小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2019年12月29日日曜日

20191228 漕ぎ納め禊

今日はみんなでちょっと遠出で漕ぎ収めに行く。年の終わりに潮を浴びて、来年への抱負をあらたにする。

場所に決まりはないけれど、まずは波が立つところ。普段はサーファーがいるところも、寒い北風の吹くこの時期は割と空いている。

そうして車ででかけて外房にやってきた。日差しは割とあるけど風が寒い。素早く支度をして総勢7人が浮かぶ。シーカヤックの中にいればこの風でも暖かい。

浜から出て隣の湾に漕いで行くと、手頃な大きさの浜に緩やかに波が入っている。浜には釣り人が一人居るだけで、海の上は僕らだけ。

それではと体をほぐしに遊びだす。まずは一人、波打ち際で脱ってうちあがる。水がコクピットに入ったカヤックは軽く100キロ程になる。波に寄せられて飛んでくるカヤックが体に当たれば、手足なんか平気で折れる。だから、カヤックの真ん中近くに立たないように、先っちょあたりでカヤックを扱い、寄せては引く波とカヤックの動きに合わせて上手く水を抜いて軽くする。

そうしてまた戻ってきたらまた浮かぶ。波に合わせてダッシュしていれば暖かい。


ひとまず落ち着い来たので浜に上がり、昼ごはん。潮が下がってきて波がどんどん良くなる。すぐに海に戻ってまた乗り出す。
沈もすれば脱もある。熱心な後輩は、普段の練習ロールは完璧なんだけど、いざ波沈すると上手く行かない。できると思わず、寒くても毎回練習しなきゃなと言っていた。でもこの後輩はブレースが上手くなって、大きな崩れ波を横で受け、そのままローブレースで浜まで横に乗り付けた。お見事。

他にも、90度まで倒れた舟をハイブレースで反射的に立て直した房総同期。本人覚えてないので、体に染み付いた動きになってきてるんだろう。色々のファインプレーに声を上げつつ、失敗して泳いだり、みんなたっぷり潮を浴びて禊は完了。

日もだいぶ低くなって来たので、さて帰るかと、カヤックの群れが沖に向かって漕ぎ出す。そりゃ最後は浜に上げるのだけど、浜に背を向けて進みだすと、その一瞬は海に棲む感覚を強く意識する。

またちょろっと漕いでもとの浜に舟を上げ、道中温泉と食事をして帰った。車の中では今日の出来事で盛り上がる。横乗りを途中で降りるためにはどうするか、大先輩が運転席から話してくれたけど、肝心の横乗り後輩は疲れて寝て聞いていない。それがまた笑いに変わって賑やかに漕ぎ納めを終えて帰った。

来年もまた、みんなで元気で無事にこげますように。

2019年12月21日土曜日

20191221 年を忘れる

今日は年を忘れる日。午前中は少し北風があるけど、昼からは日差しも見える予報。これなら漕いでいれば暖かだし、昼ごはん頃には浜でポカポカできるかな。長潮

去年の忘年会は寒かった。荒崎の東屋で雨と風をしのぎながら、海の上のほうが暖かくて、すぐに舟に戻ったのを思い出す。今年は薄い雲もまばらな下を、みんなで舟を支度してでかけていく。総勢 13艇。

網代崎を南に回り込んで諸磯が見えると、追いの風と波。ちょっと押してくれる感じに合わせてダッシュしたり、それぞれのペースでバラバラに、それでもなんとなくまとまってもいて、みんなで航路を通るヨットを待ったりしながら赤羽根海岸にやってくる。

この頃には太陽がはっきり見えて、低い角度から照らされた岩肌が明るい。空、草、土の三色が三浦のトリコロールカラーだと思う。小さい浜にみんなで上がり昼ごはん。後ろの崖は北風を遮り、南からは日差しが体を温める。水もまだ暖かい。三浦のカヤックは今がベストシーズン。潮も澄んできれいだ。

のんびりと昼ごはんを食べたら、頭はクラブハウスでの飲み会にシフト。また洋々と漕いで帰っていく。クラブのペースだからスイスイ。長津呂崎を回ったあたりからはちょっと向かい風がしっかりとしてきたけど、全然問題なし。ちょっと早いくらいに小網代の湾に戻って舟をあげた。前漕ぎの後輩は来てなかったけど、その門下生の房総同期が「プラス50分」は漕ぎたいと言って、最後まで水の上だった。


みんなが仕舞支度を終えてクラブハウスに集まって、明るいうちから飲んで食べた。いろんな話があったけど、年を忘れ、また新しい年がやってくるのが楽しみだ。それでも忘れちゃ行けないこともある。アラン島の漁師の言葉をまた借りよう。
海が怖くないやつはすぐに死んじまう。出ちゃいけない日に出るもんだから。おれたちは海が怖いから、死ぬのもほんの時々だけ。 
-- アラン島 ジョン・ミリントン・シング

海を知っていて、やれることは全部やって、それでも容赦ない時もある。諦観と達観を持って海を受け入れる漁師の言葉は機知にあふれ、海の魅力と怖さが余すところなく伝わってくる。これからもずっと、僕の慢心を戒めてくれると思う。

来週は裏の忘年会で波に揉まれにいく。今年の漕ぎ納め。やれることは全部やって今年も最後までクラブのみんなと楽しく漕ごうと思う。

2019年12月15日日曜日

20191215 道場主

先週は土日が漕げず、体がシャッキリとしない。土日どちらかは漕ぎたいよねと、風のいくらかましな日曜を選ぶ。北風で気温はあがらなそうだけど、日差しはたっぷり。中潮

遠出はできないしと、タカをくくってのんびり出かける。クラブにつくと前漕ぎの後輩がすでに舟を出していた。北風のきつい中、長者で折り返し、剣崎くらいまでは漕ぐかもしれないという。道中会えるかな。

支度をしているうちに大先輩も出てきて一緒に舟を出す。青空は明るいけど、北風で皺をつくった水面は暗い色をしている。冬の海を少ししんみりと大先輩と北に漕いで行く。

堤防を周り北に舳先を向ける。風が抜けるのはすずめ島、三戸浜、和田長浜。佃嵐崎でちょっと休憩の間、パドルを変えてしっくりと来ていないロールを何度か回る。最後で上がりきれずにまた水中に戻る。あれれ。

遅ればせながらマスコット先輩が舟を出すというので、お迎えがてら南に戻る。追い風でピューンと堤防手前まで戻ったら合流できた。ちょうど昼だったので、手近の浜に上がってご飯にした。

今日は日差しがたっぷり。のんびりする前にいっちょ回り倒しておこうと、浜の前でしっかり練習する。一度パドルを古いのに変えたら感覚が戻って、新しいパドルでもしゃっきりと上がるようになった。舟を早く回そうと思って、パドルが水を掴むタイミングが早くなってた。頭の上までパドルが来るのを待ってから腰を返そう。満足してお昼にあがる。

昼がすむと、大先輩、先輩、僕の三人で浜辺に寝そべってのんべんだらりとする。北風はまだそれなりに吹いて、沖にはうさぎがまだ飛んでいる。風裏の浜には燦々と日があたりとても良い陽気。体を乾かしていたらヘソ天で寝ていた大先輩から軽く鼾が聞こえてきた。マスコット先輩がいつものダミ声で「あー、寝てるー」と言ってもそのまま寝続ける。お疲れなんでしょう。

先輩は、漕いでいて津波が来たらどうしようと普段から考えていたらしく、カヤックの中にすっぽりと入り込んで蓋をしてなんとかならないかと話し出す。自分のスプレースカートを蓋にするつもりのようだ。中に入っちゃうから自分のスカートは使えないと指摘すると「あれ、ほんとだ。無理かなー」。マスコット先輩と話していると、ロール練習の後のように頭がクラりとするときがあるのも愛嬌の一つ。

そのうち大先輩が起きたので、もう一度北に向かって三人で漕ぎ出す。荒崎を回り込んで小田和湾を見晴らしても、朝から出てる前漕ぎの後輩は姿は見えない。沖をピューっと南に戻ってしまったかな。こちらも北風に押されてピューっと帰って、もう日がだいぶ低くなったので湾に入って舟を上げた。


もう後輩はすでに後始末を終えて帰った後だったけど、クラブの連絡網で後輩が今日、今年通算1000海里 (1852km) を漕いだと知る。すげー。去年は1000キロ来いだけど、今年は海里かー。まだ12月も日があるし、海況によっては2000キロまであと 150なんてすぐにも思える。もう、前漕ぎ道場の道場主としての貫禄がばっちりだ。

来週はクラブの忘年会。昼前後でのんびり漕いで舟をあげ、明るいうちから今年の出来事を思い起こしてお酒を飲む。千海里の道場主は自分のスタイルをしっかり持っている。他のメンバーのスタイルも色々で、みんなの話を聞きながらワイワイ飲むのが楽しみ。

2019年12月5日木曜日

20191205 平日同好会

こんどの週末は天気や都合があいまって漕げなさそう。平日の様子を見ていたら、すっぽり木曜がはまり、お休みをいただいて三浦にでかける。風は大したことなく、晴れ間もたっぷりの予報。小潮

家のことをすっかり終わらせてから出かけてクラブハウスについた頃には、前漕ぎの後輩がすでに舟を出したあと。みると、荒崎と安房崎の間を漕ぐようだ。着々と距離を出していますな。

自分も舟を出して網代崎をまわり、南に舟を向ける。なんとなく安房崎から先まで行ってみたくて、でも動き出したのが遅いからと思って、盗人刈りを目指すことにする。週末だと釣り人が多くて入りづらいけど、平日なら良さそうだ。

北からの風浪だけではなくて、南からのうねりも入ってきてる。諸磯につくと、岩場は崩れ波が右から左からジッパーラインを作っている。おお、結構いかついねと思ったら、南から後輩が漕いできた。安房崎で折り返してもうここまで戻ってきた。波に揺られながらちょっと話をしていたら、流れでレスキュー練習になる。


後輩は何回かロールして水を浴びたあと、脱りますといってひっくり返った。波に揺られながらリエントリーロールで戻る。やるなあ。リエントリーは水がたくさん入ってほねなので、舟をつけて二人でビルジポンプで排水する。僕も負けじと何回か一緒に水を浴びたあと、後輩は別れて北に進んでいった。

僕は引き続き南に。三崎への堤防を回り込むとうねりが大きくはっきりとする。長津呂崎もいい感じ。しっかりと隠れ根を避けながら安房崎まで楽しい。横瀬島まで行ってみたくなるけど、南風の余裕を見て、いつでも帰れる距離にしておこう。ソロのときは10倍慎重に。素直に盗人刈りを目指して安房崎を離れる。

盗人刈りが近づいてくると、右から左にシーカヤックのグループが抜けていった。おお、やっぱり海況がいいと我慢できなくなるよね。いいよね。ちょっと舟を揺すられながらも盗人刈りの橋までつくと静かになる。明るい岩肌から青い空に抜けていくのがいい。

盗人刈りからは宮川のヨットあたりでのんびりして戻ろう。お昼はどこで食べようかと思ったけど、まだお腹も空かないので、青空を楽しみながら長津呂崎を回るところまできてしまった。まだ距離のある釜根を見てプカプカ浮きながら昼飯を食べる。

もう後輩は帰っただろうな。諸磯をまた抜けて佃嵐崎まで漕ぎ、そこで引き返して帰って舟を上げた。夕日が見えるかと、途中すずめ島で時間を潰したけど、今日は雲が多くてきれいな夕焼けにはならなかった。それでも風の落ちた滑らかに暗い水面を滑る感触はこの時間ならでは。秋の風情で一日を締めくくる。

今日は平日でもそれなりにカヤックをみた。海が良ければいつでも誰かしらが漕いでいる。次の週末は漕げないけど、その次はもう少し距離を出したいな。