だ。なかなか風が落ちないねぇといいながら、踵を返して佃に舞い戻り、それを北に回り込んだ浅い磯場で波遊びに興じる。

ここは浅いので、舟に角度がついて滑り込んでくると、バウが刺さらないか見ているだけでドキドキする。大先輩がちょっと良いやつに乗って行ったと思ったら、だいぶ浅いところまで追い込んだのか「ゴン」と音がしてそのあと浜に上がって舟を確認してた。

良い潮時だったので僕らも同じ浜にあがると、雰囲気イケメンの後輩が沖を漕いで通ったので、浜から手を振って呼び込んだ。この浜は冬の北東には風裏になって、しかも日が当たるので暖かい。快適に昼ごはんを食べた。後輩は久しぶりのカヤックだそうで、バーナーを出して昼ごはんからコーヒまで、ちょっと手のかかった外飯を楽しんでいた。

近況を聞くと、在宅勤務が長引いたせいか、まだ若いのにぎっくり腰になったそうだ。スリムな先輩も最近腰をやったらしく、今日おっかなびっくり漕いでいたそう。大先輩は左肩の調子を崩しているし、いぶりがっこ先輩やら他にも何人かクラブで腰をやった人がいる。意識して運動しないと、現状維持すら難しい世の中なんだなあ。

12月に入ったら、30km ほど漕ぐクラブのツアーがある。後輩はそれをやれるか腰を確かめるために今日漕ぎにきたそうだ。それならもう少し距離を出そうと、南は釜根まで一緒に行くことにする。四人で諸磯を目指し、大先輩とスリムな先輩はそのまま諸磯で波遊び。後輩と僕は釜根のつもりが長津呂崎まで漕いできた。後輩は漕いでる分には腰は良いのだけど、もう少し捻ってスターンラダーを入れるくらいまで行くと痛むそうだ。それでも30kmいける感触は掴んだのか、ツアーに申し込んでいた。

諸磯でまた四人となってしばらく遊び、暗くなる前にみんなで入江に戻って舟をあげた。大先輩とゲストさんなしで気ままに漕ぐのは久しぶりだ。多少の風や波も気にせず、ぶんぶん漕ぎ回れるのはとても楽しい。

2020年11月14日土曜日

20201114 肩透かし

 クラブの掲示板に、朝だけでもロールの練習をすると言う後輩の書き込みがあった。良いじゃないですかと意気込んで、クラブで待ち構えるつもりで朝から三浦にでかける。

さすがにまだ誰もいないので、まずは一通り回ってこようと薄い舟を支度して漕ぎに出る。波遊びができるポイントをいくつか周り、しっかりと濡れてこちらの準備は万端で入江に戻ってみた。

トイレがてらクラブハウスに行くと、ずいぶんと華やかな感じのツアー組が準備をしている。ちょっと風はあるけどだんだん落ちる方向だし、雲ひとつなくて暖かな日差しが最高だ。良い日ですよねと挨拶しながらオサレ同期のところにいくと、ロール練習を書き込んだ後輩は来れなくなったと教えてくれた。ありゃりゃ。

まあしょうがないかと、ツアー組にくっついて漕ぐことにして一緒に出かける。まだまだ北東の風が強い時間で、追い風にビュンビュンのって諸磯を抜け、黒鯛込を過ぎ、二町谷の階段で舟をあげて昼ごはんにした。日差しはあっても、服が完全に濡れていると風がとても寒い。乾いたインナーに着替えようと上半身裸になると、濡れた服を着ているより全然暖かい。皮膚って水を吸わないし、すぐ乾くから、動物の皮ってすごいなあ。まあ、馬鹿な感想を言っていないで、もう上半身はドライを着る時期だな。

準備どおりに着替えてみんなが昼ごはんを食べている東屋に行くと、なぜが大先輩は地べたに正座してみんなと話していた。なんかの罰ゲームみたくも見えるけど、大先輩はすごく落ち着いて居心地が良さそうだった。

昼が終わったら、弱り始めた北からの向かい風を漕いでまた諸磯を抜けて油壺で休憩のあと、三戸浜手前のいつもの浜に上がり、みんなでのんびりとする。今日は雲ひとつないので夕焼けに期待をして、日が伊豆半島近くに降りてくるまで気ままに話した。いよいよなタイミングで舟を出し、空のグラデーションを深めつつ太陽が陸に沈むのを海の上で見送った。

秋の暮れは足がはやいから、それに合わせて手も動かして入江に戻って舟をあげた。

2020年11月8日日曜日

20201108 雨後のなんとやら

雨の土曜日、晴れの日曜日。もちろん日曜に三浦ので動く。朝はゆっくり出てくると、レジェンド先輩が横瀬島に向かってすでに出ていた。

自分も薄い舟をだして支度をし、入り江に浮かぶ。前は長者に行ったので、今日は南に行こうか。風は一日穏やかな予報、どこでも行けそうだ。

網代崎はそれほどでもなかったのに、諸磯を越えるとうねりが入る。ありゃりゃと思いながら三崎の堤防を回ると結構いかつい。沖には漁船も数多く浮かび、久しぶりに晴れたと趣味人が、いろんな舟に乗って海に出てきてる。カヤックもその一味。

沖からの引き波にバウを三連、四連と刺し通しながら釜根を過ぎ長津呂崎の岩場を抜けるところで横瀬島からの帰りの先輩とすれ違う。なんでも朝はもっとうねりが入ってたらしい。しびれるね。

さらに進んで馬の背あたりでは、向かいからくるカヤックが2つ見えた。ファルトとスキンカヤックだ。

伝統的な木組みに布をかぶせたスキンカヤックはずっと気になっていて、自分でも作ってみたいと思っていた。なので、今までも何度か見かけたこのカヤック、よし、と思い切って近寄って声をかけた。

快く挨拶を返してくれたので、いろいろ話を聞かせてもらいながら、近くの浜で一緒に舟を上げ、不躾な質問をいくつもしてお時間をいただいた。実際に使っている人の経験談はありがたい。

お二人の予定の邪魔にならないようにとある程度でお礼をいい、自分は大先輩のツアー組に合流するために荒崎方面に向かった。

途中諸磯で少し寄り道して波遊び。灯台の入り江には浜いっぱいにカヤックが上がり、レース系の舟なども出入りしてにぎやかだ。そこにさらに別のカヤックグループが北からやってきて、浜がいっぱいなのを見てそのまま南に抜けていった。片手ですまない数のグループを複数見るなんてシーカヤックでは珍しい。土曜の寒い雨のあと、雨後のなんとやらだけど、それも納得の良い海況。

それで佃まだ北上するけど、肝心の大先輩のグループは見当たらない。とりあえず正午近くまでは佃で南北を見張ってぷかぷかしていたら、そのうち南にカヤックがつぶつぶと見えてきたので寄っていったらやっぱり大先輩のグループだった。

合流したらあとはのんびりと一緒に漕いで、休憩をはさみつつ休日の三浦を茜色の夕焼けまで楽しんで舟を上げた。

2020年11月4日水曜日

20201104 イニシエーション

飛び石連休のツアーの予備日としてとっておいた水曜日。午前中は北東の風が強めだけど、だんだん海況がよくなる予報。三浦の海でベースを確認するために出かけた。

ゆっくりとした支度で薄い舟を出して浮かぶ。網代崎には意外なうねりが入っているのを見ながら堤防を回り込む。

これからの季節を感じさせる北風に漕ぎ進む。荒崎から先はまた着いてから考えるにしろ、海況が許せば長者までは漕げるだろうか。

北に進みながら沖を見ると、まだ北東の風が強いのに、岸から離れて SUP が二人行く。怖くないのかな、もう少し岸によればいいのにと気になりながら漕いだ。

小田和湾を見渡して、行くと決める。向かい風を調子よく漕いで長者までついた。網代崎で感じたうねりは道中ずっとあり、長者では乗りやすそうな波になって沖から繰りかえしやってきてた。

いそいそとヘルメットをかぶろうと首周りに手を回してまず沈。ありゃりゃ。気を取り直して波に向かう。ようやくこの舟で乗れる波、乗れない波がわかってきた気がする。

何度かひっくり返されて、崩れ波を越えるのにもロールして、実践の試しは十分に繰り返す。そのうち長く走りすぎ、浅くなったところまでついつい引っ張ってしまったところで波が立ち上がり、波のてっぺんからの落ち込みでバウを沈めてしまう。それでバウを底に引っ掛けて前転したところで潮時とした。

長者の砂嘴に舟を上げてお昼ごはん。帰り道はのんびりと岸べたで、小田和湾も奥の方まで岸べたで帰った。この頃には北風はだいぶ落ちて舟はしずかに滑るように進み、まだ日のあるうちに小網代の入り江に滑り込んで舟を上げた。

クラブからの帰り道、落ち着いたヨットの群れを眺めながらとことこ歩いた。新しい薄い舟で一通りやられて、これで馴らしがおわったかな。


2020年10月31日土曜日

20201031 海の道を歩く

飛び石連休を使って大先輩の車で遠征。少数精鋭で三泊四日のツアーにでかける。漕ぐのは瀬戸内海のしまなみ海道のあたり。往復にそれぞれ1日ずつ必要になるけど、二日分もまるまる漕げれば御の字。

10/31

初日は移動日。ご時世的に車内はゆったりと、みんなのキャンプ道具を載せても余裕があって、後ろのハッチの窓からちゃんと後方が見えている。去年の隠岐の島なんかは天井まで荷物が積み上がって後ろの窓を隠してたなあ。

大先輩の運転でひたすら走って、尾道からしまなみ海道に入った時には歓声があがった。伯方島で明日からの食糧などを買い出しして、出艇予定の場所で夕日をみながら、みんなで明日の海を話し合って寝た。島の陰から上がった月はまん丸だ。潮流で有名な瀬戸内海、たっぷりと揉んでもらおう。


11/1

夜明け前からうきうきして目が覚める。朝の早い釣り人に混じって浜に立ち、白んでいく空を見ながら梨をひとつ食べた。一度出たらしばらくは海の上。その前に出すものを出しておきたいから、数時間前から口と胃袋を動かして、上から下に押し出してしまおう。

身支度を整えていつでも舟に乗れる状態にしてから、ちゃんとした朝ごはんを準備する。そのころには日もあがってみんなもそもそ動き出してる。

全員の準備が済んで舟と一緒に浜に並ぶ。遠足はここまでが長いけど、一人々々、海に浮かべば往路の苦労も泡になって頭の天辺からしゅわーっと抜けていく。残ったのは晴れ々れとしたみんなの笑顔。

漕ぎ出した目の前はちょっとした航路。船折瀬戸から出てくる貨物船が過ぎるのを待っていると、上げ潮で沖の方に横に横に流された。いいね。気を取り直して本格的に漕ぎ出す。まずは15km漕いで小さな島で一休み。その前に横切るぶっとい航路が要注意。来島海峡の東側にはそんな航路が束になって通っている。

航路の目印になるのは備後灘航路第1号灯浮標。それと、そのさらに先にある燧灘沖ノ瀬灯標で山だてして南に漕いでいく。潮のながれは左に左に。ただ舳先を島に向けてるだけだと当然横に横に膨らんで流されていく。風がない中で、ぼんやりとざばざばする潮の波にいつもとは違う海を感じる。ぺろっと舐めてみたら、三浦の海より塩気が少なくて甘く感じる。その奥に何か旨味もあって、ここでとれる魚は美味しいのだろうな。

航路を無事に抜けて目印の小さな島で一休み。ちょうど満潮の時間で、そばの大きい島との数百メートル隙間を潮が流れてエディラインもくっきり見える。そこに小さな渦巻がクルクル回っていた。潮は南から北に向かって流れてたようだ。どうりで休憩前、なかなかこの島が近づいてこないなと思ってた。

休憩の小さな島からはもう一時間でゴールの浜につく。ここもまた、大きい島と小さい島のペアになっていて、その間には潮流波が出てきていた。また向かいから流れてきていて、スタンディングウエィブに乗ると進みも戻りもせずに、舳先が流れを裂いて舟はそこにとまっている。渦潮に潮流波乗り。ちょっとだけ味わえた。

お目当ての島の浜に到着。舟をあげてみんなで乾杯。まだ日は高く、白い砂浜ときらきらした明るい海。その向こうには四国・今治がほんの数キロ先にある。20km漕いだのもあっという間、楽しく飲み食いして、テントに戻るのもあっという間。夜半からは雨。明日も雨の予報。臨機応変。


11/2

夜更の雨は強かった。その中の用足しもツアーの醍醐味。戻りがけに隣のテントが目に入る。筋トレ後輩のテントだ。テントの上には漕ぎ用の服一式が乗って雨にうたれている。真水で塩抜きするとは準備がいいね。まあ、もう手遅れだから、飛ばされるほど風も強くないし、無理に起こさず朝までぐっすり眠ってもらおう。

朝起きてめいめいが朝食をとり、手荷物を畳んで支度を終える。漕ぐ用の服に着替えたら、濡れてジャリジャリのテントを畳んで、雨の露天で朝ごはんを作る。山に慣れた人にはこれが珍しく映ったらしい。山だったら、濡れないようにテントの中でご飯をとるのだそうだ。

考えてみると、濡れるのにはずいぶん鈍感になっている。だから、かさばるテントは先に畳んで舟に積み込んじゃって、あとは細々とした道具でご飯をつくったら、すぐにでかけられるようにと思っちゃう。

雨の中また海に浮かぶ。寄り道しながら戻る 25km ほどの行程で伯方島に戻る。昨日と違って曇り空の下に島影も霞んでいる。昨日よりまとまって漕ぎながら、航路をわたり寄り道の四阪島を目指す。雨は降っているようだけれど気にはならず、風はぺったりとして灰色に凪いだ水面。滑るように進んでとても良いペース。

面ツルだなーと思いながら途中を見回すと 360度水平線。島陰も薄いので、海の真ん中感がさらに増す。三浦で漕ぐ時はいつも視界の半分に陸がかぶるから、ぐるり水の上の新しい景色に刺激される。帰ったら、パヤオのソロ往復にチャレンジしてみたい。

四阪島の手前で、シワのよった海が近づいてきた。面ツルとの境がくっきりとある。その上の空は少し雲が薄くて明るい。雲の切れ目は風が吹き下ろしている所と噂に聞いたなあと、強まる向かい風に舳先を突っ込んで、ほいほいと漕いだら四阪島についた。

四阪島では小さな浜を見つけて上がった。漕いでいる間は気にならなかった雨が、陸にあがると急に視界に入ってくる。木のしたに入って雨宿りをしながら、「この浜にまたくることがあるのかねー」とだべる。

また雨の中漕ぎ出して、伯方島のゴールが雨の中でもはっきり見える。雨は本降りのまま続くから、今晩の寝泊りをどうするか、相談しながら漕いでいく。結果、テントははらずにすむ場所で泊まろうと言うことになり、今後の予定が確定したところでゴールにつく。

最後の一漕ぎはいつもペースが遅くなる。浜につくと舟を車に片付けなくてはいけない。そう思うとパドルのひとかきが短くなり、ピッチも遅くなり。水を撫で回すだけでできるだけ浮いていたいと思う。そうは言いながらも、昨日から飲んだお酒が体の中に溜まっていて、陸の用事を済ませろと体がせっつく。心と体がちぐはぐになりながらバウを砂浜にすりあげて海の道をおしまいにした。


11/3

予定どおり夜明け前から車に乗り込み、渋滞にもはまらずに無事に横浜まで帰る。行きはいつもトロトロで、帰りはあっという間に感じるけれど、実際にかかった時間は同じくらい。いつものことながら免許のない僕には舟ごと全国あちこちにつれていってくれる大先輩のツアーはほんとうにありがたい。その帰りの車中、自立したカヤッカーというキーワードがでてきた。自分で行程を考えて準備をして、知らない海を漕いで無事に帰ってくる。なんてワクワクする話なんだろう。

もっと漕ぎたくなって帰ってくるいつものパターン。明日は予備日に休みをとっておいたから、三浦で少しクールダウンしにいこう。カヤックたのしい。

2020年10月24日土曜日

20201024 波遊び行脚

やっと天気の良い週末。ゆっくり起きてクラブハウスに向かう。いぶりがっこ好きの先輩がもう支度を終えて舟をだすところだった。

薄い舟で自分も支度をして追いかける。ひょっとしたら波が上がってくるかもしれない期待がある。昼下がりから南風があがりそうなので遠出はできないから、近場をくるくる回ろう。

近場のポイントには先輩がいて遊んでた。僕らだけだ。波はというと、うねりっ気はあるのだけど大きくはなく、薄いこの舟だと、スターンが波に潜ってしまい、波が押してくれない。あらかじめガンガン漕いで波にスピードを合わせていかないとだめだった。それを横目につるりと波に入り込んで乗っていく先輩のオレンジシメスタ。これは歴戦の勇士で、ハルが補修の色であちこちしているのでマダラちゃんと呼ばれている。先日のサーフ遠足で乗ったけど、とてもいい舟だ。クラブでも一番人気のシェア艇だと思う。

これ以上メンバーは出てこないようなので、先輩と二人で狭い岩場のポイントの様子を見に言ってみた。ここは危ないので積極的には乗らず、波の弱いところで様子見だけ。岩場にいて浮いていたら、知り合いがたまたま陸から遊びに来ていて声をかけてくれた。三人で挨拶話をする。知り合いは、明日の朝、潮が低い時を狙って波遊びにくるそうだ。おきをつけてー。

お昼は手近の浜に上がってたっぷり日光を浴びた。まだまだ昼日なかの日差しには力があるけど、濡れた服に風があたるともう寒い。上着を脱いで乾かしながら、体もだいぶ温めた。それでまた舟を出すとマスコット先輩が小網代の方から漕いできた。午後は風が上がりそうだから気をつけましょうと声をかけて分かれる。僕らは諸磯まで漕いで、南からのうねりでもう一度たっぷりと水に濡れて帰った。

日のあるうちに上がって片付けてたのに、日が落ちるのがとても早い。日中漕げる時間がどんどん短くなるなあ。もう次の夏が待ち遠しいけど、ツアーに行くなら一番良い時期。服装を気をつけてバンバンこごう。



2020年10月22日木曜日

20201022 波が無いだなんて

月に一度のサーフ遠足。少数精鋭のメンツでいつもの浜に繰り出す。秋っぽさのない、曇りがちの年だったけど、今日の浜には高く薄日がさして、白い浜と緑がかった海で気分が上がる。

波打ち際は静かで、波が全然ないじゃん、なんて感想がちらほら漏れつつも、午後に向け潮が下がり、これから変わっていくよと大先輩のフォロー。

いつもの鳥居の横にポジショニングして、沖からの波を見張っていると、しっかりとうねりっ気はあって、先月よりもバンバン乗りやすい。

沈一号はいぶし銀の先輩。今朝一でかいやつの崩れはじめにはまり込んで一気に飲み込まれて、でもすぐに落ち着いてロールで上がる。波打ち際でそれを見ていた手広い後輩が崩れ波を横から食らって油断沈。これもロールであがる。日々の練習の成果はこういうところで出てくるね。あがってひと呼吸しているところに、房総同期が嬉しそうに、パドルタケコプターで突っ込んでくる。やべーやつがきた。ほんの数本の波の中にこれだけイベントが詰まっていて、あー、楽しい。

時間につれて波がじわじわ上がり、どんどん乗りやすく、また一本が長く乗れるようになっていく。徐々にステップアップして、練習にはもってこいの経過だ。でも、まだまだシーカヤックで楽しめる範囲で収まっている。そのうちに正午のチャイムがなり、各自の判断で昼飯をとるように大先輩から声がかかる。

大先輩と僕は、カヤックに乗ったまま波を見ながら持ってきた軽食をすます。大先輩は食べかけのおにぎりをコックピットに一度戻し、一本乗って戻ってきてまたもぐもぐしてた。

波はどんどん上がってきて、ちらほら脱も増えてくる。崩れ波がくる中で水を抜き、リエントリーロールであがり、色々なパターンを実践できた。

朝のうちは波が無いなんて言っておいて、結局は泳ぎまくって舟を上げた。うまくできたことも、疲れてくるとできなかったり、その繰り返しがまた次にくるモチベーションにつながるね。遠足楽しいー。

2020年10月16日金曜日

20201016 冬支度

週末の天気の悪さが続きそう。ちょっと風があるけど、冬支度の準備だと思って三浦にでかける。午前中は強風の予報が続くこともあり、のんびりとお仕事の人たちと一緒に電車に乗る。

高い雲を仰ぎながらバス停からの坂を降りていく。今年はなんだか時の進みが早い。

午前中はだらだら舟をいじろうと自艇を出し、デッキラインやショックコードを張り替えて、いよいよ自分の舟になった感じ。

ひととおり舟の支度がすんだらソワソワしてきて、着替えて舟を出す。台風が来たりで、二週間ほど漕がなかった計算になるのか。ちょっとのブランクで舟への乗り込みが怪しい。いつでも濡れられる準備で冬を迎えないといけないな。

堤防を回り込むと北風のギアが上がる。さっと潮に浸かると水が温かい。 12月くらいまでは空気が先に冷えていって、こういう感じだなあ。風に吹かれながらアウターが冷えていくのを味わいつつ、今年の残りのツアーの服装をあれこれ考える。

北東からの風が吹く中、岸ベタでじりじりと漕いでいく。スズメ島、黒崎の鼻と、手前から風が強まって抜けていく。それで佃まで風を漕ぎ上がって引き返す。帰りは斜め後ろからの一番嫌な風。風見の動きに体をならしていくのにはちょうどいいや。

小網代の湾まで帰ってきたら、奥のヨットの脇をカヤックが抜けてくるのが見えた。平日に誰か来たのかと寄っていくと、洋物のカヤックの一群が次々に出てきて、どこかのツアーだったんだろう。結構な風の日だけど、湾内だけでも十分楽しめるいいロケーション。いいところですよね。


2020年10月3日土曜日

20201003 横瀬島行ったり来たり

 新しい舟にだいぶ慣れてきて、人と一緒ならちょっと距離を出してみようと、また筋トレの後輩と連れ立って朝から漕ぎ出す。今日は風も波もなく穏やかな海。夕焼けが見える中帰って来れるかな。

さっさかと漕いで、荒井浜の沖あたりから諸磯を見ると、何艇か他のカヤックが見える。今日はウキウキ、みんな舟を出すよねと独りごちながら、諸磯の岩場を抜けていく前のカヤックをなんとなく追っかけて漕いでいく。つかず離れずで三崎の堤防、釜根を過ぎ、長津呂崎まできてしまった。

前のカヤックはヘルメットを被り、長津呂崎の岩場の間で、うねりの崩れ波に揺られて遊んでる。この界隈を漕いでいてヘルメットを被っている人はなかなか珍しい。いい趣味をお持ちですなあ。

こちらはそういうものはないので、先に進むと追い潮とゆるい追い風にのり、ぺろりと安房崎まできてしまう。まだ後輩が漕ぎ足りないようなので、盗人狩りまでは漕ぎ抜いて一休みしたあとに横瀬島まできてしまった。ちょっとロールなどをして水につかり、大先輩のツアー組を探しに城ヶ島まで戻る。安房崎の影からカヤックが今来るか来るかと思っていたら、なかなか来ないで安房崎についてしまった。そこで無事ツアー組に合流。みんなも横瀬島までいくと言うので、再度へさきを返して今日2度目の横瀬島。ここで昼ごはん。

帰りはのんびり岸沿いに戻り、宮川のマリーナでちょっと休憩してから、まだまだ残るうねりがぺったりと動く無風の昼過ぎの帰り道。

ようやく慣れてきた新しい舟は、僕がカヤックを好きな理由をより際立たせてくれる。水の上と中のその両方にある舟がカヤックだと思う。ぽっかり浮いているだけじゃつまらなくて、できるだけ水に近づきたい。足からの動きが手に伝わってパドルが水を掴み、進む。時にはパドルを突っかい棒に波に刺し、体の重みと波の力がパドルの下で自然と釣り合う。いつでもパドルを通して水の感触が手にあり、波の感触が舟をとおして丹田に落ちる。

城ヶ島の南岸や、帰りの諸磯で波遊びをしながら、パドルで水を撫で回してウキウキ帰って舟をあげた。

2020年9月26日土曜日

20200926 諸磯アトラクション

天気予報が二転三転の週末だったけど、雨でもどうでもなれと土曜に決めてでかける。ちょっと風と波がある中を漕いで、新しい舟を試したいのもあるし、海に合わせて遊びようはいくらでもある。

筋トレ後輩も距離を漕ぎたいというので、申し合わせてクラブについて、支度をして二人で舟を浮かべる。

うす明るい曇天の空からときおりぱらつく雨はパドルの滴と区別もつかず、特に気にはならない。堤防を回って北に舟を向けると、前からの風が冬がくるよと教えてくれた。

おう、久しぶり、と挨拶しながら向かい風にパドルを回す。これからの北東の風が抜けやすい場所などを後輩と話しながら、出し風の中いつもより岸寄りに山だてをしつつ、黒崎の鼻、佃、荒崎とつなぐ。

荒崎から亀城礁をみて漁船が空いているのを確認し、ちょっとそこまで。カメギのあたりでは上げ潮が早い時間で教科書どおりに南から北に向かって潮が流れていた。南からぬるりと流れ込んだ潮が隠れ根を越えて落ち込み、北側にわさわさとした波を作っている。それに揺られて浮いていると、北からの風に逆らって徐々に北に流されていく。おもしろい。

結構南からのうねりはあるなあと思いながら荒崎に戻り、大先輩のツアー組を探しに南に少し漕いだら黒崎あたりで合流できた。

ここまでのところ、後輩もちょうど良い負荷だったいうのでそのまま一緒に漕ぎ、荒崎で舟をあげてお昼にした。今日はビジターもメンバーもにぎやかで、荒崎の橋をくぐった小さな浜はカヤックで一杯だ。

お昼を終えて南に戻るツアー組と別れ、後輩と二人でもう少し南に距離を出すことにした。佃からはまっすぐ諸磯を狙い、追い風追い波にのって漕いでいく。時々サーフ状態にはいれて調子に乗ってパドルを回す。後輩もバンバンパドルを回して楽しそう。

諸磯についたら、ジッパーラインのスポットがいい感じにジャバついていて、ここでしばらく遊ぶことにした。右から左から波が崩れ、それがかち合うとスポンと舟が持ち上がるアトラクション。その中でブレースをし、ロールをし、舟と一緒に揺られているだけで波に慣れられる。おかげでだいぶこの舟に慣れてきた。後輩も、ロールこそしなかったけど、ここで揺られているのが良い練習になると納得したみたいだ。また来よう。

ちょうどよい時間になったので、また北に漕ぎ戻ってツアー組と合流した後一緒にクラブに戻って舟を上げた。

2020年9月22日火曜日

20200922 お引越し

舟が2つになったので、分割艇を家に引き上げようとクラブに出かける。カートやブルーシートなど、舟を上げたあとの道具をいろいろ舟に積んで水に浮かんだ。

家とクラブは歩いて半時間ちょっと。カヤックでいっても同じくらい。かかる時間が同じなら、漕いで動くほうが楽しいに決まってる。

ちょろりと漕いで、めぼしい浜に舟を上げた。ここまでスリムな後輩が同道してきてくれて、片付けを手伝ってくれた。

舟を分割し、舟から出したカートに一切合切を乗っけてまとめる。後輩はさらに先まで漕ぐのでまた漕ぎ出していった。僕はカートを引いて歩いて帰る。

家についたら隅々まで洗って片付ける。家の中に置くので、普段より念入りに砂を落とした。分割できると便利だなあ。

家と浜の往復の目処がついて、便利だなあ。メインはクラブからカナックで出るけど、時には分割艇で家からもでてみよう。

2020年9月21日月曜日

20200921 二艘だて

子供が久しぶりにカヤックを漕ぎたいというので、2つある自艇を活かして漕ぎ出してみる。

まず一艘目を支度して僕が漕ぎ出し、子供が待っている近くの浜に舟を届ける。歩いてクラブに戻って二艘目ででかけ、浜で浮いている子供に合流したらいざ出発。

一日中ガンガン漕ぎたいというので頼もしい。それなら今まで漕いだより先まで行こうと、北に向かう。先に進ませ、僕はちょっと後ろをおっかけていく。自分の前の広い海を自由に漕げるのが嬉しそうだ。

ポニョの家と呼んでいる黒崎の鼻の家をかすめ、荒崎の水を覗き込み、小田和湾を見晴らすところまで来た。ここからは子供ははじめて。行ってみますかと漕ぐと、少し向かい風が抜ける中をパドルを回して佐島まで距離を伸ばして引き返した。

昼は荒崎の近くの浜で休憩をしていると、荒崎を北から回ってきたカヤックのグループがある。僕らのいる浜に向かってきたので、場所を明け渡して舟を出す。

ここからの帰り道、斜め後ろからの風を受けて舟を振られる。子供はだいぶストレスを感じながら漕いだようだ。体を全部使ってだいぶ満足したらしく、それで入り江まで戻って舟を上げた。往復 20km弱くらいか、いきなり来てよく漕いだと思う。

2020年9月15日火曜日

20200915 馬乗りできず

 土日は都合がつかなかったので、火曜に休みを取って三浦に漕ぎに来た。筋トレ好きの後輩も同じパターンでやってきた。一緒に南にちょっと距離を出そうという算段。

支度を終えて二人で舟を出す。新しい舟、軽ーい、早ーい。湾内の平らな水面をスイスイ漕いで堤防まで。ここからは気持ち追いの風と波。いつもより舟が振られる気がするのをごまかしながら諸磯までやってきた。後輩いわく、いつもよりフラフラしてるように見えたそうだ。

ここで、自分がビルジポンプを忘れていたのに気づく。ポンプ、スポンジ、フロート、スペアパドルの四点セットは持って出ないといけない。後輩は持ってきてるんだけど、ちゃんとしようということでクラブに取りに戻ることにした。

カヤックを始めて自分が変わったと思うのが、「ちゃんとする」と言うこと。まあいっか、という気持ちを一つ一つ潰して、ちゃんとするための手間を惜しまず、逆にそれを楽しめるようになったと思う。いままでは面倒くさがり屋で、なんでも適当にすませてきたけど、人生ではじめて、「ちゃんとしてないと気持ち悪い」と思えるようになったのは収穫だ。カヤックに感謝。海は人間の都合なんて気にしないからね。

それでクラブに戻ると、大先輩のツアー組がちょうど出てくるところだった。ポンプを持ってきてツアー組に合流し、そのあとは一緒に漕ぐことにした。

今日のビジターさんたちはとても上手で、海況がよかったのもあるけど、さくさくと進んであっという間に赤羽根海岸まできてしまった。ここでお昼。後輩が練習をするというので、すぐにまた一緒に舟を出して浜の前で水につかる。

僕は馬乗り再乗艇をやってみる。これも「ちゃんとする」の一環。この舟のコックピットは、サイズの小さいオーシャンコックピットと言うやつで、後ろのデッキに座って足から入って最後にお尻を落とす必要がある。お尻がデッキにあると、シートに落ちてるときより格段にふらつく。

沈脱を想定しての馬乗り練習だから、水船になっているし波もある。これだと、木のパドルを横に出してアウトリガーにしてはいるんだけど、ふらついて失敗してしまう。数回やってあきらめて、素直にリエントリーロールした。

リエントリーで上がってからがまた大変。ボリュームが低い舟なので、水を抜いているそばから波でコックピットに水が入り、堂々巡りを繰り返す。しょうがないので、スプレーをはめた隙間にポンプを通す形で大部分蓋をしてポンピングしたらようやく水が抜けた。


正直、昔ながらのグリーンランドカヤックはもう少しボリュームがあったんだろうな。とはいえ、ボリュームがあったらあったで、バルクヘッドのない伝統的な舟でソロ沈脱水船状態とか考えたくもないな。まあ、これは1日岸沿いを遊びまわるファンボートと割り切ろう。もともとツーリングにはそれ用の舟があるしね。

そうして遊んでいたら出発の時間になったので、みんなで連れ立って漕いで諸磯まできたら結構波がたっている。手広くやっている後輩がさっそく突っ込んでいった。それを見ていたビジターの皆さんもちょっとチャレンジしてみたくなったようで、少し待ってはみんなの掛け声に合わせて漕ぎ始め、すーっと波に乗れたり乗れなかったり、大きいのにあたって沈脱したり。みんな満遍なく楽しんで、お腹いっぱいになって戻った。中には、三回沈脱した猛者もいて、今日のツアー組は精鋭が揃っていたなあ。

思ったほど距離はでなかったけど、平日に夏のちょっぴり残ったところを満喫した。次の週末は四連休だ!

2020年9月10日木曜日

20200910 さ・さ・さ・さ、サーフ!

 久しぶりに大先輩の車で波遊びの遠足をする。車もあんまり詰め込まず、余裕を持った人数ででかけた。他にも二人、自前の車で現地集合。

小二時間車を走らせてお目当ての浜につくと、現地集合の二人はもう支度を済ませていてやる気が伺える。サーフ好きの先輩はサーフカヤックも持ってきていたけど、海は穏やかで出番はなさそう。普通のシーカヤックですでに浮かんでいた。

ぼくらも支度を済ませ、舟を並べて集合写真を撮った。さぁ、やりますか。

日差しはまだ強く砂浜は暑いけど、海の上で水につかればちょうどいい。波はそれなりに遅い感じだけど、これから干潮だからとの期待を込めて、移動はせずにこの浜にはりつく。だんだんど遊べる感じになってきて、一人二人の沈もでると歓声があがる。結局昼のサイレンを聞いても浜にあがらず、1時ごろになってバラバラと浜に上がり、てんでの昼ごはんが始まる。練習熱心な後輩が、家で作ったきゅうりの浅漬けを振る舞ってくれた。暑い日差しの中での昼ごはん中にすっと体を冷やしてくれた。ありがとう。


昼ごはんをすぎて波がちょっと良くなってきた。のんびりした感じだけど、しっかりと長く遊べて、サーフ好きの先輩と一緒に何度も砂浜に打ち上がった。その引き波にうまく乗って、取り残されることなく海に戻れると楽しい。

ここ一いい波にはみんな一斉にのる。一度に5人は乗ってた波もあったと思う。マルチ乗り楽しい。遊び好きの先輩は、ちょっと舟の勢いが落ちてくると二、三度グイと漕ぎ、その先で波の勢いが盛り返すところにスピードを合わせて長く乗る。いぶし銀のテクニックだ。

ひっきりなしに遊んでいたら、水平線のもくもく雲の輪郭がぼやけ始め、真上の空も灰色に変わったかと思うと、雨と風がざっと入る。雨粒が叩いた水面の細かい模様もぼやけ、その中で波に乗るとスピード感がます。前漕ぎ道場主の後輩は、このぼやけた中でセルフレスキューを練習し、馬乗りとリエントリーをやっているのが何かの映画みたいだった。

そのうちのその雨もやみ、だいぶ日が落ちたところでおしまいにして、みんなで舟をあげた。朝から1日この浜から動かず、でもあっという間だった。強烈な波ではなかったけど、久しぶりにみんなでサーフできたのが楽しい。帰りには、大先輩の車組で灰干しサバの定食を食べて遠足を満喫して帰った。

ここのところ、毎月波遊びの遠足を入れてくれている。来月も是非参加したい。

2020年9月5日土曜日

20200905 進水式

日が明けて、今日は台風からのうねりがもう少し上がるかな。波で遊びたいし、昨日届いた舟の進水式もあるし、いろいろ忙しい。

クラブについていつものポリ艇を出す。NZ先輩もちょうどやってきて、一緒にポイントまで慌ただしく漕いでいく。網代崎は昨日よりも波がある。ひょっとしたら甲斐性のある知り合いがもうきてるかもしれないと思ったけど、僕ら二人だけだった。

久しぶりの台風うねりで、ちょっとビビりながら少しずつ遊び始めた。そのうちに、ロングのサーファーが一人やってきて、また二人 SUP が南の方からバックを担いでやってきて、波に入ってきた。いつもの近くの駐車場が時世柄やっていないのだろう。駐車場難民になって離れたところから漕いでやってきたのだろうかと思う。いい波が来たので乗ろうとしたんだろう、波に背を向けてダッシュしようとして、担いだバックごと海に落ちてた。

潮時と思ってNZ先輩とクラブに戻り、ポリ艇を洗ってラックに戻すし、皆に付き合ってもらって、二艇目の進水式。わっしょいわっしょいと艇を担ぎながら神社にお参りをし、ビールをかけて舟を出す。

ツアー組と一緒に漕ぎ出す。ボリュームのない舟だから、半分沈んでるとみんなに言われる。なかなかできなかったロールがあっさりできた。まあ、そういう舟だから簡単。逆に、あっさりできる舟で荒れた海は心配しかない。ソロで1日何十キロ漕ぐというなら、ボリュームがあってしっかりと浮いている方がいい。


そうはいってもロマンがあるよねと、機嫌よく漕いで午後の休憩に浜にあがる。ビジターも含めて、水につかる練習が始まる。手広くやっている後輩は、ここのところロールの調子が悪いと首を傾げていて、ロングでもあがらない。やっているのをみると、セットもスイープの動き始めも上出来で、パドルのフェースが水面に沿って綺麗に出ていく。なのに、後半いきなりフェースが被り、水面に垂直に立ってしまう。

フィニッシュの構えもあっているのに、どうしてフェースの角度が回ってしまうのか、よくみたら、フェザーが反対の左利きの角度になってたのに二人で気づく。右利きの角度に直したら、ロングもショートもあっさり上がった。調子が悪かった間、基礎に戻って腰の動きなどを反復していたので、全体で見れば得した感じ。後輩は前漕ぎも手首に違和感があったと行っていたけど、角度が浅いと案外気づかないものだなあ。

それにしても新しい舟、乗り降りに苦労する。コックピットにお尻を入れてから足を入れる、というのが普通だけど、この舟はそれができない。後ろのデッキに座って、足を入れてお尻の順番。お尻がデッキに乗っている一番不安定なところでパドルのアウトリガーがないと絶対沈する。沖で沈脱したら、馬乗りなんてできないんじゃないだろうか。しばらく試してみよう。

2020年9月4日金曜日

20200904 いろいろやってきた

台風のうねりがとうとうやってきた。今シーズン初になる。時間ができて昼からクラブハウスにやってきた。

今年できるようになりたいロールがあって、普段つかっている舟だとできないから、ここのところ色々舟を変えて試している。

今日も違う舟を出して水に浮かぶと、もう日も下がり始めた時分。練習するか波を見に行くか決めかねて網代崎を見ると、久しぶりのうねりで波をかぶっている。まだそんなに大きくない。

金輪継でついだ分割の木のパドルができてから、波遊びできるのを待っていた。これで大きな崩れ波をブレースで耐えられればまあ大丈夫と言っていいだろう。

いつものポイントには僕一人。さっそく乗り始める。ここまでこのパドルを試してきて、継ぎ手に1mmほどの遊びが出始めた。前だけ漕いでいる分には気にならないけど、パドルの両面を切り替えながら使うと、さすがに遊びが動く。動きの中で力のかかる方向や強さが頻繁にかわるような用途では、さすがに木だけでは難しいと思った。

それでも、ブレースで横乗り、波沈でのロール、ひとしきり使ったけど折れずにこなせた。紐を巻くのはひと手間だけど、それでさらに補強してまたしばらく使ってみよう。仕口の刻みが上手になって隙間なく作れるようになったとしても、あっちこちから曲げ荷重がかかって仕口が少しずつ潰れ、同じようになるだろうと思う。こういう用途には細かい面が沢山あるよりも、大きな面を合わせてぎゅっと紐で締め付ける方が向いていそうだ。

もう一つ、今日使った舟は、実はハッチに不安がある。ネオプレーンのインナーハッチがないタイプで、FRPのアウターハッチをはめるだけ。そのアウターが、波に乗ってバウが沈んだときにずれてしまった。完全に外れはしなかったけど、水をかぶればバウ側に水が入る。これは大変と、パドルで押しずらしたら、ポコンとまたはまった。一安心したけど、潮時とやめにする。

堤防の内側に戻ってロールの練習。今日の舟でもやっぱりできなかった。

舟をあげてしばらくしたら、大先輩の車が WFK のカナックを積んでやってきた。舟を降ろして包装をあけると、薄くて細くて長い。シメスタ5分割とはだいぶ違う。コックピットに座ってみたら、そもそも乗り込み方も違う。


しばらくはこれで漕いで、いろいろ慣れてみよう。夕方は涼しくなってこれからがカヤックのベストシーズン。いろいろやってきて楽しみが膨らむぞー。

2020年8月29日土曜日

20200829 夏祭り

今日はクラブの夏祭り。とはいえご時世の許す範囲ということもあり、おとなしめに集まって船を出す。総勢12艇。

さて、どこまででも行ける海況だけど、どうしよう。ひとまず南に進み、諸磯で潮をみるけど気持ち今ひとつ。向かい風の気持ちよさもあって、もう少し先までと、三崎の堤防にとりつく。うねりっ気は少ないけど潮が高く、どうかなぁと思ったら、大先輩が茶目っ気をだしてピューっと堤防をくぐってきた。何度か天井が近くてヒヤヒヤしたそうだ。それにくっついて、もぎっちゃう後輩も一人くぐって楽しそうだった。

海上での会話を楽しみながら赤羽根海岸までやってきた。この辺までが潮時と昼の休憩にみんなで舟をあげる。夏の日差しで焼けた砂があっつい。

物持ちの良い後輩がタープを出してくれ、何人かはその日陰に、残りは城ヶ島の潮につかりながら過ごす。この後輩のカヤック歴は随分長く、クラブにきたのは最近だけど、もう随分とあちこち漕ぎまわってきたらしい。その舟も随分とハクがついている。

帰りは追い風で、少し暑さを感じながらも、気持ちの良い海をスルスルと漕いで、メンバーだけだから対して休憩もせずに入り江まで戻ってきてしまう。

今日は夏祭りだから、入り江でもうひとイベント。今年は一人でもできる運動をテーマに、マスコット先輩の新しいセルフレスキュー。沈脱したらコクピットのすぐ後ろに腹ばいに乗り上がり、そこから寝返りをうってコクピットの中にお尻を落とす。実践的かどうかはべつにして、そういうことを考える先輩の性格がよく出ている。

そしたら、つぎは海外のカヤッカーがやっていた、コックピット後ろのデッキに馬乗りになったら、その場で体をぐるりと一周向きをまわしてもとに戻る。両足が片側に揃うときがバランスを崩しやすい。

あとは、リエントリーロールと、カヤックの立ち漕ぎにチャレンジして終了。今年は風があって、立てても漕げなかった。

遊んでいる間、デッキに寝そべって、両手両足を水につけて空を見上げたら、雲がとても高い。入り江にも小さなタコクラゲがたくさん泳いでいたし、もう秋が来てるんだなあ。

2020年8月25日火曜日

20200825 えび島の潮

早めの仕事終わりにしてまた軽く水につかりにいく。今年のテーマとなっているロールの練習もしたい。

今日はちょっとボリュームを少なめの舟ということで、WFKプリンスを支度して浮かぶ。この前とても潮が澄んでいたので、またどうかと思って諸磯まできた。

見回してみると、潮はそれほどでもない。気持ちを切り替えて周りを見回すと、潮が諸磯を流れ抜けるのが気になった。

ちょろりとネットを検索すると、上げ潮は相模湾を逆時計回りに流れ、下げ潮は逆の時計回りに流れると出ている。それを頭に入れて漕いでたけど、いまいち感覚と合わない。

今日も、上げ潮なので北に流れているはずが、どうも反対に流れてくる。南風なのに、潮はどんどん南に舟を運んでいく。やっぱり、岸の近くではいろいろ変わるんだな。

浅い根の上流側では水盆のようにのっぺりとした水面が、根をぬるりと抜けると落ち込んだ先の波がざわつく。手を止めて、ざわつく水面に揺られるて楽しんだら、ちょっと水につかってから舟を上げた。

2020年8月22日土曜日

20200822 剣崎

 遅い梅雨明けのあとは台風が来ずに、良い天気が続く。筋トレの後輩と連れ立って出かけようと朝から出かける。クラブにつくと、レジェンド先輩がすでに横瀬島往復に出かけたあとだった。後輩は来るのにはまだ時間があるので、一人でまずは佃をチェックしてちょうど良い時間に小網代の入江に戻ってきた。

大先輩もツアー組を迎えにいく準備をしていて、今日は暑いから諸磯周辺を巡るくらいかなと話を聞く。今日は潮がとても澄んでいて、エビ島はとても良さそうですねと大先輩に伝えて、後輩と二人で舟をだした。

波も風もない。とても静か。どこまででも行ける、そんな海。今回は南に行こうと話をして、諸磯、釜根、長津呂崎と漕ぎ進む。後輩は、前回のレスキュー練習会で、本当にひょっこりと左右のショートが上がるようになった。これで夏の盛りでも余裕を持って体を濡らしながら進んで行ける。

横瀬島にも波はなく、剱崎の灯台下の水路で一休み。奥の水溜りの雰囲気がよかったので、ここで水につかりながら昼ごはんを食べることにした。後輩は初めてきたようで、気に入っていた。


雨崎を目標にきたけれど、久里浜も遠くに見えて東京湾に入ったわけだし、ここで引き返して大先輩組に合流し、のんびり過ごそうとまとまる。盗人狩りや宮川はよらず、まっすぐ城ヶ島の灯台を目指して淡々と進み、久しぶりに長津呂崎の岩場の間をすり抜けられた。いつもは釣り人が竿を出していて通れない。

三崎の堤防を回り込んで諸磯の見晴らせるようになる。大先輩組がいないかと目を凝らしながら四角い灯台を目指して進んでいると、そのうちエビ島の上にチラチラ人が動いているのが見えてきた。エビ島は大人気で、僕ら以外にもいくつかのグループが集まっていて、思い思いに海の中を覗いている。僕も舟をちょっとあげて、イソギンチャクの間にいる小さなミツボシクロスズメダイの幼魚を見つけたり、赤ちゃんイカの群れをおっかけたりして楽しんだ。

次は休憩所の俺の浜でもたっぷり水に浸かる。クラブの人たちはそれぞれのレスキュー練習をして、浜の前に浮いているカヤックの半分はひっくり返った状態。こんなにひっくり返ってるカヤックはあまり見ない。ぼくらの練習の成果がだせる波がそのうちくるといいなあ。

日も下がり始めてだいぶ過ごしやすくなる中、浜からでてまったりと入江に戻りみんなで舟をあげた。



2020年8月18日火曜日

20200818 昼下がりのカヤック

カヤックを漕がなかった週末の代わりに、平日の昼下がり、ちょっとクラブハウスにでかけた。日も傾きはじめた中、波のない穏やかな網代崎を漕ぎぬけて諸磯の灯台沖までやってきた。前回このあたりで美味しそうな魚を見たので、それをまた見ながら気持ちよく水に浸かろうと思った。

今回はちょっと水が濁ってて、あんまりよく見えなかったのが正直なところだけど、それでも水中眼鏡で水の中をのんびり覗いているのは楽しい。泡がパチパチという音を聴きながら、時々息継ぎに水の上に顔を出してはまた潜る。

お日様が色づいてきたので網代湾の堤防に戻ったら、房総同期がちょうど練習しているところに行き合った。一緒にしばらく練習していたら十分体が冷えてきた。今日は雲が厚く、夕焼けもぼんやりした感じになりそうだったので諦めて、一緒に戻って舟をあげた。クラブでは、夕涼みの散歩にきていた後輩夫婦が赤ちゃんを連れて迎えてくれた。


暗くなりながらの片付けは、水につかった体に肌寒さを感じるくらい。昼の暑さはこれからもぶり返すだろうけど、朝夕から秋に変わっていく。またひとつ夏が過ぎるなあ。


2020年8月10日月曜日

20200810 練習会


夏の暑い時期は水につかる絶好のチャンス。日々のカヤックの中でレスキューの練習をしておくのはもちろんだけど、一年に一度、クラブの集まりとしてみんなでレスキュー練習できるのは大事。お互い忘れてたこともあるかもしれないし、レスキューの引き出しはできるだけたくさん持っておく。初心に帰って確認しよう。


まずは朝一人で出かけてみると、いつものポイントでNZ先輩が波待ちしてた。とはいっても波はなく、それならと諸磯まで出かけて少しだけ波がある岩場で揺られて遊ぶ。すでに暑いので、水中眼鏡をかけて水の中をスカリングで覗くと、美味しそうな魚がちらほら見えて、嬉しくなって息継ぎしながら水中散歩して遊んだ。


そろそろ練習会が始まる時間になるので、先輩と小網代に戻ると、木のカヤックも含めて何艇か諸磯の浜から出てきた。いい時期ですもんね。諸磯の湾からはヨットがバンバン出てきていて、それを知ってか知らずかそのまま進んでいく木のカヤックを見送りながらNZ先輩とぷかぷか浮いてた。


入江の奥に戻ったら、大先輩の声がけに合わせて練習会が進んでいく。まずはTレスキューで、ペアを組んでお互い助けたり助けられたり。やらかしがちなのが、舟につい馬乗りで乗っちゃう。これをやると、波がきた時に舟の間に足をガツンと挟まれることがあるので危ない。ちゃんと腹這いで足を揃えて後ろ向きにコクピットに戻ろう。またがっちゃだめ。


そしたら次は馬乗り。腕に頼って登ろうとすると、舟がくるんと回ってしまってラッコになる。乗れても腹這いになって進もうとすると、足先が上に上がってしまってかえってバランスが崩れる。それでもまた海に戻る。水につかってああ涼しい。


馬乗りでだいぶ疲れてきたら、そこでパドルフロートを使ってのセルフレスキュー。これはほんとに最後の砦。これも、パドルフロートに全体重をかけるとパドルが折れるというハプニングになるので、基本は馬乗りと同じで舟に乗り上げ、フロートはあくまで1割くらいの体重で。


それで、最後はロールの練習。できる人は自分で、とてもできる人は初めての人をサポートに。それで、みんなロングでは一回は上がるかなってところでお昼ご飯を挟んでもう一ラウンド。筋トレの後輩は、なかなか苦労してたけど、グリーンランドパドルのショートで上がるところまで形になってきた。おめでとう。それで、全員ロングで一回は上がったね、というところで湾内からでることにした。


少し南風が上がってきた中を、堤防からちょっと出たところまで漕ぎ進める。そしたら大先輩がいきなりひっくり返って「XXちゃん助けてー」と名指しで言う。それをみて、あちこちで脱って「助けてー」コールが始まる。Tレスキュー、馬乗り、ロールを一通りおさらいして、みんなで帰って舟をあげた。たくさん水に触れたあとの夕方は体がひんやりして汗もかかずに気持ちいい。


あー、楽しかったとみんなでクラブハウスでのんびりしていたら、前漕ぎの道場主がやってきた。なんでも、今日納艇なんだそう。それならとみんなで待っていたら、日の入り間近にWFKの水野さんがやってきて、無事に夕日の進水式を終えられた。道場主は、昼間できなかったレスキューをひととおり進水式でやって、帰ってきて舟をあげた。さすがだ。

今度の舟は波遊びを狙ってるな。一緒にバンバン遊びましょー。

2020年8月2日日曜日

20200802 みんなで長者

 8月に入って梅雨が開けて、風も落ち着いた予報にウキウキしてくる。これが先週だったらキャンプ日和だったのになあ。何人かと連れ立って、ちょっと距離を出したいねということで、長者まで行ってみようと決める。


正直、長者往復だとちょっと物足りないかもしれないと思ったので、朝いちで動いて早めに舟をだす。すでにいぶりがっこ好きの先輩と前漕ぎ道場主が支度をしていて、一緒に軽く沖網代にタッチして、もう少し北まで大回りで回り込んでからクラブハウスに戻って長者組と合流した。


結局長者に向かうのは、前漕ぎ主に加え、スリムな後輩と筋トレ後輩。支度を終えて一緒に漕ぎ出す。ちょっと北風の向かいの中、しっかりと荒崎に狙いを定めてじわじわと漕いでいく。


荒崎から先はちょっと気を遣う。秋谷のあたりにはいつも定置網があって、気が付くと目の前にブイが並んで、回り込む先を探して網にかかった魚の気分を味わう。今日はみんなで漕いでるし、ブイをすりぬけるようなことはしたくないので、早めに目印の旗を見つけて、網のはじを回り込む。


北に向かうにつれ、だんだんと賑やかになる海の様子を楽しみながら、長者を回り込んで北側から長者の砂嘴に上がり込んだ。今年は海の家がないながらも、こっちの海は例年の賑わいで、昼ごはんを食べながら、SUPの華やかさを味わう。


よし、昼ごはんが終わったら帰りますか。大先輩の組にも合流したいしねと、折り返して岸ぞいをさかさか漕いで、佐島のキラキラした浅瀬でまた SUP の華やかさに行き合う。ええですのう。


向かい風にもならず、ほぼ無風のおだやかな小田和湾を荒崎まで渡って暑さにまいり、日陰のどんどん引きで少し休憩した。崖の上の歩道から見下ろした子供の声に手を振った。その後はすずめ島まで漕ぎ通したら、ちょうど大先輩たちが南から帰ってきたのに合流できた。そちらは水ったれまで往復してきたのだそうだ。今日は海が良かった。


1日一緒に漕いでいた前漕ぎの主に聞くと、これで40km 弱漕いだそうだ。別に早く漕がないし、1日だらだら海の上を歩くだけならそんなに暑くもならないし、いつでも水につかればいい。大事なのは早起きしてくることだけだなあ。

2020年7月31日金曜日

金輪継ぎ

去年あたりから、木のパドルを自分で作り始めて、そのために木工クラブにも入った。一本つながったやつは、それなりに自分に気に入った重さのものができてずっと使っているのだけど、やっぱり大先輩のツアーで漕ぐ時など、分割できるパドルでないと不便なこともある。

それで、分割するのにいい方法はないかなと見回してみれば、継手という、木を継げる技法がそれこそたくさんでてくる。中でも、金輪継ぎというのが一番良さそうだと目星をつけた。

とはいえ、いきなり作るのは自信がないので、端材などを使って何回か細工の練習をしてみた。まだまだ隙間があって不細工なのだけど、それでもようやく実際のパドルで試しても良いくらいにはなってきたのが今年の始めくらい。それで、よし、実際にパドルを拵えるぞ、と思ったら、急に世の中が動きづらくなってきたのが春の初め。木工クラブの年齢層は、うちのカヤッククラブよりもさらに高め。だからとても心配で行きづらかった。


それでもようやく世の中が落ち着いたなと思った梅雨の頃、預けてあった米ヒバの木に線を引いて金輪継ぎの細工を終え、パドルの部分を整え始めた。 


それがようやく形になり、先週は大雑把な削りの段階だったけど、まずは漕いで見たら普通に折れずに漕げた。負荷がかかるロングロールも問題なし。ただ、パドルに頼るロングロールに耐えられるかは未知数。


まずは自分で試してみて問題なさそうだったので、最後まで削り込んでひとまず完成。自分の狙いよりも軽くできてしまったけど仕方がない。試作だし、自由に使ってもらえるようにクラブに置いて、みんなにどんどん負荷をかけて貰おう。折れるかしれないから、普段よりスペアを一本多めにお願いしよう。


2020年7月26日日曜日

20200726 スイカ、レインボーユーカリ、多摩川の海

ここ数日の天気予報は、曇りと出てても、土砂降りと晴れ間が繰り返して、足して割れば曇りなのかもしれない、そんな感じ。夜分から日が明けてもざあっと降っては落ち着くが小一時間の間で何度も繰り返した。それでもこの日は、午後に向けては上向くはずだからと、様子見で舟を出す。

ヨットの脇を抜けていくと、小網代の湾内ですでに赤潮が浮いている。あらまあ。波は全然ないから、クラブハウスで様子見をしているメンバーは出てこないかな。そう思いながら、堤防をまわって北に向かう。

赤潮の中を漕いでいると、パドルから水が伝って、小さな粒々が手に触る。それがいつもスイカの粒々のショリショリした感触を思い出す。なんとなくスイカっぽい匂いまでしてくるような気がする、そんな海を漕いでいく。

空を見ると、薄曇りを背景に、大島から佃嵐崎にむかって粘土を細長くまるめたような雲が一本通っている。佃の向こうまでその雲は続き、先の陸地では雨が降ってるみたいだ。

その雲を前に見上げながら、ささやかな向かい風を感じながら漕いでいたら、だんだん雲も僕の方に近づいてきたのか、黒崎の鼻あたりでいつのまにか雲が真上にあった。そして、北からの向かい風がぐんと強くなった。ちょうど風の押し合いの境だったんだろう。

一本の雲が南に押し込まれていったあとは、細長いまだらな雲がいろんな色に吹きちぎれて伊豆の方に広がる。木の肌がいろんな色になるレインボーユーカリという木があるけれど、青と白の間のグラデーションでその木を拵えたら、そんな空だった。日差しも見えて、とても気分がいい。

それで黒崎を越えると、長浜の湾が赤潮から茶色に変わった。この色は覚えてる。雨がふったあとの多摩川の色だ。一番川からの雨水で、湾全体が茶色にそまってるのかな。すげえな。ここまでくると、南からのうねりが入り出し、目の前の狭い岩場のポイントには良さそうな波がたっている。サーファーもいないし、まだ少し茶色い波で何本か遊べた。

南に目を向けると、一本の雲はすっかり消えて、もう夏の青空といえる天気になってきた。これで気分良く舟をあげようと折り返したら、NZ先輩がちょっとだけ舟をだしてきたのに行き合ったので、それで舟をあわせてクラブに戻っておしまいにした。

なかなか梅雨の明けない年だけど、お日様はもう夏モード。台風はもうちょっと待ってね。

2020年7月15日水曜日

20200715 西側散歩

なかなか梅雨前線があがっていってくれない。ちょっと南におりたタイミングを見計らって海に出る。

まだクラブには誰も来ていなかったけど、週末の予報が良くないことを考えると、きっと誰かしか来るだろう。海の上で会えたらなと思いながら漕ぎ出す。

今日はどうしよう。あんまり遠出はしないけど、ちょっと散歩がてら長者まで行ってみようか。前線からのうねりもかすかにあるし。

気持ち良い程度の北風を漕いで荒崎、長者とやってきた。道中、雲から指した光が長者の岩肌だけを照らし、梅雨の景色に明るい。

長者の波の立つポイントは時々うねりが盛り上がり、ちゃんとヘルメットをつけて何本か遊べた。

帰り道は岸沿いに、道中砂浜でもう一本。その先にはサーファーが二人、ポイントで待っていた。そこはパスして立石で舟をあげて休憩する。

あがったついでにクラブの出艇簿を確認すると、レジェンド先輩、遊び上手の先輩、前漕ぎ道場主の三人が南に出ていた。僕も赤羽根までは行くつもりだったので、道中どこかで会えそうだ。

立石を出て佐島を抜け、荒崎にやってきた。目出度いポイントで一本遊ぶ。近くのポイントではまたサーファーが入っていてパス。一気に諸磯を目指す。

四角い灯台が近くなってきたと思ったら、向こうから漕いでくるカヤックが見えた。誰かかなと思ってこちらの舟を向けたけど、知らない人だったのでまた舟をそらす。出せるならやっぱり今日漕ぐよね。

諸磯灯台の入り江に進むと、遊び上手の先輩と道場主が浜に上がっているのが見えた。僕も舟を上げて挨拶する。二人は安房崎から折り返したあと、諸磯で水に浸かる練習をしまくっていたのだそうだ。さすがです。レジェンド先輩は、もうピューっと戻って舟をあげてるそうだ。

ぼくも赤羽根までは漕ごうと、ささっと昼飯を片付けて二人とわかれて舟をすすめる。長津呂から馬の背までは南からのうねりがダイナミックに動く。隠れ根に流れ込む潮を横目に、舟の動きを楽しみながら往復して諸磯に帰ってきた。この頃にはもう晴れて日差しが強い。その下で何本か長く遊んだあと、クラブに戻って舟を上げた。


舟の仕舞い支度をしていると、手首の一部が赤く焼けていた。いつもと長袖の長さが違ったから、段差で焼けた。曇りと思って油断して日焼け止めを塗るのを忘れてた。なかなか開けない梅雨だけど、その先の夏が少し覗いた気がした。

2020年6月29日月曜日

20200629 西側行脚

予定されていた週末の江ノ島ツアーは海況が良くないので中止になってしまってとても残念。ところがその翌日の月曜はとても良い日和。たまらず海に出た。

支度をして出艇場所に舟を運ぶと、横の造船所の親父さんが海を見ながら「い〜い凪だねぇ」と声をかけてくれた。

この親父さんは、釣りの方もいっぱしで、工場の二階の部屋は釣具で一杯、気が向くとボートを出しては、「今日はアジが食べたいから」と言ってはアジを釣り、他の魚ならその魚を釣ってきて、小網代湾周辺を自分の生簀かなんかのように使っているらしい。

そんな親父さんが良い凪だと言うんだから今日は間違いない。稲村ヶ崎までと出艇簿に書いたけど、昨日行けなかった江ノ島まで行っちゃおうかなー、なんて思いながら舟を浮かべた。

ヨットの脇を抜けてでかけると、風もなくぺっとりとした水面。だけど、網代崎を見るとうねりがゆっくりと崩れている。堤防から出て見晴らすと、いつもの2つのポイントにはそれぞれサーファーと  SUP がもう入ってた。

これは一日波で遊んじゃう日なんじゃないかとも揺れたけど、こういう日だからこそ遠出をして、あちこちのポイントを見て回ろうと決めた。だから、やっぱり稲村ヶ崎で折り返しを目指す。でも、出かける前に定番のポイントでサーファーと一緒に一本乗って、それでやっと出発。

亀城礁と江ノ島が重なるようにレンジをとってまっすぐ向かい、50分漕いで10分の休憩を守り、その都度何かを食べながらだらだらと漕いでいく。僕は早くは漕げないけど、大手を振って散歩をするように、日がな動いていきたい。

亀城礁につくと、ざわつく潮の動きとうねりが相まって、水がぬるりと持ち上がってはすり抜けていく。良い気持ち。期待も高まる。

長者の沖からは稲村ヶ崎の岩肌に狙いを定めて、思ったとおりの時間につけた。ついたとはいえ、ここは有名なスポット。波的にも人出的にも諦め、うねりが割れて進み岩場に崩れ波がぶち当たるのを遠巻きに眺めて折り返す。

折り返して向かうのは大崎。ここは岩場ではなく、その沖合のほうがよく波が立ってた。SUP が数人だけだったので、その脇で一本、気持ちよく遊ばせてもらった。うねりが崩れずに長く押してくれて、下までおりずに少ししたを向いたまま右に左にパドルを切り替えして楽しめた。

あー、さすがに名だたるポイントはいいなあと味わいながら岸ベタに、次のポイントは長者。近づいていくと、白いシーカヤックが一艘遊んでる。あら珍しい。他にもウィンドサーフィン、サーフスキー、ハイドロがついたサーフボードと、実にそれぞれな道具で遊んでる。僕も一度転がされながら、何本も楽しませてもらった。

とはいえ、長者からなら大崎も近いし、なんでそっちに行かないんだろう。向こうのほうが広いし空いてるのにね。

白いシーカヤックは、一度僕の方をじっと見ていたのでこんちわーと挨拶したのだけど、聞こえなかったのか、そのまま見続けている。もう一度こんちわと言ったのだけどそれでも反応が無かったので、もう時間を頃合いだったし、会釈してまた先にすすむことにした。

ちょうど昼も下がりはじめ、強くないとはいえ、ここからは予報どおりの南風。佐島のキラキラを通過して荒崎に渡るいつもの道を、重くなってきたパドルを回して帰った。

江ノ島は残念だったけど、ちょっと距離を出せて感じがつかめた。手にはマメができたけど、夏の間にまた皮も強くなるでしょう。そうしてクラブに戻ったら、他にも二人、平日組の先輩が来てもう帰ったあとだった。良い凪をみんな楽しんだと思う。


2020年6月20日土曜日

20200620 間に合うのか

梅雨の前線が本州の南に下がっていて、そういう時は前線のうねりが入る気がする。加えて大潮の動きにも期待を込める。

梅雨の合間の晴れ間で、小網代の森と入り江の混ざり具合が湿り気を溜め込んだ色をしている。

晴れ晴れと支度をしていたら、オサレな同期がやってきた。一緒に舟を出してポイントを見にいくとサーフ大好きの先輩がすでにポイントにいた。

うっすらとしたうねりに揺られながら、ここ数カ月の近況を報告し合い、乗れそうな波が来たら逃さず遊ぶ。とはいえ、あまりいかつい感じではなく、もうすこしアドレナリンを出したいなということで、三人でポイント巡りをしにいく。

狭い岩場のポイントにはサーファーが数人入っていた。いなくても、ちょっとカヤックでは遊べる感じの波ではない。ここは見るだけ。

そこから少し離れたところに、ちょっと遊べるところがある。ちょうど背景に富士山と松が入り、なんとなくめでたい感じがするポイント。

隠れ音で一瞬波が盛り上がる場所なので、長く乗れるのではないけど、大きく上から落とされる感じが楽しい場所。先輩も何度もバウを沈めてロールしてた。三人で楽しく遊んだ。

用事があったので、そこで二人とわかれ、入り江に戻る。ちょうど大先輩の組が舟を出すところだった。挨拶をしてクラブで用事をすましていると、房総同期がとことこやってきた。

来週は、小網代ー江ノ島を往復する予定がある。とはいえ、ここふた月ほどはろくに漕げていない。それで、心配になってちょっと距離をだしておきたいのだそうだ。同感。他にも何人かそういう人がいるようだ。

それはともあれ、今日はこんなにいい天気、漕げるだけ漕ぎましょうということで、連れ立って漕ぎ出した。

いつものポイントを見てみると、SUPも二人入っていて、のびのび遊べる感じではなかった。なので房総同期は距離を漕いでくるという。さすが前漕ぎ道場門下生。それを見送って、僕は近場のポイント巡りを続け、波遊びも満足し、早めに入り江に戻って舟を上げた。

今日は家にいくつか業者さんが入るので、まるまるは遊べない。こんなにいい天気なのにちょともったいない。これでもう次は江ノ島本番だ。自分も振り替えてみると、はてさて漕ぎの準備は間に合ったのか。帰り道に油壷をぼんやり眺めながら能天気に考えた。























2020年6月13日土曜日

20200613 梅雨入り

梅雨に入った週末。天気はもちろん雨模様。それでも、風はそれほど吹かず、南風の間は気温もそこそこ。雨が強くなる前にちょっと濡れるのも悪くないだろうとでかけた。

歩く途中に諸磯湾で様子を見る。空も海も同じ色をしていて、道路の中央線が鮮やかだった。


クラブで支度をして出かける。漕げずにいる間、ネットでカヤック動画をみて気を紛らわしてた。いろいろ見たけど、ハンドロールをやってみたくなる。今まで何回か、浮力のあるPFDを着てやったときにまぐれ上がりしたことはあるけど、きちんとできるようになってみたいもんだ。

まずは北の方に漕いで様子見。ここのところすずめ島までだったので、黒崎の鼻も佃嵐崎も久しぶりだ。こんなに遠かったかなあとつぶやきながら漕いで、ちょっと遊んで小網代の堤防に引きかえす。

シーボニアの横の浜からカヤックのグループが出てくるのが見えた。ツアーかな。みんな少しずつ海に出てきて、変わらず賑やかな夏が迎えられると嬉しい。

その隣の浜の近くによって、水に浸かり始める。全然うまく行かない。ロールの練習を始めたときと違って、できるようになる気がしない。まあ、これでひと夏、何かと楽しめるでしょう。

風はまだまだ南から。風裏なので結構水を浴びても寒くはない。それでも十分に体が冷えたので入り江に戻って舟をあげたら、ちょうど雨が降ってきた。

もとより帰り道は雨の覚悟だったから、舟をしまったら、カヤックの格好の濡れて歩いて帰ったけど、全然寒くはなかった。濡れることに鈍感になると便利だなあ。


2020年6月6日土曜日

20200606 横瀬島

少しずつ距離を戻して行きたい。支度をしたら朝の小網代の入り江に浮かぶ。

今日の海も穏やかだ。曇り空ではあるけれど、沖網代がはっきり見えたのでまずはそこまでひと往復。水面にはプランクトンが浮いていて、夏の潮へ近づいているなあ。

また入り江に戻って、ちょうど出てきた筋トレ後輩と連れ立って南に漕ぎ出す。しばしば遅れながら、所々でまた集まって進んでいく。

赤いファルトなど、いくつかカヤックとすれ違う。クラブ以外の人を見るのは久しぶりだ。みんな待ちわびてたんだと思う。

横瀬島に着いたら、大潮の引き一杯で小さな砂浜が目線より上にある。あがるのはあきらめて乗ったままの小休止として岸ベタで引き返す。

盗人刈りから城ヶ島へは、建て替えられた安房崎灯台を目指した。前の灯台は海ギリギリの波をかぶる岩場に立っていた。それが緑の高台の上に場所が移り、形もトンガリ屋根のエンピツ灯台になった。

夕日には水面近くの方が映えたけど、高い方が遠くから見えて良いよね。大きい台風が来るたびドキドキだし。どうぞこれからよろしく。

赤羽根海岸では何人かポツポツ舟をあげて昼休みしていたので、一緒に上がって昼ごはんにした。曇りだけど太陽の熱は感じる。日焼けを気にしないとね。

腰を上げて諸磯や俺の浜での小休止をはさみながら入り江に戻って舟を上げた。

途中の休みでは、穏やかな水面で水に親しむ。Tレスキューの時、カヤックのˋ水を抜くまでは助けられる側は水に浸かったままなのが普通。それを、助けるカヤックの後ろに上がって貰い、そのまま水を抜いてみた。


助ける人、助けられる人、両方が上手くやらないと沈しそうだったけど、遊びにはちょうどよかった。向かい合わずにレスキューできるし、すぐに水から上がれるから有り難い。

他にも、手広くやっている後輩がショートで上がれたり、筋トレの後輩もできなくなってたロングロールがあと少しのとこまで来てたり、久しぶりの海で、鼻と口をキレイに洗って、さっぱりした気分で帰った。

2020年5月30日土曜日

20200530 もう夏の空

家からとことこ歩いてクラブに着く。途中の空はもう夏の雲だ。モクモクとしっかり詰まった輪郭で空を区切る。


クラブについて一人支度をし、小網代の入り江にカヤックで浮かぶ。梅雨の前の一瞬の夏になんとか滑り込めた。

小網代湾の堤防まで出ると穏やかな海。さざ波の明るい動きに気持ちも上がる。珍しく岸から離れる気になり、沖網代の赤白を目指して漕ぎ始める。

海は賑やかで、中でも一段と賑やかに波を押し分けてブンブン進んでくるクルーザーが沖に見えた。湾内に入ってくるんだろう。周りの釣りボートやSUPなどには目もくれず、こちらにそのままのスピードでやってくる。

よっしゃと思って舳先をまわし、パドルを回したけどイマイチ乗れず。ちょっと距離があると引き波にのるのは難しい。音に見合ったサイズの波をくれ。

また漕ぎ始めて沖網代についた。赤白の塗りがやり直され、底に貼り着いてた貝なども落とされて綺麗になってた。めでたい気持ちで見上げると、お日様が傘かぶっていた。

三浦の階段状の丘とその緑を振り返り、荒崎から諸磯まで見回す。小網代はシーボニアが目立つ。建物が無いと逆にわからないな。

そうしていったん入り江まで戻ってから、なんとなく南に向かってまた湾から漕ぎ出ていく。人の出が戻りだした浜や磯辺を見ながら、広い平らな海を漕いで行く。

三崎の堤防を越えるのは久しぶりだ。釜根が見えると、向こうからカヤックがほんの数人見えた。朝から出ていたみんなだ。

なんとなく合流して、ここ何ヶ月の様子などを分かち合う。以前より離れてる気もする。だいたいパドルの長さが目安。沈しても助けないよと軽口も出る。海は舟も人も区別しない。ブランクもあることだし、セルフを今一度確認しよう。

久しぶりの顔との会話に、皆だらだらと浮かび、堤防に沿ってただ流れていくに任せる。一人、レジェンド先輩だけはその周りをクルクルと囲むように漕いでいた。さながら、止まることのできないマグロ見たいだけど、いかにも先輩らしい。

そのうち堤防も離れ出したので、みなと別れて筋トレ後輩と長津呂崎まで漕ぐことに。岩場の波によって少し遊ぶ。強制オンザロックはここではちょっと怖い。そこで引き返し、先を行くみなを追うでもなく、ダラダラしながら時間をたっぷりかけて帰る。

まだまだ気をつけなくちゃいけない事も残ってるけど、工夫をこらして漕ぎ抜けよう。待てば海路の日和あり。

2020年3月21日土曜日

20200321 鼻うがい

この連休はキャンプの予定だったけど、金土の風が強すぎて駄目になった。まあ、その他にもだいぶややこしい状況が迫って来ていて、抜き差しならない世の中だけど、百閒先生を思い出して暮らす。先生は、なるようにしかならぬと腹を括って、B29の空襲の下一升瓶の酒を空けた。大事にとってあったその一升瓶には、底にほんの一合あるだけだったけど。

金曜からクラブハウスに泊まり、土曜は朝から一人漕ぎ始める。泊まったのは一人じゃないけど、みんなはまだ寝てる。金曜の爆風で波が残るかもと思ったけど、全然だめだった。

それでも、サーファーがよくいる所ではいくつかパスしながら遊べる感じで、しばらくとどまる。そのうちSUPが一人やってきて、挨拶して一緒に遊ぶ。普通のボードサーフィンもしてたと、自分から教えてくれた。

まあ遊んだかなと思ったので場所を譲り、近場まで戻るとNZ先輩、雰囲気イケメンの後輩、筋トレ後輩も出てきた。

今日もまた、午後の早い時間から風が上がりそう。遠出はできないので、どうしようか四人で相談する。筋トレしたい人がいるので、その後輩に残りの人を牽いて貰うことにする。

一艇ロープを結び、残りの二人が結ばれた舟にしがみついてそれを後輩が牽く。さあ、行こう。結構早いペースでひいていく後輩は、負荷がかかって話す余裕はないけど嬉しそう。

さすがに網代崎くらいまで引いたらしんどそうなのと、牽かれてる側はつまらないので、しがみついていた二人は普通に漕ぎ出した。やっぱり動いてなんぼ。

それで諸磯までついてロープを外した。後輩は十分に筋トレできたので満足したそうだ。僕は諸磯の水が綺麗なので、ひっくり返って鼻うがいを十分にした。

まあ、長く漕ぐ雰囲気でもないので、それで湾内に戻って舟をあげておしまいにした。また折を見て海の上に出ようと思う。

2020年3月15日日曜日

20200315 ダッシュとノンビリ

またまた筋トレしたい後輩と漕ぐ予定で朝一で出かける。

支度して一人で浮かぶとだいぶ暖かい。ドライスーツの中は一枚減った。少しぱらつく雨を浴びながら出ていくと沖の雨が朝日を受け虹を出してくれた。

堤防まで出て広く相模湾を見渡すと、左の網代崎と右の江ノ島から立ち上がった虹が伊豆半島に真ん丸にかかる。

左に虹を見ながらいい気分で北に向かい、近場の見回りを終えて堤防まで戻る。その頃にはもう虹は消えた。

入り江の中からはNZ先輩とスリムな先輩が出てきて、南に行くと漕いでいった。僕はクラブハウスに戻ってから改めて出かける。一緒に出てたのは筋トレ後輩とロマニー先輩。

先に行った二人を追いかけ、筋トレ後輩のダッシュのペースでヒーヒー漕ぐ。諸磯を抜けてもペースは落ちない。三崎の堤防に取り付いてやっと一息。次は赤羽根まで一気に漕ごうと決めて動き出したら、釜根のあたりで二人の先輩が戻って来たのに行き合う。

お昼の相談をして、午後の南風の上がりを嫌い、お昼は近場にしようときまる。それなら俺の浜と、5人で漕ぎ出すとまた後輩がダッシュ。結局諸磯までまたダッシュで戻った。

後輩はゴリラを気に入って乗っている。どんな感じか興味が合ったのと、何となくやってみたくなって、諸磯の海上で二人で舟を乗り換えられるかやってみた。

まず僕が自艇とゴリラに2艇またがって馬乗りになり、手でも押さえた。そしたら後輩にゴリラから僕の舟に乗り移ってもらう。

後輩が僕の舟のコクピットにお尻をいれるところまではうまくいってた。ところが、足を入れるところでバランスを崩して後輩が沈。あと少しだったのに。

ほがらかな雰囲気になったところで、馬乗りで再乗艇して俺の浜に向かう。浜に舟をあげて、ここからはノンビリの時間。ダラダラと昼を過ごし、疲れた体を十分にほぐした。

ロマニー、スリム先輩は早上がりと言うので俺の浜から湾内に戻ったけど、NZ先輩、後輩と僕は荒崎手前までチョロっと漕いでそれで帰って舟をあげた。

色々キナ臭くなってきているけど、海の上は換気もいいしソーシャルディスタンスは山ほど取れる。気を引き締めて行こう。


2020年2月29日土曜日

20200229 南岸散歩

先週に続いて、ガッチリの後輩がしっかり漕ぎたいと言うので、早起きして出かける。午後から南風が上がる予報で早めに動いたのだけど、結局は大した風ではなかった。中潮

同じように始発で動いて佃まで往復しておく。支度をして一人で浮かんでみると、それはのっぺりとした海で、このままなら距離漕ぎにばっちりだと思う。ただ、午後の風の上がりが気にはなっている。こういうときは、これなら行けるかな、という気持ちと、いやいや、南風が上がって長津呂崎でビビったことを思い出せ、という気持ちがせめぎ合う。

思い出す長津呂崎は、今ならなんなく漕ぎ抜ける程度の風と波だったと思うけど、大事なのはその時の海況じゃない。ヤバイかなと思ってみぞおちがキュウっと締まり、それじゃいけないと深呼吸をして、体を緩めたときの心持ちのほう。

この心持ちは、いつでも取り出せるように大事にとっておいて、その時の判断の指針に何度も使うんだと思う。

目標を盗人刈りと定めて後輩とクラブハウスで合流する。また筋トレ漕ぎだとぐいぐい行くので、それをひーこらとくっついていく。前回よりは波がない。すんなりと盗人刈りまでつく。どんどん引きに比べて大きくて明るい青空の抜け感を楽しんで、今度は岸沿いに引き返して宮川の入江まで来て小休止。三浦の南岸を十分に楽しんだので、大先輩の定刻組にお昼で合流しようと戻り始めたら、大先輩から電話がきた。

「黒鯛込でお昼にしてます」

了解です。赤羽根海岸くらいまでくるかとたかをくくっていたけれど、やはり南の上がりを警戒して遠出はしなかったようだ。こちらもさっさと三崎の堤防を回るべく、ダッシュで二人で漕いで行く。ゲストに皆さんがお昼を終わる前になんとか滑り込みで合流できた。ゆっくりお話しながら残りを一緒に漕いで舟を上げた。

後輩は、二時間弱ほど筋トレ漕ぎをして、そのあと合流してのんびりするのにハマったみたいだ。最近コロナの影響でジムにも通えず、モヤモヤとしていたところなので良いパターンをみつけたみたいだ。おつきあいしますよ。

2020年2月24日月曜日

20200224 隠れ家

がっしりした後輩と距離を少し漕ごうかと三浦に出かける。自分は始発から動いて支度をし、一人で波のあるなしを確認しに一回り。土曜に吹いた春一番からの強い風で波が残っていないかと期待して早く動いた。風は落ちて一日穏やか大潮

一人漕ぎ出して、暖かい時期には SUP・サーファーがいる場所をいくらか回る。2月は彼らもおらず、僕らだけで思う存分遊べる。狭いポイントではいくつか危ないやつをパスしながら、しっかりと遊べたので満足して近場のポイントに戻る。するとNZ先輩がやってきて一緒に遊び始める。後から、スリムな先輩、ニセコ先輩も合流して、久しぶりの波で遊ぶ。

そのうちに約束の後輩がやってきそうな時間になったので、小網代の入江に戻って合流する。堤防の内側では、ファルトやシットオンが湾内に入ってきてた。いい陽気だもんね。

後輩と南を目指してパドルを回す。もともと筋力があるところ、最近体を使って漕げるようになってきたので進みが早い。言い訳をさせて貰えば、後輩の乗っているウォーターフィールドのゴリラはとても漕ぎ味が軽い。僕のポリ艇は漕ぎ味が微妙に重い。岩にハルを擦りまくって、毎回ゼンマイを作ってざらざらにしてくる僕が悪いのだけど、ひーこら漕いでもジリジリ離されてしょんぼりしてしまう。

そんな先をいく後輩の後を追って、諸磯、釜根、長津呂を抜けて進んでいく。結構うねりが残っていて、長津呂崎の岩場の波に不安があり、後輩は大外を回って行く。自分で先をよく見ながら、好きに漕ぎ回れるのがカヤックの良いところ。

馬の背を過ぎて赤羽根海岸がみえてくる。先に出て横瀬島を目指しているはずのレジェンド先輩と、最近入った後輩が小さな洞窟の浜に上がっているのが見えた。この後輩は、アルガフォレストのツアーでカヤックを初め、関東に移る必要があったので僕らのクラブに入会してくれた。

洞窟の前の岩場にしっかりと波が入っている。先の二人は良く上がれたなと思いながら、波の出るところをしばらく止まって見てみる。先行していたガッチリ後輩も、どうしようかと躊躇って手を止めている。良く見れば一筋、隠れ根の尾根と尾根の間に道ができていて、そこを通って行けば洞窟まで行ける。後輩が自信なさそうにして止めたままなので、先行してその筋に入っていく。右手の隠れ根がブーマーを作り、崩れた水泡で明るい緑になった海面を漕いでいく。途中で振り返り、同じところを通るように身振りで合図して洞窟の前まで滑り込んだ。

ここはカヤッカーの一番の隠れ家だと思う。春の引き潮が水たまりを岩場の間にあちこちつくり、好き透った明るい青の砂底と岩場のあかるいアオサの色が競い合っている。そのキラキラした色に比べて春の空は明るくも霞んで書き割りの様。

そうして岩場の内側の静かな水たまりから洞窟の浜に上がって昼休みにした。ガッチリの後輩もなんとかくっついて上がってきた。陽のあかるい砂浜でのんびりしていると、西からNZ先輩と房総同期がやってきて、同じように岩場の波を見て舟を止めた。すると、やっぱり同じように先輩が道筋を進み、それを追って同期が入ってきて無事に舟をあげた。

総勢6人で昼休み。狭い隠れ家はカヤックがくっついて並んでいる。帰りは簡単。波に向かって漕ぐだけだ。岩場を抜けるとそれぞれ思い思いに漕いでクラブハウスに戻って舟をあげた。思ったほど距離は出せなかったけど、後輩にくっついて懸命に漕いだから満足だ。

2020年2月15日土曜日

20200215 ひねもすのたる海

ここのところ街並みの中を漕いでばかりで、きれいな潮が恋しい。風もなくあたたかな土曜に三浦にでかける。小潮

日の出はまだ六時半ころ。まだ青さを感じる朝の車窓から目をやると、河津桜と菜の花がぼやけながら過ぎていった。バスに乗り継いでポリ艇を引っ張り出し、一人入江に浮かんで一息つく。

まだ2月も真ん中というのに暖かい。今日は漕ぎ日よりだけど、今年の夏はどんなことかと思いながらヨットの向こうの開けた湾に出る。向こうに見える富士山は少し霞んで、もう春霞と言っていいのじゃないか。つい前には雪をかぶった大島が見えたけど、今日は霞んで見えない。

大先輩の定刻組は南に行くだろうから、今日はまずは北をカバーしておこうと思い、黒崎の鼻、荒崎をタッチ。海は静かで、これはゲストも遠くまで行けるだろう。舟を返して諸磯までいく。今日は潮が澄んでどこを漕いでいても底が見える。能登の海を思い出しながら諸磯で少し遊ぶ。

良い時間になったので小網代の入江に戻り、ちょうど出てきた定刻組と合流した。スリムな先輩と、お固い先輩がグリーンランドパドルを使っている。オーダーしたのが出来たんだ。やっぱり本物はいいですなあ。

今日はゲストは一人だけどメンツは賑やかだ。珍しいくらいの静かな海を漕いで網代崎、諸磯、釜根、長津呂崎と進んで赤羽根海岸で舟をあげ、のんびりした。

帰りはさらに海が静かに。気分が落ち着いて口数も減る。どんどん落ちる風のなか、ぺったりした空の下、つるつるの海を漕いで進んでいく。曇りがちとはいえ雲は薄く、日の温かみは十分に感じてポカポカだ。あー、きもちいいー、と半目になりながちになってきたので、諸磯ではスリムな先輩と一緒にキレイな潮に存分つかった。ここのところ運河の茶色い水を漕いでいたから、青緑に透き通った海に触れたくてしょうがなかった。おかげでしゃっきりした。

それで帰って舟を上げたらまだまだ日が長い。ひねもすのたる海を堪能してお酒を浴びて帰った。なんだか一日のんびりと漕いでいたい。ちょっと距離をだしてみよう。

2020年2月11日火曜日

20200211 アーバンホワイトウォーター

前回に続いて都会を漕ぐ。前回は東京の運河、今度は横浜。スカイツリー周辺を漕いだときには、メンツの中に大島が地元の人がいて、高速道路下の公園の近くを通るおりには、その公園で子供の頃によく遊んだ話などを聞いた。

今回は横浜なので僕が地元のドヤ顔の番だ。子供の頃はまだ臨港パークも無く、日本丸がだだっ広い空き地の先に浮いていた。子供向けのボランティアプログラムに日本丸の清掃を行う活動があり、それで日本丸に初めて乗った記憶がある。真鍮の手すりやドアノブをピカールで磨き、2つに割った椰子の実の断面でデッキの木をこすった。

気持ちの中に船との関わりが生まれた最初のことだったと思う。それ以降、新聞の「今日の入船出船」という欄が気になったり、大晦日に聞こえてくる船の汽笛が嬉しかったり、港の持つ雰囲気が良い印象として残るようになった。

それから随分たって、今日はまがりなりにも小舟の船長さん。大岡川から出てほんの少し浮き、汽車道越しに日本丸の帆桁とランドマークを見てアーバンカヤッキングを楽しんだ。

とはいえ、今日はここがゴールではない。ここからが出発で、大岡川と堀割川を漕ぎ継いで磯子から東京湾に出たら南に進んで八景島の海の公園まで漕ぐ。北風がずっとあるから追い風だけど、それはつまり東京湾特有の風浪とその返し波のロデオ漕ぎとなる。

そんな予想を抱えながらも、まずは大岡川を滑らかに漕いでゆく。桜の時期とは違い水路はガラガラ。地元の SUP 二人とすれ違ったくらいだ。桜木町から蒔田公園までの街並みを眺めながら、あそこの公園ではアブデカが撮影してたなとか、同級生がバイトしてた映画館はまだやってるのかなとか、ばらばらな記憶をあちこち飛びながら小舟を進めていった。

蒔田公園を左に曲がり、高速の下からはいでてきた堀割川はとたんに景色が開けて明るくなる。夏のプールを思い出す磯子のイメージ。堀割川沿いの国道16号も同じ。暑い日差しの下自転車で走ったのを思い出す。広い国道を嫌って対岸の狭いほうを走ったこともよくあった。その取っ付きの神社が八幡橋八幡というどちらが元なのかわからない名前だと初めて知った。

ここまでは運河特有の滑らかなアーバンカヤッキング。前回の東京運河も同じ。しかし、横浜のアーバンはここからが違う。北東からの風浪を工業地帯の岸壁が打ち返し、いかつい三角波がつねにある。磯子の海釣り公園を離れ、反対側のベイサイドマリーナの堤防に向かって漕ぎ始めると、三角波がぐんぐん育ちだす。

波頭が崩れ、上下に揺すられながら楽しげに声をあげながら漕いでいく。大した風でもないのだけど、デッキは浪をかぶり、スプレースカートがびしょびしょになる。これはアーバンホワイトウォーターと呼んでいいと思う。楽しい。

運河の静謐とは正反対の躍動。これを同時に味わえるのが横浜運河の楽しいところ。ホイホイと進み、幸浦の角を右に曲がったら波が途端に消えた。うねりじゃないから水の動きは実際には少ないんだろう。

その先の小さい運河を入り込んだ公園には硬い砂地の干潟があって、そこで昼ごはん。舟の支度をしているときに公園の管理人のような人がやってきて声をかけてくれた。なんでも、以前はボート屋があったけど今はなくって、代わりに SUP が来てくれればと出しやすいように少し整備したのだけど、なかなか思うようには人が来てくれないんだそうだ。カヤックにとても使いやすいです、ありがとうと伝えて午後のロデオに出発。

ここまできたらゴールの八景島は目と鼻の先。SUMITOMO と書かれた門型のクレーンはすでに向こうに見えている。この頃はもう風と同時に風浪もだんだんと弱まってきた。まったりと漕いで、まだ日の高いうちにゴールできた。

大先輩が車をとりに戻っている間、房総同期と道場主は湾内をもう一漕ぎ、スカリングやロールをして最後まで水に遊んでいるの見ながら舟を片付け、最後には有志で八景島のかき小屋で軽くいただいて帰った。

ここのところツアーが続いたけど、ちょっとソロで距離も出したい。来週は天気がどうだろうか。久しぶりにきれいな潮を浴びたい。

2020年1月30日木曜日

20200126 アーバンカヤッキング

今日はクラブのみんなで都会の水路を漕ぐ。都心でカヤックといえばスカイツリーが定番のようで、それはもちろん漕ぎたい。朝ちょっとぱらつくけど、風もなく、午後に向かって天気は上り坂。それに期待して、冷たい雨の中、集合場所の東大島駅まででかける。

待ち合わせの駐車場につくと、もう大先輩の車がカヤックを積んで待っていた。同じようにしてパラパラとみんなが集まり、総勢六人。橋の下のスペースで雨を避けながら着替えをして、舟も全部準備万端。

今日の行程をブリーフィングしたら、みんなで早速浮かぶ。近くの荒川ロックゲートを抜けて荒川を下り、若洲までは行かずに手前で運河に入ったら豊洲まで抜けていく。その後はその時の気分で戻る、そういう感じ。

よし、閘門を抜けるぞと勇んで漕ぎ始める。荒川ロックゲートは目と鼻の先。ものの数分で近づいていくと、ゲートは3月まで通行禁止の表示に気づく。はじめの一歩がすでに臨機応変。みんなでガヤガヤしながら、そのまま水路を西に進んで扇橋閘門を抜けることにした。平らな水面を淡々と前漕ぎしていく。


扇橋閘門はやっていた。閘門にかけられた「止めるぞ高潮。守るぞ都民」の標語にまたガヤガヤしながら、2m の水位を上がって東京湾と直接つながった側に進んでいく。水のエレベータに持ち上げられている間、「井戸水の組み上げとガスの採掘をやめてからは地盤沈下が止まっている」というアナウンスを聞いて昔の工事に思いが飛ぶ。ガスの採掘なんて思いもしなかったから、帰って調べたら「南関東ガス田」なんてものが、東京湾の一番奥に広がってると知った。


門を抜けて水路を右に左に折れ曲がりながら南を目指す。広くなったなあと思ったら豊洲についていた。豊洲の水路を進む時は、それなりにITに詳しい人たちが、そこここのデータセンターの場所を指さしながら、普通の人たちは、オリンピック会場や豊洲市場の建物をさしながら、ガヤガヤと物見遊山の会話がはずむ。


豊洲市場を過ぎると目の前にレインボーブリッジまでの水面が開ける。竹芝・浜離宮を目指して埠頭沿いに漕いでいると、竹芝桟橋の前あたりで赤い船がマーライオンのように水を吐きだしてた。遠目に笑いながら漕いでいたら、おおきな消防庁の船がよってきて、このさき海面に油が流出しているため、その処理作業のために放水をした船がいっぱいいるのだそうだ。「そのへんを考慮してください」と声をかけられたので注意深く岸壁沿いに進んだあと浜離宮に渡ってほっとした。


すこし休んだ後に隅田川をのぼりだす。やっぱり勝鬨橋はくぐってみたい。ときおりくる水上バスや屋形船の引き波に乗りながら、すいすい登って橋をくぐり、また水路に入って扇橋閘門に戻った。


一度平らな水面に戻ると、みんな黙々と前漕ぎに精がでる。ストロークを丹念に感じながらさかさか漕いだらあっというまにスカイツリーについてしまった。歩道の親子と会話をしながらお菓子を食べ、ちょっとしたハプニングも楽しみつつ休憩をした。ここで船を上げられたらどんなにいいかと願望が漏れる。

体が濡れて寒くなってきた。ここからはどんどん漕いで帰りましょうということで、狭い水路を六艇で漕ぎ抜けてまたもとの場所に戻ってきた。GPS によると 28km 漕いだそうだけど、基本静水だったから距離ほどは疲れなかったねーと感想を交わしながら舟を大先輩の車に片付けたら解散。ほとんどが電車組なので反省会をしながら楽しく帰った。







2020年1月19日日曜日

20200119 一桁の冬

土曜は寒い冬の雨。狙いはもちろん日曜に定めて三浦にやってきた。土曜に続き、日中の気温は二桁に乗るかという寒い予報。それでもお日様は顔を出すので良さそうだ長潮

始発からは遅れてクラブハウスで支度する。この時期が一番日の出が遅く、七時近い。ついつい布団で長寝をして出発が遅れる。冬至よりも遅い日の出。それでも日の入りもどんどん遅れていくので、一日の時間は少しずつ伸びている。

支度をしていたら大先輩がやってきた。今日はゲストが来るそうだ。後で合流しますと話して一人でまずは舟を出す。午前中はまだ北風が強い。ちょっと遠出するには嫌だなと思いながら諸磯までくると、土曜に通り過ぎた低気圧のうねりが残っているのか、岩場に波が入っていた。

南に行くプランは捨てて波で遊びだす。ちょっと大きい波に乗ると、向かいからも波がやってくる。波に挟まれて、バウは真正面から波の腹に突っ込んで、波と波にサンドイッチにされる。面白い。向かいからくる波がもう少し小さいと、ロケット発射台のようにスパッとカヤックのバウが宙に浮き、タッパンとまた落ちる。楽しい。一時間ちょっと遊んで、大先輩たちが出てくる時間になったので網代崎まで漕ぎ戻ると、湾の奥から出てくるみんなと合流できた。


ゲストの人たちが、網代崎より南を漕いだことがないというので、みんなで南に向かう。北からの追い風追い波にスイスイと漕ぎ、諸磯まであっという間。これなら行けるだろうとさらに南を目指し、赤羽根海岸でまで漕ぎ通した。

海岸にはうねりが入っていて上陸には気を使ったけど、無事に浜に舟を上げてゆっくりと昼ごはんを楽しむ。日差しもあって長居をするのが気持ちいい。10度かどうかという気温は、日差しがあればカヤックを楽しむのにまったく問題がない。海の水はまだ 15度を保っている。

風もだいぶおちてきて、なにより東寄りに移ってまた追い風なので申し分ない。うねりもおさまり、ぺったりとした凪の海を長津呂、釜根、諸磯と漕いで帰り、道中みた大島では山に雪がかかっていた。白いから雲かと思った。

2020年1月11日土曜日

20200111 三浦七福神

今日はミウラセブンを回る年始のイベント。クラブのみならず、三浦のカヤッカー皆の安全を祈願しに行く。一日良い日和で、午前中は北寄り、午後は風が変わって南寄りの好条件。今年はメンバーでないお客さんの参加もあって賑やかな様子。大潮

25キロくらいの行程に加え、道中あちこち、降り乗りが入るので、結構慌ただしい。でもこの海況なら期待できそう。今年は全部まわれるかなー?のドキドキがちょうど良くて、大好きなイベント。

大先輩の車に三崎口で乗り込んだら、最初のお参りだけはそのまま車ですます。海から距離があるのでここだけは仕方ない。クラブハウスについて支度をしていると、ゲストの二人がやってきた。ちょっと車が遅れて最初のお参りはスキップ。でもそんなのかんけーねー。大事なのは漕いで回る部分。

二福神めは一番大事な白髭神社。航海安全のご利益があるので、念入りに今年一年の安全を願う。ここと毘沙門堂が雰囲気があると思う。

お膝元のお参りを終えたら大先輩の車に舟を積んで、みんなで三浦海岸側の出発地点に移動し、浜に舟を並べる。準備万端。それでは元気に参りましょう。

菊名海岸を出発して、東京湾側は軽い北東の風表。風浪は大したことがないので、追い風だけを楽に使わせてもらってくるりと金田に近づいたら三福神め。風は大したことがないとはいえ、ここの浜は波が巻きやすい。はてさてと思っていたら、案の定ネイチャー後輩が降り際に禊をかます。お参りの前の良い心がけ。

お参りから舟の上に戻り、雨崎、それからとても静かな剣崎をまわって三浦半島の南側に入り、前方に見えた横瀬島向かいの浜にあがり、四福神め。とても良い雰囲気の毘沙門堂にお参りをして、浜で昼の休憩をしていたら、レジェンド先輩が小網代から合流した。


見ると、横瀬島を周り込むようにいつもの波が立っている。ちょっと乗りに入ったら、思いの外立ち上がった波にひっくり返され、僕の禊も済ませる。大先輩はタンデムで波に入り、バウ側のビジターと一緒に声を上げて乗っていた。ひゃっほー。

ここから次の三崎まではまた少し漕ぐ。安房崎にとりつき、赤羽根を過ぎるあたりでふと振り返ったら、城ヶ島に虹の橋がキレイにかかった。七色の橋に七福神、漕いでるクラブメンバー七人。みつ揃いで縁起がとてもいい。


いよいよ静かになる海を漕ぎ抜けて三崎につく。漁港の街の風情を味わいながら小道を抜けて五福神めと六福神めのお参りを済ませ、最後のお参りに黒崎の鼻を目指す。低くなる日に追い立てられるように黒崎の鼻に漕ぎ着いて藪の間の坂道をあがるのがいつも一苦労。広い空の下農道を歩いて七福神をすべて参り終えた。やったね。今年も良い漕ぎができますように。

大根畑の台地を抜けて舟に戻ると、日没間際のおひさまが雲の下にまで降りてきて海を色づけてた。



すずめ島あたりで完全に日が沈むのをのんびりと見て、いよいよ暗くなる湾内をするりと抜けて戻り舟を上げた。25キロは漕いだけど、あちこち陸と海をうろちょろするから長く漕いだ気がしない。それでも帰ってきてみると、漕いだだけの疲れがあると、何人かが話していた。そうして今日のあれこれを話しながら日本酒を開け、みんなで新年会の様子で騒いでおひらきにした。

全部回れて楽しかった。今年も安全に楽しんでまいりましょう。

2020年1月4日土曜日

20200104 長者参り

年が明けておめでたい。長者の先にお参りするべく三浦にでかけた。午前中の風も午後には落ちるか。小潮。

前日の方が賑やかだったようだ。千海里道場主の後輩をはじめ、四、五人が北に南に、それぞれの好きな方に漕いでいた。道場主は名島での写真を送ってくれた。空と海を背景に、鳥居の中に丁度よい大きさにかしこまった富士山が納まり、冬のトリコロール。

自艇の支度を終えて入り江に浮かぶ。さあ行くぞと漕ぎ出したら、ヨットの脇を抜けてカヤックが二艇入ってきた。軽く挨拶をしたら、向こうのカヤックが瓜二つで笑う。

堤防を回って荒崎まで。長浜からカヤックが二艇出てきた。結構海は賑やか。荒崎を越えて長者まで、カヤックのグループをいくつか見る。更に賑やか。

長者の砂嘴にはSUPがたくさん上がってビーチクリーンをしていた。地元のクラブだろうと思う。

邪魔をしないように沖側の浜にカヤックで回り込んで、浅い岩場の浜に浮いて少し時間を過ごす。よし、今年も元気にやろう。

お参りを終えて岸ベタに帰る。佐島のキラキラでお昼休憩。そろそろ20kmを過ぎるあたりだから何かしら食べとこう。なんだか、ここに一つ、線がある気がする。20km以下でツーリングペースなら、朝から別に食べなくても動けるけど、これより動こうと思うと、何かしら食べないと持たない。今日は折り返して安房崎まで行きたいから、ここから先はちょっとずつなんか食う。

ほいほいと荒崎を過ぎ、安房崎の堤防まで。風もだいぶ落ち着いて、雲は多いけど明るい静かな海だった。冬の海と空。抜ける青はないけど、低く日の当たる赤羽根の崖を見ながら帰って船を上げた。

できればきれいな夕焼けも見たかったけど、今日は雲が多かった。そう言えば、一日富士山を見なかった。写真のような真っ白い富士山もまだおあずけ。