小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2022年12月25日日曜日

20221225 来年は良い年になりそう

 例年の禊サーフ。今年も総勢七人のメンバーが集まった。昨年と同じで寒気が南に降りてきていて、ここ数日間日本海側は大雪であれて、太平洋側も大変強い風が吹いてアクアラインが通行止めになったり久里浜のフェリーが欠航したりした。それで今日は開催できるか気を揉んだけど、快晴で風も落ちてめでたく開催の運びになった。

ウルフ号も新しくなって、ゆったりとした車内で会話がはずむ。大半のメンバーは昨年の禊を覚えているから、はたして今年はどうだろうとワクワクしているに違いない。車は順調に走って海岸につく。浜の脇の道路には一台の車も他になく、サーファーも SUP もいない。ほんの一人の釣り人と何人かの散歩ばかり。

待ちきれず舟をおろして服を着替え、準備を整える。昨年と比べたら波はだいぶ穏やかで、少し拍子抜けした部分もあるけど、今年は筋トレ後輩が新艇でこのサーフに望む。物足りないくらいで始まるのが良い具合だろう。

みんなで浮かんでみると、長く乗れる波がしっかりたっている。崩れずに、透き通ったマリンブルーのジェリーの上を舟が滑る。ぐらっしーな波。浜に近づけば白い砂で明るい水の色に変わっていく。頭の中に多幸感が溢れる。

筋トレ後輩もしっかりとロールをしてから遊び始める。良い心がけ。ちょっと厚めの波にもつるりと舟を落とし込んで長く遊ぶ。一度崩れ波で転がされ、ちゃんとロールでリカバーしたのをみた。感慨深い。

熱心な後輩はだいぶ波に乗れるようになったけど、舟が波に横に向けられるとそのまま波なりに走ってしまう癖がある。何度かそのミサイルを交わしつつ、大先輩のイエローカード宣言が冬の青空に抜けていく。

昼ごはんを過ぎて波が熱くなり過ぎてきたけど、それでもガンガンパドルを回して波にガブリガブリとくらいついていく。特に年長三人組の先輩のパワーが凄い。それをずっと最後までやりきったニセコ先輩はばけもんだと思う。そうして西の岬のてっぺんに夕陽がタッチしたので、これを潮時と上がった。

沈脱ゼロだったので、帰りのファミマではコーヒーを奢る人はいない。大先輩はおいしいおいしいと言いながら自前でコーヒーを飲んでいた。去年のサーフは大荒れだった。そしたら今年はとんでもない年になった。今年のサーフは沈脱ゼロで、とても優しい、でもかなり楽しめる波だった。きっと来年はそうなると思う。そうだといいなと、とてもとても思う。



2022年11月19日土曜日

20221119 昼寝の季節

数日までは距離漕げそうだったのに、前日の予報は北風が強そう。それでも、まずは出てみてということで、クラブにでかける。

まずは一人で支度をしてぶらりと浮いてみる。堤防を出てスズメ島まで行くと中々に吹いている。さてさて。

小網代の入江に戻ると、筋トレ後輩が漕ぎ出してきて合流。他にも二人ほど支度をしているようだけど、先に行ってくれとのことだったので二人で漕ぎ出す。

北東が吹くときは網代崎から諸磯を越えて三崎の堤防までがドンブラする。今日もいい感じ。堤防の脇は波は落ち着いたけど、壁に沿って風が強い。それに乗ってどんどん行く。

途中、釜根のあたりで三崎港越しに風が吹き抜ける。北東の本気具合がこれでわかる。この風だと安房崎から先は漕げなそうだ。その想像どおり、長津呂崎を周って安房崎までくると、房総半島から吹く風に飛ばされる白波が一面に見え、今日はここまで。というか、これから向かい風との筋トレ勝負がはじまる。

沖に出過ぎないように、できるだけ岸ベタで北風成分を避けながら漕いで長津呂崎まで。そこからは逃げられない。時々ブローが来る中でパドルを水に挿して、パドルのキャッチにぶら下がりながら懸垂のように風を漕ぎ登る。堤防沿いの風をなんとか登り切ると、諸磯までは少し風の手が緩む。

諸磯は潮が高くて一本気持ちよく乗り、ひっぱりすぎて気分良く水浸しになる。ふー。日ざしはあるけど風が寒い。

ここから先はどこまで行こうかと、四角い灯台の入江で後輩と相談し、風のウェイトリフトは堪能したので俺の浜で切り上げることにする、

浜に上がると風裏に日差しがたっぷりで暖かい。濡れた上着を乾かしながらご飯を食べようとすると野良猫がやってきてニァと鳴いた。

少しかまってやって昼ご飯もすみ、まだ日が温かいので昼寝にした。後輩は頭の後ろに手を組んでゴロンと横になる。何かまだあるかと待っていた野良猫は、それを見て鼻をひくつかせながら頭を下げてにじり寄ったが、違うとわかってそのままお尻をつけて座り、顔を洗い出した。そうして、それも終わると後輩の頭の後ろにそのまま箱を作って座り、あくびをしながら後輩だか海だかを目を細めて見ている。僕も砂浜に寝そべって、その様子も見ながらウトウトした。

だいぶ日が低くなって目が覚めると猫はもういない。これ以上はおひさまの力も貰えそうにないので潮時と、風の様子を見ながら入り江に戻って舟を上げた。

2022年11月12日土曜日

20221112 わっしょい

おめでたい話は何度あってもいい。クラブで進水式があるので三浦にでかける。お日柄も最高の海況で持ち主の持前の明るさか。

今日はビジターさんの数も多く、メンバーも集まり、賑やかに進水できそうだ。支度中の舟がひしめく中、まだ包まれたままの舟が船台に置かれる。

オーナーのハサミさばきがもたついて、やきもきした人達が手を出して、これもお人柄がよく出でるなあ。

ピカピカの舟があらわになるとみんなから声があがる。オーナーも照れくさそうな笑顔。レジェンド先輩はバウ先に頬をくっつけて、スターンまで見通すようにして品定めをしている。でも横から見ると頬擦りにしか見えないかな。

準備が整ったので、新艇を肩の上に担ぎ上げ、わっしょいわっしょい言いながら、白髭神社の鳥居をくぐる。担ぎ手はオーナー、レジェンド先輩、手広くやっている後輩の豪華な顔ぶれで、このめでたい式に相応しい。

神社の階段の下で船をおき、オーナー一人、階段を上り参拝してくる。そしたらもういちど舟を水辺に運び、クラブの公認ビールでお清めをして進水が無事終わった。

朝一番のお祭りが落ち着き、みんなで入江に浮かぶ。今日は海がいい。みんなが集まっているので、ツアー組と一緒にのんびり漕いで長津呂崎の岩場の隙間で昼ご飯。

少しギャラリー多めだけどトイレが近くて便利。出掛けに、熱心な後輩が二人、ロールの練習をして水につかってた。帰りものんびりと漕いで俺の浜でもう一度コーヒー休憩をし、太陽の色がついてきたので最後の一漕ぎで入江に滑り込んで舟を上げた。

進水式は何度立ち会ってもウキウキする。これからキャンプしても、すぐそばに自艇があると思うとロマンがあるとオーナーの言。良いね。これからも一緒にがんごん漕ごー。すぐやろう。




2022年10月29日土曜日

20221029 頑張って漕いだ

少し距離を出したい人達が集まりそうなので、朝からでかけてクラブハウスに集まる。筋トレ後輩と熱心な後輩だ。

北風がそれなりに吹いて居るので遠出はしないほうが良さそう。ということでまずは安房崎を目指す。

筋トレ後輩は最近三浦の近くに越してきた。リモートでの仕事が増えてきたいい機会に、海近の良さを堪能するみたいだ。

それでも、一番近い人が遅刻するのは変わらないようで、なれない乗り換えで電車を間違え、それでも丁度良い時間で三人で出発した。

安房崎までは追い風でスイスイと漕ぎ、そこから先に、うさぎの飛ぶ宮川湾を見る。行けなくはないけど、無理せずに戻る事にして、ここからが向かい風チャレンジ。大先輩のツアー組は荒崎方面のはずだ。

長津呂崎を周って北を向くと本番。ジリジリと漕ぎ上がって三崎の堤防を過ぎ、諸磯の灯台が見えた。ジリジリとした漕ぎが続き、灯台前の入江を抜け、荒崎まで景色が開ける。

真っ直ぐ荒崎を目指したくなるけど、北東の出し風なので注意して網代崎、黒崎の鼻寄りを狙って漕ぐ。長浜の沖あたりは少し風が落ちたように感じる。釣りのカヤックも2つ3つ見える。

途中、荒崎と佃の間の浜にツアー組が見えたけど、まずは荒崎までタッチしてから合流した。

ここの浜は冬でも温かい。また冬ではないので暑いくらい。筋トレ後輩は昼寝が常なのだけど、今日は暑くて眠れなかったそうだ。

残りはのんびりと漕ごうと思ったけど、何かとダッシュを繰り返す機会もあったりして、気がついたらちょうど良いくらいに体がバキバキになった。

コーヒー休憩の俺の浜には舟がずらりと並び、最後のひと漕ぎの前の静けさ。水に浸かってクールダウンした体を美味しいコーヒーで温めたら入江までするりと漕いで舟を上げた。

2022年10月15日土曜日

20221015 秋鮭セッション

パドルセッションと称して大先輩に昼ごはんをご馳走になるクラブイベント。楽しみに出かける。

みんなで支度を終えてみると、キャンプツアーに挟まれた週末なのか、少数精鋭のセッションとなる。北風も強めだけど、このメンツならがっつりと荒崎を越えて行けそう。

しっかりとパドルに力を伝えてトルクのある動きで北に上っていく。荒崎を回る前までは風裏の海面でのんびりだけど、その先は小田和湾を抜けてくる風と真っ向勝負。バウが散らかした風浪を顔に浴びながら富浦公園に舟を上げた。

風はあるけど陽射しのお陰で暖かい。周りで遊ぶ小学生の声を聞きながらくつろいでいると大先輩がキノコ汁と鮭の炊き込みご飯をあっという間に仕上げてくれた。

思ったよりメンバーがいなかったので、そばにいた二人の小学生に声をかけ、おすそ分けどう?と聞く。少しためらったあと、キノコのみそ汁を貰うと言ってくれたので、喜んで振る舞う。


炊き込みご飯を食べていると、ご飯も貰うと言ってくれたので、もっと喜んで振る舞う。その後も何回かおかわりまでしてくれて、お陰様で完食になった。

そしたら、ご飯のお礼に漫才をしてくれるというので、メンバーみんな公園のベンチで横に並び、物陰からステージインしてくる芸人に拍手を送る。

ネタが進んで可愛らしさと面白さに盛り上がってきたところに、サッカーボールを持った小学生のグループが横を自転車で通り抜けた。知り合いだったようで、芸人二人は短い声を上げて、楽屋裏の物陰に走って隠れてしまった。それが観客のほんわかとした笑いになったを

帰る時間になったので浜に降りて舟をいじりだすと、二人も名残惜しそうにそばで見ている。パドルを持ってもらって一緒に記念写真を撮った。渡す方法がないのだけど、将来大物芸人になった時にはエピソードトークに使って欲しい。

そうして、いつまでも浜にいて漕いで沖に出る僕らを見送ってくれた。

帰り際に寄り道をして、小田和湾に沈んだままのヨットを見に行く。セールのマストだけが3メートルほど水面から突き出ていて、僕が三浦で漕ぎ始めた頃からずっとこのままだ。その周りをそぞろ漕ぎしながら、気持ちに一つ折り合いがついたようで、自分のスキンカヤックを作ってみることにした。


そこからの帰り道は追い風で楽々と漕いだ。一度俺の浜でコーヒー休憩にあがり、日が落ちるまでのんびりしてから入江に戻って舟を上げた。帰り道は淡い夕焼けの下、暗く澄んだ水面を漕ぐのはとても落ち着く。向かい風の漕ぎからの振れ幅も大きかったし、いいセッションだったなあ。

写真は大先輩から全部拝借。





2022年10月8日土曜日

20221008 日の出るほうに行って日の入る方に帰る

何人かは連休にクラブのツアーで若狭湾に出かけている。三浦は初日の土曜くらいしか良さそうな日が無い。こういうときにこそ、気になっていた事柄を潰していこう。

グリーンランドカヤックを作りたいような気がずっとしていて、虫歯の穴を舌でつつくようにパドルを作ってみたりミニチュアを作ってみたり、色々気を紛らしてきた。それでモヤモヤと残っていた気持ちを、えいやと内房のグリーンランドカヤックの工房に連絡をしてみたら、土曜に見学させてもらえることになった。一緒にグリーンランドロールのレクチャーにも参加させて貰えるというのでウキウキで出かける。


朝一番の久里浜のフェリーで房総にわたる。三浦半島越しの富士山は、伊豆半島越しに見るより大きく感じた。電車を一本乗ったら最寄り駅。トコトコと歩いてちょうどいい時間に工房に着けた。途中の幼稚園は運動会のようで、地元の人達が連れ立って集まってくる。良い日よりで嬉しそう。

工房についたらすぐにシャッターが開いた。挨拶をして一緒に舟を出したり自分の着替えをしたりしたら、続々人が揃った。まずはグリーンランドロールのレクチャーだ。舟は自分の薄い舟と同じモデルを貸してもらえた。シートが目一杯前に出してあるけど、特に違和感なく乗れる。人間が雑に出来てるとこういう時便利。

初めてチュイリックというフード付き長袖パーカーのようなものを着た。おでこ、耳、顎がフードの中にピッチリおさまり、頭から水が入りにくいように出来てる。スプレースカートと同じで、コックピットの枠をパーカーの裾がくるりと覆い、ロールしても水が入らない。厚手のウエットスーツ地でとっても暖かい。

それでひとまず浜に浮いたら、今日は何をやりたいですかと聞かれる。勝手がまだわからないので、一通りやるのを見てもらえますかと答える。基本の5つをやりますかといって見せてくれた。上向いてスカリング、下向いてスカリング、レイバックロール、リバーススイープロール、ストームロール、これを右左がまずは入り口だそうだ。

できなかったやつを繰り返し練習して、途中海から合流してきた人にも檄を貰いながら地道にやる。チュイリックは首周りが暖かくていいなあ。ウェットのバラクラバ持ってるんだけどキツくて使ってない。丁度いいサイズの買おうかな。

レクチャーの他の参加者もチュイリックを着て、課題の動作を何度も何度も試している。できたら拍手と声があがり、体が冷えるまで水に浸かり続けた。

ひとしきりやって舟を上げるタイミングで、スキンカヤックに乗っている人にお願いして乗らせてもらう。

どんなもんかわからないからまずは乗ってパドルを数回まわして出る。おお。やっぱり内側の木枠のぶん、中の狭さがある。舟をコントロールするサイブレースとなる木の横棒がちょうど膝小僧の皿に当たっている。まずは上向いてスカリングしてみたら、皿に体重がかかって痛い。ほんとはとってもマズイ状態なんだけど初めてでわかってないから、スカリングまで戻れれば上がれるかなと思ってロールのために沈した。

そしたら逆さになって少し浮いたおしりが膝の逆関節を極めてくれて、皿が割れんばかりに痛い。スカリングまで持っていけないか舟を少し回そうとしたけどちょっと回そうとしただけで皿が痛い。逆さのままズボンを履き直すみたいに下半身をにじって木枠の当たるところを皿からずらそうとしたけどちっとも変わらないので諦めて沈脱した。舟を押しながら歩いて浜まで戻る。

レクチャーの先生方にはあるあるだよ、サンダルを脱いでみたらといわれ、裸足になって乗ったら皿のすぐ上の太ももに来てくれた。これでやってみたら普通に色々できた。ただ、膝をまっすぐ伸ばして足を一本棒にして乗っているので、すこし勝手が違う。もう少し身体を柔らかくしないと普段より厳しいなと思った。

思えば、薄い舟でもいつもは膝はガバガバで上げ下げする余裕がだいぶある。丸一日船に乗りっぱなしで遊ぶから、フィッティングはその辺を考えたらいいね。

満足して浜に戻り、まだまだ練習を続ける人たちを見ながら船のことをいろいろ聞く。おかげで、自分の使い道や漕ぐ場所など、舟を作るとしたらどうするか色々考える事柄がつかめてきた。

そのうちにみんな浜に上がったので工房に戻り後片付け。スキンカヤックは日差しに当てて念入りに乾かしている。これも工業的なリジッド艇とは違うところだよね。日が落ちてから帰ってきて、ざっと水かけてラックに戻しちゃうだけのリジッドはメンテフリーで雑な人間には楽ちんだ。

午後は工房の先生方が色々準備してくれて、皆でBBQをしながら話を聞かせてもらう。一緒にレクチャーを受けた人らは普段は逗子の方で漕いでいる由。また、舟の作業の人も居て、コクピットの枠を縫い付けているところを見ながら話をさせてもらった。

工房の人にはとても良くしてもらって、聞けばちょうど舟づくりの一つまとまりが次のサイクルに入るところらしく、時宜が良いみたいだ。作りたい気は満々なのだけど、何かがまだ止めている。それが何だかわからないけど、作って乗らないことはできるけど、作らずには乗れないのになと思いながら、わからないことが気にかかって進めない感じ。

こういうときは、がんがん行く元同期のいつものやつ、「すぐやろう」で押し切るのがいいのかな。

頭がぐるぐるしながら夕日を見ながら電車に乗ってらまたフェリーで帰った。





2022年10月1日土曜日

20221001 仲良し姉妹

晴れるけども北風が強めないつものパターン。朝のうちに一周りして大先輩のツアー組に合流するつもりででかける。

うねりっ気はあるんだけど、なんだか近場も岩場もどちらも乗れる感じではないので、えいやと諸磯までやってきた。潮がまだ高い時間だったので諸磯はいい感じ。腹まで潜ったりしてさんざん濡れて満足した。

そろそろかなと北風を漕ぎ上がって入江に滑り込むとちょうどツアー組が出てきたところ。ちっこい後輩の妹さんが漕ぎに来てくれて、姉妹で仲良く並んで漕いでいる。

もう一人のお客さんも関係者で、メンバーだった後輩が時々漕ぎに来る。準ゲストというか準メンバーというか、そんな感じ。

堤防を出てセオリーどおりに向かい風を漕ぎ上がり、黒崎まであっさりと来る。スリムな先輩や彗星の後輩は連れ立ってもう少し先まで波遊びに漕ぎ上がる。

僕は朝に十分乗れたのでツアー組と一緒に黒崎にあがり、日のあたる芝生でのんびりする。お姉さんの後輩はホットサンドを作って妹のゲストさんに振る舞っている。後輩はキャンプのときも細々と手を動かしてオシャレなメニューにしている。仲良し姉妹と黒崎の景色を交互に眺めながらリラックスした。

午後は風に乗ってチョロリと漕いだら俺の浜にあがりコーヒー休憩。大先輩が準備してくれている間にさんざんぱら水につかる。気温も水温もまだギリギリ気持ちいいレベル。このシーズンのうちにやっておきたい課題がある人達は、コーヒーのあとも入江に戻ってからまだまだ浸かり、5時まで粘って流石に寒い寒いと言いながら舟をあげた。

2022年9月26日月曜日

20220926 連休最後

また台風がきている。とはいえ太平洋の沖を進んで行く様子で、うねりに気をつけながら遊べそうな一日。

五島ツアーがキャンセルになって、参加予定だった後輩が知り合いを連れてツアーになった。後輩は今年、新谷さんの知床ツアーに参加して漕いできたそうだ。その時に知り合った人を連れてきてくれた。

朝のうちにソロでチョロリと漕いで、岩場のポイントでたらふく遊び、ツアー組に合流。午前中は北風に乗って城ヶ島まで下り、帰りは多少の向かい風でも、知床のつもりで頑張って漕いであがりましょう。

サクサク漕いで赤羽根まで。同じペースで別のグループも漕いでいて、それが赤羽根の浜に先に入っていった。それなら、多少のうねりはあるけども、洞窟の浜に上がりましょうと少し足を伸ばす。

小さな浜には流木がたくさん打ち揚がっている。その中に柱材が一本、二つの岩の間に渡って落ち着いている。そこに座って足をぶらぶらさせながら昼ご飯。

大先輩も隣りに座っておにぎりを食べている。トンビが崖にとまってじっと見張っているねと誰かが言い、それを見ようと大先輩が振り返った拍子でクルンと落ちた。

幸い下は砂浜で、どこも怪我はしなかったようだけど、その数センチ横は岩でギリギリのセーフだった。大先輩が言うに、最近首が回らなくて振り返るのに体全体を捻らなくちゃ行けなくて、それでバランスを崩したそう。日常に潜む罠。

風は爽やかだけど日差しにはまだ熱がある。熱くなって来たので帰ることにする。向かい風が丁度いい塩梅で、のんびりと漕いで俺の浜でまたコーヒータイムがてらロール練習。最近はみんな、バンザイで浮かぶ練習をしていて、体を目一杯捻ってヨガのよう。まだ気持ちいい水に頭をつけて、高い秋の空を見ながら舟と一緒に波にプカプカ浮いていると、カヤックってほんとに面白い船だよなあと思う。

2022年9月17日土曜日

20220917ブラボー

シルバーウィークの初日。とはいえ台風がやってきていて長く遊べる気配もない。クラブツアーで五島列島の予定があったのだけどそれもキャンセルとなってしまった。僕は申し込んでなかったけど、行くメンツはピカイチ面白そうで土産話を聞けなくなったのが残念だ。

とりあえず漕げる日には漕ごうとクラブハウスにやってきた。北東がそれなりに吹く予定で、様子を見ながら波遊びをしようと考える。

湾から出ていくと、俺の浜でサップが一人入ってる。近場のポイントには逆に誰もいない。うねりは有るのだけど厚めでタルい感じなので先に行く。

狭い岩場のポイントはもうサーファーが入っている。船が壊れそうだ。ここまで風の抜けるエリアを漕いできたけど、まあなんとかなりそうなので足を伸ばして長者まで漕ぐ事にした。

久しぶりの小田和湾の渡り。佐島が近づかなくて単調さを感じることもあるけど、淡々とパドルを回すのに没頭出来て嫌いじゃない。

そうして長者までやってきた。サップが3人ほどポイントにいて、声をかけて一緒に入らせてもらう。サイズ感があって楽しそう。

長者のあたりは賑やかで、周りには浜から出入りするサップやカヤックがたくさんいて夏の最後に華がある。小網代からのお上りさんが遊ばせてもらっています。

サップに並んで波の順番を待っていると、沖から帰ってきたカヤックに、「カナックですか?」と声をかけられた。そうですと頷いてちょうど来た波に一本長く乗れた。そしたらブラボーとそのカヤックから応援が飛んできた。ちょっと照れて、低く手のひらをヒラヒラさせてまた順番に並んだ。

波が落ちてきたように感じたら、長者の砂嘴に上がって昼休み。ついでにクラブのオンライン出艇表を見たら、スリムな先輩が出てる。合流できるかなと思って、長者を切り上げて帰り始める。

長者と久留和の間の砂浜エリアも波が入っていてサーファーがたくさんいた。沖をすれ違いながら合流を目指す。そうして近場のポイントまで戻ってきたけど、いつものサップが入っていて、先輩の姿は無かった。乗る場所が無くて帰っちゃったかな。残念。

俺の浜で沖を見ると、別のカヤックグループが沖で沈脱してレスキューの練習をしていた。中々戻らないから気になってじっと見ていたら、フロートをつけていたのでなるほどな。ロールは出来ても完璧はないので、やっぱりフロートは最初でかつ最後のレスキュー手段だと思う。いいね。僕も湾内に戻ってまた水につかって、それで舟をあげた。

2022年9月10日土曜日

20220910 北風ツアー

なんだか小網代が久しぶりな気がする。なんでだろう。理由を探しながらクラブハウスにやってきた。今日は風が強い予報で、遠出できるわけでもないので、のんびりと大先輩のツアー組と一緒に漕ぐつもり。

先に支度をして浮かぶ。タコクラゲが入ってきていて、濃い茶色で元気そうだ。堤防まで漕ぐうちに、先に出ていたなんでもやる先輩が戻ってきた。外に出たけど風が強くてかなわないから、湾内で釣りでもするそうだ。風が大変だからぜひ行ってごらんと言われて堤防を回る。

結構な風ですなあと重いパドルをジリジリと回して漕ぎ上がる。まずはスズメ島を越えるところで風のギヤが上がる。そこから黒崎の鼻を目指して真っ向勝負。まあなんとか舟を進めて、次は長浜で風が抜ける。黒崎の北側で浮かびながら佃の波を目を凝らしてみるけど波はなさそうだ。

それなら頑張る理由もないから、引き返してツアー組に合流しよう。帰りは下り坂。パドルが空回りするようだけど進みは早い。スズメ島でふと沖を見ると、さっきの先輩が北に向かってジリジリと漕いでいた。きっと湾内でクルクル回ってるのに飽きたに違いない。

入江の奥に戻ると、何人か浮き始めたところ。そのうちの一人が元気に挨拶してくれたのだけど、帽子、サングラス、それにマスクのような日焼け止めをしているから、誰だかピンとこず、曖昧な声で返事をしてしまって不義理をする。まあ、そのうちわかるだろう。

みんな揃ったので漕ぎ始める。今日はゲストさんもメンバーもたくさん居る。これだけ居れば一人くらいはひっくり返るものです。ヨットを抜けたあたりで早速一人が脱ったところを、遊び上手な先輩がさっとレスキューに入る。その人をケアしながら漕ぎ進め、いよいよ堤防を回って外に出ていく。

初めての人もいるけれど、みんなそれなりに漕いで進めている。たいしたもんだなあ。縦に伸びた最後尾についてスズメ島まで来た。まあ、ここまで漕げてるから平気でしょう。今日はメンバーの数も十分だし。

そうしてまたジリジリジリと漕いでとうとう黒崎の鼻まで到着した。たいしたもんだ!剣崎の風速計だと秒速7メートルくらい吹いてたけど、こっち側はもう少しあったような気がするなあ。ともあれ大したもんだ。

岩場の上の芝生に登り、みんなで昼ご飯。ここからの眺めは気持ちいい。風はあるけど晴れていて、海を広く見晴らせる。黒崎は近すぎちゃってあんまり上がらないけど、昼ご飯を食べるならやっぱりここが一番かも。ここでようやく、挨拶で不義理をしたゲストさんが誰か気づく。あー、あー、よく来てくれました。水が冷たいときでもいつも元気に泳いでるひとだ。今日はたっぷり泳げますね。

黒崎から先は進まなくてもいいよね、陽射しの下の芝生でのんびりしましょう。そうは言いながら、早めにあがるちっこい後輩をスズメ島まで送る話になってるので、ささっと昼飯をすませて二人で追い風の中に飛び出ていく。リスクの線引きは人それぞれ。できると思っていてもやらないのも正解。サカサカとスズメ島まで話しながら漕いで分かれ、僕はまた黒崎まで戻った。ゲストさんは丁度降りてきて泳ぐ様子。メンバーは芝生の上で、なんだかヨガのポーズを色々試していた。海鮮好きの先輩は、コロナで家に籠もっているあいだ、暇にあかせて柔軟していたら、なんだかできるようになったそうだ。

そろそろ腰を上げて帰りますか。次は俺の浜でコーヒータイム。帰りは頑張らなくていい。チョイチョイとパドルを入れて向きを直してたら直ぐに俺の浜まで着いた。スリムな先輩とイケメン後輩の三人で散々回り倒していたら、北風で流石に寒くなってきた。ちょうどコーヒーができそうなので上がり、岩場にぺったりと座って暖を取る。あー、温かい。また冬が来るなあ。海鮮先輩と六本木の後輩も横に来て地べたに座って一緒に温まる。二人は波長が合いそうだ。仕事はしっかりしてそうなのだけど、時折気が抜けると粗忽さが顔をのぞかせる。カヤック漕いでるときは一杯気を抜いてくれるといい。

そうしてみんなでコーヒーを飲んで、またゆっくり漕いで舟を上げた。駅まで送ってもらう大先輩の車中はゲストさんも含めて会話が弾む。京急が止まっていて、もっと先の久里浜まで送ってもらったけど、その伸びた時間も楽しく話せて、なんだかコロナの前ってこんな感じだったよなあ。またカヤックに来て欲しい。


2022年9月3日土曜日

20220903 走ってみる

台風が沖縄あたりで跳ね返ってくる。日曜は房総に行くクラブのイベントがあるのだけど、用事が有って参加できない。なのでソロでのんびり土曜に漕ぐ。舟をカートで引いて近所の浜から漕ぎ出した。

しばらくはテトラの積んである内側を漕いでいく。北寄りの風の裏になるので平らに進んでいく。それが切れる久里浜の火力発電所からが本番の風表。

朝のうちは雲が重く、北の陸地は暗く覆われて見えない。その中の風浪三角波は随分とイカツイ。さてどうしたものか。向かい風と気持ち追い潮。風は安定して北東7メートルほどで、午後に向けて落ちる予報。そんなことを考えつつ、久里浜のフェリーが行き過ぎるのを待って体を波に慣らしたら、気を引きしめて風を漕ぎ上がる。GPSで時速4キロを下回るようなら引き返すと決めてフェリーの航路を渡り始めた。

せっせと浦賀を目指して漕いで、かもめ団地の横あたりに来るとだいぶ波が落ち着いてくれた。観音崎が止めてくれているのだろう。このあたりが漕げるから東京湾側に越したようなもので、のんびりとした景色がうれしい。とはいえそれも観音崎を越え出すと、また風裏で様子が一変するわけで、走水までざぶざぶと漕ぎ通した。北東風のときには当然波が寄せる方向なわけで、三月のお花見に来たいと思ってはいるけど、風向きを考えないと、船を上げる場所がないなあ。

北風の下見をすませた気になって引き返す。だんだんと雲が薄らいできて南の空は青い。たたら浜もずいぶんと明るくて、気持ちいい海の上に SUP が何人か風裏に遊んでいる。とはいえ人がいっぱいで、ちょっと先の鴨居の浜まで漕いでのんびりとお昼にした。

お昼を過ぎると予報通り風が落ち着いてきた感じはあるけど、東京湾の波はそんなに甘くないようで、まだざぶざぶとしている。帰りはゆっくりと岸ベタで浦賀の湾の中まで入って渡し船と大きなクレーン船を見学したら、燈明崎をかすめて次は久里浜の湾に入っていく。そういえば川があったよねと平作川を少し遡り、気が済んだので湾からでて、次に少し沖の海獺島まで漕ぐ。そのうちこの波加減にも慣れてくるのかな。ちょこっと追い波追い風で走ってみて、また久里浜の堤防の風裏に戻ったら、あとはテトラの内側をのんびり漕いで舟を上げた。







2022年8月27日土曜日

20220827 パエリアセッション

大先輩が昼ご飯を振る舞ってくれる、嬉し美味しいクラブイベント。たくさん漕ぐ雰囲気ではないから、のんびりと家を出て京急に乗る。

やってきた電車になんとなく乗ったら各駅停車だった。この前は特急浦賀行きなんてのに気づかずに乗っていて、まんまと浦賀で折り返した。これがボケてきたというやつか。

特急が止まらない駅のいくつかに縁が有って、昔のことを思い出しながら特急に乗り換えた。

クラブハウスにつくと、大先輩が知り合ったというリヤカー引きの冒険家が来ていて、今日は一緒に漕ぐのだという。色んな話が聞けそうで楽しみだ。


皆の支度が終わって浮いてみれば総勢17艇になっていた。今日はメンバーだけだから、これだけ大所帯でもスルスルと動いていき、とても静かな海を三崎堤防の折れめまで来た。今のところはいいけど、午後の風の上がりを気にしてここまでとしますか。のんびりできる黒鯛込に舟を上げ、大先輩がパエリアをつくり始める。

水に浸かっていた人達も上がりだして、丁度いい頃合いにみんなが揃い、いよいよダッチオーブンの蓋を開ける。黄色と赤の鮮やかな色合いに、マスコット先輩が持ってきてくれたホワイトアスパラとオリーブを散らして盛り付けた。手広い後輩と手がたい後輩はノンアルの飲み物を差し入れてくれた。スリムな先輩は杏仁豆腐。すべてがピタリと噛み合って腹いっぱい。筋トレ後輩は最後までおかわりをして貢献した。

ふくれた腹に海風が気持ちいい。動けない時間をリヤッカー冒険家の話でみんなで大笑いしながら過ごした。海の上は一人でも楽しいけど、陸の上はやっぱり大人数がいいよね。

ゆっくり過ごしたので油壷や俺の浜の寄り道はなし。それでも波チェックだけはしにいくつかポイントを寄りながら小網代の入江に戻って舟を上げた。

2022年8月20日土曜日

20220820 片道帰り道

海況が良さそうで、小網代から自分の家まで折り畳みで漕いでみるのに丁度いい。朝、家からバッグに入ったカヤックを引いてクラブハウスに向かう。

ソロではまだ心配なので、筋トレ後輩に声をかけて分割艇を漕いで伴漕してもらうことにする。

三崎口の駅でバスを待っていると、ファルトの大きなバッグを背負った人が来た。今日は自分もバッグ持ちなので、気が向いて声をかけた。

どこから出るの?と聞いたら三戸浜に行くという。三戸浜にバスなんて通ってたかなと問答してバス停を見たら、油壷方面の番号に三戸海岸行きと書いてある。初めて知った。驚いて看板の時刻表を見たら、平日3時の一本しかない。土日は一本も走っていない。

三戸入り口はバスが沢山あるけど、ファルトを背負って釣りのクーラーボックスを引いて歩くには遠いだろうと勝手に気を回し、タクシーしかないんじゃないですかねえと話していたら、小網代方面のバスが来た。その人は乗らなかったから、タクシーか場所を変えたのだろう。

クラブハウスで支度をし、やっとこ入江に浮かぶ。手間はかかるけど、浮いてしまえば普通のカヤックだ。

前回分割艇で漕いだ時より海況はいい。うねりも少ない。いつものように長津呂崎を抜けて来る途中、左からファルトが一緒に岩場を抜けてきた。バス停であった人とは違ったけど、お互い大変ですなあと何故かニヤニヤしながら安房崎まで着いた。そのファルトは気がついたら居なかった。

念の為岸寄りにコースを取って風車を目指してから剣崎に向かう。横瀬島では暑くてロールしたら、危うく脱りかけた。

後輩はシートが合わずお尻が痛くなってきたそう。時間があったら久里浜から先まで漕いで引き換えしてもいいかなと思ってたけど、ささっと野比まで漕いで舟を上げた。

後輩には昼寝をしていてもらい、折りたたみをバラしてバッグに詰め直す。時間はかかるけどなれるより仕方がない。分割艇はカートに乗っけて引いていくだけだから楽ちんだ。

そうして家に帰り、塩抜きに一通り洗い物をして一息つけた。後輩はだいぶお尻が痛かったみたいだ。シートを低めにつけてあるから癖があるのかもしれない。次はお尻パッドを敷いてみよう。そのうち、家から出て猿島往復なんてしてみたいから、シートの問題はなんとかしないと。

折り畳みはなんとなく自信はついた。横瀬島で一本、波に入ってブローチしたけど普通のカヤックと同じだ。とはいえ、どこに落とし穴があるかしれないから、しばらく近場で漕ぎ回ってみよう。まずは走水を目指す。





2022年8月11日木曜日

20220811 秋の夜長

 良い海況が予想されるけど、近づく台風のためにうねりがありそう。折り畳みを考えていたけど、ちょっと自信がないので分割艇で出ることにする。

朝に野比の浜からでて南に漕ぎ始める。まだちょっと南風があるけど、普通に漕ぎ上がれる。分割の木のパドルもいい感じ。最初の30分は岸沿いに、ソロの時の気遣い。三浦海岸まできてちょうど良い時間なので、ここからは雨崎を真っ直ぐにめざす。

雨崎を回ると、南からのうねりを強く感じるようになる。剱崎が回れれば城ヶ島もなんとかなるでしょう。だめだったら松輪のあたりで浜にあがって舟をバラせばいいや。無理せず行こう。

どんぶらこいで、剱崎の水路に入って一休み。次は盗人狩りでまた一休み。最近は横瀬島と安房崎を真っ直ぐ漕いじゃうから、久しぶりに岸よりの景色を楽しむ。そういえば、つい先日燃えたクルーザーが宮川の岩場に引っかかってた。通りがかりに見てみたけど、跡形もなく綺麗になってた。それでヨット置き場でまた一休み。

大先輩のツアーがそろそろ出てるはず。お昼ご飯で合流できるかな。安房崎と長津呂崎を大きく周り、静かになった海を漕いで三崎の堤防を回り込む。そしたら、遠くに赤いカヤックが見えた。手広くやっている後輩の舟で、ほんとうによく目立つ。おかげで簡単に合流できた。

山の日というのに海も賑やかで、お昼にあがる場所を探しているうちにまた二町谷までやってきてしまった。ガンガゼに気をつけながら階段にあがり、海風を感じながら一休み。暑い暑いと言いながら、海の風は涼しいし、意外と乾いた風が吹いている。秋が入り込んできてる。

あとはゆっくりとツアー組と漕いで水にも浸かり、入江に戻って舟をあげた。今日はビジターの人も頑張って水に浸かる練習をした。夏の暑い時、波を中を漕いで楽しんでくれたよう。

舟をあげてからも、このビジターさんはクラブハウスでの歓談に長くつきあってくれた。こんな感じは久しぶり。壁を開け放ったクラブハウスで、暮色が強まるなかのんびりとして、だんだんとひんやりしていく空気を夜長に楽しんだ。

2022年8月7日日曜日

20220807 やっぱりできない

一つの舟でできるようになったら、他の舟でもやれるか試してみたくなるのが道理で、大先輩のツアーでのんびり漕ぎながらすきを見て水に浸かる。

今日はとても大所帯のツアーだった。馴染みの人も見えられて、楽しく漕ぎに出る。この夏一番の静かな海で、大先輩の調子にのせられて、スルスルと赤羽根海岸先の洞窟の浜まで来てしまった。初めての人もサラリと漕いでくる。すごい。

洞窟の浜はどういうわけだかとても涼しい。隣の赤羽根海岸は浜の砂が焼けて、裸足ではとても歩けないのが普通なのに、こちらはひんやりとしている。気持ちよく昼ご飯を食べて、俺の浜まで漕ぎ戻る。

ここで練習。これなら行けるか?という船を選んだつもりだけどどうにも上がらない。やっぱり船に頼って上がってただけかあ。まあ一つ一つこなしていきますか。

小網代湾内の帰り道、南の方から黒い煙が流れてきている。なんだろうと思ったけど、消防車の音がしないし、ちょうど諸磯の畑の方だから、何か焼いてるのかなと話しながら帰ったら、赤羽根沖でボートが燃えて、七人海に飛びこんで逃げたらしい。近くの船が寄せてきてみんな助かったけど、ボートは燃えながら宮川の方まで流されていったそうだ。

人の増える夏の海はなにかと賑やかだなあ。

2022年8月1日月曜日

20220801 やってみる

昨日舟を上げる直前の入江で、イケメンブルーな後輩がゴリラでハンドロールをあげた。やっぱり舟じゃないねぇーと再確認して、自分でもうずうずしてきたので、仕事を早く切り上げて、夕方からカヤックを引張り出して浜に出た。

風が強めに吹いていてウサギも飛んでいるけれど、浜とテトラの間のスペースで練習するくらいなら問題ないと、組み立て式の舟を浮かべて肩を回す。やってみたら案外すんなりとできた。今まであんなにできなかったのが不思議だ。やれると思うとやれるようになるいい例だろうか。

またすぐに出来なくなるだろうから、一つ一つの動きを言葉に変えて書き付けておき、分解してまた再構築する。その過程を繰り返していくと、気づいていない要素が繰り返しの中で洗い出されて増えていき、また取捨選択されて減っていく。この繰り返しが楽しい。乗っていなくてもカヤック楽しい。

2022年7月31日日曜日

20220731 ひつまぶしセッション

先週の週末に続いてクラブイベントの日。朝からでかけた。

もう先に前漕ぎ道場のコンビが支度をしていて、二人を見送ったら自分の舟を少し手直しする。

一昨日に後輩と漕いだときに、フットブレイスになっている発泡スチロールの板を2枚ほど踏み割っていたので、新しく持ってきた板を押し込んで具合を確かめる。一センチほど厚くしてみた。良さそうね。

ヘルメットを持って舟を浮かべて一回り。台風が近くにいるけどどうかしら。近場は待つほどの波じゃなし、岩場はサーファーがすでに入っていて、でもその先のポイントで一本楽しく遊ばせてもらえた。ここまでとしてクラブに戻る。

入江で皆がちょうど出てくるところ。今日のクラブイベントでは、みんなで漕いで、昼は大先輩のひつまぶしご飯をご馳走になる。どこまで漕ぐか考えるに、うねりが結構あるし、午後は南風で荒れてくるだろう。まあ近場だな。

そんなことをボンヤリ考えながら漕いで、先頭の何人かが網代崎をすーっと回っていったところ、後ろの大先輩から声がかかる。今日は人数も多いいし、視界が途切れるところや航路の手前などでは一旦群れを集めてから確認して進みましょう。確かに。そうして集まったところを別のカヤックグループが6艇ほど抜けていった。ついでに先に行ってもらってちょうどよい。


気を取り直して諸磯の灯台を目指し、荒井浜の沖の岩場手前でひと場面に出会う。つい今追い越していったグループから一人、荒井浜の沖にある岩場を抜けるコースで左に寄った。油壺に入るのかな。つられて他の人も同じコースで岩場にはいったところを、たまたまセットの波がやってきて、隠れ根の崩れ波で一人沈した。それを見て他の人の手が止まり、グループ全体が隠れ根地帯の中で停滞してしまう。

そこに次々と崩れ波がきて総勢三艇が沈脱になる。助ける方も三艇残っているから、まだなんとかなるだろうと、僕らは離れた安全地帯から様子見。

四艇はグループレスキューして安全地帯に抜けた。あと二艇は岩場から抜けずにビルジポンプで水を抜いているけど、風と波で岩壁に押され、波が打ち寄せる場所でまた沈脱してしまう。安全地帯から二艇入ってきて、舟と人を別々にトーイングして岩場を抜け始めたのでこれで状況が落ち着いた。それを見て僕らも漕ぎ進めることにした。


他グループの一場面を目の当たりにしてこちらも少し興奮状態。カヤック教本のビデオのようだった。あらためて「判断」の重要性を学んだ。気が引き締まるとカヤックの群れも自然とタイトになる。諸磯を抜けて一段と波の大きくなってくる海域を漕いで三崎の堤防までいったあと、内側に沿って二町谷の段々に舟をあげた。

お昼に大先輩のうなぎご飯をいただくのは久しぶりだ。日差しはあるけど海を渡る風は涼しい。のんびりしている間にマスコット先輩はガンガゼと遊んでいる。トゲトゲをつついて反応を楽しむうち、何回か刺されて「あぁぁ、刺されちゃいましたぁ」と嬉しそうだ。そうしているうちに二つのダッチオーブンで炊き上がったご飯をみんなで声をあげていただく。おいしい。

お腹いっぱいになった午後の昼下がり、さらに風の上がった中をドンブラと漕いで俺の浜に立ち寄り、たっぷりと水浴び練習をして帰って舟をあげた。

2022年7月29日金曜日

20220729 お茶を一杯

 筋トレ後輩が海況の良い平日に漕ぎにいくというので、合わせて休みをとる。

午後から風が上がるいつもの様子。南に漕ぎ出して様子を見て引き返して来よう。

朝はまだ風がない。とはいえうねりははっきりとあって、砂丘のようなカーブが次々やってくる。長津呂崎から先がどうだろうと思いながら漕いでくると、うねりが見事に岩を乗り越えて泡立たせている。夏の城ヶ島はダイナミックだなあ。

ドンブラしながら安房崎を越え、東風崎の棒っ杭までやってきた。ここも盛大にうねりが隠れ根を洗い、後輩について大きく外を回り込む。

夏の暑さにやられないよう、ゆっくりペースで漕いでいく。時折水に浸かっているのでそこまできつくない。その調子でまた雨崎まで来てしまった。

ここで折り返して、でも楽なペースで来ているので浜に上がる気にもならず、結局俺の浜まで漕ぎ通して帰ってきてしまった。

たまたま気が向いてお茶を煎れる支度をしてきていたので、昼ご飯を済ましてノンビリしている後輩の横で、ゴソゴソお湯をわかしてお茶を振る舞う。暑い日の下のお茶は美味い。きゅうりの漬物が欲しくなった。

目がしゃっきりしたのでしばらく水に浸かる練習をし、まあこんなものでしょうと、まだ日の高いうちに戻って舟を上げた。




2022年7月24日日曜日

20220724 水に浸ける

 縁があって TRAK 2.0 Kayak を譲ってもらうことになった。じっくりと考えた結果、「すぐやろう」のカヤック同期の名言にのっとって、引き合いに飛びついた。

クラブハウスまでカヤックを持ってきて組み立てる。今日はクラブのレスキュー練習の日でちょうどいい。どんなカヤックでも、まずは一通りレスキューをこなさないとソロで漕ぎ出すわけには行かない。この夏一番の汗をかきながら、マニュアルを見ながらようやく組み立て終わった頃、練習会参加のクラブメンバーが続々やってきた。15艇を超える船が入江に次々と浮かんで出ていく中、ささっと白髭神社にお参りをし、自分も進水する。


練習会のプログラムに沿って一通りやっていく。馬乗り、パドルフロートで沈脱からのソロリカバリー。そしたら Tレスキューでグループリカバリ。自分が助けるところまでは問題なくできたけど、助けてもらうのが難しい。X で水を抜こうと思ったけど、コックピットまで舟を引き上げるのが重くて難しい。わざとシーソックをつけずにやっているのもあるけど、フロートが入っていても大変だ。

それならリエントリーロールはどうなんだろうとやってみたら、一段と水が入って薄い舟ばりの喫水になった。中のフロートのおかげで完全には沈まないけど、船が重くて、これで波に揉まれたら舟は簡単に壊れるんじゃなかろうか。バルクヘッドの効果は偉大だ。ソロ漕ぎの時はシーソックは必須。シーソックを着けてのリエントリーロールを宿題だなあ。

シーソック無しのリエントリーロールで水を入れてみた

沈脱からのレスキューは一通りやったので、ロールの練習に入る。のけぞるには背中のデッキが高いのと、サイブレースをつけなかったので膝を使えないという癖はあったけど、リブにあたる脛を使えば普通にロールできる。あまりのけぞらずに、C-to-C ぎみにやる分のが楽だった。

自分が一通りすんだら他の人のサポートにたってひとしきりしたらお昼休みに上がる。牡蠣殻に気をつかうのだけど、水がたっぷり入っているので重くて持ち上がらない。水を入れないように、上がる場所の底質に気を配るように、もっと繊細なカヤックをするように、そう問いかけられてる気がしてきた。

昼休みが終わってもう小一時間、ロールの練習をみっちりやったら、今日の仕上げに外に漕ぎ出す。だんだんと上がってきた南風のおかげで風浪もある。この中で沈脱して馬乗りをやった。そしたら大先輩が沈脱して「〇〇さーーーん、助けてー」とやる。あちらではロールをしてみる、こちらでも T レスキューをやってみる。一年で一番沈脱する日。舟をこれでもかと水に浸けて、それでもしっかりと戻れるよう心技体を整えていく。練習とは言いながらも、水につかるのが気持ちいい。水の上と下を自由自在に往復できる類稀な舟、カヤックをこれぞと堪能する。

練習しながら南風に吹き流されてスズメ島までやってきた。ここまでやれば十分。舟を返して俺の浜にみんなで上がり、体を温めつつ休めたら入江に漕ぎ戻って舟を上げた。

一通りレスキューをして舟の癖も少し掴めた気がする。これを転がしてどこに行こう。カヤック楽しむのに時間が足りないな。






2022年7月18日月曜日

20220718 のびのびあそぶ

三連休は雨風ともに強い予報で、ぎりぎり最終日の午前中くらいは漕げるだろうということで三浦に出かける。正午からすでに風が上がる予報なので、ツアー組と一緒にのんびり回って、思うさま水浴びして帰るつもり。

クラブについたら、なんでもやる先輩が釣り支度で出艇していった。カンパチやブリの子供が釣れてくるみたい。

それを見送ったら自分の支度をしてでかける。昨日までの風で、うねりが残ってるかもしれない。念入りにヘルメットを被っている。

俺の浜を見るとSUPがたくさん波遊びしている。その横の小さな浜にもSUPが上がっている。さすが海の日。

その割には近場のポイントには誰もいない。まだ潮が高くて不向きなのだろう。とはいえここで乗る気はあんまり無いので、足を延ばして岩場のポイントまでやってきたら、人も居ないしシーカヤックに丁度いい波。何本か長く乗れたので満足して帰る。



小網代湾に滑り込んだらツアー組とうまく行き合えた。合流して残りをのんびりこぐ。小網代湾も諸磯の入江も浜はテントが立ってどこも賑やか。それでも昼休憩に上がった二町谷は静かで、夏の日の海岸線を眺めていると頭から泡が抜けていく。

もう少しのんびりするという後輩を一人残して帰り道。でも途中の諸磯が潮が下がってきてちょっと荒れ気味。万が一はなくても、一千万が一くらいは有るといけないので、後輩を迎えに僕だけ二町谷にもうひとこぎしてまた戻る。

諸磯を抜ける帰り道では、北から前漕ぎ道場の後輩がドンブラ漕いできた。一緒に引き返して3人でツアー組を探して北上する。まだ俺の浜は一杯で、大先輩からの電話で三戸浜の端まで行く。道場主の後輩は浜に上がらず熱心にレスキュー練習をしている。それに当てられて、前から気になっていた、後ろハッチに浸水したらどうなるかをやってみる。後ろハッチを閉めずに舟を倒して水を入れる。ペットボトルをギュウギュウに何本もつめてあるので、結論沈まずに漕げた。一安心。

海の日の昼の盛りにのんびり水に浸かる。浜には地元の子供たちが遊びに来ているだけで、テント村にはなっていない。どこかしら空いている場所はあるもんだなあ。そうしてのんびりしていたら、予報どおり風が上がってきた。帰り際に近場のポイントで道場主と波遊び。何度か転がされたけど、練習の成果が出てノー脱。いいシーズンの始まり。いいとこで切り上げて湾奥に戻って舟を上げた。

2022年7月17日日曜日

20220714 予想外

仕事の流れにまかせて、午後一で漕ぎにくることにした。三連休の予報がいまいちで、漕げない公算が高いから平日にでかけた。

ほんとうはクラブハウスでやりたいことがあったのだけど、道具が全部揃ってなくてできなかった。そういうこともあるよねと、いつもの薄い舟で漕ぎ出す。

今日はツアー組も出ていて、静かな海に南に探しに行く。風もなく、この前の瀬戸内海を思い出しながら漕ぐ。

そうして三崎港の入り口を過ぎたら、長津呂崎を抜けてツアー組が戻ってくるのが見えた。

手を振って挨拶し、カヤックの群れにまじる。メンバーは、漕ぎ足りない後輩と手広くやっている後輩、それに遊び上手な先輩だ。手広い後輩は先週グリーンランドパドルを使って気に入ったらしく、買おうかどうかウキウキと話していた。カヤックのいろいろな面に触れることができて、なんでも試すのが良いですよね。

静かに諸磯を抜け、俺の浜まできていつもの休憩。漕ぎ足りない後輩はさらに北に漕いでいった。手広い後輩は上がらずに、前の浜で水に浸かる練習をしている。それを横で見ながら、自分もしばらく水につかってから舟を上げてお茶にまじる。

陽気が少しずれれば、最高の三連休なのに、これから天気が崩れて行くのだろう。残念。そういうこともあるよねと思いながら、日の長い時期をたっぷり使ってから舟を上げた。

2022年7月9日土曜日

20220709 ちょっと寒い

 久しぶりに漕げる。思ったよりも距離も漕げそうな予報で、いそいそと出かける。

筋トレ後輩とのんびりと支度をしていたら、なんでもやる先輩がやってきて、ささっと支度をして出ていった。朝の釣りが目当てで、いい時に漕いで早めに帰る感じだそうだ。

僕ら二人はのんびりと支度をして浮かぶ。いつもの南方面だけど、良い予報に変わったとはいえ、午後には風が上がるというのを気にして、まずは横瀬島を目処に漕ぐ。

網代崎を回って四角い諸磯の灯台を見晴らした中に、岩場からこちらに漕いでくるカヤックが一艇見えた。横瀬島早朝便のレジェンド先輩だ。すれ違いざまに城ヶ島南岸の様子を聞くと、それなりに波があるねと言いながら、パドルの手は止まらずに行きすぎた。

諸磯まではうねりを感じないが、岩場では潮の流れを感じるし、三崎の堤防につけば外側の波は随分と舟を叩く。パドルがぐんぐん回り出して、横瀬島まで漕ぎ通す。さあどうしましょうか。

午後の風のあがりを気にして剱崎で折り返そうかと話をしながらも、結局雨崎で折り返すことになって、また横瀬島に戻ってきたところで正午のチャイムを聞いた。風も手応えが出てきた感じ。それなら俺の浜までは漕ぎ抜こうと、ぺろっと三崎の堤防を回り込んで、ここまできたら一安心。すこしペースを落としながら俺の浜までやってきて昼の休憩。

もう今日はこんなもんでしょうと後輩と二人でのんびりしていた昼下がり、メンバーのカヤックが三人こっちに向かってきた。昼遅くに来たらしく、これから荒崎まで漕げるかなという話なので、僕も一緒に舟を出して、荒崎タッチに参加する。いやー、漕いだ。俺の浜ではレスキューの練習に勤しんで、まだ体を冷やしてくれる水温と曇り空に久しぶりの寒さを感じる。

いやぁ、三浦半島の一番いいところを一日で漕いだ。岩場をちょっとすっとばして沖を漕いじゃったから、時々は舐めるように岩場を漕いでみよう。

2022年6月26日日曜日

20220626 まだ暑くない

この土日はクラブで江ノ島往復する予定だったのだけど、両日風が強くてやれなかった。まあそれはそれで仕方がない。

風は強いのだけど晴れて暑い。まだましな午前中に水につかればどうかと思って漕ぎに来た。漕ぐと言っても湾内だけ、ひょっとしたら入江だけ。

今日は釣りの人も誰も来ていない。ささっと支度して、富士山の雲を見ながらヨットの脇を抜けていく。


堤防まで漕いできたら、横堀海岸あたりから出たSUPが二人、湾口を横切って荒崎方面に漕いでいる。行きはヨイヨイだなあと見ていたら、一人落ちて、しばらく膝立ち漕ぎしている。

大変そうだなあと思いながら自分は横堀に渡り、釣り人のいない風裏でひとしきり水に浸かる。

梅雨が開けて猛暑かという煽りを聞くけど、水温は20℃有るかないか。その上を吹く風を濡れた服で受けると、体が冷えていくほど涼しい。それでも日差しの強さは本番で、その冷えを帳消しにしてもらうのに、風の強い沖を見ながら体を温める。

さっきの二人は、三戸浜の沖あたりで岸寄りにコースを変えてベタでこちらに戻ってきた。良く湾から出るよなあ。

湾内をくるりと回って気が済んだので、入江に戻って空を眺めながらまたぷかりと浮かんでいたら、ピカピカのミストラルの後輩が漕ぎ戻ってきた。三戸浜で家族を遊ばせがてら、自分はカヤックで現れるべく漕ぎ出したのだそう。

もちろん、堤防を回っての風の強さを確認して、これはやめにしようと戻って来たとの由。風は強くなる一方の予報だからそりゃそうか。

支度を終えてまだ昼にも時間がある。笠戸島の海を見晴らす露天風呂が良かったので、小網代湾を見ながら風呂に入ろうと観潮荘に出向く。

前は海洋深層水とか言っていたけど、無理やりにでも温泉を掘り当てて、バス停の名前も油壺から油壺温泉に変えた。それはともかく、景色が変わってないのは嬉しい。

ロールのキレを出そうとして、体が冷えてたところにバッと動かしたせいか、肩がシクシクする。お風呂でゆっくり温まってバスで帰ると、まだお昼どき。東京湾側はどうだろうと、途中のコンビニでアイスを買ってかじりながら見に来て、風裏とはいえそれなりな海を見たらなんとなく気が済んだ。

まだ日が長いうちに、落ち着いた日を見つけて江ノ島、かましてみたい。カヤック漕ぎたい。





2022年6月11日土曜日

20220611 江ノ島の前に

 昼過ぎて雨が降りそうな予報だけど、風はとても落ち着いていそう。梅雨空のした黙々漕ぐのも良いでしょうと、筋トレ後輩と前漕ぎに熱心な後輩と連れ立って漕ぐ。逆に日曜は爆風の予報で、まあクラブの人は誰も来ないだろうな。

今月末には小網代・江ノ島往復のツアーがあって、それに向けての確認というか、まあただ漕ぎたいだけですな。

朝のうちは晴れ間もあっていい天気。のんびりと支度していたら、もう一人後輩がやってきた。最近クラブに入ったのだけど、最初からトラディショナルパドルを使っている。総勢四人の支度が終わって出ようとしたら、大先輩が忙しなくやってきた。午前中に子供の授業参観があるのだけど、それまでちょっとだけでも漕ぐのだそうだ。すぐに追いつくからと言われて四人が舟を運び、入江に浮かんでよっしゃと気合を入れたら、もう大先輩がパドルを回して合流した。支度から何から素早い。

思いのほかの人数で、まだ晴れ間のある乾いた空気の中小網代湾から出ていく。横堀海岸の脇の岩場では、シーカヤックが一人、ドローストロークをしながら浮いていたり、網代崎を回り込む時にはヘルメットを被ったシーカヤックとすれ違ったり、みなさん中々ご健勝のようす。あんまり見たことのない舟ばかりだったな。

そうして南に漕ぎ出して、静かだけど潮の早い諸磯を過ぎ、向かいの堤防までの真ん中あたりまできたら、大先輩がここでタイムアウト。舳先を返して戻っていった。熱心な後輩に引っ張られながら、先にずんずん進んで長津呂崎を回り、馬の背の手前まできたら、ここで木のパドルの後輩の引き返しポイント。ゆっくりどこかの浜に上がって昼ごはんにして、早めに帰るそうだ。

もとの三人になって漕いでいく。海が静かなので調子が自然と上がり、横瀬島、剱崎、雨崎までなんとなくきてしまったのを折り返し、毘沙門でお昼ご飯に舟をあげた。前回と違って南風のあがりも感じず、のんびりとした休憩。一時に出ましょうかと話を決めたら、その十分ほどに筋トレ後輩はヘソテンで鼾をかいた。

そうしてまた海の上。淡々とパドルを回し、波のない諸磯を抜けて網代崎までやってきた。まだ雨の様子はないけど、陸に上がって降られたらいやだなあと、その先は行かずに小網代湾の入江まで帰ってきた。

上がる前に回っときましょうかねと、何度かやって水の上にあがったら、いつの間にか房総同期の舟が来ていた。カヤックに近づかれても、本当に気づかない。ロール練習してる人に静かに近づくの、楽しいんだけどやられるとすごいビビる。あはは。同期も江ノ島ツアーの前に漕いでおこうと、安房崎・荒崎を往復したのだけど、ちょっと準備が足りてないとブツブツ言っていた。

やっぱり五十キロ近くを漕ぐのはぶっつけでは心もとない。天気がどうかあやしいけれど、一年に一回の体育大会みたいなもんで、準備をして臨むと楽しいと思う。今年はやれるかな、とても楽しみ。

2022年6月4日土曜日

20220604 夏よこい

 前回に味をしめて、雨崎を目指して三浦に。筋トレ後輩と二人で入江に浮かんで漕ぎ出す。今日は中潮、満潮から干潮に向かって漕ぐ。朝の北風は午後一から南に変わり、だんだんと上げてくる予報。

後輩といつものコース。長津呂崎を回ったら北東の東成分が向かい風になるのは予想どおり。元気がでた後輩がぐいぐい漕いで横瀬島から剱崎をまわり、雨崎まで。どこも浜は賑やかで、カラフルなテントや水着の人たちがチラチラしている。

それを遠巻きに見ながら折り返して無風の中横瀬島まで戻ってきた。北東から南に風が変わる瞬間で正午のチャイムを聞く。蒸し暑さを感じて、後輩が体を冷ましに水につかって綺麗にショートで上がってきた。

お昼はまだ先だねと漕ぎ出したら、安房崎の手前でだいぶ南が入ってきた。おやおやと思いながら、赤羽根の東の小さな洞門で舟を上げた。といっても干潮前後で浜までいけず、海藻の出た岩場でお昼ご飯を立ち食い。浅い海藻の潮溜まりにウツボがニョロニョロ潜り込んでいて、降りる時にパドルで突いたら逃げていってくれた。

また漕ぎ出して長津呂崎を過ぎたら落ち着く。海面は落ち着くし、追い風だし、すいすいと進んで諸磯の灯台が見えたら、大先輩のツアー組を探しながら漕ぐ。エビ島を出てくるカヤックが見えたので寄っていったらビンゴだった。合流して最後まで一緒に漕ぐ。

俺の浜では恒例の水浴び練習。とはいえ、先週と違って海の上を吹いてくる風が冷たく感じる。曇りがちで日差しの熱が弱いのと、風が強めなのもあるのだろう。本番の夏がまたちょっと遠のいて、本番の梅雨がやってくる。

2022年5月28日土曜日

20220528 漕ぎたい人たち

 ゴールなんてなくていい。日がな一日漕いでいたい。そんな人たちが結構いるので、朝から漕ぎに出かける。支度をして三人、入江に浮かぶ。

自分の舟には小さくまとめたキャンプ用品も積んだ。近々あるキャンプツアーの様子見で、どのくらいコックピットが下がるか一日漕いで確かめたい。一緒に漕ぐのは青いゴリラと真っ白い海燕。昼過ぎから風が上がるとの予報がありますが、どうですかね。

網代崎をまわってどんどこ漕いでいく。諸磯を越えると南からのうねりが入りだして、長津呂崎では岩場に入らず、大外を回るほどだった。春の引き潮はとても低い。

安房崎から先を見る。昼過ぎには南風が上がる予報があるからどうだろうか。それでも午後1時に長津呂崎より北に戻っていれば大丈夫だろう。宮川湾を渡り横瀬島、剱崎までやってきた。ここでまたちょっと相談。二人とも先まで進みたそうだ。剱崎をロデオで回り込み、しばしの風裏、追い風で雨崎までやってくる。浜はとっても賑やかで、休憩に上がれる感じではない。

もう十分でしょう、ひとしきり北を見回してから引き返すと、向かい風が思ったよりも強い。剱崎のロデオも横瀬島まで続いた。20km を越える前に何かを食べておこうと、一旦毘沙門の浜に上がって小休止でまたすぐに海の上。12時でこれだけ吹いているから、早いうちに長津呂崎を回った方が良いでしょう。

うねりと風浪の合わさったやつをバシャバシャと越えながら長津呂崎を回った。もう一安心。追い風になり、波も途端に落ちる。今日は大先輩のツアー組も出ている。この海況だから、城ヶ島までは来なかっただろうと、周りを探しながら諸磯の入江まできてしまった。見つからないなあ、油壺に入ったかなあと、静かな水面に滑り込んだけど居ない。そこで後ろを振り向いたら、諸磯の方から油壺にはいてくるカヤックの群れが見えた。ああよかった。

油壺の中でツアー組を待ち、馴染みの顔にも挨拶できたら、二人がもう漕ぎ出したい顔をしている。荒崎だとさすがに大先輩に心配をかけるだろうと、黒崎までに狙いを定めてほいほいと漕いだら再合流のために俺の浜まで戻る。

俺の浜にはカヤックが並んだ。でも一艇だけ浮いている。手広くやっている後輩がロールの練習をしている。そういう時期ですなあ。一緒に浮いて、ショートロールの動きを見る。腰の動きが硬いのと、タイミングが遅いかなぁ。そんな話をしながら何回かやったら、ショートでまたあがるようになった。

それで浜に舟をあげてツアー組にまざる。小さな浜にカヤックが一杯。そのうちに一人、また一人と浮き出して、レスキューの練習がお客さんも含めてはじまった。梅雨前の一番いい夏。乾いた空気と暑い日差しを堪能しながら思う様水に浸かったら、みんなお腹いっぱいで小網代の入江に戻って舟をあげた。

トータル35kmでも、二人はまだ漕ぎ足らなそう。でも、北方面は景色に変化が乏しいのか、みんな行きたがらないような気がする。雨崎-荒崎が定番になるか。

2022年5月22日日曜日

20220522 シーズンイン

ちょっとバタバタとした週末、ゆっくりと出て早く上がる。長く漕げないし、それなら手近な浜でキャンプの練習をしようと三浦にでかける。

ここんとこ、WFK のゴリラと海燕がよく入ってくる。それも中が黒いカーボン。どちらも細身で軽い漕ぎ味でとても人気だ。その海燕が二艇、艇庫から抜けている。今日は大先輩の房総ツアーの日。なるほどなるほど。潮をたっぷり浴びてくるんだろう。

そんなことを考えながら、自分の薄い舟を引き出して支度をする。テントなどの荷物を簡単に積んで出発。一段と水が近い気がするけれど、コックピットはギリギリセーフ。

まだ北風がある午前中。堤防を回って俺の浜まで来たら、カヤックが一艇とその横に足を空に組んでゴロンと寝転んでいる風待の先客がいた。

考えは皆一緒ですな。舳先を返して風浪を後ろから受けながら諸磯の浜まで漕いで舟を上げる。雨が降っているつもりになって、できるだけ荷物が濡れないようにとタープとテントを張った。

まあ、なんとかなりそうかなと気が済んだので、正午のチャイムで荷物を畳んで寄り道をしながら帰る。

諸磯の灯台の入江では定番のカヤックグループが舟を上げている。それを過ぎて俺の浜までくると、別の何艇かのグループがちょうど漕ぎ出すところだった。挨拶しながら沖に出ていくのを見送り、ちょっと潮を浴びてから空っぽの浜に上がった。

水温はだいぶ上がったけど、濡れた服で風に吹かれるとまだちょっと寒い。風は落ちてきているけど、温かいお茶を飲もうと湯を沸かしていたら、隣の浜からまた別のカヤックグループが歩いてきた。

帰る時間になったので、さっと堤防を周り、入江の奥でまたたっぷりと水を浴びて、それで気が済んだ。湾内では、SUPガイドにつれられて透明なカヤックも出ていた。今日はあちこちでカヤックを見て、いよいよ皆さんシーズン・インな感じ。夏がくるなあ。

2022年5月17日火曜日

20225015 滑らかな海だけど

 先週のツアーはとてもよかった。今週はいつもの三浦にがっつり浸ろうと、筋トレ後輩と朝から出かけてきた。

支度をしようと思ったら、艇庫の天井に蜂が飛んでいた。最初見た時は、体がスマートで足が長かったから、大きいアシナガバチだなあ、くらいに思ったのだけど、よく見たらスズメバチの女王蜂だ。一段目の巣をせっせと作り始めているのが見えたから、申し訳ないけどやっつけさせてもらった。まだ小さい巣もつまみ落とすと、中には蜂の子が動いていたので、すまんけど川に流させてもらった。仕方ないけど、おまえら刺してくるからなあ。


バタバタしたけど支度を終えて、久しぶりに薄い舟を浮かべる。この軽快な感じもいいよね。まだ北風が残る中を網代崎を越えて南に向かう。長津呂までは追い風、そこから雨崎までは向かい風。

こんな薄曇りでも上がれない程度には雨崎に人がいる。野比の方角を一目みたら折り返して、北東の風浪を楽しみながら剱崎を回り込んで海況の変わりようを味わう。筋トレ後輩は荒崎まで行きたそうなので、一旦横瀬島に上がって軽く腹ごしらえ。30km を超える時は途中で何か食べるの大事。

正午を回って風が落ちていく中、後輩と二人で荒崎に向かって三浦半島を回り込んでいく。どことなく先週の海を思い出したりしながら漕いで荒崎まできた。ここから江ノ島まで、まっすぐで15kmほど。ちょうど笠戸島から尾島まで渡った距離と同じ。ほうほう。

荒崎からは岸ベタで帰る。海は凪いでツルツルした海面だけど、うねりがあってゆっくり上がり下がりする。瀬戸内海はこれがなかったなあ、なんだか落ち着くなあと思いながら小網代入江まで、日差しのあるうちに戻ってこれた。しめて36キロほど。

ツアーの準備でいろいろキャンプ道具を見ていたら、薄い舟でキャンプいけないか試してみたくなってきた。暖かい時期なら荷物のかさも少ないだろう。ULカヤックキャンプ、楽しそう。

2022年5月3日火曜日

20220503-0508 ミサコの島

久しぶりに足枷のない連休。クラブのツアーで周防灘を五泊六日で漕ぎ回る。とは言っても連休でのお出かけ。行き帰りの道路は混むだろうから、無理せず余裕をもって、本気で漕ぐのは三日ほど。それでも十分。

5/3 横浜 - 笠戸島

初日は事故渋滞に三度はつかまり、笠戸島に着いてみればもう日が変わりそう。車中も会話がエキサイトして高速を降り損ねそうになったり、買い出しのスーパーに寄るのを忘れそうになったり、笑いの絶えない道中であっというまだった。車を止めたその周りで、暗闇の中みんな適当にテントをはり、もそもそと寝袋に入って寝る。


5/4 笠戸島 - 尾島

日の出もそこそこにテントを出て海の方をみやると、海辺の道を野犬がトボトボと歩きすぎる。夜中にワンワンと聞こえていたのはこれか。朝飯をすませたら荷支度をし、重い舟を水に浮かべて入江を出ていこうとすると、道のない山の上の方から見送りの遠吠えが響いた。トボトボ歩いている姿を思えばかわいい。

この入江には石の鳥居が立ち、大明神と書いてある。これからの航海の無事を祈って手を合わせ、外に向かって漕ぎ出したら、なんだかヌメヌメと丸くて黒いものが水面を上がり下がりしているが見えた。しばらく見ていると、また出てきた拍子にプハッと息継ぎをして、ああ、スナメリなんだと気がついた。これは幸先がいいなとしばらくしたら、いよいよ漕ぎ本番。

深浦の入江から火振岬を過ぎて、今日のゴールの尾島が見えた。後ろの牛島だかに紛れて、それよりもう少し色濃い島陰。もうちょっとだけ笠戸島に沿って漕いで、適当な砂利浜であがって一休みしたら尾島への渡り。15km の距離をまっすぐ漕ぎ切った。まだ日が高く1時過ぎ。でも水が綺麗で玉砂利の浜から低い緑と青空を見たら、もうこの先漕ぐ気にはならない。そうそうに舟をあげ、それぞれがバラバラに時間を過ごす。

日が少し下がってきたら、だんだんと皆が集まってきて、プシュッと缶が開いた。こうなると時間が経つのが早い。ぐんぐん日が落ちていって、太陽が「i」の字にピカピカおりてきて、それがピリオドになって消えていった。こうなると寒くなってくる。暖かい物を食べながら、11時くらいまでベラベラと喋り通して寝た。


5/5 尾島 - 牛島 - 叶島 - 長島

今日もまた漕ぐぞー、祝島はあがれないけど、長島側に上って休憩して、その先の佐合島の瀬戸内No.1ビーチでキャンプするぞー、と意気込んで漕ぎ出した。まずは牛島に取りついて岸ベタに回っていく。トンビにしては腹が白いなと思ったら、ミサゴだ。三浦ではちょっとレアだから嬉しいと思って上を見ていたら、トンビだと思っていた鳥がみんなミサゴだった。田中美佐子が大好き、紺野美沙子もいいですね。あほな会話で牛島を回っていく。

次は叶島に着いたらここにもミサゴ。番いのようだ。人の居ない場所にはトンビも住めない。ミサゴのような自分で餌を取れる鳥しか生きれないのだろうと大先輩がポツリという。美佐子と言っていた同じ口とは思えない。

そこからまた次の島、長島に渡り、祝島を正面に見る砂浜に上がった。とてもきれいなところだ。ガンガン後輩は漕ぎたらないと見えて、皆が昼食後に皆がのんびりしている間にも鼻操島まで往復してきていた。

No.1ビーチの佐合島までは距離が有るというのに、漕ぎ始めてホンの一時間もしたら夢のような浜が岬の向こうから見えてきた。白い砂底に明るい青緑の澄んだ海。その先には手頃な広さの綺麗に湾曲した滑らかな白砂浜。入江の両端は岩場で区切られ、全てが完璧。これより上が有るのか、瀬戸内海。恐ろしい。


そうは言いながらも、あまりに魅力的な浜だったので、ふらふらと入江に入り込み、先っちょだけ上陸しようとバウを白い砂に擦り上げた。そうしたら、ちょっと様子だけ見てみようと大先輩が舟を降りた。我も我もとみんな浜に上がって、振り返り、砂浜の見事なカーブに沿った澄んだ海を見る。

ここで十分、というより、ここでキャンプしたい。この浜がいい。いや、No.1 を目指すか... 南野陽子と北川景子と浜辺美波が入り乱れてしばらく議論したけれど、今日は南野にして明日の帰り道に No.1 の浜辺を見に行くと落ち着く。直感は大事だ。

この浜の南側にしたのは夕日が見える方角だったから。ひたひたの細波だけで波音のまったくしない瀬戸内海に「iの字」の夕日が沈むのをみんなで見てから本番。夜更けまでまた話を楽しみつつ、今日は途中でキャンプしてしまったので明日の距離が少し増える。水の補給が必要か、明日の漕ぎをみんなで考えて寝た。


5/6 長島-佐合島-峨眉山-大水無瀬島-笠戸島-古島-大東半島

今日は一番漕ぐ日。今日のうちに笠戸島まで帰っておいて、明日の昼過ぎにはのんびりと帰りの車中の予定。往路の渋滞が大変だったから、余裕を持った帰り道を計画した。

朝のうちは日差しがあって暑かったけど、次第に雲が広がってきて、道中、二、三度小雨がぱらついた。飲み水が少ない中、肌寒さを感じるくらいで淡々と漕げて逆にちょうど良い。風と波は一切ない。ひたひたの内海を帰っていく。

佐合島の期待していた浜は、潮のタイミングとお日様の加減が悪かったか、自分達が通りがかった時には遠浅感が足りてなくて魅力を十分に発揮できていなかった様子。やはりキャンプにあがるなどして時間をかけて付き合わないと、瀬戸内の魅力は味わい尽くせないみたいだ。とはいえ、自分達の勘を信じて判断したのだから悔いは一切ない。昨日の僕らを褒めてあげたい。

その後は本州沿いにタラタラと。このあたりはトンビもだいぶ飛んでいる。火振岬を目指して本州から離れ、火振岬がもう少しのところまでやってきた。すると、岬の向こうから飛沫を上げて小型のボートが回ってきたかと思うと、僕らの方に向きを変えてやってきた。まとまって待っていると、そばでボートを止めて「釣りの人か?」と聞いてくれた。ツーリングをしていて、島々を回って笠戸島に帰るところだと伝えると、ガハハと笑ってこの先は潮が 1ノットほど流れてるから気をつけてと教えてくれた。気にかけてくれてありがとう。

そういえば、舟の進みが遅かったなと思いつつ、パドルも重くなった気がする。低くなるお日様を意識しながら僕らも火振岬を回り込み、笠戸島、古島、大東半島に囲まれた湾に戻ってきた。どこがいいかとウロウロしながら大東半島にとりつき、玉砂利の浜に最後のキャンプ地を決めて今日の漕ぎを終えた。

浜で寝る生活も今日までかと、暮色のます海をみんなで見ていたら、ミサゴが一羽、ミルク色の空に黒々と飛んでいた。ミサゴもだいぶ見慣れたなと目で追っていたら、突然翼をたたんでまた伸ばしてを何度か繰り返しながら、ヒラリ、ヒラリと滑らかな海に飛びんで波紋を広げた。自然に声が上がり、じっと波紋を見ているとミサゴが水から上がり羽ばたいて飛んでいった。

そういえば、今日の道中、長島で岸沿いにポツンとたつ岩の上にミサゴの巣があった。木の枝を上手に、逆三角錐の櫓の形に組んであった。ただ飛んでいるのを見慣れただけじゃもったいない。

そうして今ツアー最後のキャンプ泊も更けていく。動画を撮る後輩は、今までまとまった距離は漕いだことがなかったのだけど、今回日を追うごとにペースが上がってきて、今日は全行程をペロリと漕いだ。ガンガン後輩は相変わらず前漕ぎに集中して貪欲だ。筋トレ後輩は水の補給が気になりながら漕いでいたようで、気がつかれたのだろうか、浜に早々と寝転んで皆の話を聞きながら眠っていた。大先輩はいつになく夜遅くまで起きていて、ちょっとウィスキーを寝酒に飲んだのを合図に、みんなテントに戻った。


5/7 大東半島 - 笠戸島

今日はほんの目の前にある笠戸島に渡って全ての漕ぎを終えて陸の生活に戻る。昨日頑張ってここまで戻ってきたので、朝はのんびりできる。朝の静かな海をみながら仕舞い支度をしてゆっくり舟を浮かべた。少し岸沿いに漕いで様子を見てから笠戸島までわたり、ウルフ号が置いてある入江まで滑り込んだ。スナメリのお迎えも、野犬の遠吠えもなく、静かなゴールだった。全編、内海の平らな海を堪能できた。帰りも石の鳥居にお礼をし、舟をあげた。


ここからは街の生活に戻るいつもの手順。お風呂に入り、マスクをつけ、ラーメンを食べ、お土産を買い、車中のお荷物になる。行きと違って順調な高速道路だったとはいえ、ハンドルを握ってくれる大先輩と動画後輩には感謝しかない。今回も最後まで安全な旅を楽しめた。

カヤックに一切の家財道具を積んでウロチョロするのはたまらない。日本にはそれを受け入れるスペースが全然残っている。カヤック楽しい。


2022年4月17日日曜日

20220417 台風うねり

 なんだかクラブハウスが久しぶりな気がする。今年初めての台風うねりを期待してでかける。

今日はヘルメットをしっかり被って、これまた久しぶりな薄い舟に乗ってヨットの間を抜けていく。堤防から水平線を見ても富士山がない。のっぺりした春の書き割りの空がぺったりとあるだけ。

網代崎にはうねりこんで白く崩れている。近場のポイントにはいつもの人が入っているのでパスして舟を進める。岩場のポイントにもサーファーが何人か浮いている。もし居なくても、今日はカヤックで入ったら舟を壊す。そこをすぎたおめでたいポイントまでやってきた。ここで波遊びしている人は僕ら以外ではまだ見たことがない。台風レベルのうねりで潮が低い時に、わりと長く乗れる場所。隠れ根にたつ波なのでわりと一瞬だけど、その分すぐに波が収まるので、沈脱しても復帰がしやすい。

何本かスピード感を楽しんで遊んだら、ココイチのサイズでひっくり返される。ロールにぎこちなさを感じてビビりが入る。潮時と舟を返して大先輩のツアー組を迎えに入江の奥に戻る。

今年のGWには大先輩の遠出のツアーがある。そのための煮炊きの練習のつもりで、昼ごはんをちょっと手の込んだ支度をしてある。ツアーに同行して食べるつもり。

お客さんもメンバーも合わさって、大船団が堤防を出ていく。大先輩はうねりの様子を見て、昼に上がる場所を思案している。どんどん引きはもろにうねりが入って上がれそうにない。黒崎の鼻はちょっと近すぎるかなあ。反対方向の諸磯は周りの岩場がいかついだろう。さて、どこにあがろう。

とりあえず北にということで漕ぎ始める。ビジターの皆さんも、軽い向かい風に調子良く進んで良いペース。黒崎にはすでに三艇のカヤックが上がっていたのでもう少し漕ぐことにして、佃嵐崎のあがりやすい浜で昼ごはんにした。ちっこい後輩と房総同期がきていてはなやか。洋物先輩もずいぶんお久しぶりだ。平日時々漕いでいたようだけど、ご時世的にお仕事が忙しそうだ。

昼が済んだらまた海の上。だんだん落ち着いていく春の海を、ちょっとの追い風に少し舳先を振られながら、スズメ島と俺の浜で寄り道しながら入江に戻った。舟を上げる前、ちょっと気持ち悪かったのでロールを何回か。やっぱりしゃっきりと上がらない。それを見ていた大先輩も、なんかもっさりしてますねと教えてくれる。ちょっと水に親しんでいなかったな。まだ水は冷たいけど、日差しがあれば体は温まる。ちょっと回っていこう。カヤック楽しい。

2022年4月13日水曜日

2022-04-13 引越し前に観音崎

今日はいよいよ引っ越し本番。夕方に大先輩に車を出してもらって、冷蔵庫やテレビなど家電類をまとめて移す。

今日はとっても漕ぎ日より。夕方までは時間があるから、朝から東京湾側に舟を出した。家の前からカートを引いて浜まで降りていく。今度の家は浜まで車道の部分が少ないから、舟を繋いだままカートを引けて便利になった。

早速舟を浮かべ、テトラの内側は平らで、だらだらと久里浜目指して漕いで行く。テトラを出ると火力発電所の長い堤防が波を打ち返し、ちょっとざわついて面倒くさい海面になる。いいですね。目新しい場所だし、潮の流れも早いところ。無理せずに時間をかけて身につけていこう。

堤防を回り込むと、金谷に向かうフェリーのおしりが見えた。向こうからくる舟はない。まずは燈明崎まで渡る。

そしたら次は、鴨居をかすめてタタラ浜、そこから岸ベタで観音崎の砂浜まで。引っ越しの準備もあるから、今日はここまでにしておいて、自販機のアイスを食べてまたとんぼ返り。

帰りはずーっと岸ベタで、浦賀の湾では渡し船を見送ってからきをつけて渡る。燈明崎でもちょっと上がって、夏休み感に溢れたくさむらに入っていくと、頭からなにか泡が抜けていく気がした。

残りものんびりと漕いだらちょうど良い感じに家の浜についた。舟を洗って片付けたら、前の家に移動して、引っ越し荷物を家の外に運ぶ。隣の家で飼っている犬が、荷物を担いで前を通るたびにワンワン吠えて静かな街に響いた。大先輩の車を迎える場所で荷物を置いて、手ぶらで帰る時には吠えないけど、大きな荷物を持って出ていくときは、なんだか調子良く、何度前を通っても吠えた。

ちょうど最後の荷物を道に出し終わったところに大先輩の車がやってきた。ドンピシャ。後ろにスクーターが追いかけてきて、レジェンド先輩が一緒に手伝いに来てくれたようだ。車の中からは大先輩の他に、隠岐ノ島に一緒に漕ぎに行ったヒーロー後輩が降りてきた。三人の手伝いを得て車への積み込みが一瞬で終わり、車組は引っ越し先まで一緒に来てくれて荷下ろしも簡単にすんだ。大先輩とヒーローの二人にお礼をいって別れ、日が落ちてしばらくの間、部屋の中に持ち込んだ荷物をあちらにこちらに動かしてなんとか落ち着いたら今日の仕事が全部すんだ。

これで三浦の両側にベースができた。夏の暑い日差しの中、真っ白な走水の堤防が思い出される。東京湾楽しみ。カヤック楽しい。



















2022年4月3日日曜日

20220402 桜の咲く頃に

桜前線に気持ちが浮つくのは避けられず、そわそわするけど、身の回りも中々慌ただしくて、少しずつでも、締切のある事柄からつぶしている。

そのうちの一つが引っ越しで、中でも自艇を動かさなきゃいけない。週末で動ける日で海況が良い日なんてそうそうないから、良さそうなこの土曜は逃せない。

朝起きて舟をカートに乗せ、コロコロ引いて近くの磯の狭い浜に舟を下ろす。持ってきたカートや街着はハッチに仕舞い、引越し先に向かって漕ぎ出す。

ここから出るの、好きだったなあ。岩と岩の隙間に入り込んで、人目を気にせず支度ができた。夏でも虫もいないし。でも、近くに大きなマリーナが出来てて、これからこの辺も開発されちゃって、舟出せなくなるんだろうか。心配だなあ。

それにしても舟が重い気がする。思い返すと、前回はキャンプでシェア艇借りて乗った。荷物は満載だったけど、ここまで重かったかなあ。引越し先は20キロ以上先。まああいいか。

今日は大先輩が花見ツアーをしてるはず。合流して近場を一緒に漕いで、風が落ちてくる昼近くになったら引越ソロツアーに切り替えよう。

そうして網代崎を回り込んだら湾内にちょうど大先輩組が見えた。数えると、十艇超えるグループがこっちに向かってくる。すごーい。久しぶりの面々もいる。挨拶したり、近況を話しながらまた湾を出ていく。花見はすぐ近くの油壷で、何本かの桜が水面近くに満開だった。のんびりと浮かんで堪能したら、ゲストの皆さんはもう漕ぎたい。みんな距離を出したくてウズウズしてそうだ。

じゃあ海も良さそうだし、赤羽根でも行きますかと諸磯にでできたら、別のカヤックグループが北から油壷に入ってきた。こっちも十艇を超えるグループだ。海上散歩には最高の日だものね。挨拶をしてすれ違う。

諸磯は潮が低くて低くて、中は通り抜けられない。サザエ島の横を抜けてまっすぐ、その後も淡々と赤羽根まで来た。

ここで皆はお昼に上がる。僕は手を振ってそのまま安房崎を越えていく。途中、漕ぎたりなさそうなイケメン後輩が安房崎まで一緒に漕いでくれた。そこから先はソロで剱埼を越え、ひと気のない雨崎を越え、金田の漁港まで来たら、道の桜がとても見事で、つい吸い寄せられてスロープ脇の岩場に船を上げて桜を見に行った。

その先の、海からも見れるかと思ったけど、道は海からは少し距離が有ってむりだった。それで戻ってきたらスロープの軽トラの人が、不思議そうに波打ち際のカヤックを見にでてきた。

歩いてきた僕がカヤックの人だと気づいて声をかけてくれる。舟だけあったから、無人で打ち上がったかと気にしたそうだ。気をかけてくれてありがたい。金田で定置網をしていた漁師さんで、もう漁師仕事は終いにしたけど、廃業のときには産廃業者まで網だのロープだの、自分の軽トラで四十往復したと話してくれた。ほっぽらかして逃げる漁師も全国的に多い中、ちゃんとやったと誇らしそうで、立つ鳥跡を濁さず、気持ちいい話を聞けた。他にも年を聞かれ、答えると今が男盛りだねえとお互いニヤニヤして挨拶してまた漕ぎ出す。そう言えばさっき、小躍りして走り出す先輩に、いま引っ越ししてると話をしたら、その家使って悪さするんでしょうとニヤニヤされた。その先輩の悪さって何なのかまた今度キャンプの機会にでも、ゆっくり聞いてみたい。

さて、ここらから先はだらついた浜が久里浜の煙突までずっと続く。ゴールの浜に目星をつけ、ベタベタに凪いだ海を静かに進む。右にも左にも陸地があって、湾の中だなあ。反対側は空が霞むと伊豆半島が見えなくなるけど、こっちは房総半島がいつでも見えそうだ。渡ってご覧とカマかけられてる気がするね。

そうして引越し先の浜についた。


舟の中からカートを出して、少し短くなった距離をコロコロして家についたら、舟やら服やらを洗って片付けた。

こんどの家は東京湾、クラブでは相模湾。三浦半島両側漕ぐ構えとなって楽しみ倍増。こっち側は久里浜から猿島あたりまで漕ぎがいが有りそうな場所だ。カヤック楽しい。







2022年3月22日火曜日

20220320 - 21 春に三日の晴れなし

何年か前に、伊豆半島を二泊三日で西から東にくるりと回った。その時に大先輩が「春に三日の晴れなし」と言ったのずっと覚えている。そのときは、実は三日ともに暖かくて穏やかで、石廊崎を回るときでさえ何の苦もなく、のんびりとした当たり年だった。

今年は言い習わしのとおりに低気圧が次々にやってきて、近場の三浦でキャンプの予定で、天気、海況がどうなるかだいぶ気をもんだ。

裏を返せば荒天も続かない。二日間はなんとかなって日曜月曜でみんなでキャンプにでられることになった。

朝、最寄りの駅で大先輩の車に集合し、スーパーで一泊二日の買い出しをする。二日と言っても、夜と朝ごはんの実質二食だけ。あれもこれも買いたくなる気持ちを抑えて車に戻る。

クラブハウスで荷積みをおえて、重い舟をみんなで入江に浮かべる。食料は少ないけど、テントなどの荷物は何泊でも変わらない。パドルの重さで気持ちも切り替わる。今日は浜でゆっくりと過ごすのが目的。漕ぐ距離はほんの数キロで構わない。

とりあえずは、いつもの横瀬島を目指して漕ぎ始める。なんだかうねりが大きい。南岸近くを低気圧が通過したあとだから、風は北寄りでもうねりが残ってる。近場のポイントを堤防からの出掛けに眺めてみたら、SUP とサーファーがもうポイントに入ってる。ニセコ先輩は先に出ていて、おそらく波遊びポイントを探してあちこち日帰りで回るつもりだろう。

僕らキャンプ組は五人。南に向かって進む。うねりの影響は大きい。長津呂崎から赤羽根海岸までのいつもの隠れ根地帯はことさらだ。その先の東風崎沖の灯標あたりもそうだった。大きい落差に加え、なんだかピッチが短い気がする。ちょっと若狭で感じた日本海のうねりを思い出した。

いつもと違う雰囲気と舟の重さが相まって、遠くで漕いでいる気分。口数も減ってそれぞれの漕ぎに集中しつつも、なんとなく舟はまとまって進んでいく。

そうして当初の目的地についたら、すでに先客が何組かいた。バイクや四駆で入ってきてテントを立ててある。まあそうだよね、もうここは無理だよねと針路を変えて、なんとか自分たちの浜をみつけて舟を上げた。


まだ日は高い。ここから自由時間。寝る場所を好きに確保して、三々五々に作業が一段落したらお酒を持って自然と集まる。大先輩はいつも最初に支度が済んで、というか全部済ます前から取り出して、みんなを待ち受けている。

そうやって集まりだしたら色々な話で時間があっという間にすぎた。以前いったツアーの話、特に去年の成生岬を回った時の話は印象につきない。

風はないのに、日本海の変なうねりが岩場に打ち返し、わりと厳しい海況で成生岬を目指してた。海図には灯台の印があって、それを目指して次々とでっぱりを回り込んでいくのだけど、いっかな灯台が見えてこない。

大先輩は、海図を読み間違えたかな、この海況でどうしようとヒヤヒヤしながら、大きな岩場を回り込もうとしたら、下から遠くに見上げた梢の隙間に、角度で灯台の影がちらりと見えた。ああ良かったと岬を回り込んだら、海面が静かになって、大きな入江がいくつも折り重なる湾に滑り込んだ。後で調べたら、キャンプに上がった場所は昔ながらの風待の入江だったそうだ。

そこでは、狭い波打ち際のゴロタに舟を繋いで荷物を持って上がり、一段上の平らな地面に高層テント場を作って過ごした。今日は三浦だけど、気分は遠くの浜でいるみたいだ。

そうしてカヤックに関係有ったり無かったりの話をとりとめなくして風が強まってきた夜更けにお開きにして寝た。

夜は風が吹いて、結露を嫌って全部メッシュに開けて寝たテントではさすがに寒く、夜中にゴソゴソと締め切ってそれからは暖かく朝まで寝た。

帰りも大した距離ではないので、のんびりと起き出し、遅い朝ごはんをゆっくりと食べ、ゆっくりと支度をしてから追い風に乗ってビュンビュンと帰って舟を上げた。道中、昨日の余韻を味わってまた口数は少なく、しばらくはお預けの重い舟の漕ぎ味を名残惜しんだ。

こうやって一泊でもやってみると、色々課題もみつかる。これが連泊で、しかも一週間を越えてくるとどうなのか。何かを増やしたら、何かを減らさないと積み込めない。どこでバランスさせるか考え直して、次の遠征に備えよう。カヤックをどこまでも漕いでいくために身につけるスキルの一つ、それがキャンプ。


















2022年3月19日土曜日

20220312 ちょっと三浦まで

やっとやっと漕ぎ日和。ちょっと漕ぎましょうと三浦に出かける。ウズウズしていた筋トレ後輩とクラブで待ち合わせて。

一足先に支度して先に浮かぶ。昨日まで吹いてた風で波があるかと期待したけど、近場のポイントにはなかった。久しぶりだから体力温存。近場の浜と俺の浜で行ったり来たりして、流木をあちらからこちらになど移す。

その後しばらく、湾内に戻りながら浮いてるゴミを拾ったりして、舟をちょこちょこ動かして水の感触を楽しみながらしていたら、後輩とオサレ同期が出てきた。

同期は北に立石を目指すという。湾口の堤防で分かれて、後輩と僕は剱埼を目指す。追い潮、追い風、ビュンビュン飛ばして、あっという間に剱埼まで来てしまった。内心雨崎くらいまでは行ってもいいかなと思っていたら、後輩が三浦海岸まで行きますか、といった。

何週か前、後輩は大先輩のツアーで八景島から三浦海岸、というか菊名海岸まで漕いでいる。なんとなく、そこまで行きたくなったんじゃないかな。その気持ちよく分かる。そこまで行けば、小網代から八景島までが気持ちの中でひとつながりになる、そんな感じ。

ただ、そうすると往復36キロほどになる。なんとなく、30キロを境に漕ぎが変わる気がする。でも、今日は海況は申し分なしだし、問題ない。行きましょう。

そうはいっても、今までの筋トレペースでは流石にやりきれないと思って、ここからは歩くペースに変えた。それに、ここまで追い潮だったけど、東京湾北上は向かい潮。澄んだ海の底から立ち上がるホンダワラが、こっちに向かって長くたなびいている。

久しぶりの雨崎は暖かくなったからかとても賑やかだった。

雨崎から菊名までは油凪。のっぺりとした海面の下はホンダワラの林で、自分が小さくなって水草の金魚鉢の中みたい。このダレる区間も下を向いてたら飽きなかった。

菊名についたら気が済んだ。後輩は浜に上がりもせずに引返す気満々。くるりと背を向けて、横瀬島まで漕ぎ戻り、そこで舟を上げて昼ごはんにした。

横瀬から小網代は体が距離を分かってる。いつものペースで漕ぎ戻り、満足して入江に滑り込んで舟を上げた。

クラブには先に二人が仕舞仕度を終えていて、同期は立石までは行かず、手前で折り返して俺の浜でのんびり、あとから出ていたしっかり者の後輩は、赤羽根でのんびりして来たそうだ。

釣りのお兄さんもボートを洗っていて、いい時期の鯛が3枚釣れたと、桜色のうろこに青の点々が光る桜鯛と嬉しそうな笑顔を見せてくれた。

支度を終えて、後輩の昼飯は食パン3枚、ちょうど腹が減ったとかで、帰り際に焼肉屋さんに寄って疲れた体を労って帰った。これからどんどん暖かになる。漕げるうちにバンバン漕ごう。

2022年2月26日土曜日

エクストリーム昼寝 ///ひいて。ためて。がくい

週の真ん中のお休みの日、ばっちりの海況。大先輩のツアー組が、八景島から出て三浦海岸まで漕いでいく予定。

残念ながら朝から野暮用があって参加できないのだけど、お昼ごろに少し動けるので、ツアー組の昼休憩に合わせてちょっとでかけてみようと思って、昼寝の準備をして観音崎に向かう。

まだ昼には余裕がある時間についたので、浜を見張れる場所に寝袋を広げて、青空を見ながら昼寝をかこつ。うとうとしながら、目があいたら浜に目をやってカヤックが来てないかさざ波を眺めてまた目をつむる。

そうして、昼を回り切った頃にみんながやってきて浜に舟を上げた。寝袋なんかを片付けて浜に降りていき、昼ごはんを食べているところで海の様子など話をする。

やっぱり八景島から出たすぐのあたりはガチャガチャした波でエキサイティングに漕ぎ抜けてここまで来たそうだ。ここでちょうど真ん中。あと半分頑張ってー。

まだ先があるので昼を食べたらまたすぐに海に浮かぶ。久里浜の方に向かって進んでいくみんなを見送った。

2022年2月20日日曜日

20220220 春の波

日が出たら雨が止む予報だったし、日中気温も上がりそう。太平洋の沖の方は西風が強く吹いてて、それがいつ三浦まで押し上がってくるかな。遠出はできないけど、雨の隙間をのんびりでかけて、さっと上がるつもりででかける。

沖で西風が強く吹くときは、うねりが入ってきて波で遊べることがあるから、近場で遊んで風が出てきたらすぐに帰ろう。

そうやってでかけて来たら、後輩が一人すでに朝から出ていて、僕の仕度が終わったところに戻ってきた。挨拶をして、風と波の様子など聞く。この後輩は元々サーフカヤックからシーカヤックをやるようになったそうで、ヘルメットをかぶって戻ってきた。

まだ風は無いとのことで、自分もヘルメットをしていそいそと出かける。近場のとこにはすでにSUPがいたので、そこは外す。うねりはいい感じにある。

狭い岩場のポイントにもサーファーがもういるだろう。そっちはやめて、逆方面に漕ぎ出す。灯台の入江からするりと抜けた先の岩場は波が右から左から崩れてきてる。いい感じ。

目印にしている三本岩から内側に乗るのが普通だけど、今日の波のサイズでは無理だった。潮が低くて、バウを底まで刺して舟を壊しそう。逆に、その手前のスペースから灯台に向かって大きなうねりで遊べた。波も早く、浅場に波が立ち上がる前に逃げるようにして何本か遊んだ。

崩れ波でずぶぬれになるけど、雲の晴れ間が増えてきて日差しが暖かい。日差しの中の春を体の芯で感じる。

少し乗れなくなってきたので、場所を変えようと漕ぎ出したら、荒井浜の少し沖にある岩場にいい波が入っている。ここはいつもは波が厚くて乗れないのだけど、だいぶ潮が引いていていいサイズの波が押してくれる。

きれいに立ち上がる波で何本も遊ばせてもらう。力がある波で、崩れ波で沈すると、体が、ブレーキにもならず、そのまま白波に引きずられる。白波の中ロールして上がるけど、そのままブレースで持っていかれる。楽しい。

もう一度近場を見に戻るけど、干潮一杯がお目当てのSUPはまだ帰らない。まあそうだろうね。代わりに、俺の浜でとろりとした波でいくらか遊んで、ちょうど良い時間になった。

春の青空を見上げながら、のんびりパドルを回して湾に戻り舟を上げた。思ったとおりに海況が決まるとしてやったり。最後は刺身定食でも食べて帰ろう。


20220212 長者

三連休中日。ここだけ漕げる日ということで、舟を出す。筋トレ後輩もいそいそと出てきた。クラブのツアーで、真鶴を出て岸沿いに小網代まで何日かかけて戻ってくる予定があって、後輩はそれに申込んでたのだけど、生憎の天候でそれは無しになってしまった。秋にまたやるみたいだから、次のチャンスに。

二人で仕度をしていると、ニセコ先輩も来た。3人で一緒に長者を目指す。出てすぐは北からの風が少し残ってたけど、それも気持ちいいくらい。晴れた佐島のキラキラは南国感が一杯で
、もりもり漕いでいた手がしばらく止まる。その先も快調にこいで折り返す。道中たくさんのカヤックグループを見た。

戻りの岸ベタは波を探しながら。久留和手前の砂浜はSUPも消えて、ツルンとした波がゆっくりとうねっている。厚くて乗れないのんびりとした春の海になってきた。

先輩は道中立石で昼にするというので一度別れ、後輩と僕は一気に俺の浜まで漕ぎ通す。二人はこっちで遅い昼を始め、あちこち波で寄り道しながら戻ってくるだろう先輩を昼寝しながら待つ。

気がついたら、俺の浜に入る波で何本か遊んだ後、先輩が浜に上がってきた。更にのんびりして3人で一緒に帰って舟を上げた。

先輩は最後に出るときも波で何本か遊び、今年初漕ぎというので、ついでに何回か波に回って新年の潮を浴びて気持ち良さそうだった。


船を片付けている間もだいぶ日が伸びた。昼日中の日差しの感じも春を感じる。また一つ大きな波が過ぎれば色々動きやすくなるかな。


2022年2月5日土曜日

エクストリーム昼寝 ///みとれる。てびき。とうぶん

西風がちょっと強い。そんな日は昼寝に限る。
今日は街なかの公園じゃなくて、自然な海のそばで。

そのうちに南の方から低い雲がやってきて、遠くの鉄塔が灰色にかすんだ。おひさまの向きもわからないようになって、寝袋の中は暖かいんだけど、雨がぱらついたらかなわないので引き上げる。

2022年1月29日土曜日

20220129 曇りのち晴れ

 先週に引き続き、筋トレ後輩と朝早くに出かける。昨年からの房総での波遊びと、先週のタタラ浜での出入りなど、最近コックピットに砂が入りまくっていたので、久しぶりに念入りに水で流す。

薄い舟はペダルがなくて、そのかわりに隔壁の奥まで硬めの発泡スチロールが何枚か重ねて詰めてあって、そこに足先を踏むようになっている。必要に応じて、枚数を足したり引いたりして、好きな厚みに調整できる。コックピットに浮力体が詰まってるわけなので、水の入る量も少なくていいのだけど、砂がはいるとハルと発泡スチロールの間に砂が入ってなんとなく気分が良くない。

朝一緒にきた後輩がゆっくりと朝ごはんを食べている間、そのスチロールを全部抜いてコックピットからしっかりと砂を抜いた。ああ、さっぱりした。

そういえば、大先輩はクラブ艇を洗っている時に、コックピットに入っている砂の量で誰か沈したな、とか、砂の色で、あ、別のところでまた沈したな、とか色々察しているみたいだ。確かに、横瀬島なんかは細かい貝殻が多いし、赤羽根あたりは黒い粒々した砂利が多いな。房総の浜は細かい明るい砂で、すぐにひっつくから厄介だ。


支度を終えて後輩と二人で浮かぶ。大先輩組は赤羽海岸で昼にするというので、その前に二人で剱崎まで往復しようと漕ぎ出す。今日は昼までは少し北東の風が残る予報だ。長津呂崎までは追い風で飛ばせるけど、そこを回ってからは東成分の追い風、安房崎からは北東風との真っ向勝負。いいでしょう、漕ぎましょう。

予想どおりの海況をたんたんとこなし、安房崎からはバウで跳ね上げた風波を浴びながら剱崎までついた。ここから先の東京湾はさらに風波が強まってザブンザブンと外に流れている。ここまではしっかりパドルに力を入れて漕いできた。帰り道は少し岸寄りに、追い風にまかせて軽く回して帰る。


正午前には赤羽根につけるかなと安房崎手前まできたら、前からカヤックが四艇見えた。スリムな先輩、オサレ同期、雰囲気イケメン後輩、真面目な後輩だ。寄って行って六艇になる。先輩が「横瀬島まで行くけど、くる?」「いくいく〜」といことで、そこからもう一回横瀬島往復。一往復目よりもはっきりと風が弱くなったのを感じながら、同じように漕いで行った。向こうに見える房総半島からは、横に筋をひいた雲が青白の模様で何段にもなっていた。

そうして六艇で赤羽根海岸まで戻り、先に浜に上がって昼休みをしていた大先輩組に合流し、コーヒーやみかんをご馳走になる。低かった雲もだいぶ晴れて、青空からの日差しがとても暖かい。赤羽根に上がる時に降り沈しずぶ濡れになった服もすぐに乾いた。あー、気持ちいい。

十分にのんびりしたら、さらに落ちていく風と波の中をのんびりと帰る。今日はとても潮が澄んでいて、冬のカヤックの醍醐味。日差しと運動と外海の暖かい綺麗な潮で足先、指先までポカポカしてくる。さっぱりして小網代に戻って舟を上げた。

あ、また長者に行かなかった。2月になるけど、ちゃんと行こう。






2022年1月22日土曜日

20220122 予定変更、東京湾へ

新年のお参りは七福神ともう一つ。北の長者にまいる。これはどこかの神社というわけではなく、長者の浜に少し時間をかけて舟を浮かべたい。

筋トレ後輩も漕ぐというので、時間を合わせてクラブハウスにやってきた。支度を始めたところに大先輩がやってきた。今日は東京湾方面を漕ぐツアーがあったのだけど、参加者のキャンセルが出て、大先輩ともう一人だけになったのだそう。

そういうことならと、急きょ僕らも東京湾に参加することにして、しめて四人の舟を車に積んで出発。集合場所の駅でもうひとりの後輩を乗せて、観音崎のたたら浜で舟をおろしたらいざ猿島!

観音崎から猿島までは北東の風のもろに風表。岸壁から返す波はなかなか手ごわい。バウが突っ込んだ波の飛沫を浴びながら猿島にパドルを進めていく。一時間半ちょっと漕ぎとおして、猿島をくるりと回った。

今日は風はあるけど日差しが暖かい。のんびりと漕いで次はどこに行こう。そうだ、記念艦の三笠を見に行こう、ということで猿島の対岸を目指す。菊が金ぴかに光る三笠の船首を見上げながら、身の丈に合った手漕ぎ舟の自由を味わう。

ここからは岸沿いに漕ぎながら、舟を上げられそうな場所を物色する。横須賀にはうみかぜ公園という素晴らしい公園があって、水辺に降りれる階段が作られているのだけれど、ここは SUP・カヤックなどの出し入れは一切禁止になっている。残念で仕方がない。使わせてくれるなら移住したいくらいだけれど、なぜか行政とは思いがすれ違うなあ。

横須賀から馬堀海岸まで進んでくると風もだいぶ落ちてきて、東京湾っぽいガチャガチャした波がなくなってきた。すいすいと漕いで走水水源地の前を通る。このあたりからは随分水も澄んで、都会の生活の匂いもいつしか消えていた。ここから南が三浦半島東側で一番好きなところ。旗山崎を回り込んだところで休みを挟んだ。

すいすいと漕いできたので、出発したたたら浜を通り過ぎて燈明堂まで足を伸ばしてしまう。大先輩は駐車場に新しくできた屋根が心配らしい。みんなで見に行って、車の上に積んだカヤックが屋根に当たらないか、手を伸ばして高さをあーだこーだした。

ここからたたら浜までは日没との勝負。かもめ団地に沈む夕日と、半分だけまだひかるたたら浜を交互に見ながら漕いで、日没前にすべりこんだ。

距離はそんなに出てないけど、じんわり筋肉痛が出るくらいには漕いだみたいだ。長者はおあずけになったけど、急な予定変更に感謝。東京湾漕ぐのも楽しい。

2022年1月8日土曜日

20220108 三浦七福神

新年の恒例行事といえば、三浦七福神のお参り。去年は一人で回ったけど、今年はクラブのみんなで回れる。ちょっとずつでも前に動いているね。

三崎の駅で大先輩の車に集合して、1福神目は車で回る。声を出したり笑ったりしないよう、立て看板が出ているお寺だ。人差し指を口に当てて目くばせしながらお参りの階段をみんなであがり、それぞれの今年のお祈りをささげた。

そしたらクラブまで動いて支度をすませ、2福神目の白髭神社で一番のお賽銭でお参りをしたら、いざカヤックを大先輩の車に積んで菊名海岸。行程が慌ただしいのはこのツアーならでは。

菊名海岸では、ちっこい後輩が家族で見送り来てくれた。浜に手を振りながらバラバラと漕ぎ出す七人のカヤッカー。ちょうど数字が合う。誰がどの神様かな。大先輩は積極的に布袋様を選んでた。

午前中はまだ北風が強い。風と波を後ろから受けながら飛ばす。漕いでいる間はいいけれど、雨崎の手前でお参りに上がるのに、ちょっとめんどくさそう。砂浜に斜めに波が入る中、だれも沈せずに上手に上がれた。

とことこと浜から道に出て3福神目をお参り。僕らの前には、走って七福神を巡っているグループがいて声をかわす。僕らはずっと海抜0だけど、陸で回ると登って下がって走るの大変そうだ。

また舟に戻って海の上。また追い風でほいほいと飛ばし、剱埼を回って風裏に入ると途端に波が落ちる。横瀬島の向かいに上がり4福神目の毘沙門さん。ここは筋トレ後輩で決まりだろう。ついでにお昼の休憩をとる。ここまでは順調順調。波はあったけど、この先も長津呂崎を回るまでは追い風だろう。その頃には風も落ちてくる予報だし、万事順調だ。

はたしてその予想とおりの穏やかなあ海況で長津呂崎を回る。ツルツルした海面だけど、予想外のうねりが上がり下がり。

三崎の堤防を回って二町谷の方で舟をあげる。ここで5、6福神目を2つ回る。三崎の細道をカヤックウエアで練り歩いて戻ってきたらまた海の上。ここで3時、残るはあと一つ、黒崎まで。どうやら今年も全部回れそうだ。

ぺったりと凪いだ良い海をのんびりと漕いで、黒崎の向こうに舟を上げる。開発がされないままのだだっ広い空き地を抜けて七福神目を回った。あとはクラブに戻るだけだ。

黒崎からの戻りがてら、三戸浜の沖あたりで日が沈む。みんな思い思いの場所で手を止めてそれを見ながら、日が沈み切ったらまた手が動き出す。穏やかな海をゆっくりと漕いで、っと思っていたら、ちょうどいつものポイントで波が入ったので大先輩とダッシュして初乗りは逃さない。

良い海、夕焼け、波乗り。三浦の全カヤッカーの無事をお祈りして、今年も良いカヤックとなりますように。