小網代の森カヌークラブ (パドリングウルフ) で毎週末誰かしらと一緒にシーカヤックを漕いでいます

2018年12月8日土曜日

20181208 セイリング

最近、周りの知り合いに何人か、セイリングが趣味の人がちらほらといて、話を聞いているうちにやってみようということになって、その内の一人に誘ってもらって一緒にやりにいくことにした。土曜大潮。風は強くなく、絶好のカヤック日和な気がする。小網代の方では、みんな漕ぎにきて賑やかなようだ。まあ、僕は日曜にしよう。

あらかじめ若州ヨット訓練所の初心者コースに申し込んであり、受講料の7000円を握って受付の事務所に行く。朝の9時から16時まで、着替えだけ持っていけば道具も一式貸してくれてなんの準備もいらない。知り合いは一人でも乗れるのだけれど、僕に付き合って一緒の講習を受けてくれる。二人乗りの舟にもう一人、先生が乗って三人乗り。

舟を浮かべる手順は、まず陸上で艤装のチェック。帆を取り付けたり、保管状態の道具から乗る状態へと準備する。それができたらスロープから水に浮かべ、桟橋までの少しの距離をオールで漕いでいって桟橋に固定してから、実際に帆を上げて桟橋を離れ、広い水の上に出ていく。若州の場所は荒川の河口で、東京湾の一番北の奥。河口の潮の流れはあるけど、波はそんなにない。風もない予報だから練習にはちょうど良さそう。

その間に参加者のみんなで集まって準備体操をしたり、僕らは小一時間を陸上練習に費やしたり、訓練所という名前にふさわしくシステムがしっかりしている。実際、一日のはじめは講習室にみんな集まってのブリーフィングがあり、気温、水温、潮、風などを確認してから外に出て動き始める。

設備も人もシステムもどれもしっかりしてる。事務所にも人がたくさんいて、こういうところで舟の整備とか受付をしながら、毎日水をみて暮らしたいなとふと思った。仕事の合間にカヤックを浮かべてそのあたりを散歩できたら最高じゃん。


知り合いと二人で着替えをすませ、自分が乗る舟のところまでいく。教えてもらいながらやるのだけど、艤装チェックでいきなりわからない。ヨットは複雑で道具がとても多い。カヤックならペダル、パドル、ハッチをチェックしたらもう水にでていけるけど、ヨットはあっちとこっちをつないだり、あれをとりつけたり、これを取り付けたり、覚えることがカヤックの何倍もある。新しいことを覚えるのはとても面白い。

そうしてチェックが終えると、舟は一旦おいておいて次は陸上での訓練。動作を4っつ覚える。目的はどれも同じで、片側から反対側に帆を切り替えることなのだけど、風上に向かって切り替えるタックと風下に向かって切り替えるジャイブで2つ、それにスキッパーとクルーで役割が2つあって、掛け算で4っつの動きになる。

足元のごちゃごちゃした舟をあちこち動いて、ぎこちなくもなんとか落ち着いた。正直ここまでで午前中終わるかと思ったけど、僕の知り合いが乗れる人だからか、インストラクターがあとは水の上での練習という感じになっていよいよ舟を浮かべて桟橋につける。ここでもバウのもやいロープを投げたりと、期待される動作がいろいろあるけど、僕は完全にお客さん。カヤックを始めた頃を思い出す。


いよいよ舟を出す。三人が乗り込んで帆を二枚はり、風だけですっと桟橋を離れて広い水に出ていく。この瞬間はどの舟も同じなのか、とても気持ちがいい。すーっと滑りだす水面や、そこに舟がゆっくりと起こすさざ波を見ながら、今まで止まっていた息がふぅと一息、肩の力と一緒に抜けて、海に戻ったワクワクが頭までじわりと滲み上る。

そこから先はガチャガチャしたイメージのツギハギしか残ってない。自分が何やってるのかもわからず、周りの景色も見えず、ただ先生の言われるように持っていた棒を動かし、紐を引いたり離したりし、左右に動いてあちこち動いて帰ってきて昼ごはん。


午後もまた舟の上。風は強すぎず、それでも帆が風を受けると舟がとても傾く。下側のガンネルが水面をこすりだすと、先生も場所を動いて三人でバランスを取る。舟の下に突き出たバランスボードが水流で細かく振動して、動力船みたいなブーンという音を出す。ハル自体も揺れて音を出しているそうだ。そんだけ早く動いてるんだなあ。


他の講習生の人たちはレースをしているけど、僕らは気ままに目標を定めて、あっちのブイまでいったら次はあっちの鉄塔、また次のブイなど、適当に動きやすい方向に舟を走らせて遊ぶ。その間にも舟を左右に切り替えたり忙しい。最後の方には舟の傾きにも気にならなくなって、風をはらんだセイルを紐で引っ張って踏ん張るのが楽しくなってくる。上を向いたら白い帆と青い空がきれいだった。そうして3時ころになったら桟橋に戻って帆を畳み、オールでスロープまで戻って舟を上げた。水で洗って舟を仕舞支度し、最後に先生と今日の振り返りをしたらおしまい。とてもお腹が空いた。

最初ぼんやりと考えていたのは、いつもはカヤックを漕いで、漕げないくらい風が強い日はヨットで遊べたらいいじゃないと思ってたけど甘かった。だいたい 10m/s までが快適ゾーンで、それを超えると舟のコントロールがどんどん難しくなっていって危険みたいだ。なにげにカヤックで遊ぶ範囲とモロかぶり。

それでも、向かい風をタックを繰り返しながら登っていくのはとても楽しかった。。風を使ってる感じがする。意識が100% 風に向く。ただ、難しい。真横に動くこともままならない。エンジンなし、パドルなし、風だけを頼りに動かなくちゃいけない。自分一人で桟橋につけられるようになるにはどのくらいかかるんだろう。

あと、風を意識するけど水はあんまり意識しない。というか水が遠く感じた。やっぱり、カヤックの水が近い感じは独特だな。カヤックは舟という点からみるとすごく異質というか、一番水に近い舟なんだと思う。水で遊びたいときカヤックをして、風で遊びたいときはセイリングをしよう。凧揚げじゃなくて。そうしよう。

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